平成30年6月13日知事会見記録

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平成30年6月13日15時00分から15時43分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 「第8回いわてマンガ大賞」コンテストの開催について発表します。
 6月15日から「第8回いわてマンガ大賞」コンテストの作品の募集を開始します。一般部門のほかに、新たに1~4コマ部門を設け、この2部門で作品を募集します。
 一般部門では、岩手県を題材とした未投稿のオリジナル作品を募集し、1~4コマ部門では、1コマから4コママンガ作品を募集します。
 一般部門の大賞作品は、「コミックいわてWEB(ウェブ)」で公開し、来年3月発行予定の単行本「コミックいわて」シリーズ第8弾にも掲載します。また、1~4コマ部門の入賞作品については、いわてマンガプロジェクトの広報媒体などで公開する予定です。
 また、コンテストの一環として、漫画雑誌編集者を招いて、一次審査通過作品を対象に作品添削会を行うことや、一般の方を対象としたマンガのワークショップを開催することなど、マンガ技術の研さんやマンガへの興味を深めていただけるような機会も設ける予定です。
 今年の4月には、「第3回いわてマンガ大賞」コンテストで大賞を受賞した東野柚子(ひがしの・ゆうこ)さんの、盛岡市を舞台とした、また、作品の中に南部鉄器も出てくる「素直なカラダ」という作品が週刊「モーニング」において連載されて、そして単行本も発刊されるなど、「いわてマンガ大賞」コンテストをきっかけにプロとしても活躍されている方も登場しています。
 回を追うごとに応募作品のレベルが高まり、将来性を感じる作品も多数寄せられていますので、今回もバラエティーに富んだ多くの作品が寄せられることを期待します。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 では、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 新設された1~4コマ部門なのですけれども、4コマは分かるのですけれども、1コマとか2コマとかは結構いろんなものが求められるのかなと思うのですけれども、大体募集の中でどういうものというのは書いてありますけれども、知事はどんな作品を期待していますでしょうか。

知事
 1コママンガというのは、新聞に普通に掲載されていますし、元はイギリスのパンチ誌ですか、社会風刺、社会批評などの1枚の絵、そこにマンガのルーツがあるというところもありますので、4コマだけというよりは、やっぱり1コマも認めなければなということで、こういうふうになったと聞いておりますので、そういうマンガの原点に立ち返るような、あるいは今の世の中を鋭く見るような、そういう作品、鋭くなくてもほっこりでもいいのですけれども、期待します。

記者
 では、今までと違うジャンルというか人も応募するような、裾野が広がるようなイメージもできそうですね。

知事
 得意、不得意とか、何ページにもわたる作品を描くことは難しくても、1コマで他者に抜きん出るような作品を描くことができる人というのもいるのではないかと思いますので、いろいろ期待したいと思います。

幹事社
 では、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんでしたが、私から昨日行われた米朝首脳会談についてお伺いしたいと思います。昨日の会談で北朝鮮の金(キム)委員長は非核化を約束しました。今後はその約束の履行が果たされていくかに焦点が移っていくと思いますが、まずその辺についてどう見られますでしょうか。

知事
 去年、いつミサイルが飛んでくるか分からない、また、アメリカと北朝鮮が戦争を始めてしまうかもしれない、そこに日本も巻き込まれるかもしれないという可能性が非常にリアルにあって、人々の間にも不安が広がっていたことと比べれば、そういう戦争の危険性ということの反対の方向に主な当事者である北朝鮮とアメリカが向かっている。言い換えると平和の方に向かっているというのは、大変良いことだと思います。
 もともと1953年でしたか、65年前に停戦、休戦にはなった朝鮮戦争がいまだ終戦に至っていないということは、やはり東アジアのさまざまな矛盾、緊張、不安定の元であったと思いますので、朝鮮戦争の終結に向けた動きが進んでいくということは、これは当然であり、かつ、また喜ばしいことだと思います。
 北朝鮮の核開発とかミサイル開発も、そのような朝鮮戦争がまだ終結していない、アメリカをはじめ国連軍や韓国とまだ戦争状態にあるという中で行われてきたことですので、朝鮮戦争の終結という流れの中で、北朝鮮が核やミサイルを放棄していくようになればというふうに期待します。

