平成31年3月25日知事会見記録
開催日時
平成31年3月25日10時30分から10時56分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
土曜日、岩手競馬、春競馬ですね、水沢で開催されました。今シーズンに関しては薬物等の問題で大きく揺れましたけれども、改めてまたレースを、新年度からもう始まりますけれども、春競馬を開催されたことについて知事のご所感をいただければと思います。
知事
県内、県外の多くのファンの皆さんにご利用いただいて、大いに盛り上がって大変うれしく思います。やはりファンの皆さんの期待に応えていくことが大事だなと、改めて思いましたので、そういうふうに新年度の岩手競馬もやっていくよう頑張っていきたいと思います。
記者
いろんな対策がなされた上で、今レースを開催していると思いますが、特に今おっしゃったことに尽きるかなとは思いますが、具体的にここは注力していきたいというようなところは幾つかもし挙げられるのであれば挙げていただきたいと思うのですが。
知事
やはり競馬の原点、馬が一生懸命走り、そして騎手がその馬を操り、それをファンの人たちが一生懸命見守りながら競走するという、それをきちんとやっていくことが大事だなというふうに思います。
記者
ありがとうございます。あともう一点、先週、国連の関連機関の発表で、世界の国と地域の幸福度報告というのがあって、その中で日本が58位と前回より4位落として過去最低になったということでした。次期総合計画に関しては、幸福度という新しい発想を加えた県民計画を策定し、今日、議会で議決がされるわけですけれども、まず結果について知事、受け止めを教えていただけますか。
知事
国連による幸福度ランキングというのも、これは一つの基準であって、絶対の基準ではないのですけれども、さはさりながら、そういう中でも高い方が良いと思いますので、日本全体として幸福度を高める努力と工夫をしていくべきだと思いますし、岩手はもうそういうふうにする(取組を進める)ということ、今日の本会議で可決いただけば来年度からそれはもう亥年ダッシュ、ロケットスタートで展開していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。たしかその報告を報道で見た限りだと健康寿命とか、そういったものは日本はいいようなのですけれども、寛容さという、なかなか尺度としてどう見るのかというところに関して厳しくなっていると。そういう寛容さ、県議会でもこの間、幸福度という個人それぞれ違うものというような意見があった中で、何か似たようなトレンドとして、日本というのは生きにくさというか、そういうものがもしかしたら幸福度を下げている理由なのかなと思いますが、県で次期総合計画でそういったものも克服していけるその中身を盛り込んだので、うまく実現できそうなものとしてスタートできると、すみません、私も自分で何言っているかわからなくなってしまいましたけれども、新年度に向けて、改めて日本は世界の中では下がっていますけれども、岩手県としてはこの計画によって幸福度が上がっていけると、そういう確信というか、自信が知事はおありでしょうか。
知事
世界で初めて幸福追求の権利という形で、幸福を目指すために共同体をつくるのだということを宣言したのはアメリカの独立宣言なのですけれども、その時の13州の人口というのは200万人台だったと記憶していますね、200万と300万の間ぐらい。まして州ということで、それぞれ独立、自立した共同体だと言っていたところは全部100万未満、バージニア州辺りでも四、五十万人(くらい)の人口だったと記憶していますけれども、やっぱり共同体という意識でお互い顔が見えて、声が聞こえるというのでしょうか、幸福の追求というのを共同体としてやっていこうというのは地方自治体が向いているのではないかと思いますので、そういう意味でも国に期待するよりは、まず地方から、岩手からやっていきたいというふうに思っています。
記者
先日、県選管の方で県議(会議員)選(挙)と知事選(挙)の日程が9月8日投開票に決まりましたが、改めてこれについて知事の所感をお願いいたします。
知事
これは選挙管理委員会において決めることですので、無事に決めていただいてよかったなというふうに思っています。
記者
知事選については、現在、まだ誰も立候補を表明していない状態ですが、知事ご自身の態度表明については、今日で県議会2月定例会も最終日で、県民計画も来年度予算についても今日で議決されて、来年度新たなスタートを迎えますが、ご自身の態度表明、進退については改めてどのようにお考えでしょうか。
知事
まず、全体として立候補表明している人がいないというのは、投票日までまだざっと半年くらいありますからね。そして、私自身については、今現在の段階では来年度予算も新しい県民計画もまだ審議中ですので、まずはそれが可決いただけることを議会にお願いしている最中でもありますし、そちらの方にまず専念していきたいと思います。
記者
私もいわて県民計画の関係でお伺いしますが、県議会の方で特別委員会でも全会一致で承認されまして、今日の県議会で可決される見通しであります。4月から新たな計画がスタートするわけですが、その計画を推進する上で、県民の理解、協力というのが必要な計画なのだろうなと思っています。改めてこの計画でどういった岩手を目指していこうとお考えなのか、県民にわかりやすい形で知事のお考えをお聞かせいただければと思います。
知事
そうですね、4月1日に年度始めの知事訓示をやりますので、そこで新しい総合計画、新しい県民計画を推進し、特に県民の皆さんに浸透させていく、普及させていくことが大事ですから、どのような体制でどのようにやっていくのかをその中で述べたいと思います、4月1日に。
記者
現時点だとあれですか、なかなか。
知事
