平成30年11月8日知事会見記録
平成30年11月8日10時00分から10時38分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
先日、岩手競馬で3回目の禁止薬物の陽性馬が発覚いたしました。これにより、現状少なくとも3日間のレースの中止が決まりましたが、細かい数字で恐縮なのですが、この3日間の中止による損失の額をもしご存じでしたら教えていただけますか。
知事
そこは、事務的にさまざまいろいろな計算はあるかとは思うのですけれども、私の立場からはまずさらなる再発防止体制強化、また、今回陽性馬が発生した厩舎の周辺厩舎の馬の検査も改めてしたいということもありますし、そういった公正な競馬を実施できる体制をいち早く整える必要があり、それができ次第競馬を再開して、ファンの皆さんの期待に応えて、そして県民の信頼にも応えていきたいというふうに思います。
記者
あともう一点、関連して、2回目の発覚時も、レースの中止により損失が出て、これによって事業継続の条件となっている単年度収支の均衡は果たせるのか、それとも難しそうなのか、知事の見通しをお願いします。
知事
岩手競馬、単年度で赤字にしないと、単年度でも黒字にしていくということが岩手競馬の原則でありますので、これはそういうふうにしていくということです。
記者
今回の損失によって、黒字というのが厳しい状況になったのかどうかに関してはいかがでしょうか。
知事
まだ年度の真ん中辺りでもありますし、いずれファンの皆さんの期待に応え、そして魅力あるレースを提供し、さまざまな経営努力も行って、今年度の黒字達成を目指すということです。
記者
ペーパーの方でコメントを発表していただいたのですけれども、管理者でもある知事のいわゆる管理責任を問う声も取材を通して聞くことがありました。ご自身の管理責任、責任についてはどのようにお考えでしたでしょうか。
知事
7月の1頭目、9月の2頭目の禁止薬物陽性馬の発生を受けて、再発防止策を講じてきたわけでありますけれども、それにも関わらず今回3頭目の禁止薬物陽性馬が発生したことは極めて残念であります。早急に再発防止策の実効性を確保して、そしてさらなる強化も図り、公正な競馬を実施できる体制を一日でも早く構築することが管理者以下競馬組合の努めと考えます。そのために、次の開催を予定どおりの日程で施行(開催)できなくなるということ、これはもうファンの皆様、競馬関係者の皆さん、そして県民の皆さんにおわびしなければならないというふうに思います。
記者
いわゆる地方公営競馬というのは、そもそもの存在意義としては財政に寄与する目的という、財政競馬としての側面が大きいということがあると思います。もちろん岩手競馬の場合は、これまで岩手が長年培ってきた馬事文化の継承と発展という意味合いももちろんあるのですけれども、本質としては財政に寄与するための財政競馬という役割がありますが、岩手競馬というのは90年代以降長らく財政競馬の役割というのがなかなか果たせないで来たわけですけれども、そういったことも踏まえて、知事として岩手県における岩手競馬というのはどのような存在であるのかということを改めてお聞かせ願えますでしょうか。
知事
財政競馬の看板を下ろさずに、そのために昨年度は岩手県、奥州市、盛岡市への借金返済も行ったところでありますし、一方、岩手競馬が大勢の雇用の確保、また、地域経済の活性化プラス馬事文化ということもあっての地域振興効果も期待され、そういった役割も果たしていると思います。
また、東日本大震災発災直後、岩手競馬もさまざま施設が損壊し、経営の危機を迎えたのですけれども、競馬の全国団体、また、地方団体の連合会、全国の競馬ファンの皆さんからの支援もいただき、復興の一つの象徴とし、東京で南部杯を行うといったようなことも含めて、岩手全体に何かあった時、岩手を救うための一つの象徴としての役割も果たしたと思います。そうやって支援された岩手競馬が災害に対する寄附を行ったり、騎手の皆さんが先頭に立ってチャリティーを行ったりということもあります。そういう多様な、いろんな役割を果たしつつ、岩手競馬というのは一つ岩手県の顔としての役割を果たしているというふうに思います。
記者
さっきの質問とちょっとかぶるかもしれないのですけれども、岩手競馬の単年度収支での黒字ということに絡んで、今回こういう問題が起きて、仮に赤字になった場合、それでも事業を存続させないという原則というのですか、それは知事としては今のところ変えないという考えなのか、それとも今回は特別のこととして、別途考慮する必要があると考えるのか、その辺の考えをお聞かせください。
知事