幹事社
 一方、拉致問題についてですが、トランプ大統領は提起したと述べるにとどめました。道筋も不透明です。今後日本政府がどのように解決に向けていくべきか、動くべきか、お考えを伺いたいと思います。

知事
 現代における平和というのは、ただ戦争がないというだけではなく、民主主義的な価値が実現されているというところまでいかないと真の平和とは言えないと思います。北朝鮮が過去行った民主主義に反する非人道的な行いについてきちんと解決し、拉致問題についてもきちんと解決をし、その他のさまざまな人道問題も解決して、今後そういうことはしないという方向に向かっていくことが必要で、朝鮮戦争の終結という部分については、日本は当事者ではないのですけれども、その先の東アジアにおける平和の実現という中では、日本というのは主要な国でありますので、2国間の交渉でもありましょうし、また、6カ国協議とか多国間の場でもあり得ると思いますけれども、拉致問題をはじめ、非人道的な問題の解決と民主主義的価値を北朝鮮において発展させていくということについて、日本から訴えて、そして成果を上げていくよう、日本としては努める必要があると考えます。

幹事社
 ありがとうございます。それでは、各社からほかに質問がありましたらどうぞ。

記者
 14日で岩手・宮城内陸地震の発生からちょうど10年を迎えることになりますが、それを迎えるに当たって知事の所感をお願いします。

知事
 震度6強の大変強い地震が起きて、内陸における直下型の地震として、大きな被害が生じました。祭畤(まつるべ)大橋の落橋というのは、大変衝撃的でしたし、また、岩手県含めて、岩手・宮城において犠牲者もあり、そして家を失って仮設住宅生活を強いられた方々もいらっしゃいました。そういうことが起きるのだということは、決して風化させてはならず、10年の節目をきっかけに、改めてあの地震について記憶をよみがえらせて、その教訓を今後に生かしていかなければならないと思います。

記者
 今ちょっと知事がおっしゃった部分、風化の部分ですが、10年が経過して風化が叫ばれていますけれども、今後その風化防止や、市民、県民の防災意識の向上など、東日本大震災も踏まえて、そういった取組について知事のお考えがあればお願いします。

知事
 まず、岩手・宮城内陸地震については、あれだけの強い地震が、いわばどこにでも起き得るのだということが教訓だったと思います。それは、熊本地震もそうだったわけでありまして、ここには地震が来ないだろうと、そういう予断を持つことなく、どこでもあのくらい強い地震が起こり得るということで、日頃から防災の訓練や学習、いざという時の備えをしておかなければならないということだと思います。
 津波については、大きな地震があったら即避難ということで、避難さえすれば命が助かるのだという点、津波の方が分かりやすい部分もあるのですけれども、地震については突然発生したその直後からしっかり対応しなければならないということで、最近は机の下に潜るとか、体をかがめるとか、その訓練方法もリアルな訓練が学校や職場などでも行われるようになってきているので、それをどんどん取り入れて訓練をしていただきたいなと思います。

記者
 私も岩手・宮城内陸地震の関係でまず1点お伺いしたいのですが、今、教訓のお話もありました、意識の面でですね。内陸地震は、関係機関の連携不足であるとか、さまざま反省点、またその後の教訓になった点というのはあったと思います。内陸地震の教訓がその後どう生かされていたか、または今後も生かしていきたいと思うような教訓がありましたら教えてください。

知事
 岩手・宮城内陸地震の教訓の多くが東日本大震災津波の際に生かされたということを思い出します。特に印象的なのはDMATの出動に関して、岩手・宮城内陸地震の時に、いざという時動けないということが明らかになり、その後平時におけるさまざまな調整や、また、実際に大きな災害が発生した時の動き方等々、岩手・宮城内陸地震の教訓というものがその後のDMATの運用に、これは岩手だけではなく全国的に生かされたというふうに思います。
 また、岩手・宮城内陸地震、岩手県内においては人が住んでいないようなところに大きな被害があったというところで、道路、河川、また農業施設、林業施設、そういったところが普通の災害復旧のスキームできちっと対応が足りなかったりとか、そういう部分かなりあの時独自の予算措置などでカバーするということをやって、そういった建物に人が住んでいたり、仕事の場になっている建物の被害や復旧ということについては阪神(・淡路)大震災以来の流れの中で全国的にも徐々に対応が進歩していたのですけれども、地方型といいますか、人があまり住んでいない部分の大きな被害を直していくやり方ということについて大きな経験を積んだということが岩手にとっては、また、岩手・宮城内陸地震の教訓としては大きかったと思います。

