沿岸地域の地価動向等(平成26年度第1四半期短期地価動向調査結果)

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ページ番号1010174  更新日 平成31年2月20日

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 平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波で被災した沿岸地域において、地価が上昇していることから、県では、短期地価動向調査等を実施して価格や土地取引動向を注視し、国土利用計画法の規定に基づく監視区域の指定について検討するとともに、調査結果等を公表していきますので、沿岸地域における土地取引の指標としてご活用ください。

【短期地価動向調査の概要】

1 調査主体

岩手県(一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会へ委託)

2 調査地点数

沿岸南部6市町19地点(住宅地16地点、商業地3地点) 

市町村名

陸前高田市

大船渡市

釜石市

大槌町

山田町

宮古市

住宅地

2

3

3

3

2

3

16

商業地

0

1

1

0

0

1

3

合計

2

4

4

3

2

4

19

※平成26年度から宮古市(田老)の1地点を選定替

3 価格時点

平成26年4月1日

4 調査方法

 一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会に委託し、平成25年7月1日に地価調査した基準地(調査地点)を中心に、沿岸南部6市町の代表的な住宅地及び商業地のうち、震災以降も土地取引が活発に行われる可能性が高い地点について、地価調査・地価公示と同じ鑑定評価方法で鑑定評価を行う。

5 調査内容

 基準地19地点の鑑定評価、沿岸南部6市町における地域別の取引件数及び価格の動向、宅建業者からの聞き取り調査、投機目的や復興の妨げとなる土地買い占め等の実態調査、今後1~2年の価格及び取引動向の見通しなど、監視区域指定の検討に必要な地価動向と土地取引情報を収集・分析する。

平成26年度短期地価動向調査地点一覧

市町村名

用途
区分

調査地点

短期地価動向
調査番号

調査地点

基準地(※大槌
D-2は標準地)番号

調査地点

所在地及び住居表示
(※『 』は住居表示)

宮古市

住宅地

宮古D-1

宮古(県)-4

 八木沢1丁目3番40
 『八木沢1-5-22』

宮古市

住宅地

宮古D-2

宮古(県)-6

 佐原3丁目22番143
 『佐原3-1-34』

宮古市

住宅地

宮古D-3[※選定替]

宮古(県)-7

 田老字小林106番1

宮古市

商業地

宮古D5-1

宮古(県)5-2

 保久田6番46
 『保久田3-4』

大船渡市

住宅地

大船渡D-1

大船渡(県)-2

 猪川町字前田5番5

大船渡市

住宅地

大船渡D-2

大船渡(県)-4

 盛町字宇津野沢12番15

大船渡市

住宅地

大船渡D-3

大船渡(県)-9

 末崎町字大田37番4

大船渡市

商業地

大船渡D5-1

大船渡(県)5-1

 盛町字内ノ目1番13

陸前高田市

住宅地

陸前高田D-1

陸前高田(県)-1

 高田町字鳴石119番33

陸前高田市

住宅地

陸前高田D-2

陸前高田(県)-2

 米崎町字松峰59番7

釜石市

住宅地

釜石D-1

釜石(県)-1

 大只越町2丁目10番
 『大只越町2-2-6』

釜石市

住宅地

釜石D-2

釜石(県)-2

 甲子町第15地割65番5

釜石市

住宅地

釜石D-3

釜石(県)-3

 大字平田第1地割16番5

釜石市

商業地

釜石D5-1

釜石(県)5-1

 上中島町1丁目96番2外
 『上中島1-1-33』

大槌町

住宅地

大槌D-1

大槌(県)-1

 桜木町450番
 『桜木町6-27』

大槌町

住宅地

大槌D-2

大槌-2

 大槌第16地割字大石前20番49

大槌町

住宅地

大槌D-3

大槌(県)-3

 大ケ口1丁目175番194
 『大ケ口1-12-35』

山田町

住宅地

山田D-1

山田(県)-1

 長崎4丁目10番8
 『長崎4-10-11』

山田町

住宅地

山田D-2

山田(県)-2

 豊間根第2地割71番5

住宅地16地点

商業地3地点

計19地点

     

短期地価動向(⇒詳細は別添資料1参照)

1 調査結果の概要

  • 3ヶ月平均変動率は、住宅地で1.3%と上昇幅がやや縮小。商業地で0.7%と横ばい。
  • 住宅地の震災前からの年間平均変動率は3.5%、前期3.1%と比較して上昇幅が拡大。
  • 投機目的等の悪質な土地取引は確認されていない。
  • 取引件数は前期と比較し減少。取引価格は現在の価格水準で推移。
  • 前期の価格水準で推移してきており、地価が継続的に上昇する可能性は低いと予測。

引き続き、今後の地価動向を注視する。

2 用途別の地価動向

 (1) 住宅地(16地点)

※(  )内は前期(1月1日)の変動率、〔  〕内は、選定替後の前期の変動率(単位:%)

区分

震災前比較

1年前比較

直近3ヶ月比較

平均(年間)変動率

3.5 (3.1)

〔3.2〕

6.4 (5.6)

〔6.2〕

1.3 (1.4)

〔1.5〕

 直近3ヶ月比較(平成26年1月1日からの変動率)

平均変動率は1.3%(前期1.4%)と上昇幅がやや縮小。

  • 4地点(陸前高田D-1・D-2、大槌D-1、山田D-1)で上昇幅が拡大。
    上昇幅拡大の主な要因として、陸前高田市の地点は、近隣地域が高台であることから、震災後の需要が継続していることによる。
    大槌町の地点は、周辺環境の整備により利便性が見込まれ、需要が高まったことによる。
    山田町の地点は、周辺のやや高値の民間分譲地の影響を受けたことによる。
  • その他、6地点(大船渡D-1・D-2、釜石D-2・D-3、大槌D-3・D-3)で横ばい、5地点(大船渡D-3、釜石D-1、山田D-2、宮古D-1・D-2)で上昇幅が縮小。
 1年前比較(平成25年4月1日からの年間変動率)