まず、今回の3回目の禁止薬物陽性馬発生事案を受けての対応という意味では、これは再発防止策の強化によって公正な競馬を確保して、一日も早く競馬を再開するというために、今さまざまやっているところであります。そして、毎年毎年さまざまな経営上マイナス要因というのは出てくるわけでありますけれども、それらを乗り越え、必要であれば年度の途中にでも関係者が集まってコスト調整をするようなことも行って、今まで黒字を確保してきたわけでありますので、そういうやり方が岩手競馬のやり方だと、そうやって黒字を確保するのが岩手競馬のやり方だということです。
記者
ということは、今回もこういう問題が起きたとしても、その原則は変えないと、今のところ知事としては変えないというお考えというふうに受け止めましたが、それでよろしいですか。
知事
定例の競馬議会がもうすぐあり、その説明のための会が、記憶では今日(正しくは「明日」)行われる予定で、それを踏まえて次の競馬議会の予定は固まるわけでありますけれども、質問がありましたのでお答えしますけれども、何かそういう岩手競馬の原則を変更するとか、そういった提案を議会にする予定はありません。
記者
私も競馬に関してなのですけれども、2頭目まで出て、そこから再発防止策ということで、1億円新たに投じて監視カメラの設置であるとか、そういった再発防止策を徹底してやろうという矢先の今回3頭目ということですけれども、これまでの再発防止策が果たしてどこまで効果があるのか、そういった実効性を問う声というのも当然上がってくると思います。そこに対して、知事ご自身はどういうふうにお答えになりますか。
知事
2頭目の事案発生後、監視カメラの設置や、また、警備・見回りの体制づくりということを決めて取り組んできたわけでありますけれども、厩舎の監視カメラが稼働する前の段階で3頭目の事案が発生したということは、大変残念であります。ただ、監視カメラ稼働前、2頭目の事案が発生した時点での再発防止策が動き出す前に3件目の事案という、そういうタイミングがもし選ばれたものだとすれば、それはやはり監視カメラや警備・見回りの強化というものが忌避された、避けられたということであるとすれば、それは監視カメラや警備・見回りの強化ということが効果あるものだということを意味するという解釈もあり得ましょうから、やはり2回目の事案発生時に決めた再発防止策をまずきちっと完成させて、そしてさらにそれを強化していくということをすべき局面というふうに考えます。
記者
私も競馬についてお尋ねします。今の件に関して、監視の強化というところで、(監視カメラを)150台増設するということで、盛岡も含めれば今月中旬までには設置が完了すると。恐らく動作確認等もすると、一応月内には両競馬場で、厩舎等で体制が整うとは思うのですが、もう一つ、厩舎単位の自衛の強化策というのも対策として掲げられていたのですけれども、実際、調騎会さん等も昨日会議があって話が出た中では、やはり24時間寝泊まりして自己防衛するというのはなかなか難しいというところがあって、ずっと厩舎にいる仕事だけではなく、厩務員さんも今人手が不足している中では、現実的には難しいということで、ここに関してはちょっと再発防止策の監視体制の増強という、再構築という面では、ちょっとなかなか行き届かないのかなと思うのですが、改めて監視体制の強化の部分で、おととい記者発表があったのですが、それ以降も必要であれば随時加えて対策を講じていくというようなスタンスでいらっしゃると捉えてよろしいですか。
知事
対策については、原因究明再発防止等対策チームにもさまざま検討してもらいながら進めていくわけでありますけれども、さっき述べたように、カメラや、あるいは生身の人間によって見られることを嫌って、3回目の事案がそういうタイミングが選ばれたとすればですけれども、やはりカメラや生身の人間による目を光らせるということが効果があるのではないかということが考えられるわけでありまして、そういう中で何が効果があるのか、そういう効果があることをどういうふうにやっていくのかということを適時的確にやっていくのかなというふうに思います。いずれ2回目の発生時に決めた再発防止策を完成させることと、それをさらに強化させるということはやらなければならないと思っておりますけれども、むしろ先ほどの質問にあったような対策の具体的な、いつどこで誰が何をするみたいなことについては、よくそれがはっきりしていない、いつどこで誰が何をするかわからないような状態にしておくことの方が、むしろ見られる可能性が常にあるという状況をつくることにつながれば、それはそれとして一つ対策としてあり得ることかなと思いますが、いずれにせよそういう詳細の部分は、原因究明再発防止等対策チームの意見も参考にしながら、現場で決めてやっていくことが効果的かなというふうに思います。
記者
