いわてグラフ6月号(第772号)テキスト版
表紙
いわてグラフ2020年6月号
第772号 令和2年6月1日発行
- 表紙の人 及源鋳造(おいげんちゅうぞう)株式会社 及川 久仁子(おいかわくにこ)さんと 橋本 太郎(はしもとたろう)さん
- 緊急特集 「新型コロナウイルス感染症対策」
- 特集1「復興幸福希望予算」「岩手県ふるさと振興総合戦略」
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緊急特集「新型コロナウイルス感染症対策」
岩手県知事より、県民の皆様へ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて
県民の皆さまには、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた取り組みに対して、多くのご協力をいただいていることに心から感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大は、社会・経済のあらゆる分野に深刻な影響を及ぼしています。
岩手県では、県民の命と健康を守ることを最優先にしつつ、将来にわたって安心した暮らしを確保するため、医療体制の拡充や、中小企業者への支援をはじめとした取り組みを進めています。オール岩手でこの危機を乗り越えていきましょう。
皆さまには、引き続き、密閉・密集・密接のいわゆる「3つの密」を避けるとともに、丁寧な手洗いや咳エチケットをはじめとする基本的な感染症対策を守っていただくよう、改めてお願いします。
岩手県知事 達増 拓也
写真があります。
スーツ姿で正面を向く達増知事です。
写真終わり。
新型コロナウイルス感染症かも…?と思ったら
以下の症状がある場合、
- 発熱
- 風邪のような症状
- 強いだるさ・息苦しさ
- 味覚・嗅覚障害がある
まずは、次の窓口まで電話で相談を!
岩手県庁 医療政策室
帰国者・接触者相談センター
電話019-651-3175 24時間対応・土日祝も実施
ファクス019-626-0837
厚生労働省
新型コロナコールセンター
フリーダイヤル0120-565653 午前9時から午後9時まで 土・日・祝日含む
(注)窓口に電話がつながらない場合、かかりつけ医に電話で相談しましょう。
新型コロナウイルス感染症関連情報
岩手県における新型コロナウイルスに関する最新情報は、以下のURLからご覧ください。
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/iryou/covid19/index.html
または、「岩手県 コロナウイルス」で検索してください。
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緊急特集「新型コロナウイルス感染症対策」
基本を守ることが最大の予防策
私たちは、新型コロナウイルス感染症とどのように向き合っていけばよいのでしょうか?
岩手医科大学の櫻井滋(さくらいしげる)教授にお話を伺いました。
感染予防の方法は?
基本は、「在宅」と「手洗い」。不要不急の外出を避け、せっけんで手を洗いましょう。もちろん、アルコール消毒も有効ですし、マスクをすることで感染しづらくもなります。しかし、感染症の予防は「足し算」ではなく「引き算」。あれこれやるよりも、まずは基本を徹底しましょう。
感染防止のため、岩手医科大学では、「集まらない」「近づかない」「飛沫(つば)を飛ばさない」「(ものを)共有しない」「互いに触れない」の5つからなる「べからず5か条」を掲げています。ウイルスは、場所やものを共有する、自分の顔に触ることで人から人にうつります。それを防ぐには、「在宅」と「手洗い」が大切です。
家での過ごし方は?
家族同士でもできるだけ離れて過ごしましょう。気分転換に外を散歩することは問題ありません。両腕の届かない範囲を目安に、他の人と距離をとりましょう。
風邪やインフルエンザとの見分け方は?
新型コロナウイルス感染症の場合、発熱などの症状は風邪と同じですが、人によっては長引いて肺炎になることがあります。
インフルエンザは、39度以上の高熱が2日程度続いてピークを迎えることが多いですが、新型コロナウイルス感染症では、微熱が1週間以上続くことがあります。
発熱、強いだるさ、息苦しさなどの症状がある場合、直接病院に行くのではなく、まずは相談窓口に電話してください。
家族が発熱した場合の対応は?
「部屋や食事を分ける」「お風呂の順番を最後にする」「トイレなどを使った後はアルコール消毒する」などです。発熱がない家族の方も、おおむね2週間は学校や職場になるべく行かずに、症状が出ないか経過を観察しましょう。
最後に、メッセージをお願いします。
「在宅」「手洗い」の基本をしっかり守りましょう。
また、岩手の医療は、他県の医師や物資のおかげで成り立っています。他県から入ってきた方に、むやみに偏見を持つことはやめましょう。
(注)2020年4月20日取材。
プロフィール
櫻井滋教授
岩手県気仙郡住田町出身。金沢医科大学医学部卒。胸部外科・麻酔科臨床研修医修了、呼吸器内科専門医、岩手医科大学医学部教授、感染制御部部長・ICD
プロフィール終わり
写真があります。
櫻井教授
紺色のスーツを着て眼鏡をかけ、「シンプルに『在宅』『手洗い』を徹底しましょう!」と話しています。
写真終わり。
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緊急特集「新型コロナウイルス感染症対策」
新型コロナウイルス感染症により経済的にお困りの方へ
県民の皆さまへのお知らせ
県民の生活を守るための経済的支援を行っています
納税が困難な方に対して、県税の「徴収猶予制度」があります。(詳しくは13ページをご覧ください)
県庁税務課 電話019-629-5208
休業などに伴う収入減少により、経済的に困窮し、住居を失う恐れが生じている方などに対して、家賃相当分の住居確保給付金を支給しています。
県庁地域福祉課 電話019-629-5425
市町村が、住民基本台帳に記録されている方を対象に、一人につき10万円の特別定額給付金を世帯主に支給しています。
お問い合わせは各市町村担当課へ(県庁市町村課 電話 019-629-5233)
高等学校に通う生徒の保護者の家計が急変した世帯に対して、授業料の減免の支援を行っています。
- 公立 県教育委員会事務局教育企画室 電話019-629-6112
- 私立 お問い合わせは各学校へ(県庁学事振興課 電話019-629-5042)
高等学校に通う生徒の保護者の家計が急変した世帯に対して、授業料以外の教育費負担を軽減するための給付金を支給しています。