記者
 ありがとうございます。別件で大きくあと2点お伺いしたいのですが、1つは今日、次期総合計画の素案が(6月県議会)議案説明会でも示されました。基本目標が「震災復興に取り組みながら、幸福を守り育てる希望郷いわて」となっています。「幸福を守り育てる」というのが一つキーワードになっているのかなと思いますが、県議会では、幸福は自ら守り育てるものであって、守ってもらうものではないみたいな、そういった違和感があるといったような指摘も先ほど出ていました。この素案に込められた知事の思いというのをお聞かせください。

知事
 日本も含め世界全体として自己責任原則を基調とする新自由主義的な経済政策プラス社会政策というのはいろんな国で結構強く主張され、また、政府の政策として採用されたりするところもあって、行政はまずお金が稼げている部分に対して施策を集中させていけばよいと、個人一人一人の生活がどうなっているのかとか、将来がどうなるかという部分にはあまり介入しない方がいいというそういう理念や政策というのもありますので、岩手県内にそういう考え方や主張する方々もいてもいいと思います。
 ただ、岩手は東日本大震災津波の経験と、その後の復興の取組の中で、やはり一人も取り残さないように、一人も切り捨てないようにきちんと「暮らし」と「仕事」と「学び」というのが保障されるようにしていかなければならないということが広く県民的な合意を得て、そしてまた多くの県民がボランティア活動とか、内陸、沿岸横軸連携とかいろんな活動を通じてそういう憲法の人権の基本理念であり、アメリカ独立宣言に示された民主主義の基本原理でもある幸福追求権の保障ということをしっかりやらなければというような取組を丸7年間ずっとやってきたということもあり、総合計画審議会としても幸福指標に関する最新の、全国、また海外で行われている実例も研究しながらこういう形で岩手に取り入れるといいんじゃないかという報告書も踏まえて、今回中間答申にあるような目標を提案されたのではないかなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点別件なのですが、児童虐待が疑われる事案に関してなのですが、児童相談所が虐待のおそれを把握している事案のうち、警察に情報提供するかどうかの具体的な基準を設けていない自治体の調査というのが先日報道されました。それですと、岩手県は相互連携の実施要綱で基準を定めていますが、具体的な表現、基準になっていないということです。警察に情報が行かないままに虐待が疑われる児童が死亡するケースというのが全国的にあるわけですが、岩手県として具体的な基準というのを設けていくお考えはありませんでしょうか。

知事
 岩手県の基準は、1、児童虐待により子どもの生命や健康に対するリスクが高く、継続的に指導を行わなければならない場合。2、一旦関りを終結し、市町村で見守りを継続していたもので、リスクが高くなった場合。3、調査継続中の事案で、援助要請事案に発展するおそれがある場合というものなのですね。
 それで、具体的な基準があるということで報道などもされている茨城県の基準は、ア、児童の生命に危険があるもの。イ、児童の身体に虐待によるものと思料される明らかな外傷が確認できるもの。ウ、児童への性行為・性的接触が疑われるものとありまして、例えば生命に危険があるだけではなく、健康に対するリスクもという意味では、岩手の基準1の方が茨城の基準アよりもより広いケースを含むような決め方をしているのではないかと思うのですけれども、ただ広く生命はもちろん健康に対するリスクが高い場合に情報共有するといった時に(基準を)広くする分、では具体的にどうなのかと。ただ、そこは茨城県の場合も児童の生命に危険があるものという基準の具体性と言われるとちょっとそこもどうなのかと思うのですけれども、現場の対応や福祉部局と警察との連携の蓄積の中で、岩手は今紹介したような基準でこの連携を図っているということなわけですけれども、今回さまざまな報道をきっかけにいろんな基準の定め方をそれぞれ都道府県いろいろ工夫しているということが改めて分かったところもありますので、そういったことも参考にしながら効果が出るような福祉部門と警察の連携を実行あらしめるために情報共有の基準というものについては、常に見直していくということが大事なのだなというふうに思います。

