令和6年6月19日教育長記者会見における質疑応答
日時:令和6年6月19日(水曜)
場所:県庁10階 教育委員室
発表事項:なし
質問事項:
(1) 教職員の不祥事について
(2) 県立高等学校教育の在り方(長期ビジョン)について
(3) 再発防止「岩手モデル」について
質疑応答
(教育企画室)
おはようございます。
ただいまから教育長記者会見を始めます。
本日は教育長からの発表はございませんので、記者クラブからの質問をお願いします。
幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。
(記者)
よろしくお願いします。
本日、記者クラブから代表質問ございませんので、各社から事前通告してる質問がございましたら、社名と氏名の後に発言をお願いします。
(記者)
よろしくお願いいたします。私から2点伺いたいと思います。
1点目が教職員の不祥事についてです。先般、再発防止「岩手モデル」を策定されたことと思いますけれども、17日にも3件懲戒処分が発表されました。このように、不祥事や不適切な指導が後を絶たない現状だと思います。岩手モデルの実効性ですとか、不適切指導の根絶に向けて、先生たちの本気度や当事者意識が改めて問われる事態と言えます。不祥事が相次いでいることへの見解と、再発防止への決意をお願いします。また、6月上旬の県の総合教育会議では、岩手モデルで現場の先生たちに求める宣言書について、委員の方から、人事評価ですとか踏み絵のようにならないように、丁寧に進めて欲しいという意見もあったかと思います。宣言書の位置付けや提出の進め方などについて、改めてお考えあれば伺いたいと思います。
2点目県立高校の在り方について、5月に県立高校の在り方に関する地区別懇談会が6地区、8回開かれたかと思います。人口流出ですとか教育格差の拡大への懸念ですとか、小規模校の支援や、進学ニーズ、あとは通学サポートですとか、医学部進学に関する意見が様々出たことと認識しています。各地区で出された意見の受け止めですとか、長期ビジョン策定に向けて今後どのように議論を進めていくかについて教えてください。
(教育長)
まず、教職員の不祥事についてです。再発防止「岩手モデル」の策定を進めていた最中にありましても、教職員等による児童生徒に対する不適切な指導による懲戒処分事案が後を絶たない状況にあり、大変遺憾でありますし、深刻な状況と受け止めております。こうした不適切な指導は、教職員等の人権意識の欠如や指導方法に関する誤った理解などが背景にあると考えており、今後、「岩手モデル」を推進していくことにより、教職員等が、自身の指導のあり方について意識を改革し、児童生徒一人ひとりを尊重した適切な指導方法を身に付けるよう取り組んでいく必要があります。「岩手モデル」の最終目的は、すべての児童生徒が安心して生き生きと学校生活を送ることができるようにすることです。本県におきまして、教職員等による暴力や暴言等の不適切な指導によって、児童生徒のかけがえのない命が奪われるようなことを二度と起こさないことを固く決意し、不適切な指導の根絶に向け、県立学校と県教育委員会、さらには、市町村教育委員会とも十分な連携のもと、一体となって鋭意取り組んで参ります。次に、宣言書についてですが、宣言書は、教職員等全員に、「モデルが掲げる具体的な取組を理解し、児童生徒の人権を尊重した指導を行う旨の決意」をしてもらうものであり、今年度につきましては、7月上旬に県立学校において実施する故人の命日を踏まえたTSUBASAモデル研修に合わせて実施するよう、各県立学校に通知したところです。TSUBASAモデル研修では、県教育委員会が配信する「岩手モデル」の理解を深めるための研修動画を視聴した上で、教職員等全員が宣言書を記載し、校長へ提出することとしているところであり、研修動画において、宣言書の目的などについても、丁寧に説明する予定です。
続きまして、県立高等学校教育の在り方に関する地区別懇談会及び長期ビジョンについてです。地区別懇談会では、お尋ねのありましたとおり、小規模校支援については「小規模校にあっても質を高め、人数が必要な場合は学校間連携をするなどの工夫ができるのではないか」といった意見、通学支援については「統廃合を進める際には、生徒の通学支援の方法などにも配慮する必要があるのではないか」、大学進学ニーズについては「沿岸部と、内陸部の教育の格差が顕在しているのではないか」、医学部進学コースについては「高校生が、地元の医療に貢献する意識を高めるためにもコースを設置していただきたい」、そして、産業人材の育成については「専門高校について、その地域のニーズを高校教育に反映させ、高校を卒業して、即戦力となる人材を育成していただきたい」といった、様々な御意見や御提言をいただきました。中間まとめは4つの項目で整理しておりますが、その1つ目、「岩手の高等学校教育の基本的な考え方」に対する、御意見や御提言もたくさんいただき、それぞれの地区から、「教育の質の保証」、「各家庭の経済状況への配慮」、「学力だけでなく、心を豊かにし、社会を切り開くことを大切にして欲しい」、あるいは「復興教育や地元愛の育成は、高校教育でも大切である」等、こちらも様々な視点・角度から御意見を頂戴したところです。地域や地域産業、生徒、家庭、そして、高校の地域における役割など、様々な情報を共有させていただき、それぞれの課題について対応が必要ではないか、改めて認識を深めたところです。その上で、長期ビジョンの策定に向けた議論でありますが、今回の地区別懇談会でいただいた御意見等の整理、取りまとめを行い、今後開催する「県立高等学校教育の在り方検討会議」において、議論や検討を重ねるなど、今年度内の長期ビジョン策定に向けて、生徒にとってよりよい教育環境の構築を目指して、丁寧に進めていきたいと考えております。
