平成31年2月13日知事会見記録
開催日時
平成31年2月13日10時30分から11時00分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
まず、「いわて復興新時代」ポスターと動画による情報発信についてということで、新しいポスターがこちらの4種類、このパネルですね、この4種類の新しいポスターを作りました。2月18日から3月15日にかけて、県内外の自治体や団体等で開催される「岩手県復興ポスター展」で掲示されます。また、3月11日前後(には)、都営地下鉄での中吊り広告や東京スカイツリー🄬での展示などを予定しています。また、県内市町村、関係機関、支援団体に配布して活用いただくとともに、復興関連イベントや県外事務所で掲示を行います。
また、ポスターと連動した動画を2種類制作し、今日から「大槌町の吉里吉里学園」、そして「三陸鉄道」の動画を公開します。岩手県特設サイト「いわとあなたが、つながるページ」、また、YouTube(ユーチューブ)の「岩手県公式動画チャンネル」で公開しますので、よろしくお願いいたします。
次に、「いわてWalker」の発行について。県内就職やU・Iターン、移住の促進を中心テーマに、生活やレジャーの魅力の紹介を併せた、これまで地方自治体が作ったことがない新しい情報誌であります岩手ライフ応援マガジン「いわてWalker」を2月21日、首都圏や県内の書店・コンビニ、通信販売等で発売します。また、県内の高校を卒業して進学する方々などに無料で配布します。
この情報誌は、これから就職を考える学生や進学のため岩手を離れる高校生、また、岩手に興味を持つ全国の若者に、復興の進展と産業の集積で岩手が大きな変化を遂げていること、岩手の多様な産業にはそれぞれ大きな働く魅力があること、生活環境が充実し、食べ物もおいしく、世界遺産や温泉、スキー場も身近にあり、祭りや郷土芸能も盛んで、首都圏等へのアクセスも良好であることなど、岩手で働くこと、岩手で暮らすこと、それから岩手で遊ぶことの魅力をダイレクトに伝え、U・Iターンや人材の確保につなげることを目的とするものです。
制作に当たっては、岩手の多様な職場で働く若者やU・Iターンした若者にスポットを当て、日々の仕事や暮らしぶりを紹介するほか、著名タレント、のんさんですね、著名タレントや県出身アイドル志田友美(しだ・ゆうみ)さんが登場したり、ニコニコ動画との連動企画、ニコニコ動画の人気配信者百花繚乱(ひゃっか・りょうらん)さんによる現地ルポがあります。このようなものを取り入れるなど若者に興味・関心を持ってもらい、手に取ってもらい、そして読んでもらう工夫をしているところです。
「いわてWalker」の発行という今までやったことがないようなことを県がしなければならないほど今までにないような変化、働くチャンス、そして暮らしたり、遊んだりするチャンスが岩手に起きているということを岩手内外に知っていただき、岩手で働く、岩手で暮らす、そして岩手で遊ぶという人の流れをつくっていきたいと思います。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
よろしくお願いします。それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
「いわてWalker」についてお伺いします。魅力を発信するというような内容のようですけれども、その一方でU・Iターンを促進したりとか、県外に出ていく高校生に戻ってきてもらうような目的があるということですけれども、そういう懸念といいますか、課題みたいなところ、どういうところにあるのでしょうか。
知事
この雑誌発行のきっかけでもあるのですけれども、県内の学生たち、高校生、大学生、短大生、専門学校生に広くアンケート調査を行って、岩手に本社がある企業を幾つ知っているかというのをやった(質問した)時に全然知らないとか、3つ以下とかという人が多かったのです。地元企業が知られていない、またその背景には岩手で起きているいろんな経済、産業上の最近の発展ぶりとか、あとは復興道路の整備とかを含む復興の進展とか、そういったことが自分ごととして岩手の生徒、学生たちに知られていない。また、親御さんや学校の先生たちにもいまひとつ知られていないのではないかという問題意識があります。それに対する対策としてこの雑誌を出すところがあります。
記者
自治体としては、こういったことは初めてなのですか。
知事
