沿岸地域の地価動向等(平成25年度第3四半期短期地価動向調査結果)

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ページ番号1010176  更新日 平成31年2月20日

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平成23年3月11日に発生した東日本大震災津波で被災した沿岸地域において、地価上昇や投機目的の買占め等が懸念されております。

県では、短期地価動向等調査を実施して価格や土地取引動向を注視し、国土利用計画法の規定に基づく監視区域の指定について検討するとともに、調査結果等を公表してまいりますので、沿岸地域における土地取引の指標としてご活用ください。

短期地価動向調査の概要

  1. 調査主体
    岩手県
  2. 調査対象
    沿岸6市町19地点(住宅地16地点、商業地3地点)
  3. 調査方法
    一般社団法人岩手県不動産鑑定士協会に委託し、平成24年7月1日に地価調査した基準地(調査地点)を中心に、沿岸南部6市町の代表的な住宅地及び商業地のうち、震災以降も土地取引が活発に行われる可能性が高い地点について、地価調査・地価公示と同じ鑑定評価方法で鑑定評価を実施する。
  4. 調査時期
    平成25年度第3四半期短期地価動向調査(平成25年10月1日基準日)

地価動向について(詳細は別添資料1参照)

(1)住宅地(16地点)

(1)直近3ヶ月比較による平均変動率の状況

2地点(大船渡D-2、大槌D-2)については横ばい、5地点(陸前高田D-1・D-2、大船渡D-1、宮古D-1・D-2)については前回調査より上昇幅が拡大したが、7地点(大船渡D-3、釜石D-1・D-2・D-3、大槌D-1、山田D-1・D-2)については上昇幅が縮小したことから、変動率は平均で1.5%(前回調査では1.6%)とほぼ横ばいとなっている。

(2)1年前比較による年間平均変動率の状況

陸前高田市、釜石市及び宮古市の6地点において前回調査より上昇幅が拡大したが、大船渡市、大槌町及び山田町の6地点については上昇幅が縮小したことから、変動率は平均で7.8%(前回調査では9.5%)の縮小となっている。

(3)震災前比較による年間平均変動率の状況

ア 今回調査において、平均で2.9%(前回調査では2.6%)と上昇幅が拡大している。
イ 調査地点16地点のうち、釜石市の1地点を除く15地点において震災前の価格を上回っており、震災前の価格から上昇基調で推移している。

(4)今回調査で年間変動率が10%以上となった地点の状況

ア 1年前比較による年間変動率が10%以上の地点 
(ア) 1年前比較による年間変動率が10%以上 上昇した地点は、大船渡市、釜石市及び大槌町の4地点となっているが、大船渡D-3(末崎町)地点は震災前の価格水準に回復したものである。
(イ) 釜石D-2(甲子町)、D-3(平田)の2地点については、上昇幅が拡大しているが、直近3ヶ月変動率では上昇幅が縮小している。
(ウ) 大槌D-3(大ケ口)地点については、地価のピークを過ぎ、今後下落の可能性が高いと考えられる。

イ 震災前比較による年間変動率が10%以上の地点
(ア) 震災前比較による年間変動率が10%以上上昇した地点は、大槌町及び山田町の2地点となっているが、大槌D-3(大ケ口)地点については、年間平均変動率が19.8%(前回調査では21.5%)と上昇幅が縮小しており、地価のピークを過ぎ、今後下落の可能性が高いと考えられる。
(イ) 山田D-2(豊間根)地点については、年間平均変動率が11.0%(前回調査では11.2%)、直近3ヶ月変動率が1.6%(前回調査では2.7%)と上昇幅が縮小しているが、三陸縦貫自動車道のインターチェンジの整備や大型商業施設の開店により利便性が向上していることを考慮すれば、概ね妥当な水準となっている。

(2)商業地(3地点)

1年前比較による年間平均変動率が5.1%(前回調査では5.6%)、直近3ヶ月変動率が0.8%(前回調査では1.4%)と上昇幅が縮小しており、大船渡市の地点ついては震災前の価格水準に回復しているが、他の2地点については震災前の価格水準に達していないことから、引き続き、今後の短期地価動向調査(平成26年1月1日基準日)を見守っていくこととしたい。

土地取引動向について(詳細は別添資料2参照)

  • 沿岸市町村の取引件数(地方公共団体・国等を除く)は、増加傾向で推移しており、今後の動向を注視する必要がある。
  • 法人取引は、前四半期まで増加傾向で推移していたが、今四半期は減少。個人取引は、引続き増加傾向。
  • 買主が地方公共団体・国等を含む取引件数は、主に、市町の防災集団移転促進事業に係る移転元買取りにより増加。

(1)沿岸12市町村の土地取引件数(買主が地方公共団体、国等を除く)

  • 平成25年7月から9月の取引件数は611件。
  • 前期(平成25年4月から6月、603件)比で8件、1.3%増加。
  • 前々期(平成25年1月から3月、560件)比で51件、9.1%増加。
  • 前年同期(530件)比では81件、15.3%増加。

(2)法人取引の状況

ア 取引件数について

  • 平成25年7月から9月の法人取引件数は91件。
  • 昨年同期(95件)比で4件、4.2%減少。
  • 震災前過去3カ年平均の同期(58件)比で33件、56.9%増加。
  • 法人取引件数割合は14.9%で、昨年同期17.9%と比べ減少。
    震災前過去3カ年平均の同期15.5%と比較しても減少。

イ 取引内容について

(ア) 利用目的

  • 被災企業や新規参入する事業者の工場用地等の取得、ハウスメーカーや宅建業者による被災者への分譲・仲介用土地の取得等、利用目的は概ね適正な土地取引。

(イ) 転売状況

  • 宅建業者からハウスメーカーへの転売が見られるが、仲介目的以外での短期転売は確認されていない。
  • 転売が確認された13件のうち3件は、最終転売先が域内の個人であることを確認。

(3) 地目別取引の状況(買主が地方公共団体、国等を含む)

ア 件数について

  • 平成25年7月から9月の土地取引件数は2,586件。
  • 前期(平成25年4月から6月、1,849件)比で737件、39.9%増加。
  • 前年同期(666件)比で1,920件、288.3%増加。
  • 「宅地」の取引件数のうち約8割を国・地方公共団体が購入。

イ 面積について

  • 平成25年7月から9月の取引面積は828.2ヘクタール。
  • 前期(平成25年4月から6月、336.6ヘクタール)比で491.6ヘクタール、146.0%増加。
  • 前年同期(129.9ヘクタール)比で698.3ヘクタール、537.6%増加。

次回短期地価動向調査結果について

平成25年度第4四半期短期地価動向調査(平成26年1月1日基準日)結果は、平成26年3月下旬に公表する予定です。

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このページに関するお問い合わせ

環境生活部 環境保全課 環境影響評価・土地利用担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5269 ファクス番号:019-629-5364
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