平成30年5月18日知事会見記録

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ページ番号1000740 

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平成30年5月18日10時00分から10時34分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 まず、平成30年度の県勢功労者の決定についてです。県勢の発展に多大の功労があり、その事績が極めて顕著であり、県民の模範となる方々を県勢功労者として昭和55年度から顕彰してまいりました。本年度の県勢功労者につきましては、県内各界の代表の方々で構成する県勢功労者顕彰選考委員会にお諮りした上で、このほど決定しました。
 本年度の顕彰は、岩手県を手をつなぐ育成会会長等として、障がい者の自立支援の充実に貢献された中野信男(なかの・のぶお)様、岩手県栄養士会会長等として、保健福祉の増進に貢献された池田セツ(いけだ・せつ)様、岩手県中小企業団体中央会会長等として、中小企業の振興に貢献された谷村久興(やむら・ひさおき)様、岩手県立大学学長等として、高等教育の振興に貢献された谷口誠(たにぐち・まこと)様の4名と、岩手大学学長等として、高等教育の振興に貢献された故藤井克己(ふじい・かつみ)様の1故人といたしました。
 表彰式は、5月25日、知事公館においてですけれども、この5月25日は明治9年、1876年に岩手県の県域が現在の形に決定した日で、今年は142周年になります。
 次の発表事項は、塩野義製薬株式会社との「子どもの未来支援にかかる連携・協力に関する協定」の締結についてです。このたび、塩野義製薬株式会社と「子どもの未来支援にかかる連携・協力に関する協定」を締結することとしました。塩野義製薬株式会社は、少子高齢社会の社会的課題の解決を通して、持続可能な社会を目指したいとの思いを持たれ、その一環として、子どもの未来支援に取り組んでいます。今回の協定を機に、塩野義製薬株式会社と岩手県が連携・協力し、将来を担う岩手県の子どもたちへのキャリア教育の推進、発達障がい児者支援などに取り組んでまいります。協定締結式は、5月22日、県庁において行います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介します。転入者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 県勢功労者の件でお尋ねします。今回、元岩手大学長の藤井先生も表彰の対象になっておりますけれども、これまで大矢先生、宮城さん、宇部さんと故人も顕彰されていますけれども、特に藤井先生に関しましては、(岩手県東日本大震災津波)復興委員会の委員長として、震災直後から県にも多大な貢献をされたと思うのですけれども、改めて藤井先生に関して知事から所感をいただければと思います。

知事
 岩手大学の学長として、県内5大学によるいわて高等教育コンソーシアムを発足させ、地域との連携強化に尽力され、地域社会に密着した大学づくりに貢献されたというふうに受け止めています。また、岩手県総合計画審議会の会長として岩手県総合計画の策定にも尽力され、総合的な県の施策の推進に貢献されました。そして、岩手県東日本大震災津波復興委員会の委員長として、東日本大震災津波からの復旧・復興に貢献されたことも大変お世話になったところであります。

記者
 特に私も取材を通じてお会いしていて、私なんかにも非常に丁寧に、低姿勢で接していただいた記憶があるのですけれども、人となりについて改めて知事から一言いただければと思うのですけれども。

知事
 農学を専門としてこられて、自然や命を大事にする、そういう非常に深い気持ちを持たれる一方で、非常に広い視野で専門以外のさまざまな分野にも興味、関心を持たれていました。また、岩手赤門会、東大同窓生の岩手の会長も引き受けていただいて、私もそちらの岩手赤門会、東大同窓会の方でも親しくさせていただいて、非常に情に厚いところと、一方で論理的にさまざまな課題を切り分けて整理していく知性の高さというものに感銘を受けたことを思い出します。

記者
 私も県勢功労者に関係してなのですが、今回の受賞者全ての方を含めて知事のコメントがあればお願いします。

知事
 この県勢功労者表彰というのは、岩手にこれだけすばらしい人材がいらっしゃるということであると同時に、県としてこれだけお世話になったということでもあります。岩手の教育、経済産業、福祉、それぞれの分野で、やはりこうしたすばらしい方々がいてくださったおかげで、この岩手の県民の暮らしや仕事、そして学びも守り育てられたのだなという思いを新たにします。

