岩手県食の匠235 玉澤雅子さん(岩泉町) 栗まんじゅう
料理の紹介(いわれ・特徴)
岩泉町安家地区は、ほとんどが山林原野で占められており、昔から山に自生する山栗・トチ・どんぐりなどのしぶ抜きをして、美味しく料理する技術を培ってきた。かつては、長い冬や冷害に供えての保存食でもあった。
今でも受け継がれている郷土料理に「栗まんじゅう」がある。
秋に採れる山栗は、そのまま日に当てて乾燥させ、50%程度乾燥の時点でさっと茹で虫を殺し、また天日でからからになるまで乾燥させ、殻のまま保存する。保存していた栗は、から臼(石臼)や麻などの厚い袋に入れて木槌などでたたいて皮を取る。皮の取れた状態の物は押し栗と呼ばれる。良く乾燥されているものは、この段階でしぶはだいたい取れる。
この押し栗を材料として栗まんじゅうを作り、客のもてなしや、さんどきだばこ(農作業などの一服)、仏事のお供え等にしていた。また小正月にお墓に持っていくのが風習であった。
栗まんじゅうは、100%押し栗を使用したつぶあんがぎっしり入った素朴な味がする郷土料理である。
昔は砂糖は貴重品であり、あまり手に入らなかったので、栗まんじゅう、小豆まんじゅうとも、塩少量のみで味を調えていた。栗が小豆より甘かったこともあり、小豆まんじゅうより栗まんじゅうが普及した。
今では、栗あんに砂糖を少量使って作っている。
現代では保存技術も発達して乾燥機で乾燥させたり、茹でた栗を冷凍保存して作っている家庭も多い。
材料(10個分)
栗あん
- 押し栗(山栗を乾燥させたもの) 230グラム
- 砂糖 40グラム
- 塩 1.5グラム
まんじゅうの皮
- 小麦粉:中力粉 330グラム
- 塩 小さじ1
- 熱湯 190cc
作り方
栗あん
- 押栗はゴミを除き、大洗いして、ぬるめの湯に一晩漬ける。
漬けている時に、しぶが残っていたら取り除く。
(湯の量は栗の3倍から4倍) - 漬け汁で栗が柔らかくなるまで茹でる。(茹で時間2時間強。茹で汁が足りなくなったら、お湯を入れながら茹でる。)
- 2に砂糖、塩を入れ、水気が無くなる前に、すりこぎで軽く栗をつぶす。
- 3を水分が無くなるまで煮つめる。
- 鍋を下ろし、すりこぎとゴムべらを使いながら、栗がいくらか粒々が残るくらいにつぶす。
- 人肌くらいまで冷まし、50グラム位のあん玉にする。
まんじゅう
- ボウルに小麦粉と塩を入れ、熱湯をまわし入れて耳たぶの硬さになるまでこねる。
- 1を50グラムくらいずつ分けて、手でこねて広げて皮を作る。
- 皮にあんを包み、丸めてまんじゅうを作る。
- たっぷりの湯を沸騰させたら、まんじゅうを入れて中火で茹でる。
まんじゅうが鍋の底にくっつかないように、時々へらでかき混ぜながら茹でる。 - まんじゅうが浮き上がってきたらすくい上げる。
- まんじゅうを、ぬらして絞ったさらしの上に並べて冷ます。
料理・技術のポイント及び工夫している点
- 押し栗は、厚い袋に入れてたたいて皮を取ったときに、大体のしぶが取れる。押し栗をぬるめの湯に漬けているとき、残っていた渋が自然に浮いてくるので、そのときに取る。無理してはがさなくても良い。
- 山栗は、天日乾燥か機械乾燥かで、砂糖の量を調節すること。
機械乾燥は、甘みが少ないので砂糖を多めにする。また、天日に干し直すと甘みが増すので、使う前に数日天日に干して使用する。 - 長期保存した押し栗を使う場合は、漬ける時間と煮る時間を長めに、砂糖の量も多めにする。
- 小麦粉の乾燥度合いにより、かける熱湯の量を調整すること。
- 栗まんじゅうの皮を作るときは、あまりこねすぎないように注意する。
- 皮の生地が温かいうちにあんを包むときれいに包みやすい。皮が冷めると生地同士がくっつきにくくなり、とじるのが難しくなるので、とじる前の生地は空気に触れないようにぬれ布巾をかけておく。また、生地の表面が硬くなりかけたら、手で軽くもんで柔らかくすると包みやすくなる。
- まんじゅうを茹でるときは、鍋の底にくっつかないように片側から同じ方向にへらを入れ、かき混ぜる。ただし、頻繁にかき混ぜると、まんじゅうが壊れるので、注意する。
- 栗あんが冷えていると茹で時間がかかるので、留意しながら茹でる。
- 好みで皮は40グラムの薄めに作ることが出来る。
まんじゅうも、好みで小さいサイズで作ることが出来る。
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