02 被災した県立病院の早期再建整備を進め、県立病院を拠点に地域医療を守ること
(1)被災した県立高田・大槌・山田病院の早期再建整備を進めること。県立大東病院の再建整備を進めること。
被災した県立高田・大槌・山田病院が立地する地域は高齢化率が高く、高齢者を中心とした地域医療を提供する必要があることから、入院機能の確保を最優先として、病院の立地場所や規模・機能の検討を進めてきたところであり、大槌・山田病院については、病床数はそれぞれ50床程度とする、診療科は内科・外科を基本とする、診療時間内の一次救急に対応する、入院患者を中心とした維持期のリハビリを提供するとし、各町から推薦いただいた場所に再建するなどの整備方針を決定したところです。高田病院については、県立高田病院の充実を求める請願の取扱いが県議会において決定された後に、整備方針を決定することとしています。
大東病院の整備については、この地域に一定程度の病床が必要であるとの判断のもと、医師不足などの厳しい状況でありながらも、病床を維持していくことを最優先に、医師への負担を少しでも軽減し、新たな医師を確保しやすい環境をつくる観点から、病床数は40床程度とする、診療時間内の一次救急に対応する、回復期リハビリは千厩病院に集約するなどの整備方針を決定したところです。
平成26年4月の入院再開を目途に、今後、設計・工事などを進めていくこととしています。
- 部局名:医療局
- 回答課名:経営管理課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
(2)民間移管による有床診療所の運営が破たんした花泉診療所については、県と県医療局が責任を持って地域医療の確保と信頼回復に努めること。有床診療所復活に向けて慎重に取り組むこと。
今後の地域医療を進める上では、地元自治体と連携を取っていく必要があり、今後とも、地元自治体と情報共有しながら、共に地域医療に携わり、地域住民の方々により良い医療を提供していくことが肝要と考えています。
花泉地域診療センターは、危機的な医師不足の中、限られた医療資源のもとで良質な医療を提供するために、民間移管前の無床診療所に戻すこととしたものですが、こうした状況については現在も変わらないものと認識しています。
- 部局名:医療局
- 回答課名:経営管理課
- 反映区分:C 当面は実現できないもの
(3)県立沼宮内診療センターの民間移管に当たっては、花泉診療所の教訓を生かし、県医療局と岩手町の責任が果たされるよう再検討すること。
岩手町では、沼宮内地域診療センターの民間移管の実現に向けた取組みを行っているところであり、医療局では町と連携し、医師情報の提供など必要な支援を行っていきます。
- 部局名:医療局
- 回答課名:経営管理課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
(4)無床化された紫波、花泉、大迫、九戸、住田の各地域診療センターについては、県が責任を持って地域住民が求める地域医療の確保のための話し合いと対策を講じること。医師確保の見通しを含め入院ベットの回復についても検討すること。
地域診療センターについては、危機的な医師不足の中、限られた医療資源のもとで良質な医療を提供するために病床を休止することとしたところであり、岩手県立病院等の新しい計画」に盛り込んだ「無床診療所の移行に当たって取り組む事項」に取り組んでいるところです。
なお、医師不足の状況については現在も変わらないものと認識しており、県として入院ベットを確保することは難しい状況です。
- 部局名:医療局
- 回答課名:経営管理課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
(5)医師不足対策として、医師を支える具体的な取り組みと体制を抜本的に強化すること。
1 奨学生の確保、臨床研修医・後期研修医の確保、医師の待遇改善などに積極的に取り組むこと。
奨学生の確保については、岩手医科大学に新たに入学する学生向けの募集を含む、奨学金制度利用者の募集活動を積極的に行うとともに、既に貸付けを行った医師等のキャリア形成等に十分に配慮した対応を行うことにより、県内への定着につながるよう取り組んでいきます。
また、今後増加が見込まれる当該奨学生の県立病院等への効率的な配置を目指して、医療局で設置した「医師確保対策検討委員会」において、良医育成を根底とした配置ルール等の検討を平成24年度から開始しており、保健福祉部で立ち上げた「県奨学金制度による養成医師の配置調整に関するワーキンググループ」と連動した対策を講じていきます。
臨床研修医の確保については、県内12の臨床研修病院すべてが協力病院として連携し、各病院の研修プログラムを相互に補完できるようにするなど、魅力ある臨床研修環境となるよう、取り組みを進めています。
後期研修医の確保については、地域病院の担い手として、総合的な診療能力のある医師を育成し、県内への定着を図るため、「いわてイーハトーヴ総合診療医育成プログラム」を運用し、医師の募集に努めていきます。
医師の待遇改善については、県立病院に勤務する医師から直接意見を聴取し、実施可能なものから随時実施しています。
- 部局名:医療局
- 回答課名:医師支援推進課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
2 医師を支える医療クラークを大幅に増員するとともに、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの大幅な増員を図ること。
県立病院における医療クラークについては、平成23年度当初の179人から246人に定数を増員して、医師の業務負担軽減に努めています。また、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの職員配置については、業務量等に応じた適正な配置を原則としており、今後も病院の実情等にも十分配慮しながら取組んでいきます。
- 部局名:医療局
- 回答課名:職員課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
3 地元医師会、開業医との連携を強化し、初期救急・夜間救急の確立や宮古市・宮古市医師会の取り組みを参考に広域基幹病院等への応援などにも取り組むようにすること。