記者
 私は、塩野義製薬との協定についてお伺いしますが、子どもの未来支援にかかる連携・協力ということですが、知事としてはどういった効果をこの協定によって期待されているのか教えてください。

知事
 この塩野義製薬の手代木社長と直接会って話をする機会があったのですけれども、手代木社長が塩野義製薬の会社経営について一生懸命取り組む中で、会社が明治11年の創業ですから、長年にわたって蓄積してきたノウハウ、また、最近どんどん得ている新しい知見、こうしたものを薬の製造販売ということ以外の形ででも、地域への貢献や将来を担う子どもたちの育成に役立てたいという、非常に強い思いを抱いていらっしゃるということを感じ、またそれは県知事として私が岩手の県民の皆さんに対してそうしたいと思っていることとぴったり重なるところがありましたので、こういう民間会社と県との協定を結ぶことによって、行政だけではできないような民間企業が持っているノウハウや知見を生かした地域づくりという中で、特に子どもの育成に関して手厚い策がさまざまとられることを期待しています。

記者
 塩野義製薬さんと連携するということで、その背景にある今の岩手の子どもたちの課題というのはどのようなところにあると知事はお考えですか。

知事
 いわゆる少子高齢化という人口の様態の変動や、第4次産業革命ということでさまざま技術が発展してはいるのですけれども、子どものスマホの使い過ぎみたいな、そういう弊害も指摘されたりしています。経済社会の変化というものが一方では子どもたちにとってチャンスにもなっているのですけれども、一方では昔はなかったようなマイナス要素も出ている中で、子どもを育てていくには古今東西共通の基本的なところもあるのですけれども、やはり新しい知見とか、新しい技術とか、そういうものが大変効果がある部分もあるので、そういったところは研究開発部門も持っている優れた企業の協力を得ることで、さまざま解決していけるのではないかなというふうに期待しています。

記者
 では、連携することで、そういった解決にもなるというふうに考えていらっしゃるということですね。

知事
 はい。

幹事社
 発表事項についてほかに質問はありますでしょうか。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありません。各社から質問があればお願いします。

記者
 ILCの関係なのですけれども、先日、アルザス(欧州日本学研究所)所長が来県され地元企業の方を視察しましたが、その前には東北ILC推進協議会の方の総会もあり、今年度政府への要望を強化していくというようなことは了承されましたが、そういった具体的な動きを含め、知事の所感というのをお願いします。

知事
 アルザス州のオー=ラン県選出の国会議員であるベシュトさんが、地元のアルザス欧州日本学研究所の所長もされているわけですけれども、そういう方がマクロン政権のもとでフランス全体の科学技術の推進を担当して、ILCに関してもその窓口になってくれているというのは、今までアルザス欧州日本学研究所と伝統工芸品、南部鉄器とか漆とかを通じてその関係を積み重ねて、オー=ラン県の都市、コルマールで旅行博に何度も出展してきた岩手県としては、非常に良い展開になっているなというふうに感じています。ベシュトさんとも、昼食懇談や夕食懇談で、平泉も見てもらいましたので、改めて岩手県の文化というものを非常に感じていただいたのですけれども、同時にILCについても地元の熱意、準備状況、また、関わっていこうとする企業の技術水準の高さなどをしっかり見てもらって、良かったと思います。
 話の中で、ILCの意義、20kmからスタートということにして、より実現しやすくする一方で、ヒッグス粒子の研究についてはしっかり行うことができて、ダークマターとか、宇宙全体の質量の何割を占めるダークマターの謎を解き明かすことで、宇宙全体を知ることにも役に立つというような、そういう科学的な話もよく分かっていらっしゃって、ILCを国際的プロジェクトとして成功させていくために、非常に大きな力になっていただけるなという、そういう感触を得ることができました。

記者
 ありがとうございます。(東北)ILC推進協議会の方で、政府への要望の強化、重要な1年になるとしての位置付けです。県でも要望の強化というふうには捉えていますが、推進協議会と連携して、今後県の対応というのを教えていただけますか。