(記者)
先月、「岩手モデル」が策定、公表されてから初の会見になると思うのですが、改めて御所感をお伺いしたいのが、1点目です。
また、先日発表された不祥事の件で、いじめアンケートの改ざんですとか、体罰、不適切な発言ということで、かなり深刻な問題かと思いますが、先日発表された不祥事についての御所感をお願いいたします。
(教育長)
まず、1点目再発防止「岩手モデル」の所感についてです。少し振り返りになりますが、再発防止「岩手モデル」につきましては、平成30年7月に発生した県立学校生徒の自死事案を受けまして、令和2年7月に県教育委員会に提出された第三者調査委員会の調査報告書の提言を踏まえ、令和3年1月から令和6年3月まで計12回にわたって再発防止「岩手モデル」策定委員会で、協議を重ねまして、5月27日付けで策定したところです。この翌日になりますが、5月28日に、臨時の県立学校長会議を招集し、各県立学校長に対し、「「岩手モデル」の趣旨を十分に理解し、各校において不適切な指導を許さない、見過ごさない風土を醸成するとともに、個々の教職員等の児童生徒に対する指導の状況を把握し、適切な人事管理をすること」などについて、説明をしたところです。また、市町村教育委員会及び小中学校長に対しましては、県内教育事務所単位の6か所で開催した地区校長研修の場で、「岩手モデル」について、私も直接説明したところであります。「岩手モデル」の最終目的は、すべての児童生徒が安心して生き生きと学校生活を送ることができるようにすることであります。そのために、教職員等は、児童生徒一人ひとりの人格と、価値観を尊重しながら成長を支援し、寄り添う存在であることが大切であると考えております。県教育委員会としましても、学校及び県教育委員会における「岩手モデル」の推進状況や、事案の対応状況等についての自己点検、それから外部専門家によるモニタリングなどを通じて、「岩手モデル」の不断の見直しを行っていくということとしております。繰り返しになりますが、本県において、教職員等による暴力、暴言等の不適切な指導により、児童生徒のかけがえのない命が奪われるようなことを二度と起こさないことを固く決意し、不適切な指導の根絶に向け、県立学校と県教育委員会の十分な連携のもとに一体となって、鋭意取り組んで参ります。
また、先般公表された不祥事案ですが、大変遺憾でありますし、深刻な状況であると受け止めております。こうした不適切な指導が起きる背景については、先ほど申し上げたとおりですが、県立学校のみならず小中学校の現場でも、こういった不適切事案の根絶に向けて、県立学校、県教委、それから市町村教委の十分な連携のもとで、一体となって取り組みを進めて参りたいと考えております。
(記者)
先日の不祥事案についてですが、アンケートの改ざんという信じられない事件が起こりました。もともと、いじめアンケートに対して自身の不祥事案が記載されたということで、もともとの使い方とは違う形であったんですけれども、保護者からの通報であったり、文書管理のあり方について、例えば、何か改ざんができないような対策であるとか、例えばそういったことはお考えでしょうか。
(教育長)
いじめアンケートに自身の行為が記載されていたということで、これをシュレッダーで裁断し、「いじめを見聞きしたことはない」というようなことを記述し、あたかも保護者がこれを作成したかのように装ったということで、言語道断で決して許されないような行為であります。先ほども申し上げましたとおり、私も自ら市町村立学校も含めて、「岩手モデル」について説明し、不適切な事案の防止について徹底するよう申し上げました。様々具体の取組を、小中学校の現場や県立学校で、実施してもらうことになると思います。管理監督者の指導、助言等も必要で、適切に行ってもらう必要があると考えております。
(記者)
県教委として、文書を適切に使いましょうということに関わっていこうとは、考えていないということでしょうか。
(教育長)
文章を適切に扱うということは、当然のことですので、このような不祥事を起こさないということについては、日頃から適切に通知をしておりますし、そのように現場でも運用してもらうことが必要になると思います。個別にこのケースについて通知を出すとか、そういうことではなく、不祥事案全般についての再発防止の取組を行っていきます。
(教育企画室)
以上をもちまして、教育長記者会見を終了させていただきます。
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