二次救急医療を担う地域中核病院と地元医師会や開業医との連携は、病院勤務医の負担軽減と地域の救急医療体制の確保・充実につながるものであり、県としても引き続き、地元開業医による診療応援の取組を支援することで、二次保健医療圏全体で地域医療を守る取組を進めていきます。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:医療推進課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
4 地域医療・高齢者医療を担う総合医の養成と配置に取り組むこと。
地域医療を担う公立病院勤務医の不足が深刻な状況の中、地域病院の担い手として、総合的な診療能力のある医師を育成し、県内への定着を図るため、平成22年度から本県独自の「いわてイーハトーヴ総合診療医育成プログラム」を策定し、育成医師の募集を行っています。今後は、国における総合医に関する議論も踏まえながら、引き続き総合医の育成に向けた取組を進めていきます。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:医療推進課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
(6)国保藤沢病院や奥州市立まごころ病院などの取り組みに学び、地域医療の確保と高齢者医療の取り組みを強化すること。市町村立病院への支援と連携を強化をすること。
現在の厳しい医療環境や高齢化が進展する中にあっては、医療機関相互の役割分担と連携のみならず、保健、介護、福祉等との連携を促進し、疾病予防や急性期医療から在宅に至るまで切れ目のないサービスを提供する体制を構築することが極めて重要であると認識しています。
このため、各保健医療圏において地域連携クリティカルパスの導入等の取組を進めるとともに、地域包括支援センターが担う医療、介護等関係機関のネットワークづくりなどの包括的、継続的ケアマネジメント支援機能の向上や、急性期から維持期における脳卒中患者情報を県内の医療、介護関係機関が共有できる取組を進めているところです。
さらに、新たな保健医療計画(平成25年度から平成29年度)では、国の医療計画作成指針に基づき、精神疾患及び認知症の医療体制構築に係る取組を盛り込んだほか、在宅医療の体制整備等を図るため、入院医療機関における退院支援体制の整備、地域における多職種協働の取組促進やリーダーの育成、在宅歯科医療連携室の取組の推進、急変時の対応の強化等を盛り込んだところです。
今後とも、各圏域・市町村の実情に応じた医療・介護・福祉サービスの提供体制の整備や在宅医療を中心とした連携の仕組みづくりを一層支援していくため、介護サービス施設等整備臨時特例基金を活用して小規模特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなどの地域密着型施設の整備を促進するなど、市町村による入所待機者の解消や在宅サービスの拡充の取組を積極的に支援し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、介護、福祉と一体となった医療提供体制の確保に取り組んでいきます。
また、公立病院が地域に必要な医療を提供していくためには、各医療機関の役割分担と連携を進め、地域の医療提供体制を確保するとともに、その役割に応じた自律的な運営に向けて、地域の実情を踏まえた総合的な改革の推進を図る必要があると認識しています。
このため、本県の公立病院における経営効率化や再編・ネットワーク化等の進捗状況を踏まえ、継続して公立病院改革の推進を図るほか、二次保健医療圏を単位として必要な医療を提供する体制を確保する観点から、圏域の実情を踏まえ、二次救急、高度・専門医療等の地域住民の生命にかかわる医療を担う中核的な病院と初期救急やプライマリ・ケアなど地域住民に身近な医療を提供する公立病院及び公立診療所との役割・機能分担と連携を推進していきます。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:保健福祉企画課
- 反映区分:B 実現に努力しているもの
(7)国に対し、地域の医師確保、診療報酬の引き上げ、地方交付税措置の拡充を強く求めること。
医師確保対策の充実や診療報酬の引上げ、地方交付税措置の拡充など、地域医療提供体制の確保に向けた施策の充実については、県単独の要望のほか、全国衛生部長会等の場を通じて他の都道府県とも連携を図りながら、国に要望しているところです。
地方病院においては、経営に伴う収入増加のみで地域医療の窮状が解決できる状況ではなく、診療報酬と医療政策の両面から総合的に対策を講じる必要があることから、医療提供体制の確保の実効ある施策の充実について、引き続き国に対して要望していきます。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:医療推進課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
(8)被災した民間医療機関・薬局への支援を強化し、早期の再建をはかること。公立病院と民間医療機関との連携を強化すること。
平成23年度は、被災地医療確保対策事業により、国の災害復旧費補助等の支援を受けられない既存施設の修繕や医療機器の再取得などの応急的な診療再開や早期の移転新築を支援したところですが、平成24年度には、更に医療機関の復興を支援するため、移転新築等に要する経費を補助しており、平成25年度においても継続した支援を行うこととしています。
また、被災した薬局については、平成23年12月に被災地薬局機能確保事業を創設し、その再建に要する経費を補助しており、平成25年度においても引き続き、被災薬局の再建を支援することとしています。
なお、公立病院と民間医療機関との連携については、地元医師会の協力を得て、開業医の診療応援による地域の中核病院の医療提供体制の確保を進めており、平成25年度においても引き続き取組を支援することとしています。
- 部局名:保健福祉部
- 回答課名:医療推進課、健康国保課
- 反映区分:A 提言の趣旨に沿って措置
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