- 公立 県教育委員会事務局教育企画室 電話019-629-6109
- 私立 お問い合わせは各学校へ(県庁学事振興課 電話019-629-5042)
(公益財団法人)岩手育英奨学会が、世帯収入が大きく減少し、緊急に奨学金が必要になった高校生などに対して、奨学金を貸与しています。
県教育委員会事務局教育企画室 電話019-629-6109
事業者の皆さまへのお知らせ
資金繰りに万全を期すため金融支援などを行っています
売上高などが減少している中小企業者(個人事業主を含む)を対象に、3年間無利子で、保証料を全額補給し、経営の安定のために必要な資金の融資を実施しています。
県庁経営支援課 電話019-629-5542、019-629-5544
経営に影響が生じている中小企業者(個人事業主を含む)に対し、県と市町村が連携して家賃などを補助しています。
お問い合わせは各市町村担当課へ (県庁経営支援課 電話019-629-5544、019-629-5547)
県からの休業の協力要請に応じた中小企業者(個人事業主を含む)に対し、協力金を支給しています。
県庁経営支援課 電話019-629-5544、019-629-5547
(注)休業要請に関することは、県庁保健福祉企画室(電話019-654-8073)までお問い合わせください。
経営に影響が生じている農業者・漁業者に対し、負債の借換えのための利子補給を実施しています。
県庁団体指導課 電話019-629-5699
県内の肉用牛農家が県内の和牛子牛市場から肥育素牛を導入するために必要な経費の一部を支援しています。
県庁畜産課 電話019-629-5721
国では、売り上げが前年同月比で50パーセント以上減少している中小企業者、フリーランスを含む個人事業者、その他各種法人などを対象に、事業全般に広く使える持続化給付金を支給しています。
お問い合わせは持続化給付金事業コールセンターへ フリーダイヤル0120-115-570(県庁経営支援課 電話 019-629-5544)
宿泊事業者が行う前売り宿泊券の発行に要する経費を補助しています。
県庁観光・プロモーション室 電話019-629-5574
雇用の維持に向けた支援を行っています
国が、事業主を支援するため、雇用調整助成金の助成率の引き上げなどの特例措置を実施しています。
お問い合わせは岩手労働局職業対策課分室助成金相談コーナーへ 電話019-606-3285
事業活動が縮小した中小企業を支援するため、県と市町村が連携して雇用調整助成金の上乗せ補助を行っています。
お問い合わせは各市町村担当課へ (県庁定住推進・雇用労働室 電話019-629-5591)
岩手県民の皆さまへ
いわて牛を食べて応援フェアのご案内です。
抽選で総勢100名様に
1 いわて牛サーロインステーキ180グラム 2枚 50名様 または
2 いわて牛ローストビーフ ソース付き 50名様
が当たります。
フェア期間 2020年6月30日(火曜日)まで
応募締め切り 2020年7月3日(金曜日)当日消印有効
詳しい情報は、いわて牛普及推進協議会まで。
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表紙の人「支え合う関係・ベストパートナー」
「お互いに支え合いながら幸福を追求していくことができる地域社会」の実現を目指して邁進(まいしん)する人々の姿を紹介します。
心が「愉(たの)しい」鉄器のある暮らしを
及源鋳造(おいげんちゅうぞう)株式会社
及川 久仁子(おいかわくにこ)さん(代表取締役社長)× 橋本 太郎(はしもとたろう)さん(ディレクター)
紹介
及川 久仁子さん
及源鋳造株式会社・代表取締役社長。五代目。店では岩手・東北の作家による商品やフードなどを紹介する「岩手リレーションシップ」も始動。
橋本 太郎さん
横浜市出身。美術大学を卒業後、岩手に移住。アルバイトをしながら絵を書いていたが、一念発起し、2012年に及源鋳造株式会社入社。ディレクター。
紹介終わり。
奥州市水沢にある及源鋳造の直営店「オイゲンファクトリーショップ」。おしゃれな雑貨店のようなこの店では、海外でも評価が高い、現代的な南部鉄器を揃えています。
ショップの設計やホームページなどのブランディングを担当しているのは、ディレクターの橋本太郎さん。横浜市出身の橋本さんは、28歳の時、及源鋳造に入社しました。
「新しいことをしたいと思っていました。この会社なら何か面白いことができそうな気がしたのです」と橋本さん。横浜出身で美術大学卒の履歴書を見た時、社長の及川久仁子さんは「その時に募集していたのは、職人だったのですが、彼は職人タイプではなく、新しいことを作って動かしていくタイプだろう」と、ピンときたと話します。
新しいことをしたい橋本さんと、新しい風を取り入れたい及川さんの思いが結びつき、会社のロゴやホームページを刷新。現代のライフスタイルに合う南部鉄器のブランドとして、新たなファンを魅了するようになりました。
二人の会話はテンポが良く、まるで同期入社のよう。「私たちの鉄器はより暮らしを愉(たの)しくするアイテム。『楽する』ではなく『心が愉(たの)しい』。それが鉄器のある暮らし」と、二人とも愉しみながら、鉄器の魅力を今に伝えています。
写真が4枚あります。
1枚目 表紙写真。明るく開放感のあるオイゲンファクトリーショップの店内です。古い作業台がたくさん並べられその上に鉄瓶、フライパン、鉄鍋などが展示されています。笑顔の及川社長と細長のデザインの鉄瓶を持つ橋本さんがお揃いのジャケットを着て立っています。
2枚目 作業台に並べられたフライパンを見ながら話す及川社長と橋本さんです。
3枚目 おしゃれな細長い鉄瓶でお湯が注がれています。
4枚目 及川社長と橋本さんが笑顔で立っています。
写真終わり。
及源鋳造株式会社 オイゲン ファクトリー ショップ
奥州市水沢羽田町字堀ノ内45
電話0197-24-2411 https://oigen.jp
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特集1「復興幸福希望予算」
「お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」の実現へ!復興幸福希望予算
令和2年度はどんな事をするの?
私たちの税金はどう活用されるの?
「復興幸福希望予算」って、どんな予算?
令和2年度の当初予算は、東日本大震災津波からの復興を力強く進めるとともに、県民の幸福度の向上を図る「いわて県民計画(2019~2028)」を軌道に乗せ、県民みんなが希望を持てる予算としました。
予算のポイントは何?