記者
 常に見直していくことが大事だと、今回さまざま報道があったということで、今回も見直しが必要かどうか改めて検討するという理解でよろしいですか。

知事
 今回の北上(市)における児童虐待事案に関しては、今ちょっと手元にないのですけれども、県の方から市町村に通知を出しておりまして、ちょっと正確ではないかもしれませんけれども、保育所への登園が3日以上なかった場合にはハイリスク家庭として直ちに状況を確認するよう求めるというような通知を出していて、そこについては今まで以上により迅速な、また丁寧な対応を求めたということであります。今回はやはりスピードの問題ということで、非常に残念な結果になったという認識が背景にあると考えておりますので、そこがポイントであり、それについてはまず通知を出したというところです。

記者
 大槌町の旧役場庁舎に関してお聞きします。解体に反対する住民団体が先日、盛岡地裁に工事の差し止めを求める仮処分申立や住民監査請求を行って、その結果がまだ出ていない段階で18日にも解体が始まろうとしておりますが、それに関して知事の受け止めと、あと、旧庁舎の遺構としての価値についてどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 基本は自治の問題でありますので、町として大槌町という機関として、また、大槌町の住民の皆さん、そういう住民として、機関、団体ですね、大槌町という団体、そして大槌町の町民という住民、そういう団体自治、住民自治の原則にのっとって進めていくことが大事と考えておりますけれども、一方、この司法的救済というのは常にあるわけですので、そこは裁判に訴える権利は住民の方にはあるし、一方、行政が自治の手続で決めたことを実施に移すということもまた理解できるというふうに考えています。
 ただ、大槌町内の事務の執行ということと司法的解決ということで異なった方向性が同時に進んでいるというのは、やはり大槌町民皆さんが100%合意して進めているわけではないという実態を示すものでもありましょうから、そこは相互理解が深まるようなことがやはり求められているというふうに考えます。
 あとは遺構としての価値ですけれども、県としては陸前高田市内、津波復興祈念公園内に設置される(東日本大震災)津波伝承館という施設、また、三陸ジオパークの中で東日本大震災津波関連のサイトとして位置付けられる田老観光ホテルなど、そういった幾つかのサイトを通じて東日本大震災を風化させず、その教訓を伝えていくということをやっていこうという考えです。それに加えてそれぞれの市町村内にある他の何かを活用して風化防止、教訓の伝承をしていくかどうかということについてはそれぞれの市町村の自治として決定されていけばいいというふうに考えています。

記者
 大槌町の関連で、知事個人としては、今日は解体を前に最後の報道公開で旧役場の庁舎をされましたけれども、知事個人としてはどのように文化的価値というか、震災遺構としての価値を認識していらっしゃるのでしょうか。

知事
 ここは大槌町民の間でまだ納得できていないという人がいらっしゃり、だからこそ裁判も提起されているという中、大槌町民内での相互理解を深めていくという作業がいわば今正念場にある中、知事として、たとえ個人的であってもああした方が良い、こうした方が良いとか、自分はこう考えるということは、その自治を混乱させるものと思いますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

記者
 ちょっと質問が戻ってしまうのですけれども、岩手・宮城内陸地震について、10年前ということと、県内で死者がお二人だったということ、さらに震災もあって風化が進んでいると感じているところなのですが、知事はその風化についてどう思われているか、改めてお聞かせください。

知事
 体験された方々の言葉はしっかり残っていますし、また、祭畤大橋、新しい橋が架かっているわけですけれども、そこに記念碑といいますか、災害、あの震災を風化させずに教訓を伝えていこうという、そういう施設もできています。まさにあれから10年というような節目、節目に普段あまりそういう情報を共有していなかった人や、あまり考えてなかったなというような人たちも改めてそういう情報を共有し、記憶を呼び戻し、また今からでも新しい事実なども学んでいただければ、そういう風化防止、教訓の伝承ということは時間の経過とともに一定のペースで低下していくというものではなく、節目、節目に回復させていくことができるものだと思いますので、明日をそういう機会にできればなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、ごめんなさい。米朝首脳会談の関係……