年間平均変動率は6.4%(前期5.6%)と上昇幅が拡大。

  • 4地点(陸前高田D-1、大船渡D-1、釜石D-1・D-3)で上昇幅が拡大。
    変動率が10%以上上昇した釜石市の2地点は、直近3ヶ月の上昇幅が横ばい。
    なお、平成25年1月1日時点価格が大幅に上昇した大槌D-3(大ケ口)は-6.2%(前期-12.0%)と2期連続で下落。継続的に上昇する可能性は低い。
  • その他、2地点(陸前高田D-2、大槌D-2)で横ばい、7地点(大船渡D-2・D-3、釜石D-2、山田D-1・D-2、宮古D-1・D-2)で上昇幅が縮小。
震災前比較(平成22年7月1日からの年間変動率)

年間平均変動率は3.5%(前期3.1%)と上昇幅がやや拡大。

  • 10地点(陸前高田・大船渡の全地点、釜石2地点、大槌・山田・宮古の各1地点)で上昇幅が拡大。
    釜石の1地点を除く全地点で震災前価格を上回った。
    変動率が10%以上上昇した地点は、前期同様、大槌D-3(大ケ口)、山田D-2(豊間根)の2地点。
    大槌D-3は17.2%(前期18.4%)、山田D-2は10.8%(前期11.0%)と2地点とも上昇幅が縮小。

 (2) 商業地(3地点)

※(  )内は前期(1月1日)の平均(年間)変動率(単位:%)

区分

震災前比較

1年前比較

直近3ヶ月比較

平均(年間)変動率

-0.6 (-0.9)

3.7 (4.3)

0.7 (0.7)

  • 直近3ヶ月の平均変動率は0.7%(前期0.7%)と横ばい、1年前比較の年間平均変動率は3.7%(前期4.3%)と上昇幅が縮小。
    なお、大船渡市以外の2地点(釜石市、宮古市)は、震災前の価格水準に回復していない。
    引き続き、今後の短期地価動向調査(平成26年7月1日基準日)を見守っていくこととする。

土地取引動向(⇒詳細は別添資料2参照)

  • 個人・法人の取引件数は615件。
    震災前の平成22年10月~12月(320件)と比べ92.2%増。
  • 地方公共団体及び国等による取引件数は2,475件で、全体取引(3,091件)の約8割を占める。
    主に防災集団移転促進事業に伴う移転元(宅地)及び移転先(山林)の買取りによる。

1 沿岸12市町村の土地取引件数(個人・法人)

  • 個人の取引件数は499件。
    震災前の平成22年10月~12月(271件)と比べ84.1%増。
  • 法人の取引件数は116件。
    震災前の平成22年10月~12月(49件)と比べ136.7%増。

2 法人取引の状況

 (1) 買主の業種(平成23年3月~平成26年3月累計)

区分

域内

県内

県外

ハウスメーカー

8件

70件

79件

宅建業者

173件

36件

18件

被災企業

146件

21件

18件

その他

396件

107件

123件

 (2) 取引内容

  • 利用目的
    被災企業の再建用地等の取得、復興工事関連業者による事業用地等の取得、ハウスメーカー等による分譲・仲介用の取得等、概ね適正な利用目的。
  • 転売状況
    • 今四半期は、釜石市及び宮古市で、宅建業者からハウスメーカーへの転売がそれぞれ1件。
    • 平成23年3月~平成26年3月までに確認された転売累計件数は16件。いずれも宅建業者からハウスメーカーへの仲介目的。
    • うち6件については、最終転売先が域内の個人であることを確認。

  3 地目別取引の状況(買主が地方公共団体、国等を含む)

 (1) 地目別取引件数

  • 全取引の約8割を地方公共団体及び国等が購入。
    「宅地」取引が最も多く、全体の約6割を占める。
    主に防災集団移転事業による移転元の買取り等。
  • 「山林」は震災後最多件数。

区分

宅地

山林

その他

全地目

公共

94件

(81%)

259件

(83%)

1,513件

(84%)

349件

(79%)

260件

(63%)

2,475件

(80%)

個人

法人

22件

(19%)

53件

(17%)

295件

(16%)

95件

(21%)

151件

(37%)

616件

(20%)

合計

116件

312件

1,808件

444件

411件

3,091件

   (2) 地目取引面積

  • 全取引面積の約8割が「山林」。
  • 「田」「畑」「宅地」の約8割が地方公共団体及び国が購入。
    一方、「山林」の8割が個人・法人が購入。
  • 岩泉町で域内法人による大規模取引あり。(利用目的:林業、339ha)

区分

宅地

山林

その他

全地目

公共

9.1ha

(81%)

28.3ha

(83%)

55.3ha

(83%)

133.0ha

(22%)

48.1ha

(86%)

273.8ha

(35%)

個人

法人

2.2ha

(19%)

5.6ha

(17%)

11.2ha

(17%)

475.7ha

(78%)

7.7ha

(14%)

502.3ha

(65%)

合計

11.3ha

33.9ha

66.5ha

608.7ha

55.8ha

776.1ha

次期短期地価動向調査結果等の公表予定

 平成26年度第2四半期(平成26年7月1日基準日)短期地価動向調査結果等は、平成26年9月下旬に公表予定。

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