そうですね、我々の見聞きした範囲では、例えば、企業情報紹介、雇用の(確保や)就職の促進というような産業雇用政策と、あと移住定住という政策は別の部署がやっていることが多く、岩手は来年度から商工労働観光部が一元的にやることにし、今年度中からそういう感覚がもう既にできているのですけれども、プラスあと観光情報とかといったところ、これも岩手の場合は商工労働観光部ということで、そのもとでやれるのですが、そういうこともあって商工労働観光部において、県庁内の若手職員を臨時に集めてこの雑誌を作ったのですけれども、そういう取組はなかなか例がないというふうに思っております。
記者
私も「いわてWalker」についてお尋ねします。これまであまりなかったというお話もありましたけれども、内容を見ると仕事、働くだけではなくて、暮らすとか、遊ぶとか、そういったことも含まれているようです。こういった仕事、暮らしとか遊びですね、そういったところも含んだところがまた一つ特徴と言えるのか、またそうであればどういった狙いがあるのかお聞かせください。
知事
そうですね、観光地、平泉とか、小岩井から始まって観光情報も載せていますし、また、冷麺、じゃじゃ麺とか、おいしい食べ物の情報も載せています。岩手で就職しようということのためには労働環境プラス生活環境、そして生活環境については、住んでいる場所と働く場所が近いから東京に比べて通勤時間が短いとか、帰宅時間が早いとか、睡眠時間も長くなるとか、そういうデータも載せているのですけれども、プラス余暇の使い方みたいなところも幅広く情報紹介して、そういう総合的な魅力で岩手県内企業への就職を選んでもらえるようにプラスになる材料は何でも集めようという感じで作りました。そういうプラスになる材料はトピックとしてILC国際リニアコライダーのことも紹介されていますし、あとはラグビーワールドカップTM釜石市開催のことも紹介しています。
記者
県内無料配布と有料販売とそれぞれあるわけですが、有料と無料それぞれ分けた理由というのをお伺いしたいですし、あと、これは継続的に更新していくようなものなのか、単発でこれを今後も使っていくのか、その辺も教えてください。
知事
今日始まる議会に提出する予算(案)の中に来年度またこういうものを作る予算も含まれています。ということで、継続的にやっていくような方向性は決めているところでありますけれども、ただマンネリになってはだめだなと個人的には思っていて、やはり驚きをもって受け止めてもらえるように人の心を動かすというところが大事なので、まずは今回2月21日の発売については驚いていただけるように頑張ったところです。
記者
無料と有料に分けたというその点もお願いします。
知事
いわてで働こう推進協議会の下、岩手県としても岩手で働くことの推進のためにさまざま高校生に働きかけるとか、県外に進学した大学生に働きかけるとかという(事業)の一環としてこれを配るという事業も位置付けているということです。
一方で、興味・関心ある人はどこでも、誰でも買っていただけるように販売もするということです。
記者
私も「いわてWalker」についてお尋ねします。今、別の記者からの質問に関連するのですけれども、来年度予算にも盛り込まれているということだったのですけれども、2万7,000部をまずは刷るということで、これからまた来年度に向けて新しいのを作る前に人気があって需要があれば重版したりとか、あるいは有料で販売する面はありますけれども、しばらく時間が経ったらネットでも見たいという人には見ることができるような、そういう考え方も持っていらっしゃいますか。
知事
今持っている考え方は、無料配布する対象もありますけれども、基本的には本屋さんや、あるいはネット通信販売というのですか、固有名詞を書かないようにしていて、あのサイトで買えるという意味なのですけれども。多分ニーズがたくさんある時に増刷しようみたいな話になっていく時には、やっぱり価格メカニズムというものがいろんな判断の材料にもなるのかなというのが今の基本的な考え方ですね。
記者
ありがとうございます。わかりました。
幹事社
では、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
県議会が今日招集されます。次期総合計画を審議するという、いつにも増して重要な議会になると思いますけれども、知事としてはどういった論戦を期待されていますでしょうか。
知事
新しいいわて県民計画も議案になりますので、それについての質疑、答弁を通じて県民の皆さんにより理解を深めていただきたいと思いますし、また、新しい総合計画に基づいているがゆえに来年度の予算のポイントがいつもより多い盛りだくさんな内容になっていますので、予算の審議の方も質疑、答弁を通じて県民の皆さんにより広く知っていただき、深く理解していただくことが大事だなというふうに思っています。
記者