ありがとうございます。また、可能性の話で大変恐縮なのですけれども、ちょっと知事も可能性の話として触れられたように、人為的な、何か岩手競馬なのか、あるいはもっと、競馬関係者なのかわかりませんが、怨恨や愉快犯という立場でそういう薬物の問題が起きているのだとすれば、管理責任等で陳謝もされているように、責任は当然競馬組合関係者等にはあるのかもしれません。ただ、被害者という観点もあると思うのですが、原因究明という手段からしても、被害者として被害届を、競馬法に関する連絡を警察にするというよりも確実な刑事告発みたいなものも同時にすべきではないかと思うのですが、これに対して管理者として、知事、どのようにお考えになりますか。
知事
そもそも人為的なことかどうか、そこを究明しなければならないということはそのとおりだと思うのですけれども、それについては今後競馬組合の取組や警察の捜査を通じて明らかになることを期待します。
記者
私としては、取材をしても、積極的に出して、被害意識を出せという意味ではなくて、いろんな原因を特定したり、可能性を潰していくためにも、積極的に刑事告発をやっていくべきではないかという声もあったという意味でお聞きしたのですけれども、どうでしょうか。
知事
問題の解決の仕方には、法律をめぐってさまざまなやり方はあるのだと思いますけれども、いずれ事の本質は人為的なものかどうかということにあるのでしょうけれども、そこは競馬組合による再発防止の取組と、あるいは警察の捜査によって明らかになることを期待します。
記者
わかりました。あともう一点、今回いろんな体制をしていくということは、まず再開するということが最優先として取り組まれていることだと思いますが、合わせてそれはやはり4頭目、4件目を出さないというために行われていることだと思いますので、改めてそういう再発防止、4件目を出さないということを知事から改めてお聞かせいただきたいと思うのですが。
知事
再発防止策等、さまざまな取組は公正な競馬を確保するために行っている、イコール通常どおりに競馬を行うためにやっていることでありますので、そして公正な競馬の確保というのは薬物陽性馬が発生しないということですので、そのために今力を入れているということです。
記者
先ほどの単年度収支の均衡の部分でちょっと確認ですが、まだ原因究明もされていない段階ですし、今後レースの自粛は長期化して赤字も考えられると思うのですが、それでも今回は特例の措置をとらずに、今年度もし赤字になった場合は特例のルールというのもなく、廃止の方になるという考えでよろしいのでしょうか。
知事
今やっているのは、公正な競馬を確保するためのさまざまな取組であり、その体制ができ次第、通常どおり競馬はやるわけでありまして、何か自粛という言葉から想像されるのは、世間のお騒がせが静まるまで不定期に何もしないでじっとしているという状態にあるわけでは全くありませんで、競馬の公正な運営の確保というのは、いわば常にやっていることでありますので、起きた事案は異常なことではありますけれども、それに対する取組というのは、競馬法に基づき競馬運営主体がやらなければならないことを今やっているということで、そしてやるべきことの中には通常どおりの競馬の開催ということがありますので、体制でき次第すぐそれをやって、そしていつものように黒字確保していくということです。
記者
そうすると、先ほどのお話ですと、例外はないということですが、今回は赤字にはならないというふうに見ているのか、その辺りのご判断というか考え、現段階でのお考えというのは。
知事
管理者としては、定められたルール以外のルールに従うというのはあり得ない選択肢なのですけれども、知事としての立場からは、盛岡市や、あるいは奥州市と共同の意思決定をしながら、正確にちょっとぱっと思い出せませんけれども、岩手県議会あるいは競馬議会の中でも何か投資的経費については、それは別枠で認めるべきだとか、今のルールと違う意見というのは常に出されていて、競馬組合としてはそういったことを検討する立場にはないのですけれども、構成団体においては既に議会でそういう議論も起きているわけで、構成団体の首長としてはそういう議論も踏まえながら、県民の民意を形にして、それがこの岩手競馬の経営につながるようにという問題意識は常に持っていますけれども、今の段階で何か新しいルールの提案をする用意はありません。
記者
わかりました。あと、当面の自粛の再開の判断なのですが、まだ具体的にいつ再開するという見通しは立ってない状況ですが、どの時点で再開を判断するというお考えでしょうか。
知事
自粛を止めるとか、自粛からの再開ということではなく、公正な競馬の確保ができる体制ができれば、これはすぐやるということです。
記者
先ほど公正な競馬、公正な運営の確保ができ次第(再開)ということでしたけれども、そのためにはこの2回目の発生時に決めた監視体制の完成とさらなる強化だとは思うのですが、それは大体いつぐらいまでに完成させたいとか、そういうめどというのはございますか。
知事