ポイントは次のとおりです。
- 東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号災害、令和元年台風第19号災害からの復旧・復興に最優先で取り組みます。
- 「いわて県民計画(2019~2028)」のもと、県民の幸福度向上を図る10の政策分野に基づく施策を着に推進します。
- 「新しい時代を切り拓くプロジェクト」として、アイエルシーの実現や、「北上川バレー・三陸・北いわて」の3つのゾーンプロジェクトに関する事業などを展開します。
- Society5.0(そさえてぃごーてんれー)の実現に向け、ファイブジーをはじめとした情報通信技術の活用による地域課題解決のための事業を実施します。
棒グラフがあります。
2016年度から2020年度までの予算総額が、通常分と震災分とに色分けされて表されています。2020年度の予算の規模は、総額9,323億円で、その内訳は、震災分 2,612億円、通常分 6,711億円です。
棒グラフ終わり。
いわて県民計画(2019~2028)に基づく令和2年度の主な施策
「いわて県民計画(2019~2028)」の2年目となる令和2年度は、復興に最優先で取り組みながら、計画に掲げた将来像の実現に向けて、さまざまな事業を進めていきます。
[復興推進]「より良い復興 4本の柱」の施策
1 安全の確保
- 防潮堤などの津波防災施設、水門・陸こうの自動閉鎖システムなどの整備
- 災害に強い交通ネットワークの構築
2 暮らしの再建
- こころのケア活動や生活相談の実施
- 生活再建やコミュニティ形成の支援
3 なりわいの再生
- 水産資源の回復に向けた支援、漁業者などの人材の確保・育成
- 県産農林水産物の認知度向上に向けた取り組みの推進
4 未来のための伝承・発信
- 復興の状況や復興支援に対する感謝の気持ちを伝える取り組みの推進
政策推進「10の政策分野」の施策
健康・余暇
- 脳卒中などの生活習慣病対策
- 保健医療提供体制の整備や地域包括ケアシステムの構築
- 文化芸術に触れる機会の提供
- スポーツを楽しめる環境整備
家族・子育て
- 結婚支援の機能強化
- 安心して妊娠・出産・子育てができる環境の整備
- ひとり親世帯に対応する総合相談支援機能の充実
教育
- 児童生徒の確かな学力の向上、豊かな人間性・社会性・健やかな体の育成
- 地域を支える人材や、地域の国際化に貢献する人材の育成
居住環境・コミュニティ
- 持続可能な地域公共交通ネットワークの構築
- 地域コミュニティの活性化に向けた取り組みの推進
- 岩手への移住・定住の促進
- 多文化共生の地域づくり
安全
- 地域防災力の強化に向けた自主防災組織の組織化支援を含めた各種取り組みの推進
- 登下校時の子どもの安全確保や特殊詐欺被害予防
- 地域に根ざした食育の意識醸成
仕事・収入
- 地域経済を支える中小企業の振興
- ものづくり産業の一層の集積
- 国際定期便の持続・安定的な運航や観光産業の総合産業化
- 収益力の高い産地づくり、農林水産物の付加価値向上に向けた取り組みの推進
歴史・文化
- 御所野遺跡の世界遺産への新規登録に向けた取り組みの推進
- 平泉の文化遺産を総合的に案内するガイダンス施設の整備
- 民俗芸能の保存・継承や後継者の育成
自然環境
- 森や川、海などの多様で優れた環境を守り、次世代に引き継ぐ取り組みの推進
- 循環型地域社会の形成に向けた取り組みの推進
- 再生可能エネルギーの導入促進
社会基盤
- 第5世代移動通信システム「5G」の整備促進
- AIやICTなど科学・情報技術の利活用に向けた取り組みの推進
- 自然災害に備えた洪水・土砂災害対策施設の整備
参画
- 女性や若者、高齢者、障がい者の活躍支援
- 市民活動や県民運動を促進するためのNPOなどの運営基盤強化
- 多様な主体の参画・連携・協力の推進
新しい時代を切り拓くプロジェクトの主な取り組み
ILCプロジェクト
国際リニアコライダー(ILC)の実現に向け、国民的な理解増進・普及啓発活動や道路・港湾などの利活用調査、外国人などの受入れ環境整備、未来のILCを担う人材の育成、加速器関連産業の振興などに取り組みます。
3つのゾーンプロジェクト
-
北上川バレープロジェクト
働きやすく、暮らしやすい先行モデルとなるゾーンの創造を目指し、県内中小企業の生産性向上や人材確保の支援、先端技術などを活用した地域課題の解決などに取り組むとともに、北上川バレーの魅力を情報発信します。 -
三陸防災復興ゾーンプロジェクト
三陸鉄道や復興道路など、交通ネットワークを活用した地域産業の振興を図ります。また、東日本大震災津波伝承館などを活用し、復興に力強く取り組む地域の姿や三陸地域の多様な魅力を国内外に発信することで、交流の活発化を図ります。 -
北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト
地域産業への先端技術導入による生産性の向上や、「北海道・北東北の縄文遺跡群」のPR活動、再生可能エネルギーを活用した地域活性化を進めます。また、産業人材を育成する拠点の強化などに取り組みます。
7ページから8ページ
特集2「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」
第2期岩手県ふるさと振興総合戦略がはじまります。みんなが生きがいをもって、豊かに暮らす岩手へ
人口減に歯止めをかけ 新しい人の流れを創出しよう
岩手県の人口は、1997年から減少を続けています。2019年は約123万人となり、ピークだった1985年と比較すると14%減少。国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、2115年には約21万人まで落ち込むとされています。
人口減少の主な理由は、出生数の減少や、県外への転出の増加が挙げられます。これらの背景には、出産・子育てに要する出費の増加や、仕事と子育ての両立が困難であること、また、雇用情勢の悪化や首都圏との経済格差などがあると考えられます。
人口減少に歯止めをかけていくためには、こうした「生きにくさ」を「生きやすさ」に転換し、県民が暮らしやすく、さらに新たな人の流れを生み出す「ふるさと振興」を進めていくことが重要です。
そのため、県では、2015年に策定した「岩手県ふるさと振興総合戦略」に基づき、ふるさと振興を展開。自動車・半導体関連産業の集積や、子育てしながら働きやすい環境づくりなど、多くの成果を挙げてきました。
一方で、全国的な東京一極集中の流れはむしろ加速しており、取り組みをより強化していくことが必要です。そこで、これまでの成果と課題などを踏まえた「第2期岩手県ふるさと振興総合戦略」を3月に策定。これまでの3本の柱である「岩手で働く」「岩手で育てる」「岩手で暮らす」に、新たに4本目の柱として「岩手とつながる」を加え、関係人口や交流人口の創出・拡大に向けた施策を展開していきます。県は、こうした取り組みを推進することで2040年に100万人の人口を確保することを目指します。
人口減少は国や県、市町村だけではなく、県民の皆さんの未来のこと。自分の身近な課題として、一緒に考え、取り組んでいきましょう。
折れ線グラフがあります。
岩手県の人口の長期的な見通し
2005年から2115年までの人口の推移が、岩手県の目指す人口ビジョンと国立社会保障・人口問題研究所の予測の2つの折れ線で表されています。2040年の予想人口は、岩手県が目指す人口ビジョンが103.7万人、国立社会保障・人口問題研究所の予想人口が95.8万人です。
2115年の予想人口は、岩手県が目指す人口ビジョンが77.5万人国立社会保障・人口問題研究所の予想人口が20.9万人です。
折れ線グラフ終わり。
ふるさと振興を進める4本の柱
岩手で働きたい!
岩手で育てたい!
岩手で暮らしたい!
岩手とつながりたい!
ここがポイント!