次期総合計画は、基本目標が幸福を守り育てると。これまで県議会の中でもさまざまな議論があったと思います。一方で、今後10年の土台を築くというような大事な計画でもあります。計画の中では、参画ということもうたっています。ということを考えますと、多くの賛同を得て議決されてスタートするというのがやはり理想だとは思うのですが、知事としては全会一致という辺りを目指していくお考えなのでしょうか。
知事
個々の議員の方々、また、政党とか会派の考え方というものは、さまざまありましょうから、そういったものをあらかじめ拘束するようなことを執行部の方、特に知事から言うのは好ましくないと思いますけれども、基本的にあらゆる議案は全ての議員の皆さんに賛成していただきたいと思って提出していますので、総合計画案もそのとおりであります。
記者
別件になりますけれども、盛岡白百合学園小学校が2020年4月から小学生の募集を停止する方向で検討しているということでした。伝統ある学校が閉校するとなれば少子化を象徴するような出来事でもあると思いますが、知事としてはどのような思いを持たれているでしょうか。
知事
伝統もあり、岩手の歴史とともに歩んでこられた大変立派な学校ですので、その小学校が募集停止というのは寂しい気持ちもいたしますけれども、学校としてといいますか、法人としてといいますか、さまざま世の中のこと、そういう社会環境のようなものを踏まえた一つの決断なのだとは思います。
ちなみに、県の私学担当の方からは在校生や保護者に対して丁寧に説明を行い、理解を求めていただきたいということを伝えてはいるのですけれども、それだけ存在感の大きい学校なので、最初に戻ると(話しましたが)寂しい気持ちはするところであります。
記者
千葉県野田市で虐待の事案がありました。痛ましい事件ですが、教育委員会の対応に問題があったりだとか、学校と児(童)相(談所)の連携に問題があるというようなことも報道でされていますが、このような虐待事案というのはどこでも起こり得ることかなと思います。知事として、この事件をどう受け止めていらっしゃるのかということと、岩手県で何か対応とかお考えであれば教えてください。
知事
大変かわいそうな、改めて小さな幼い子供の命があのような形で奪われるということは本当にあってはならないことで、命を大切にする、特に社会的に、経済的にといいますか、弱い者の命を大切にする、それをみんなで守るということの必要性を全国的にも、また地域毎にも、そして県においても確認していかなければならないところなのだと思います。
岩手県では、北上市で起きた児童虐待による死亡事例について、県の社会福祉審議会でも検証が行われ、報告書が示されたところであり、岩手でもとても痛ましい事件があったということ、やはりこれを二度と繰り返さないという強い意思を持って児童虐待対策を進めていく必要があると思います。痛ましい事件を二度と繰り返さないという再発防止に行政としても取り組んでいかなければならないというふうに思います。
記者
北上の事案があって、社会福祉審議会でも進んでいるということですけれども、今回の事件を受けて、例えば今の虐待事案を洗い出すとか、そういう通知を出すとか、そういった対応はお考えでしょうか。
知事
私自身はまだ報道でしか知らないのですけれども、1カ月以内に全ての危険ケースを総ざらいするみたいなことが内閣で決まり、県としても法令に基づきながら対応していかなければならないと思っておりますけれども、北上のケースからの教訓は、関係機関が緊急性が高いにも関わらず、緊急性の高くないケースと認識していたということが指摘されていて、結局、保護者への接触が行われずに、組織としての緊急性の判断も行われなかったということですので、やはり通告早期の段階で保護者への面接とか、チェックリストを活用した積極的な情報収集などを行って、そして緊急性が高いと判断したらすぐ児童相談所につなぐというような関係機関の連携、子供の安全確保を最優先した対応を徹底していかなければならないというのが教訓であります。
ということで、各県や、各市町村それぞれ地域事情や、また、地域の経験に基づきながら児童虐待対策ということを進めているので、国の方から1カ月以内に全て洗い出すというような作業については、地元で積み上げてきたやり方とか、そして今問題意識を持ってやろうとしていることというのと全然違うことをやらなければならないようになるのは良くないと思っておりまして、うまく地域での取組と整合性が取れる形でやらなければならないのかなと思っております。要は、子供の命を守るということがその原点であり、目的なわけでありますから、何か形式的にある作業を1カ月以内でやれみたいな格好でやってはだめだなというふうに思っています。
記者