知事
 先週の東北のこの推進協議会で決議した要請文を政府にしっかり伝えるということを早期に行いたいと思っていますし、また、地元の準備とともにオールジャパン、全国民に対する働きかけが大事だということで、ILCSupporters(サポーターズ)の立ち上げも先週の東北の会議で報告されたのですけれども、そちらの方も岩手県としても力を入れて、地元の準備、そして全国民の盛り上げを図るというところを今年度はしっかりやっていきたいと思います。

記者
 ベシュトさんとの会話の中で、知事からお話しになったこと、また、ベシュトさんが発言されたことの中で印象に残られていること、何点かあれば教えてください。

知事
 岩手県、特に奥州市や一関市では、もう子どもからお年寄りまで、それぞれ勉強しやすい形で素粒子物理学についても学び、子どもたちはILCやそれを取り巻く環境の絵を描いたりすることもやっているということを紹介したところ、大変感心されていました。ベシュトさんは、さっき話したようなILCの科学研究施設としての意義というのを十分理解された上で、同時に人間には夢が必要だということも語られていて、かつてアメリカのケネディ大統領が宇宙開発という夢を語って、アメリカや世界の科学技術を発展させたように、ILCというものも人類の夢、そして科学技術の力を引き出していく、そういうシンボルにすることができればいいなというようなことを話していて、それは非常に印象的でしたし、本当にそのとおりだと言って、私は握手をしましたね、その話を聞いた時。

記者
 その場面は、昼食での言動でしたか。

知事
 はい、昼食の時です。

記者
 天皇陛下の退位に関わって、新しい元号が来年の退位と即位の間の1カ月前ぐらいに示されるということが中央の方で明らかになったようなのですけれども、これまでも知事はいろいろ挨拶の中で、平成のちょうど30年というのが節目で、来年新しい局面を迎えるというような趣旨のことをお話しされていますけれども、実際の場面で、やっぱりいろんな印刷物とかが平成から新しい元号に変わるということに関して言えば、県のいろいろな計画とか、ものの表記とかもいろいろ変えなければいけないという実務の面の作業も必要になると思うのですけれども、そういうことへの準備とか、それに向けてどういうふうに望むかということを知事から教えていただければと思うのですが。

知事
 2018年とか2019年という西暦の方は、もうこれは機械的に、地球の太陽の周りを回る公転のサイクルに合わせて機械的にもう決まって変わっていくというものなわけですけれども、広くアジア、そしてその中で日本もですが、暦というのは暦博士、平安時代、天文博士とか、暦博士とか、陰陽術やら何やら、そういうのも関連させて、高度な儀式として暦というのは作られていたわけで、日本の元号というのはそういう流れの中で、かつては災害とか戦乱とか、そういったものから立ち直ろうとする時に新しい元号にしたりとか、いろいろそういう国としての願いを込めて、呪術的な営みとしても決めたり変えたりしていたものなので、現代においては一つの文化なのだと思います。ですから、文化として国民のものにきちんとなっているかというところが多分鍵だと思います。便利さだけを考えれば西暦、これはもうパソコンやら何やら、コンピューターの中にも組み込まれて、2000年問題というのは大変だったのですけれども、あれをクリアした後は、もう自然環境でもあり、機械の中にも組み込まれた話であり、便利のことだけ考えていれば、それに従って日々仕事や生活をしていればいいのだと思うのですけれども、元号の決め方、変え方については、文化としてどれだけ豊かな決め方、変え方をしていくかという辺りがポイントだと思うので、その辺はまず専門家の人たちの手腕というのを期待したいと思っています。

記者
 あまり時期的なものには、何か論評を差し挟むところはないということですか。

知事
 僕は、年度としては30年度という、平成30年度はもうあることが決まっていて、それを使っていますし、来年の5月以降のことについては、今は2019年と言っていて、特に不自由は感じていません。

記者
 たびたび何度もすみません。国政と、あと県政の方にも関係あるのですが、国民民主党の方が立ち上がりまして、事実上、民進党県連の方から、あと希望の党の階さんも合流して、国民民主党県連の方が事実上スタートしましたが、希望の党と合流、民進党からも合流ということで、最終的な決着を見ているのかなと思うのですが、知事はどのように見ておられますか。