知事
 そういう意味では、あの災害は非常に大きくて深刻な災害で、当時福田総理もヘリで現地に飛んでこられましたし、秋篠宮殿下・妃殿下も現地にいらっしゃって、そして避難所に入られていた方々をお見舞いされたりもしましたので、そういう日本全体にとっても非常に大きな深刻な災害だったということを改めて思い出してもらえればと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点ごめんなさい。米朝首脳会談の関係なのですが、先日、韓国の方でも日韓首脳会談をやって、米朝首脳会談もやって、日本がこれまで重視してきた圧力を掛けるということと違ったような感じで周りは進んでいるところもあるのですが、そういう点についてはいかがでしょうか。

知事
 基本構造としては、国連決議に基づく制裁という、いわゆる圧力もあって対話も進んでいるということだと思います。基本的には平和を実現するために圧力もあれば対話もあるわけであって、そこをうまくやっていけばいいのだと思います。ただ、やはり気を付けないと制裁さえしていればいい、圧力さえ掛けていればいいみたいに思っていてはやはりだめであって、昨日の歴史的な首脳会談のような対話というものがやっぱり要所、要所にあってこそ北朝鮮と他の国際主体との間の意思を一致させ、約束を取り付けることもでき、北朝鮮の行動を変えさせることもできますので、そういう圧力と対話のバランスの中できちんと平和の方向に持っていくということが肝心だと思います。

記者
 時間がないようですが、2点お聞きします。
 4月に労働基準監督署から県立中央病院が労働基準法違反と労働安全衛生法の不備があるとして是正勧告を受けました。6月20日の期限に向けて、今是正報告を準備しているようですが、知事の受け止めを教えてください。

知事
 県立中央病院、また医療局においてこの対応を検討していると聞いておりますけれども、まず医療の分野においても働き方というのは大事でありまして、ルールにのっとりながら働く人たちが無理をしない、体を壊すとか、健康を害する、さらに命を失うというふうなことがあってはならないわけでありますし、また、そもそもの労働の権利、労働をめぐる諸権利というのは憲法にも明記されている権利でありますから、それが損なわれることがないようにしていくことが重要なので、そういう意味で盛岡労働基準監督署の是正勧告については真摯に受け止めて、きちんと対応をしていかなければならず、その中では県立病院で働く職員の労働環境の改善というものも図っていかなければならないと考えています。
 一方、岩手の県立病院での働き方改革を考えていく場合に、いわゆる医師不足問題、具体的には医師の地域偏在とか、診療科偏在というものなわけですけれども、医師不足問題ということが背景にあるわけでありまして、岩手の県立病院はじめ公の病院や、また公の病院に準ずるような岩手医大の附属病院ですとか、そういったところに勤務医があふれるほどいれば働き過ぎの問題ということは、これは出てこないようにするのは容易になると考えるわけでありまして、国の中央の議論でも働き方改革の中で医療の分野も他の企業の働き方改革と同じ議論の場で扱われて(いますが)、ただ民間企業に対して行われる法律の縛りが医療の分野は5年遅らせて導入されるということがたしか働き方改革法案の中に入っていると記憶していますけれども、やはりもう少し医療の分野の働き過ぎの問題は医師不足から来ているのだから、医師不足問題を解決しないとだめだということをこの機会にやはり訴えたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点手短に。先日、新潟知事選(挙)が投開票されまして、新人の対決で政府与党が応援する候補が当選しました。この結果について、どう受け止めるかということと、それに加えて、今回の敗因はやはり前職の野党が推した候補が私的な理由で、不祥事のようなもので辞めたのが響いているかどうか、知事はどうお考えになりますか。

知事
 おっしゃるとおりで、そういう中で国家公務員出身の人の手堅さというところが票につながったところがかなりあるのではないかなというふうに思います。
 政策論争としては、原発問題も含めて前職の路線からあまり離れない形での当選者、そして次点になった候補の政策論争だと見ていまして、そういう意味ではその前の選挙の時の新潟県民の民意を尊重しようという姿勢が花角新知事にもあり、次点の候補にもあったということだと思いますので、この新潟県民の民意が尊重されながら、そして手堅いといいますか、プライベートなことで、途中で放り出してしまうようなことのない県政のかじ取りということが期待されているのだと思います。

記者
 与野党決戦ではなかったんですかね、そうすると。

知事
 そこは実際の選挙戦を見ていたわけではなく、与党、野党はそれぞれ激しく応援をしていたようではあるのですけれども、ただ結果を見ますとさっき言ったようなところが大きいのではないかなと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は6月22日(金曜日)の予定です。

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