令和6年11月20日教育長記者会見における質疑応答
日時:令和6年11月20日(水曜)
場所:県庁10階 教育委員室
発表事項:県立高等学校教育の在り方~長期ビジョン~(最終案)について
質問事項:教員採用試験の受験者確保対策について
質疑応答
(教育企画室)
ただいまから教育長記者会見を始めます。
本日は教育長から発表があります。
(教育長)
県立高等学校教育の在り方~長期ビジョン~(最終案)について、発表いたします。
県教育委員会では現行の新たな県立高等学校再編計画の終期を見据えて、次期県立高等学校再編計画の土台となる県立高等学校教育の在り方の検討に取り組んでいるところです。
令和5年6月から令和6年9月の1年3ヶ月の間、外部有識者を構成員とする「県立高等学校教育の在り方検討会議」におきまして、10年・15年先の県立高等学校教育が如何にあるべきかについて検討を重ねてまいりました。
令和6年5月に、県立高等学校教育の在り方の中間まとめを基に、6地区8会場におきまして「県立高等学校教育の在り方に関する地区別懇談会」を開催いたしまして、各地区各界の方々から御意見を頂戴し、検討会議における検討の参考とさせていただいたところです。
検討会議終了後は、教育委員会内で検討を重ねまして、この度、県立高等学校教育の在り方~長期ビジョン~(最終案)を取りまとめましたので、発表いたします。
この長期ビジョン(最終案)は、将来を見据えた岩手県の高校教育の基本的な考え方としまして、まず、「持続可能な社会の作り手となる人材の育成」、「高等学校の多様化に対応する教育環境の構築」、「教育の質の保証、教育の機会の保障」、「地域や地域産業を担う人材の育成」、それから「大学進学率の向上や専門的知識を持つ人材の育成」を5つの柱として整理し、学校の在り方、学びの環境整備、配置の考え方、教育の充実の方策の各項目において「ビジョン」を示しております。
今後はこの最終案を基に、パブリック・コメント、県民説明会、子どもからの意見聴取等を実施しまして、広く県民の皆様から御意見を伺い、長期ビジョンの策定に向けて考慮させていただくこととしております。
なお、長期ビジョンの策定については、今年度(令和6年度)末から来年(令和7年)4月を目途に策定することを考えてございます。
以上です。
(教育企画室)
ここからは、幹事社の進行によりまして質問にお答えする形で進めさせていただきます。よろしくお願いします。
(幹事社)
よろしくお願いします。それでは、ただいまの発表について質問がございましたら、社名とお名前を名乗っていただいて発言をお願いいたします。
(記者)
まず、この最終案ができたことやこの内容について、教育長の所感をいただければと思います。
(教育長)
最終案の取りまとめの経過は申し上げたとおりですが、昨今の人口減少あるいは少子化に対応する教育環境の構築などを踏まえまして、10年・15年先を見据えた本県の県立高等学校教育がどうあるべきかについて、在り方検討会議を中心に議論してきたわけですが、その議論の中では、未来を見据えた県立高等学校教育の在り方の構築のために専門的な見地から様々御意見を頂戴したところでありまして、高等学校教育の基本的な考え方、学びの在り方、学びの環境整備等、様々な項目におけるビジョンづくりを行うことができたと考えております。
また、ビジョンづくりに当たり、現在各校がそれぞれのスクール・ポリシーをもとに展開している特色化・魅力化の一層の推進や、ICT環境の整備や遠隔教育等新たな教育の進め方等についても御議論、御提言をいただきました。
最終案として取りまとめましたが、今後は広く県民の皆さんに、子どもからの意見聴取も含めて広く意見を募りまして、最終的に長期ビジョンとして策定したいと考えております。
(記者)
子どもたちの意見聴取という点をかなり強調されましたけども、どういった形でやられるかというのはこれまで発表されていましたでしょうか。
(教育長)
少し具体的な内容について説明させていただきますと、一般の県民の方にはパブリック・コメントという形で制度化されたものとして行いますが、このパブリック・コメントの一環として子どもからの意見聴取を実施するという考え方です。対象は小学校5年生から高校3年生、これは特別支援学校や私立学校なども含みます。期間は、冬休み期間も含めて12月23日から1月24日の約1ヶ月間です。回答手段ですが、ICTを活用したオンライン調査を実施したいと考えております。そのために、長期ビジョンの小中学生用の概要版なども作成するとともに、チラシも作成して御覧いただくこととなります。回答方法としては、テーマを複数選択していただき、そのテーマに対する意見を書いていただくスタイルで進めたいと考えております。