県では、人口減少に歯止めをかけていくため「ふるさと振興」を進めていきます。
これまでの3本の柱に加え、「岩手とつながる」を4本目の柱に加えて、生活の満足度アップを目指します。
1 岩手で働く
やりがいと、生活を支える所得が得られる仕事を創出し、岩手への新たな人の流れの創出を目指します。
戦略の展開
- 商工業振興戦略
- 観光産業振興戦略
- 農林水産業振興戦略
- ふるさと移住・定住促進戦略
施策推進目標
若者の仕事や移住に関する願いに応え、県外への転出超過を解消する社会減ゼロとともに、ものづくり産業や農林水産業などの振興による県民所得水準の向上を目指します。
数値目標
- 人口の社会増減 :4,370人減少(令和1年) から 0人(令和6年)へ
- 国民所得に対する県民所得水準のかい離縮小:一人あたり86.9(平成29年)から
(注)90.0以上(令和4年)へ 指標の元となる県民経済計算年報は、令和6年版で令和4年の数値です。
2 岩手で育てる
社会全体で結婚、妊娠・出産、子育てを支援し、安心して子どもを生み育てられる社会を目指します。
戦略の展開
- 若者の就労、出会い・結婚、妊娠・出産支援戦略
- 子育て支援戦略
施策推進目標
結婚や出産は個人の決定に基づくものであることを基本としつつ、若い世代の就労、出会い・結婚、妊娠・出産、子育ての願いに応え、出生率の向上を目指します。
数値目標
- 合計特殊出生率:1.41(平成30年) から 1.58以上(令和6年)へ
3 岩手で暮らす
医療・福祉や文化、教育など豊かなふるさとを支える基盤の強化を進め、地域の魅力向上を目指します。
戦略の展開
- 魅力あるふるさとづくり戦略
- 文化スポーツ振興戦略
- 若者・女性活躍支援戦略
- 保健・医療・福祉充実戦略
- ふるさとの未来を担う人づくり戦略
施策推進目標
岩手に住みたい、働きたい、帰りたいという人々の願いに応えられる豊かなふるさと岩手をつくりあげます。
数値目標
- 生活満足度が高い人の割合の上昇:35.0パーセント(令和1年)から35.0パーセントを上回る(令和6年)へ
- 生活満足度が低い人の割合の低下:32.0パーセント(令和1年)から32.0パーセントを下回る(令和6年)へ
4 岩手とつながる
関係人口や交流人口の拡大を図り、岩手と多様な形でつながることのできる社会を目指します。
戦略の展開
- 関係人口創出・拡大戦略
- いわてまるごと交流促進戦略
施策推進目標
岩手に来たい、関わりたい、つながりたいという思いに応え、多様な形で、いつでも、どこでも、誰もが岩手とつながることのできる社会を目指します。
数値目標
- 関係人口及び交流人口に関連する指標の向上:現状値を上回る要素指標数ゴブンノゴ(令和6年)
(注)要素指標とは、観光入込客数、グリーン・ツーリズム交流人口、ふるさといわて応援寄付件数、ホームページ閲覧数、SNSフォロワー数を指します。
9ページから10ページ
特集2「4広域振興局からのお知らせ」
広域振興局とは、地域振興、産業振興、保健福祉など、広域的な課題に取り組む岩手県庁の総合出先機関です。県内にはエリア(広域振興圏)ごとに、「盛岡広域振興局」「県南広域振興局」「沿岸広域振興局」「県北広域振興局」の4つの広域振興局が設置されています。この4つの広域振興局から折々のお知らせをお届けします。
各広域振興局の担当区域です。
- 盛岡広域振興局 盛岡市、八幡平市、滝沢市、雫石町、葛巻町、岩手町、紫波町、矢巾町 (3市5町)
- 県南広域振興局 花巻市、北上市、遠野市、一関市、奥州市、西和賀町、金ヶ崎町、平泉町 (5市3町)
- 沿岸広域振興局 宮古市、大船渡市、陸前高田市、釜石市、住田町、大槌町、山田町、岩泉町、田野畑村 (4市4町1村)
- 県北広域振興局 久慈市、洋野町、野田村、普代村、二戸市、軽米町、九戸村、一戸町 (2市3町3村)
盛岡エリア
もうすぐ完成 簗川ダム。ドローンで撮影した工事現場の写真を県ホームページで公開中!
簗川(やながわ)ダムは、北上川水系簗川の盛岡市川目地区に建設を進めている10番目の県営ダムです。洪水調節、河川環境の保全、水道用水の確保、水力発電を行う多目的ダムです。
2014年12月に始まった簗川ダム本体の工事は、2021年3月の完成を目指して、現在最終段階。ダムの最高水位まで水を溜めてから流下させ、安全性を確認する試験を2020年の秋から行います。ダム最上部にある非常用の放水口から水が流れ出る様子は、とても珍しい光景となるでしょう。
現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、工事現場の見学会や建設事務所内の広報コーナーは休止中。見学の再開は県ホームページでご案内します。なお、県ホームページでは、2015年度から最新の状況までドローンで撮影したダム工事現場の写真を公開中。着々と進む工事の様子をぜひご覧ください。
簗川ダムの概要
型式 重力式コンクリートダム
長さ 242.7メートル(開運橋の約3倍)
高さ 77.2メートル(県庁の高さの約1.3倍)
総貯水容量 1,910万立方メートル(県営ダム1位!県庁約230杯分)
写真があります。
建設中の簗川ダムを、上空から撮影した写真です。
山の谷間に作られた、白いコンクリートのダムです。
写真終わり。
問い合わせ 簗川ダム建設事務所 電話019-652-8821
「岩手県やながわダム」で検索してください。
県南エリア
6月29日は「平泉世界遺産の日」。2021年は世界遺産登録10周年を迎え、新たなガイダンス施設もオープン予定!
古都・平泉。平安時代後期に奥州藤原氏は、平和への願いを込め、浄土思想に基づく仏国土(浄土)の実現を目指しました。その平泉の文化遺産が世界遺産に登録されたのは、2011年6月29日。平泉の文化遺産をみんなで未来に継承するとともに、遺産を活用した地域振興を行うため、県は「平泉世界遺産の日条例」を制定し、6月29日を「平泉世界遺産の日」と定めました。
この世界遺産を県内外にアピールするため、県南広域振興局の若手職員が「チームケロ平(けろひら)」を結成してPR活動を行ってきました。「ケロ平」は、約800年の時を超えて柳之御所遺跡から発見された板画(はんが)「平泉のカエル戯画」をモチーフにしたキャラクター。平安時代のカエルが表情豊かに平泉の魅力を伝えています。
ほかにも知事や職員が学校に出向いて行う「世界遺産出前授業」、エスエヌエスやイベントなどを通じた情報発信などを行っています。
2020年は新たな取り組みとして『ドラゴン桜』でおなじみの漫画家、北上市出身の三田紀房(みたのりふさ)さんによるポスターも制作中です。
2021年は、世界遺産登録10周年を迎える記念すべき年。平泉の文化遺産を総合的に知ることができるガイダンス施設のオープンなども予定され、世界遺産の価値の理解を深める絶好の機会となりそうです。
イラストがあります。
キャラクターケロ平のイラストです。背中、手足が緑色のカエルのケロ平が扇子を掲げて歩いています。
イラスト終わり。
イメージ図があります。
2021年にオープンを予定している平泉のガイダンス施設のイメージ図です。
広い空間の中に様々なものが展示され、人々が鑑賞しています。
イメージ図終わり。
沿岸エリア
釜石の新名物「うにしゃぶ」試作品が完成。今後は、市内飲食店での提供やふるさと納税の返礼品を目指す!