できるだけ早くです。あとは、その周辺厩舎に陽性馬がいないことの確認ということもしたいと思っていますので。ただ、それらについて、それぞれやるべきことというのは決まっていますので、例えばあらかじめ計画していたことでないので、いつまでにということをはっきり明言はできないのですけれども、できるだけ速やかにと。現場の方の感覚で、副管理者以下が記者発表を行った際、次期開催の最初の3日間はちょっときついけれども、まずそこで何とかやりたいという趣旨の回答があったのかなと記憶しております。
記者
できれば3日間の休止だけで収めたいという思いはあると。
知事
現場はそういう思いで動いてくれています。
記者
年度途中でのコスト調整しての黒字確保という観点でお伺いしたいのですけれども、もう既に最低4日間の開催が取り止められるということがわかっていまして、競馬組合としては代替開催を行わないという方針を示しています。それで、既に4日間の開催を取り止めて、1億(円)ちょっとのいわゆる機会損失があるということで、収入の損失があるということで、なかなかそれを確保していくのは非常に難しいと。出て行く分を抑えるというのにも限界があるかと思います。改めてなのですが、本当に代替開催を行わないでコスト調整ができるのかというふうにちょっと不安に思うわけですけれども、それに関してはどのようにお考えでしょうか。
知事
まずは、競馬組合の事務方の腕の見せどころというのがありますので、まずはそこで今さまざま工夫と努力をしているところであります。
記者
私も競馬の関係でお伺いしたいのですが、先ほど単年度収支の存廃ルールの関係のお話がありました。原則は変えないという。これまでは、コスト調整でやってきたということですが、つまり今後経営が厳しくなった場合に、これまでどおりコスト調整なりで調整して黒字を確保していくと、そのようにお考えなのでしょうか。
知事
ちょっとそもそも論になって申しわけないのですけれども、競馬組合からそういう提案をすることはあり得ないというか、競馬組合、競馬議会の中で決められる話ではありません。構成団体としてどう考えるかということについては、さっき述べたようにいろんな意見は出ているのですけれども、もし変えるとなれば、岩手県、盛岡市、奥州市が同時に行政と議会でえいっと決める手続に入ると思うのですけれども、そういう準備はしていません。
記者
今のは存廃ルールのお話だと思うのですが、つまり管理者の立場と知事の立場と、ちょっと立場によって見解というか、言い方が変わるということだと思うのですが、現段階ではそういう予定がないということで、そもそも知事の立場からそういった今回の不測の事態というのは、本来存廃ルールでは想定していなかったものだと思いますけれども、そういったことについて、知事の立場で今後見直すこともあり得るのかどうかという点はいかがでしょうか。
知事
達増知事から達増管理者に期待することとしては、こういう異常な事態ではありますけれども、休催という日数を極力少なくし、そして再発防止策をきちんと完成させて、できるだけ通常どおりの開催を確保しながら、単年度での黒字を確保してほしいという思いです。
記者
コスト調整の関係なのですが、これまでもコストを調整して黒字を確保したという歴史というか、経緯があるわけで、つまり今回も経営が厳しくなれば、そういったこれまでどおりの手法でまずは対応していくという考えになるのでしょうか。
知事
さっき今まではそうやってきたということで言ったのですけれども、今回はまだ関係者へのコスト調整をお願いする準備はしていません。
記者
あと、先ほど現場としては3日間の自粛というのでというお話ありましたけれども、管理者の思いとしてはいかがでしょうか。
知事
1年を通じての通常開催ということ、年の初めにはそういう計画を発表し、農林水産省にも計画を提出しているわけですから、過去にも天候の関係で丸一日休みにしたりとか、そういうことはあったわけですけれども、そのたびにじくじたる思いがしておりました。今年度こういう異常な理由によって、通例の年よりも多い不開催の日となってしまっていることは非常に残念なのですけれども、ただ天候と違って人間の力で解決できない問題ではありませんので、ここはやはり人間の力の見せどころなので、競馬組合、そしてまた関係者の皆さんにもさまざまお願いしながら、頑張ってダメージを極小化し、ファンの期待に応え、県民の信頼に応えていきたいと思います。
記者
あと、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、2頭目の検出を受けて、監視カメラであるとか、監視体制対策を講じたわけですけれども、実際3頭目が検出された時は、カメラが動いていなかったという。つまり対策が十分に講じられる前にレースを再開したということが3頭目の検出につながったとも考えられると思うのですが、その点、知事はどうお考えでしょうか。
知事