たびたびすみません。先ほどいわてで働こう推進本部会議がありまして、来年度の推進方針について了承されたと思います。その中で、産業振興施策による雇用創出確保で目標値と言ってもいいと思うのですが、常用雇用を新規で約2,440人確保するというのが明記されておりました。お聞きしますと、今年度は1,760人ということで、実際、今年度と対比するとさらに増えているということで野心的な目標なのかなということと、あるいは実際に人手不足の切実さというものも含めたことだと思うのですが、これについて知事からご所見いただければと思います。
知事
そういうこともあって、「いわてWalker」などで、いわば鐘や太鼓で人を確保しようという状況なのですけれども、岩手の場合、世界最先端の(技術で)生産を行うような工場が新設されたり、増設されたりしていますし、地場企業は地場企業で頑張って、そういうところに匹敵する、あるいは独自の働きがいというものを実現するような職場を用意していますし、プラス、新たに起業をしようとか、新たに事業展開しようというような力強い動きもある中、人手不足でそういうことが進まなくなったりするのは大変もったいないことですし、また、そういう企業が岩手にたくさんあるし、ものすごいチャンスがあるということを知らないまま、生徒たちが別なところに就職してしまうのはもったいない話でありますので、より情報の共有ということが大事になっている局面だと思っております。
記者
そういった意味で、今、「いわてWalker」の話もお聞きしましたし、実際、この掲げた数字というのは達成できる、達成したいと、もうちょっと踏み込んでお聞きしたいのですが、達成したいのですか。
知事
そのぐらいのチャンスが岩手にはあるのだということをこれから就職するという皆さんには知ってほしいですし、そしてそれを実現することで産業の振興という面でもうまく進みますし、かつ、生活の場としての地域振興にも資するものでありますので、ぜひそれは実現していきたいと考えます。
記者
ありがとうございます。別件でもう一点、2月10日に自民党の党大会で安倍総理が「悪夢のような民主党政権が誕生した」と発言されて、国会でも取り上げられていたのですけれども、発言撤回を求める声に対して総理御自身は拒否されました。さらに、自由党の小沢代表が、それを受けて返す刀といいますか、もう一度悪夢を見てもらうと、参(議)院(議員)選(挙)に向けて意気込みを語ったというのを報道で拝見したのですが、この「悪夢のような民主党政権」という言葉に対して、当時党籍を持っていらした知事としてはどのように受け止められますか。
知事
国会でも悪夢問答が延々と展開されたみたいですけれども、悪夢、悪夢という言葉が飛び交う世の中というのはいかがなものかというような感じがしますが。
2012年、ちょうど政権奪還というのですか、あれが起きていたころかな、テレビで「悪夢ちゃん」というドラマをやっていたのを思い出しますが、精神分析の理論をベースにした非常に興味深いドラマだったので、録画も使いながら全部しっかり見ていたのですけれども、何か大事なところで「悪夢」という言葉が出るということ自体精神分析の対象かなというふうに思いますね。それは総理大臣個人のということなのかもしれませんけれども、日本社会として今日本国を代表する行政のトップとして代表し、また与党の総裁ということで政治の世界も代表するような人物がここぞという時の挨拶で「悪夢」という言葉を発するような今の日本の社会情勢というものを日本全体を精神分析しなければならない状況なのだなと思います。
記者
総理が言う発言かとかという前に、やっぱり閉塞感ということですかね、社会の。
知事
これから新しい時代にという、また、いのしし年でスタートダッシュという特別な大事な年の年の始め辺りに悪夢、悪夢とかと言っているのは。
ただ、この機会に「悪夢ちゃん」のドラマが映画化されてDVDにもなったりしていて、あれを見ると悪夢ということの本質に迫れておもしろいとは思いますけれどもね。
記者
知事としては、当時の民主党が政権を持っていた時は悪夢だったと思いますか。
知事
過去の政治のあり方とか、政策とかについて議論したいのであれば、もうそれぞれ個別にその時の復興のあり方はどうだったとか、あるいは子育て支援対策がどうだったかとか、それから教育の無償化についてどういうことがどう進んでいたとか、個別に丁寧に、大人であれば過去の政治や行政についてはそういうきちっとした、しっかりしたアプローチをするべきだし、特に国会とか、あるいは党大会もそうですけれども、国を代表するようなまじめな場ではまじめな政策論議があってしかるべきと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は2月28日(木曜日)の予定です。
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