釜石の新名物として、新たなメニュー「うにしゃぶ」の試作品が完成し、具体的な提供方法について検討が始まっています。
「うにしゃぶ」とは、貝でとった出汁にウニを加え、クリームで味を調えたスープに、三陸の新鮮な白身魚や野菜をくぐらせて食べる洋風鍋料理。釜石の観光まちづくり会社「かまいしディーエムシー」と地元の食品加工会社が共同で開発し、3月末に市内の飲食店関係者などを招いた試食会が行われました。
クリーミーなスープはそのままでもじゅうぶんおいしく、魚や野菜のうまみでさらに深い味わいに。「濃厚ながらしめの麺まで飽きずに食べられる」「ウニが苦手な人でもこれなら大丈夫」と試食会では好評でした。
観光客の少ない冬場に料理で地域を盛り上げようと開発されたのが、この「うにしゃぶ」。
今後は、共通のスープを釜石市内の飲食店に提供し、それぞれの店がアレンジして観光客に楽しんでもらうことや、魚介などの具材とセットにし、ふるさと納税の返礼品にすることなどが検討されています。
「意外と何にでも合うので使いやすいと思いますよ」という飲食店経営者のお墨付きをもらった「うにしゃぶ」のスープ。市内の飲食店で味わえる日が来るのが楽しみです。
写真があります。
箱の中に真空パックのエビやスライスされた白身魚などの魚介類、麺、そしてたっぷりのうにしゃぶのスープがセットされています。
写真終わり。
県北エリア
二戸地域のブランド果物はこれからが旬!見た目も味も逸品ぞろい。動画とともに旬の果実を味わって!
二戸地域は、雨が少なく一日の寒暖差が大きいことから、さくらんぼ、ブルーベリー、りんごなど、季節を通じておいしく高品質な果物が実るフルーツの里です。県では、生産者組織や地域と一体となって、地域産ブランド果物のPRや、園地での収穫体験などにより、フルーツの里二戸地域に来てもらう取り組みを進めています。
その一環として、二戸地域と果物の紹介動画「北いわてフルーツの里カシオペア連邦」を作成しました。PRソング「ふるふるフルーツ」( 作詞作曲/アンダーパス!)に合わせて、栽培の様子や地域の風景、生産者や地域の方々の笑顔とおいしい果物を紹介していますので、ぜひご覧ください。
二戸地域の果物はこれからが旬! 7月上旬頃には、さくらんぼ「佐藤錦」の中から、大粒で色が濃く、糖度の高いものを厳選した「夏恋(かれん)」が店頭に並びます。ほかにも、夏にはブルーベリー「カシオペアブルー」、秋には赤いりんご「カシオペア・クイーンサンふじ」、冬には黄色いりんご「冬恋(ふゆこい)」など厳選されたトップレベルのブランド果物があり、贈答用にもおすすめです。ぜひご賞味ください。
写真があります。
「夏恋」は二戸地域が主な産地 箱詰めされた、大粒でつややかな赤いさくらんぼです。
写真終わり。
イラストがあります。
いわてブランド果物きょうだい さくらちゃん・ブルーくん・冬恋ちゃん・ふじのちゃん
北いわてフルーツの里カシオペア連邦と書かれた下に4人のキャラクターが笑顔で並んでいます。
イラスト終わり。
北いわてフルーツの里カシオペア連邦
動画はユーチューブでご覧ください。
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いわて県民計画(2019~2028)「スマート農業の実現に向けて」
今回のテーマは…「仕事・収入」
みんなで目指す岩手の将来像のための「いわて県民計画(2019から2028まで)」。10の政策分野から、今回は「仕事・収入」をピックアップ! 新しい取り組み「スマート農業」を紹介します。
スマート農業の実現に向けて
スマート農業とは?―最新技術を活用する新しい農業のかたち
岩手の農業は、高齢化や担い手の減少によって、人手不足が深刻化しています。その対策として県が取り組み始めたのが「スマート農業」です。
ロボット技術や情報通信技術(アイシーティー)を活用して、省力化、精密化、栽培ノウハウのデータ化を図りながら、高品質生産の実現を目指すスマート農業は、農作業の負担を軽くするとともに、栽培技術を継承しやすくし、新規就農者の確保にも期待されています。
県が目指すスマート農業の方向性
- トラクターなど農業機械の自動走行による超省力・大規模生産を実現
- センシング技術など精密農業で作物の能力を最大限に発揮し、多収・高品質生産を実現
- アシストスーツによる軽労化、除草作業の自動化により、きつい作業、危険な作業からの解放
- 農機の運転アシスト装置、栽培ノウハウのデータ化などにより、誰もが取り組みやすい農業を実現
- クラウドシステムによる生産情報の提供などにより、消費者・実需者に安心と信頼を提供
県内のスマート農業技術の取り組み
2019年度は「いわてスマート農業祭トリニティ」やシンポジウムの開催、エスエヌエスを使った情報発信を通じて、スマート農業への理解浸透を促す試みを行いました。
県農業研究センターの実証研究では、ドローンを使った水稲生育画像診断や農薬散布、害鳥の追い払い実験などを行いました。また、県立農業大学校ではスマート農業をカリキュラムに取り入れ、外部講師を招いた最新技術の学習を実施。自動操舵のトラクターや田植え機、環境制御温室など、実践的な学習環境を整備しています。
県内各地でのスマート農業技術の導入事例は「別表」をご覧ください。
用語解説
生産管理情報システム:電子地図の利用。スマートフォンやタブレットで作業指示を共有し、生産管理を合理化。
機械作業の自動化:農機走行の高精度化や一部自動化。ドローンによる農薬散布やロボットによる畦畔除草。
環境制御:温湿度制御と炭酸ガス濃度制御を組み合わせ、施設野菜の光合成能力を十分発揮させ増収させる技術。
