沿岸地域の地価動向等(平成23年度第4四半期短期地価動向調査結果)

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ページ番号1010182  更新日 平成31年2月20日

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平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波で被災した沿岸地域において、地価上昇や投機目的の買占め等が懸念されております。

県では、短期地価動向等調査を実施して価格や土地取引動向を注視し、国土利用計画法の規定に基づく監視区域の指定について検討するとともに、調査結果等を公表してまいりますので、沿岸地域における土地取引の指標としてご活用ください。

短期地価動向調査の概要

  1. 調査主体:岩手県
  2. 調査対象:沿岸12市町村25地点(住宅地21地点、商業地4地点)
  3. 調査方法:一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会に委託し、平成23年7月1日地価調査した基準地(調査地点)を中心に、沿岸市町村の代表的な住宅地及び商業地のうち、震災以降も土地取引が活発に行われる可能性が高い地点について、地価調査・地価公示と同じ鑑定評価方法で鑑定評価を実施する
  4. 調査時期:平成23年度第2回短期地価動向調査(平成24年1月1日基準日)

地価動向について(価格、変動率等詳細は別添資料1及び別紙のとおり)

住宅地(21地点)

  1. 前回の調査結果では、震災直後の特定地域における移転需要の集中等から、一部に大幅な上昇が見られた地点があったが、その後、市町村の復興計画や具体的な土地利用の方向性が示され、多くの被災者が仮設住宅等に入居しながら移転候補地の決定や住宅整備等を待つ段階となり、土地取引に落ち着きがみられることなどから、今回の調査では、年間平均変動率は前回に引き続き下落(マイナス2.7%からマイナス2.8%)となった。
  2. 前回調査において地価が上昇した宮古D-3、大槌D-1、山田D-2の3地点は、前回調査価格と同額又は下落となり、年間変動率の上昇幅が縮小した。
  3. 陸前高田市は、津波被害のない高台で、復興計画においても住宅地として活用が見込まれる地域に調査地点があり、平地の壊滅的な津波被害による極端な宅地供給不足の中で高台への需要が集中していることや近隣地域の利用現況に変化があったことなどから、直近3ヵ月変動率が平均で2.0%上昇し、年間変平均変動率の下落幅が縮小(マイナス5.5%からマイナス3.4%)となった。

商業地(4地点)

  1. 人口減少や地域経済の低迷等一般的要因から、引き続き全地点で下落しているものの、全市町村とも復興計画が公表され、都市機能の回復も見られ始めたことから、年間平均変動率は下落幅が縮小(マイナス7.2%からマイナス6.7%)となった。
  2. 直近3ヵ月変動率が大きく縮小した釜石市は、津波被害のない内陸の商業地域に調査地点があり、市を代表する中心商業地が甚大な被害を受けたことにより、内陸の商業地域における移転需要が高まりつつあることや近年の大幅な地価下落による値頃感から下落幅が縮小(マイナス1.3%からマイナス0.2%)となった。

土地取引動向について(詳細は別添資料2参照)

土地取引件数(平成23年3月から平成24年1月)の推移について(別添資料2)

  1. 全体件数
    沿岸4地域の昨年3月から12月の取引件数は、5月以降、前年を大きく上回り、1,457件と前年1,033件比で1.41倍と増加しており、平成24年1月の取引件数は前月を下回ったものの、月別取引件数も引き続き多い状況が続いていることから、今後も取引件数の動向を注視する必要がある。
    また、県全体の累計取引件数は、10月まで前年を下回っていたが、11月、12月は沿岸及び内陸とも取引件数が増加したことにより、前年の取引件数を上回り3月から12月の累計で7,155件と前年6,755件比で+400件、1.06倍と前年を上回った。
  2. 月別件数
    沿岸4地域の3月以降の月別取引件数は、3月、4月の取引件数は久慈地域の4月を除き前年同月に比べて減少していたが、5月以降、移転需要による取引が活発となり、4地区とも増加に転じ、6月は5月を大きく上回った。その後、7月から10月の取引件数は前年同月を上回ったものの、同年前月比では概ね横ばい傾向であったが、11月以降は増加傾向が見られた。
    また、平成24年1月の取引件数は、4地区合計で前月を下回ったものの、大船渡地域では前月を上回っており、引き続き移転需要による取引件数が多い状況が続くと考えられる。

法人取引状況について

国土交通省から提供された登記異動動情報を基に法人取引状況を調査したところ、「工場、店舗等の被災に伴う移転用地や工場進出等による土地取得」「ハウスメーカーや宅建業者による被災者への宅地分譲・仲介用土地取得」「震災と無関係と思われる山林経営者の山林売買」「事業地拡大」など、概ね適正な利用目的による土地取引がなされており、特定地域における土地取引の集中や仲介目的以外の転売は確認されなかった。

地目別土地取引件数・面積について

  1. 沿岸12市町村の平成23年3月から平成24年1月における土地取引件数及び地目別面積を昨年同期と比較した場合、取引件数合計の増加率が1割強に対し取引面積は約8割増加しているが、このうち資産保有(一部山林経営)による田野畑村の大規模取引(1件、565.5ヘクタール)を除くと対前年同期比95.0%と昨年より減少している。
  2. 人口減少や経済低迷等により宅地の取引は年々減少傾向にあったが、平成23年3月から平成24年1月においては、取引件数・面積とも大きな増加が見られた。
  3. 宅地転用が懸念された山林・農地は、昨年及び過去3カ年と比較して微増あるいは減少であり、宅地のような大きな増加傾向は見られない。

次回短期地価動向調査について

平成24度第1回短期地価動向調査(平成24年4月1日基準日)結果は平成24年6月中旬頃に公表する予定です。

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このページに関するお問い合わせ

環境生活部 環境保全課 環境影響評価・土地利用担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
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