知事
 あまり最近きちっとフォローしていなかったので。ただ特に何か悪いことが起きているという感じは受けていないので、いいのではないでしょうか。

記者
 いいのではないでしょうかというのは、歓迎するというような捉え方なのでしょうか。

知事
 ただ、直接何も聞いていませんのが、多分、近々何か私に対する説明とか、紹介とかする機会があるのではないかと思うので、それを待ちたいと思います。

記者
 今の国民民主党の関係で関連ですが、希望の党と民進党が合流して国民民主党が先日国政の方で発足したわけですが、そもそも政権に対立する大きな塊をということで一緒になったわけですけれども、立ち位置としては立憲民主党に次いで野党第二党という立ち位置なわけですが、こうした野党の動き、国政の状況についてはどのように見ていらっしゃるでしょうか。

知事
 私の頭の中にある複数政党制で政治を良くしていく仕組みというのは、大きく2つの勢力が競争し合いながら、政権についている方は普段から主張していた政策を実行に移し、そして政権についていない方、英語で言う反対党、オポジションですね、日本では野党という言葉がよく使われますけれども、そのオポジションが今行われている政策よりもより良い政策というものを磨き上げて発表し、それが良いと国民に思われれば交代をすると。国民が今実際に行われている政策の方が良いと思えば、そちらが引き続き政権を担うという、そういう中で競争しながらお互い高め合って、国民にとっては政治というものが常に向上していくという、そういう仕組みができれば良いと思っているのですけれども、それにはまだ全体として足りないなという感じがします。
 足りないのは、野党の側だけが足りないというのではなくて、与党の側も野党だった時に、分かりやすい対立軸をつくるために自民党の結党以来のスローガンである自主憲法制定という復古主義的なところを政策を軸にしながら、かなり右翼、タカ派的な方にシフトした理念、政策を打ち出すようになって政権を担い、ちょっと偏った路線を進んでいるのではないかと思っていまして、だからそこからちょっと問題があるのですけれども。それに対して、こちらの政策の方が良いのだというパッケージが国民に分かりやすい形ではいまだ示されていないがゆえに、政権交代というのが起きないまま今に至っているという状況で、与党は与党でもう少し国民が必要としていること、それは格差社会化、貧困問題の解決であったり、アベノミクスということでこれだけ金融緩和し、マネーがあふれる経済状態にしているにもかかわらず、マイナス成長が起きてしまうくらい国民経済というのは非常に弱いのです。その弱さを克服するような施策を今政権を担っているところはとらなければならないと思います。
 その要は、地方が主役になって経済成長していくような地方主導の経済社会の発展のパターンを作り出すところなわけですけれども、そういったことについて与党も野党もうまく対応できていないというところが今の日本の問題なので、与党の方で早くそういうことを決めて実行に移すか、あるいは野党の方で今より良い政策というのを国民に分かりやすい形で示して政権交代を実現するか、そのどっちかを早くやってほしいというふうに思います。

記者
 その政策のわかりやすいパッケージが示されていないというのは、国民民主党というよりは、野党全体の話かなと理解したのですが、そうすると各党が個別にそれぞれ政策を示すというのもあるでしょうけれども、ある程度やはりまとまって分かりやすい政策を示すべきだろうという考えになるのでしょうか。

知事
 去年の衆(議)院(議員)選(挙)の前に、全国知事会がまとめた、これをやれば日本が良くなるという政策集をそのままやってもらえるのであれば、何党であれいいのだと思います。

記者
 今それぞれ野党が分かれているというか、分散しているような状況だと思いますが、それはまとまって政策を打ち出した方がいいとお考えでしょうか、それともそれぞれにやっぱりやってもいいという、その辺、どうお考えですか。

知事
 やりようなので、全国知事会が示しているような政策を本当にやりますということで国民を説得できるのであれば、1人か2人からスタートしても一気に政権交代まで持っていけると思います。もちろん1人か2人でスタートするよりは、100人ぐらいでスタートした方が国民に浸透しやすいというところはあって、ただそこは技術論的なところもあり、それは人数が多ければ多い方が良いのですけれども、ただ前提となるのは今日本が必要としている、国民が必要としている政策パッケージをみんなできちっと推すのだという、その構造をつくれるかどうかというところがポイントだと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は5月25日(金曜日)の予定です。

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