飼養管理の省力化:牛の発情や分娩の予兆を機械で捉えることで、管理労力を軽減。
表があります。
別表 県内でのスマート農業技術の導入事例
分野、内容、効果、県内の導入事例の順に読みます。
ジーピーエス活用農機による精密農業
内容 GPS情報を利用するトラクターや田植え機、コンバインなどの利用
効果 耕耘(こううん)、施肥、収穫などの精度向上。自動操舵による軽労化。
県内の導入事例 盛川(もりかわ)農場(花巻市)、金田一(きんだいち)営農組合(二戸市)、西部(せいぶ)開発農産(北上市)など
施設園芸環境制御
内容 施設内環境等のデータ収集や自動環境制御
効果 生産性向上と労力軽減
県内の導入事例 佐々木農園(花巻市)、若江(わかえ)農園(盛岡市)など
水田センサーの利用
内容 水位や水温、気温等のリアルタイム把握
効果 水田の見回りに必要な時間の削減
県内の導入事例 リアル(花巻市)、金田一営農組合(二戸市)など
畜産経営における作業の軽労化
内容 発情や分娩の兆候のメール通知システム
効果 監視作業の軽労化と分娩事故の低減
県内の導入事例 発情監視システム、分娩管理システム(県内各地)
表終わり。
いわて県民計画(2019~2028)とは
2019年にスタートした「いわて県民計画(2019~2028)」のテーマは「幸福」。 一人ひとりがお互いに支え合いながら、幸福を追求していくことができる地域社会を実現していくため、10の政策分野を設定し、取り組みを展開しています。
10の政策分野
健康・余暇
健康寿命が長く、いきいきと暮らすことができ、また自分らしく自由な時間を楽しむことができる岩手
家族・子育て
家族の形に応じたつながりや支え合いが育まれ、また、安心して子育てをすることができる岩手
教育
学びや人づくりによって、将来に向かって可能性を伸ばし、自分の夢を実現できる岩手
居住環境・コミュニティ
不便を感じないで日常生活を送ることができ、また人や地域の結び付きの中で、助け合って暮らすことができる岩手
安全
災害をはじめとしたさまざまなリスクへの備えがあり、事故や犯罪が少なく、安全で、安心を実感することができる岩手
仕事・収入
農林水産業やものづくり産業などの活力ある産業のもとで、安定した雇用が確保され、また、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができる岩手
歴史・文化
豊かな歴史や文化を受け継ぎ、愛着や誇りを育んでいる岩手
自然環境
一人ひとりが恵まれた自然環境を守り、自然の豊かさとともに暮らすことができる岩手
社会基盤
防災対策や産業振興など幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手
参画
男女共同参画や若者・女性・高齢者・障がい者などの活躍、幅広い市民活動や県民運動など、幸福の追求を支える仕組みが整っている岩手
「より良い復興 4本の柱」
1 安全の確保
(1)防災のまちづくり
(2)交通ネットワーク
2 暮らしの再建
(1)生活・雇用
(2)保健・医療・福祉
(3)教育・文化・スポーツ
(4)地域コミュニティ
(5)市町村行政機能支援
3 なりわいの再生
(1)水産業・農林業
(2)商工業
(3)観光
4 未来のための伝承・発信
(1)事実・教訓の伝承
(2)復興情報発信
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未来へつなげ!復興のバトン
第1回 キッズ防災マイスター 米沢 多恵(よねざわたえ) さん (陸前高田市)
さまざまな災害に備えて 伝えていきたい!命を救う防災の大切さ
陸前高田市では、東日本大震災津波による被害を教訓に、2018年度から、防災に関する知識や技術を持つ地域の防災リーダー「陸前高田市防災マイスター」の養成講座を実施しています。その講座に参加し、2019年度「キッズ防災マイスター」として認定されたのが、米崎小学校4年の米沢多恵さん(9歳)です。
父の祐一(ゆういち)さんが講座を受講する際、連れられて行ったのをきっかけに、防災に強く興味を持つようになった多恵さんは、翌年度、自ら受講を希望。難しい講習に一生懸命向き合い、認定書とバッジを手にしました。「災害が起きた時に役立つし、いざというときに命を守れるから、みんなにも防災を知ってほしい」と多恵さん。今は防災介助士や防災士の勉強に取り組み、さらに防災への知識を高めています。
自身も被災経験者であり、2018年度に防災マイスターになった祐一さんは、「未来はこの子たちの世代のもの。防災に対して高い意識を持ち続けて欲しい」と、娘の姿を優しく見守ります。
写真が3枚あります。
1枚目 「防災のことを周りの人や友だちに伝えていきたい」という多恵さんと、薄れることのない津波の記憶を自ら「語り部」として伝えている父の祐一さん。(被災した米沢商会ビルにて)ヘルメットをかぶった多恵さんと祐一さんが、被災した建物から多恵さんが指さした方向を一緒にみています。
2枚目 米沢商会新店舗にて、認定バッジと認定書を見せてくれた多恵さん。笑顔の多恵さんです。
3枚目 津波に直撃されながらも奇跡的に残った、鉄筋3階建ての米沢商会のビル。このビルのてっぺんに逃げ九死に一生を得た祐一さんは、「思い出も詰まっている。津波の恐ろしさを伝えるためにも残していきたい」と自費で建物を保存・管理しています。傘を差し、手をつないで米沢商会のビルに向かって歩く、祐一さんと多恵さん親子の後ろ姿です。
写真終わり。
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岩手県からのお知らせ
ご存じですか?
