沿岸南部地域の地価動向等(平成30年度第4四半期短期地価動向調査結果)
平成23年3月の震災により甚大な被害が発生した沿岸地域において、地価上昇や投機目的の買占めが懸念されたことから、県では国土利用計画法の規定に基づく監視区域の指定について検討するため、沿岸南部6市町の地価動向等を把握してきました。平成30年度第4四半期の調査結果は次のとおりです。
なお、監視区域の指定の検討を目的とした本調査の目的は達せられたと考えられることから、平成30年度をもって調査を終了します。今後は、国が行う地価公示(基準日:1月1日)及び県が行う地価踏査(基準日:7月1日)により、引き続き地価動向を注視していきます。
【短期地価動向調査の概要】
1 調査主体
岩手県(一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会へ委託)
2 調査地点数
沿岸南部6市町19地点(住宅地16地点、商業地3地点)
3 価格時点
平成31年1月1日
4 調査方法
平成30年7月1日に地価調査した基準地(調査地点)を中心に、沿岸南部6市町の代表的な住宅地及び商業地のうち、震災以降も土地取引が活発に行われる可能性が高い地点について、地価調査・地価公示と同じ鑑定評価方法で鑑定評価を行う。
5 調査内容
基準地19地点の鑑定評価、沿岸南部6市町における地域別の取引件数及び価格の動向、宅建業者からの聞き取り調査、投機目的や復興の妨げとなる土地買い占め等の実態調査、今後1~2年の価格及び取引動向の見通しなど、監視区域指定の検討に必要な地価動向と土地取引情報を収集・分析する。
短期地価動向
1 調査結果の概要
- 住宅地の直近3か月比較の平均変動率は-0.3%(前回調査-0.4%)、1年前比較による年間変動率は-1.3%(前回調査-1.2%)といずれも下落。
- 住宅地の震災前からの年間平均変動率は、1.8%(前回調査1.9%)と上昇幅が縮小。
- 投機目的等の悪質な土地取引は確認されていない。
- 全体的な基調として、被災地の移転需要が沈静化してきていることから、地価が急激に上昇する可能性は低いと予測される。
2 用途別の地価動向
(1) 住宅地(16地点)
区分 |
震災前比較 |
1年前比較 |
直近3か月比較 |
---|---|---|---|
平均(年間)変動率 |
1.8(1.9) |
-1.3 (-1.2) |
-0.3(-0.4) |
(1) 震災前比較(平成22年7月1日からの年間変動率)
年間平均変動率は1.8%(前回調査1.9%)と16期連続で上昇幅が縮小。
・上昇幅が拡大した地点はない。
(2) 1年前比較(平成30年1月1日からの年間変動率)
平均変動率は-1.3%(前回調査-1.2%)と下落幅は拡大、平成28年度第4四半期以降9期連続でマイナスとなった。
- 1地点が前回調査に引き続き「上昇」(釜石D-2)
- 3地点が前回調査に引き続き「横ばい」(陸前高田D-1、大船渡D-1、宮古D-1)
- 下落幅が拡大したのは7地点(大船渡D-2・D-3、釜石D-1、大槌D-1・D-2・D-3、山田D-2)
- 下落幅が縮小したのは1地点(宮古D-3)
- 下落率に変化がなかったのは4地点(陸前高田D-2、釜石D-3、山田D-1、宮古D-2)
(3) 直近3か月比較(平成30年10月1日からの変動率)
平均変動率は、-0.3%(前回調査-0.4%)と下落幅は縮小したが、平成28年度第3四半期以降10期連続でマイナスとなった。
- 1地点が前回調査に引き続き「上昇」(釜石D-2)
- 3地点が前回調査に引き続き「横ばい」(陸前高田D-1、大船渡D-1、宮古D-1)
- 「下落」から「横ばい」に転じたのは1地点(陸前高田D-2)
- 下落幅が拡大したのが1地点(大船渡D-3)
- 下落幅が縮小したのが2地点(大槌D-1・D-3)
- 下落率に変化がなかったのが8地点(大船渡D-2、釜石D-1・D-3、大槌D-2、山田D-1・D-2、宮古D-2・D-3)
(2) 商業地(3地点)
区分 | 震災前比較 | 1年前比較 | 直近3か月比較 |
---|---|---|---|
平均(年間)変動率 | -0.1(-0.1) | 0.0(-0.2) | 0.1(0.2) |
(1) 震災前比較(平成22年7月1日からの年間平均変動率)
年間平均変動率は-0.1%と、調査開始以来30期連続で「下落」となった。
(2) 1年前比較(平成30年1月1日からの年間変動率)
釜石D5-1は1.8%の上昇(前回調査0.9%)、大船渡D5-1は-1.6%(前回調査-1.1%)、宮古D5-1は-0.2%(前回調査-0.4%)となったことから、平均変動率は0.0%(前回調査-0.2%)となった。
(3) 直近3か月比較(平成30年10月1日からの変動率)
釜石D5-1は前回調査同様0.9%の上昇、大船渡D5-1は-0.5%(前回調査-0.4%)、宮古D5-1は前回調査同様0.0%(横ばい)となったことから、平均変動率は0.1%の上昇(前回調査0.2%)となった。なお、釜石D5-1の上昇は釜石中央IC新設に伴う需要の増加を要因とするもの。
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このページに関するお問い合わせ
環境生活部 環境保全課 環境影響評価・土地利用担当
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