3頭目のタイミングが、あえて監視カメラ稼働前というタイミングが選ばれたと、もしそうだとすれば、どの厩舎のカメラがいつ稼働するということがわかっていないとだめでありまして、もし再発防止策の詳細について、俗な言葉で言えば裏をかくという意図があってのことであれば、それはあらゆる裏をかくのでありましょうから。ただ、その辺のことについては、今後競馬組合の取組や警察の捜査によって明らかになってくることでありましょうから、そういったことから明らかになってくる中で、何か競馬組合側にとても甘いところがあったかどうかということが逆にわかるかもしれませんし、あるいは競馬組合側の努力を、そういった情報を踏まえて、努力すればするほど、例えばそういった対策を明確化すれば、それほどそれがない時間とかいうところの脆弱性がむしろ強まるというところもあるので、何がそういった3回目の事案の原因になったかということは、いずれ組合の取組や、あるいは警察の捜査によって明らかになることを期待しますけれども、その中で悪かった部分、あるいは防げなかった部分というのが見えてくると思います。
記者
ちょっと話題は変わるのですけれども、先日、政府の方で漁業権を地元の漁協だったり、漁業者に優先的に割り当てる規定を廃止する水産改革関連法案が閣議決定されました。企業の新規参入を促すという目的である一方で、地元の漁協さんからは、企業が利益優先になって、もし生産性がないとなったら途中でいなくなってしまうのではないかですとか、あと漁協の管理が及ばないということで懸念の声も上がっておりますが、このことに対する受け止めと、それから県として考える何か新規参入の方であったり、現役の漁協さんだったり、どちらにも対する対応があれば教えてください。
知事
岩手県においては、東日本大震災津波発災以降、漁業の復旧については、今ある漁協というのを、その枠組みを最大限活用して、漁船や養殖施設の共同所有のような形からまず復旧を進めて、そして漁獲や養殖の再開というところにこぎつけているわけで、まずはやはり漁協を中心とした岩手の漁業の復興ということを今進めているところですので、その妨げになるようなことは困るなと私も思います。
記者
特に具体的に、例えばフォローが必要であるとか、そういうような考えとかというのはありますか。
知事
まだ提案が具体的になっていないので、具体的にここが悪い、あそこが悪いという段階までまだ案がまとまってはきていないと思うのですけれども、まずこちら、東日本大震災津波からの漁業の復興に取り組んできた積み重ねからすれば、やはり漁協を中心とした漁業の復興ということ、魚種によって魚量が低下したり、つまりサケが来なくなったりとか、サンマが捕れなくなったり、イカが捕れなくなったりとか、そしてまた水産加工の人手不足で、捕れた魚をスムーズに水産加工に回せないところもあるとか、さまざまなまだ復興が完成していないようなところがありますので、まずはそちらの方の対策というものをしっかり行って、北海道・東北の漁業というと、日本の漁業のもう半分くらいになるのではないでしょうか。(平成28年農林水産統計資料で北海道・東北の漁業・養殖業生産量の割合は日本全体の36%を占めている。)その中で、岩手が占める位置も非常に大きいですから、まずは東日本大震災からの復興ということに国の方も力を入れてほしいと思います。
記者
すみません。もう一度競馬のお話に戻って恐縮なのですが、先ほど推測の域を出ないけれどもという流れで、いろいろな推測を含めた原因のお話も出ました。この延長上なのですが
知事
あれは仮定条件だけしゃべり続けていたということですよね。
記者
誰かが禁止薬物を入れたという推測のもとで、怨恨によるものの可能性を指摘する声があります。その中で、従前から施設が古くなるなどして、調教師さんや厩務員さんの労働環境が非常に厳しかった、これは従前からのことですが、そういう指摘がありました。こうした声は、管理者のもとに届いていますでしょうか。また、改善する対策をとるというお考えはありますでしょうか。
知事
まず、人為的なことだったのか、そしてその背景に怨恨があったのかというようなことについては、競馬組合による取組を通じて、あるいは警察による捜査を通じて明らかになることを期待します。
そして、厩舎や、また、厩舎及びその周辺での働く環境のさまざまな問題点については、年度ごとに状況を聞いていますし、そういう中で水沢競馬場の厩舎の大々的な改修計画というものも策定されているわけでありまして、岩手競馬をファンの期待に応え、県民の信頼に応えるものにしていくに当たっては、厩舎関係者の働く環境や、また、施設のあり方というのは大事なポイントというふうに理解しています。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は11月19日(月曜日)の予定です。
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