岩手県食の匠223 小本英子さん(宮古市) するめの酢漬
料理の紹介(いわれ・特徴)
宮古市重茂地区に古くからある郷土料理である。(この地域では、するめいかのことを「するめ」と言う。)漁業地帯であるこの地域では、するめが大量にとれていた。以前は冷蔵庫や冷凍庫もなく、物資の流通もなかったため、各家庭では、秋にとれるするめを大量に酢漬けにして保存食として作り、秋から冬の日常食として、またお正月の一品としてお膳に並べられていた。かつては調味料の種類が少なく、酢酸を水で割って使用し砂糖の分量も多い等、味付けを濃くして長期保存が利くように作られていた。時代の変化に伴い、人々の嗜好に合うよう薄味にするなど工夫されて作られるようになっていった。
材料(4人分)
- するめいか 4はい
- にんじん 130グラム
- ごぼう 100グラム
- 塩 大さじ2(するめいかのボイル用)
- 塩 小さじ2分の1(にんじんとごぼうのボイル用)
- 穀物酢 小さじ1(ごぼうのアク抜きとボイル用)
- 漬液:砂糖85グラム 穀物酢250cc 塩小さじ1と2分の1
作り方
- するめいかはつぼ抜きにして腑と足を取り出す。
- 腑と足を切り分け、足の中から口を取り除く。
- つぼ抜きした胴と足を洗う。(胴の中は、きれいに丁寧に洗う)
このとき、胴の中から骨は抜かない。 - 鍋に水2リットルを入れ、火にかけ沸騰したら塩大さじ2を入れ、胴と足を入れて強火で煮る。
- 5分くらい経過したらすくいザルで足を取りだし、さらに1分経過したら胴を取り出し皿に並べておく。
(するめいかの煮え具合は竹串をさしてみること。スッと通ったら取り出してよい。) - 5と煮汁ともそのまま放置して人肌くらいに冷ましておく。
- ごぼう、にんじんは皮を剥き、するめいかの胴と同じ長さ(10センチくらい)に切り、1センチ角のスティック状に切る。
- ボールに水400ccを入れ、酢小さじ2分の1を入れ、その中に切ったごぼうを入れてアクを抜く。
- 鍋に600ccの水を入れ火にかける。沸騰したら小さじ2分の1の塩を入れ、にんじんを入れて茹でる。2分位したら取り出す。
- 9の茹で汁に酢小さじ2分の1を入れごぼうを入れて2分位茹でて、取り出す。
- するめいかの胴から骨を抜き、その後6の煮汁の中で皮を剥く。
- スティック状に切ったにんじん4本、ごぼう4本をいかの足で巻いて、いかの胴につめる。隙間があるようだったら、にんじん、ごぼうを多くつめる。
- 鍋の中に漬液(砂糖、酢、塩)を入れ火にかけて沸騰させる。
- タッパにするめいかを、きっちり隙間が無く並べて、熱い漬液をひたひたになるくらいにかけ、押し蓋をして1キログラム位の重石を乗せる。 重石は漬け汁が上がってから取る。
漬け込んでから、2日から3日くらいで食べられる。
料理・技術のポイント及び工夫している点
- するめいかの胴の中から残ったわたも取り除き、きれいに丁寧に洗う等下処理をきちんとすること。
- するめいかの骨は、取り除いて茹でるといかが縮むので、お湯で茹でる前に取り除かないこと。
- するめいかは、新鮮なものを使用すること。
するめいかの煮汁を人肌に冷まして、その中で茹でたするめいかの皮を剥くと、きれいなピンク色になり仕上がりもきれい。 - するめいかの胴に、足と野菜を詰め込むときは、隙間なくきっちりと詰め込み、また重石をすることにより、詰めた物がきれいにまとまり、仕上がりが良い。
- するめの酢漬けは、漬けてから2日から3日くらいで食べられる。
漬けた後は冷蔵庫(10度以下)に置く。 - 漬け汁に入れた状態ならば、冷蔵庫保存(10度以下)で20日くらい持つ。
- 漬け汁から取り出した状態ならば、冷蔵庫保存で4日から5日くらい持つ。
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