県税の徴収猶予制度のご案内
県サイト内ページ番号検索 1028213
新型コロナウイルス感染症の影響で納税が困難な方に対して、県税の「徴収猶予制度」があります。納税者(家族を含む)が新型コロナウイルス感染症にかかったり、納税者の営む事業が利益の減少などで著しい損失を受け、納税が困難になったりした場合などは、お早めに近くの広域振興局(県税部・県税センター・県税室)にご相談ください。
お問い合わせ 県庁税務課 電話019-629-5208
いわてわんこ節電所プレゼントキャンペーン(2020年春)実施中
県サイト内ページ番号検索 1016595
地球温暖化対策のための県のホームページ「いわてわんこ節電所」では、日頃の節電行動について振り返る「家庭のエコチェック」を通じ、地球にやさしいライフスタイルへの転換を呼びかけています。6月30日まで、「家庭のエコチェック」参加者を対象に、抽選で“いわてのいいもの”が当たるプレゼントキャンペーンを実施。ぜひご参加ください!そのほか、地球温暖化対策については「いわてわんこ節電所」をご覧ください。
いわてわんこ節電所 で 検索
お問い合わせ 県庁環境生活企画室 電話019-629-5271
地震に強い住まいづくりを支援します
県サイト内ページ番号検索 1010327
1981年以前に建てられた木造住宅は、地震に弱い可能性があります。県と市町村は耐震診断の支援や、診断の結果、耐震性が不足している場合の相談員派遣、耐震改修工事の支援を行っています。これまでの地震を耐えたから今後も大丈夫と過信せず、大切な家族の命と財産を守るため、事業を活用して地震に強い住まいづくりに取り組みましょう。
耐震診断費用 自己負担約3,000円(市町村により異なります)
お問い合わせ お住まいの市町村または県庁建築住宅課 電話019-629-5935
「虐待かも?」と思ったら189番へ
県サイト内ページ番号検索 1003380
虐待を受けたと思われる子どもを発見したら、市町村や児童相談所へ通告してください。
もしかして虐待かも?と思ったら、児童相談所全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」へかけると、お住まいの地域の児童相談所につながります。匿名でも構いません。電話をかけた人・内容の秘密は守られます。あなたの1本の電話で救われる子がいます。みんなで子どもたちを児童虐待から守りましょう。
お問い合わせ 県庁子ども子育て支援室 電話019-629-5457
戦没者などの遺族に対する「第十一回特別弔慰金」のご案内
県サイト内ページ番号検索 1028057
戦後75周年に当たり、今日の我が国の平和と繁栄の礎となった戦没者などの尊い犠牲に思いをいたし、国として改めて弔慰の意を表すため、戦没者などのご遺族に特別弔意金が支給されます。
支給対象者
戦没者などの死亡当時のご遺族で
- 2020年4月1日までに戦傷病者特別援護法による弔慰金の受給権を取得した方
- 戦没者などの子
- 戦没者などの(1)父母(2)孫(3)祖父母(4)兄弟姉妹
ただし、戦没者などの死亡当時、生計関係を有していることなどの要件を満たしているかどうかにより、順番が入れ替わります。 - 上記1から3以外の戦没者などの三親等内の親族(甥、姪等)
ただし、戦没者などの死亡時まで引き続き1年以上の生計関係を有していた方に限ります。
- 支給内容 額面25万円、5年償還の記名国債
- 請求期間 2023年3月31日まで
- 請求窓口 お住いの市町村の援護担当課
お問い合わせ 県庁地域福祉課 電話019-629-5481
お気をつけください
暗証番号をたずねる不審電話が多発
警察官や金融機関の職員といつわって、キャッシュカードの暗証番号や個人情報を聞き出そうとする不審電話が発生しています。暗証番号は「金庫の鍵」です。鍵を手にした犯人グループは、さまざまな方法で口座のお金(金庫の中身)を盗んでしまいます。
- 暗証番号はあなただけのもの。
- 電話で警察官や金融機関の職員が暗証番号を聞くことは絶対にありません。
- 「暗証番号」の言葉が出たら詐欺を疑ってください。
相談先 最寄りの警察または警察安全相談「ハッシュタグ9110」
「コロナ給付金」に便乗した詐欺に注意!
県サイト内ページ番号検索 1029587
特別定額給付金に関する手続きで、市町村や総務省などが
- エーティーエムの操作をお願いすることはありません。
- 手数料の振込みを求めることはありません。
具体的な給付方法が決まり次第、市町村や総務省などからお知らせします。制度に関する最新の情報は、総務省ホームページをご覧ください。
総務省 特別定額給付金 で 検索 キューアールコードがあります。
相談先 最寄りの警察または警察安全相談「ハッシュタグ9110」
「コロナ給付金」に関する手続きについては、お住まいの市町村にご相談ください。
新型コロナウイルス感染症関係
買うなら岩手のもの運動
買って、食べて地域を元気に応援キャンペーン実施中!
県サイト内ページ番号検索 1027747
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、県内でもイベントが中止されたり、観光客が急激に減ったりするなど、経済や生活の分野に大きな影響が出ています。
そこで、県では、県民の皆さまに県産品を買ったり、食べたりしていただくことを通じて、地元の生産者や事業者を応援し、地域全体を元気にしていくためのキャンペーンを展開しています。
県内を中心に、小売・卸売業、外食業、製造業など多くの事業者の皆さまにご賛同いただき、さまざまな県産品を販売中です。
協力店などキャンペーンの情報は県ホームページでお知らせしています。
「岩手のもの」を買って、食べて岩手を元気にしていきましょう。
お問い合わせ 県庁産業経済交流課 電話019-629-5537
一時的な生活資金に係る貸付のご案内
県サイト内ページ番号検索 1029578
岩手県社会福祉協議会では、休業などにより緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった方への貸付(緊急小口資金)を行っています。
- 貸付上限額 一世帯につき10万円以内(特に必要と認められる場合は20万円以内)
- 貸付利子・保証人 無利子・不要
- 相談・申込の窓口 お住まいの市町村社会福祉協議会
この他、一定期間貸付を行うもの(総合支援資金)もありますので、まずはお電話でご相談ください。
お問い合わせ
県庁地域福祉課 電話019-629-5425
岩手県社会福祉協議会 電話019-637-4496
放射線影響対策のお知らせ 【ナンバー36】
生活空間の放射線量
県では、2011年6月から県内の公園や庁舎など55地点の放射線量(空間線量率)を定期的に測定しています。測定値は、2013年6月以降、全ての地点で国の除染基準(毎時0.23マイクロシーベルト)を下回り、低値で安定しています。汚染状況重点調査地域に指定されている一関市、奥州市、平泉町でも、低減傾向から横ばい傾向に移行しています。
グラフがあります。
一関市、奥州市、平泉町の28地点の空間線量率の平均(地上1メートル地点)
平成23年6月 国の除染基準(毎時0.23マイクロシーベルト)を越えた毎時0.24マイクロシーベルトでした。
平成24年 7月毎時0.16マイクロシーベルト
平成25年 7月毎時0.12マイクロシーベルト
平成26年7月毎時0.09マイクロシーベルト
平成27年 7月毎時0.08マイクロシーベルト
平成28年 7月毎時0.07マイクロシーベルト
と減少傾向になり、
平成29年 7月毎時0.06マイクロシーベルト
平成30年 7月毎時0.06マイクロシーベルト
令和1年 7月毎時0.06マイクロシーベルト
令和2年3月毎時0.06マイクロシーベルト
と横ばい傾向に移行しています。
グラフ終わり。
お問い合わせ
生活空間の放射線量 県庁環境保全課 電話019-629-5356
全般 県庁環境生活企画室 電話019-629-6815
震災からの歩み(主なもの)
2020年3月から
- 3月1日 三陸沿岸道路の久慈北インターチェンジと侍浜(さむらいはま)インターチェンジ間が開通
- 3月11日 東日本大震災津波 岩手県・釜石市合同追悼式を実施
- 3月20日 釜石、陸中山田間の復旧工事が終了し、三陸鉄道が全線再開
- 3月22日・23日 オリンピックの聖火が宮古市に到着。支援に対する感謝の気持ちと復興への誓いを込めてこの聖火を「復興の火」として、県内8箇所で展示
被害状況 2020年3月31日現在
死者5,143人(震災関連死469人を含む)
行方不明者1,112人(うち死亡届の受理件数1,103件)
広聴広報ガイド
ご意見・ご提言
- 受付時間 8時30分から17時00分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
- 手紙・はがき 郵便番号020-8570(住所不要) 岩手県広聴広報課
- 電子メール koucho@pref.iwate.jp
- 電話 019-629-5110
- ファクス 019-651-4865(24時間受付)
県政テレビ番組「いわて!わんこ広報室」毎週 放送中!!見てね!