(記者)
子どもたちの意見募集について伺いたいと思うんですけれども、こういった長期ビジョンについて、子どもたちの御意見を募集するのは初めてかと思うんですが、そういった取組の意味と、子どもたちに「ぜひ意見を寄せて欲しい」というようなメッセージといいますか、呼びかけがありましたらお願いします。
(教育長)
実は初めてということではなくて、子ども基本法が策定されて、子どもの意見表明権がうたわれたということで、昨年度(令和5年度)、「岩手県教育振興計画(2024~2028)」の策定作業に当たった際に、小学校5年生から高校3年生まででしたけども、令和5年7月25日から8月25日ということでの夏休み期間中の1ヶ月間で意見を伺っています。これもICTを活用したオンライン調査でして、この際には4000件弱の御意見をいただいて、これを計画に反映することができましたし、子どもたちからも、例えば「自分はこうなりたい、こうしたい」ということも含めて様々御意見をいただき、教育委員会だけではなく全庁からコメントを回答しました。
昨年度(令和5年度)の実績を踏まえて、今回のビジョンづくりにおいても取り組むということです。
(記者)
子どもたちへの呼びかけというか、ぜひ寄せて欲しいみたいなメッセージもお願いします。
(教育長)
いずれこの岩手県の高等学校が、今後、10年・15年先いかにあるべきかということを、まさに今、小学校にいる児童さんや実際に高校生活を送っている生徒さんから、率直な意見を頂戴できればと考えております。
そして、今後の県立高等学校教育の在り方の長期ビジョンを決めていく大事な機会と考えておりますので、ぜひ奮って御応募いただければと考えております。
(記者)
私から2点、9月に検討会を開き、それを経て、今回最終案としたと思うんですが、その9月の検討会議の訂正意見を踏まえて修正されている部分はどのようなところになるでしょうか。
(教育長)
字句の整理や、西和賀高校が2学級校化することに伴う修正が入りましたので、その部分の整理はさせていただきました。詳細については、担当課の方に御確認いただければと思います。
大きく方向性を変えたことは基本的にはございません。
(記者)
素案からの修正はなかったんですよね。
(教育長)
大きなものとしてはありませんが、字句の整理などはしておりますので、何も変わってないことではないです。
(記者)
もう1点ですね、冒頭、今回のビジョンがこれからの再編計画策定の土台となるという話がありました。あらためて、次期の再編計画の策定スケジュールを、今のところ決まっている段階のもので教えていただければと思います。
(教育長)
長期ビジョンは、教育委員会会議の開催に合わせて策定するものですので4月にずれ込むかもしれませんが、3月から4月を目途に進めたいと考えております。
それが決まれば、それをベースに、次期県立高等学校再編計画づくりに入りたいということを考えております。次期県立高等学校再編計画については、来年度(令和7年度)に策定したいと考えております。
(記者)
来年度に着手して、来年度1年間で策定したいということでしょうか。
(教育長)
現時点でそう考えております。
(記者)
技術的な話を教えてください。
この計画自体は教育委員会議決ということでよろしいでしょうか。県議会に示して議決を行うものではないでしょうか。
(教育長)
県議会が議決するものではございません。教育委員会会議で議決するものです。ただし、途中の過程では、県議会にも御説明することになると思います。
(記者)
今回の最終案は、26日招集の県議会の文教委員会などの機会に示す形になりますか。
(学校教育室)
12月議会には提出しない予定で進めております。
(教育長)
パブリック・コメント終了後の3月の常任委員会には報告させていただきます。その後に、県教育委員会会議の終了後の協議等での協議を経て、定例会あるいは臨時会になるかもしれませんが、教育委員会会議で議決するという形になります。
(記者)
3月の常任委員会で示して、その後に教育委員会の協議で揉んで、定例会で決定するということですか。
(教育長)
そうです。協議会等で審議し、その後は定例会で決定するという形になります。
(幹事社)
続きまして、記者クラブからの代表質問はございません。
各社から通告している質問等ございましたらよろしくお願いします。
(記者)
教員採用試験の受験者確保対策について伺いたいと思っております。
今般、論文を試験科目から外したりですとか、3年生から受験可能にしたりですとか、ピアノ等の実技を廃止することなどが示されました。一方で、教員採用試験の受験倍率はかなり低い状況になっています。倍率に対する受け止めと、試験制度改正によって期待する効果についてお聞かせいただければと思います。
併せて教員採用数の増加については、魅力をPRしたり、働きやすい職場づくりというところも必要かなと考えます。このことについても課題と今後の展望について教えていただければと思います。
(教育長)
まず、採用試験の受験倍率の状況に対する受け止めというところですが、本県の教員採用試験の受験倍率が過去10年で今回最低となっておりまして、危機感を持って受け止めております。受験者の減少は全国的な傾向でありまして、その要因としましては、新卒者が民間企業などに流れているといったことも考えられます。また、臨時的任用講師としていた受験者が合格して採用されるケースも多く出てきておりますので、臨時的任用講師の志願者が年々減少してきているということも、一因と分析しております。
それから、試験制度の改正についてです。これは仮称で「大学3年生選考」ということで新設しましたが、これは大学生受験者の4年次の負担軽減を図るということに加え、学生の受験機会を増やすことと、本県教員採用試験申込者の早期確保を目的としております。
また、論文や小学校教諭の第2次選考で行ってきておりました「模擬授業」の音楽で、これはピアノの弾き歌いですが、その廃止につきましては他県の実施状況なども踏まえ、本県受験者の負担軽減に配慮した変更でして、教員になりたいという気持ちを持つ人がチャレンジしやすい環境を整えて、受験者の確保につなげたいというものであります。
今後も採用試験の在り方について、検討を進めてまいりますし、教員の魅力を発信しながら岩手の教育を担う有為な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
それから、教員の働き方改革についてです。まず働き方改革の現状でありますが、近年子どもの抱える課題が多様化・複雑化しておりまして、学校を取り巻く環境が大きく変化してきております。そして、教員あるいは学校に求められる役割が拡大しているわけですが、そういった中で教職員の多忙化が問題になっておりまして、この教員あるいは学校における働き方改革の推進が急務となっております。
こうした状況を踏まえまして、県教育委員会としましては、平成30年度にさかのぼりますが「岩手県教職員働き方改革プラン」を策定しまして、以降3年ごとに改定しながら進めてまいりました。例えば、県立学校におけるICT環境の整備ということで、これは格段に進んできたと思いますし、夏季あるいは年末年始の学校閉庁日の設定、留守番電話による時間外対応など長時間勤務の削減に向けた様々な取組も行ってきているところであります。
働き方改革の課題につきましては、単に長時間勤務を縮減することのみを目的とするのではなくて、教職員の日々の生活の充実や教職員の人生を豊かにするというワーク・ライフ・バランスの向上といった観点から負担軽減や業務改善をし、実感を伴ったより実効性のある改革を進めていく必要があると考えております。
本年2月に、「岩手県教職員働き方改革プラン」の改定をいたしましたが、この改定後のプランに基づく取組を着実に進めていくことで、岩手における教職が創造的で魅力ある仕事だと多くの若者に認識していただき、教職を志してもらえるように、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
(教育企画室)
以上をもちまして教育長記者会見を終了させていただきます。
このページに関するお問い合わせ
岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6106 ファクス番号:019-629-6119
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。