- テレビ岩手 月曜日 18時54分から19時00分 (再放送)土曜日 21時54分から22時00分
- 岩手めんこいテレビ 水曜日 21時54分から22時00分
- 岩手朝日テレビ 水曜日 23時10分から23時15分
- アイビーシー岩手放送 木曜日 18時55分から19時00分
(注)都合により放送時間が変更になることがあります。
そばっちが、いわてのことをつぶやくよ!みんなで拡散してね!
県政情報、防災情報、岩手の魅力情報を発信しています。
岩手県広聴広報課ツイッター・フェイスブックをご覧ください。
ツイッター https://twitter.com/pref_iwate
フェイスブック https://www.facebook.com/pref.iwate
裏表紙
クロスわんこ・アンケート&プレゼント
わんこきょうだいオリジナルグッズが当たる! クロスわんこ
カギの答えを埋めて、AからCに入る言葉を完成させてね。
たてのカギ
1 賃貸料を取って人に貸す家や部屋。
2 大豆より若く、まだ青々としているものを収穫。ビールにぴったりの夏野菜。
3 池などにいる、観賞用に飼養される淡水魚。
4 新型コロナウイルス感染症予防対策として有効なのは「在宅」と「4文字の言葉」(詳しくは2ページ)
5 顔料・染料を含んだ液体。紙に文字を書くときに使う。
7 線や色彩で、物の形・姿を平面上に描き出したもの。
11 8本の腕がある軟体動物。
よこのカギ
1 世界遺産平泉を県内外にピーアールする活動を行っているキャラクター「ケロ平」は何の動物?(詳しくは9ページ)
3 動かないようにすること。
6 胞子によって増える植物。2文字の言葉です。
7 英語で「鉄」の意味。
8 山と山の間。山間部。
9 たやすいこと、簡単なこと。
10 液体、気体と違い、定まった形と体積をもつもの。
12 地球温暖化対策のための岩手県のホームページの名称は「いわて『3文字の言葉』節電所」。(詳しくは13ページ)
こたえ
A たてのカギ7 2文字目、よこのカギ8 4文字目
B よこのカギ12 1文字目
C たてのカギ1 2文字目、よこのカギ6 1文字目
カギの答えを埋めて、AからCに入る言葉を完成させてね。クロスわんこに正解した皆さまの中から抽選で合計6名様にそばっちの「ぬいぐるみストラップ」をプレゼント!
住所・氏名・年齢・性別・職業・電話番号・クロスわんこの解答をお書きの上、はがき、ファクス、電子メールからご応募ください。
送り先
- はがき 郵便番号020-0025 岩手県盛岡市大沢川原3-3-8 正和ビル2階 株式会社 オリンピア企画内「いわてグラフ6月号・クロスわんこ」係
- ファクス 019-629-9170
- 電子メール crosswanko@olympia-kikaku.co.jp
- 応募締切 2020年7月17日(金曜日)当日消印有効
- 当選発表 商品の発送(8月上旬ごろ)をもって代えさせていただきます。
アンケート&プレゼント
質問
- 記事は分かりやすかったですか?(番号で回答)
(1)非常に分かりやすい (2)分かりやすい (3)普通 (4)分かりにくい (5)非常に分かりにくい
(4)または(5)のかたは、どのような点が分かりにくかったかお書きください。 - 今回の企画で興味を持ったものは何ですか?
- 身の回りで知りたい分野は何ですか?(番号で回答・複数回答可)
(1)産業 (2)医療・福祉 (3)防災 (4)教育・文化 (5)環境 (6)社会資本整備 (7)その他
(7)その他のかたは、関心のあるものをお書きください。 - 本誌へのご意見・ご要望がありましたら、ご自由にお書きください。
プレゼント
A 鯖しいたけ煮付缶詰2個(宮古市)(3名様)
脂が乗った三陸産の鯖と山田町産の肉厚しいたけを醤油ベースの出汁で煮付けに。旨みがぎゅっと詰まっています。
問い合わせ先 丸友(まるとも)しまか 電話0193-62-1332
B 外川目産梅使用 うめっこジュース(花巻市)(4名様)
花巻市大迫町外川目地区で栽培している南高梅と露茜(つゆあかね)のジュース。きゅんと酸っぱい飲み比べセットです。
問い合わせ先 外川目梅の里協議会事務局 電話090-4634-0621
申込方法
住所・氏名・年齢・性別・職業・電話番号・ご希望のプレゼントのアルファベット記号(AまたはB)をお書きの上、はがき、ファクス、 電子メール、または右の二次元バーコードを読み込んで、応募フォームからご応募ください。
送り先
- はがき 郵便番号020-8570(住所不要) 岩手県広聴広報課 「いわてグラフ6月号・読者アンケート」係
- ファクス 019-651-4865(24時間受付)
- 電子メール kouhou@pref.iwate.jp
応募締切
2020年7月17日(金曜日)当日消印有効
当選発表
商品の発送(8月上旬ごろ)をもって代えさせていただきます。
ご記入いただいた個人情報やアンケートの内容につきましては、厳正な管理の下で取り扱い、アンケート集計、プレゼントの発送にのみ利用させていただきます。
UDフォント 見やすいユニバーサルデザインフォントを使用しています。
R70 古紙パルプ配合率70%再生紙を使用 ベジタブルオイルインク
いわてグラフは岩手県が制作する広報誌です。518,500部作成し、県内全世帯に配布しています。1部あたりの単価は約24円です。
奥付
いわてグラフ 2020年6月号 第772号 令和2年6月1日発行
年4回発行 6月・9月・12月・3月
企画・発行 岩手県政策企画部広聴広報課 岩手県盛岡市内丸10番1号
電話 019(629)5283
編集・印刷 株式会社オリンピア企画
奥付終わり
このページに関するお問い合わせ
政策企画部 広聴広報課 広聴広報担当(広報)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5283 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。