4月1日に発表することに向けて、今その原稿を作っているところです。
記者
あと県議会の議論でもありましたけれども、幸福に関する指標でありますとか、その目標設定ですね、さまざまな意見が出たと思います。岩手県としては初めての取組ですし、必要に応じて指標であるとか、目標というのを柔軟に見直していくというのも今後の作業としてあるのだろうなと思いますが、その点知事はどうお考えでしょうか。
知事
国連のランキングに使われている指標ですら、さまざま議論はあるわけですからね。一方、岩手としてやっていく場合には必ずしも国連の指標に全面的に従う必要はないわけで、あくまで県民本位、県民として、県としてどういう指標を基準にしていくかというのを自分たちで工夫して決めてやっていくことができるわけですから、それはスタート時点で決めたものから一切動かしてはならないということは全然ないので、そこはどんどんより良いふうに改善していければいいと思います。
記者
ありがとうございます。あとは小林陵侑選手の関係でお伺いしたいと思いますが、ノルディックスキーのワールドカップで日本人初の個人総合優勝を達成しました。また24日、最終戦も制してシーズン13勝目と、今季大きな飛躍を遂げたと思いますが、陵侑選手について知事の所感をお願いします。
知事
これはあっぱれ、お見事でありまして、岩手出身のスーパーキッズ卒業生が世界を舞台に大活躍をしたと。ずっと子供のころから岩手のスキー場、ジャンプ場で練習もしていたということもあって、岩手県民として大変うれしいですし、これはもう多くの県民の皆さんそうだと思います。
また、日本のジャンプの歴史を塗り替え、かつ、世界のジャンプの歴史も塗り替えて、ヨーロッパ勢以外で初の総合優勝とか、あと、いろんなその間の年末年始の特別シリーズ(ジャンプ週間)での優勝とか、世界全体のジャンプの歴史を塗り替えたということで非常に偉大な業績を今シーズン上げたこと、本当にうれしく思います。
記者
週末に三陸鉄道が久慈から大船渡までつながったかと思います。まず、この受け止めと、あと、今後維持管理が課題になっていくと。今まで経営赤字だったことや、あと、三陸沿岸道路が並走して走っている等、取り巻く環境はかなり厳しいかと思うのですけれども、そういった今後の促進策について今後どういったような取組をしていくべきなのかなというふうにお考えなのかお聞かせください。
知事
おとといは私も釜石から宮古までの記念列車に乗って走りましたけれども、沿線の皆さんが駅、駅で、また、駅と駅の間の沿線でものすごい喜んで歓迎してくださっていたのを見て、本当に良かったなというふうに思っています。釜石―宮古間はもう8年ぶりの復旧でありますので、地元の皆さんは本当に待ちに待っていたと。また、北リアス線、南リアス線と一体となって163キロの日本一の第三セクター鉄道になるということで、三鉄全体の新しい出発、これも三鉄沿線の皆さんプラスオール岩手として大変喜ばしいというふうに思います。
そして、三鉄の黒字化作戦と言っていいと思います、クロジカの像が宮古駅に建ち、そしてクロジカせんべいが発売されているわけですけれども、黒字化を決して諦めてはいないわけで、黒字化を目指して頑張っていくわけですが、もともと宮古―釜石間というのは岩手沿岸の鉄路の中でも採算をとりやすいということでJRがずっとやっていたという経緯もありますので、北リアス線や南リアス線沿線に比べて市街地の発達の度合いも高い地域で、東日本大震災で一旦そこが壊滅したわけでありますけれども、今はものすごい勢いでそこが再生していて、駅を中心とした新しい中心市街地の形成ということも今進んでいますので、まず復興の取組の中で三陸鉄道というものを宮古―釜石間でどんどん活用していただくということが大きいテーマだと思います。
そして、復興道路が並行してあるということは、これはむしろその方がいいということで、復興道路のことも陳情要望して実現しているところもあり、特に観光客ですよね、沿岸以外のところから沿岸に行って三鉄に乗ろうという時に、もちろん鉄道を乗り継いで来ていただいてもいいし、それも大変推奨する行き方ではあるのですけれども、都合によっては車で三鉄のどこかの駅まで行って、そして三鉄を利用して、また車で帰るとかということもどんどんやっていただきたく、そういうニーズの増加にも大いに期待をしています。
ということで、一つは地元のローカル鉄道として日常の利用、これは通勤、通学、通院などだけではなくて、ちょっと隣町に行くとか、隣の市に行くとかという時に、あるいは何かあれば三鉄に乗るという、そういう習慣を地元としてつけていただくということプラス観光、インバウンド、外国人観光客も含めて観光をどんどん伸ばしていくことで黒字化を狙っていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。あと少し関連してなのですけれども、先ほど週末に沿岸に(行って三鉄に)乗ってみて、ものすごい勢いで再生しているとありましたが、恐らくこの3月は知事にとっても沿岸に行く機会というのはほかの月よりもかなり多いかと思います。それで、何か普段よりも多く見ている中で、この3月でより課題を強めたようなことというのがもしおありになれば教えてください。
知事
交通インフラがどんどんできていっているということは、フェリーとか花巻空港の国際定期便のこととかも含めれば日本全体の中で例外的に急速に新しい交通ネットワークが今発展中というところでありますので、今現在岩手の復興は住宅の再建がまだ完了していない中、仮設住宅等での生活が長期化して、今きつい胸突き八丁を迎えている被災者の皆さんを支えていかなければならないという部分と、あとは岩手沿岸のなりわい、産業というものがまだ飛躍するに至っていないという、そこの2つを問題解決するために新しい交通ネットワークを生かしていかなければならないなと改めて感じました。
記者
ILC(国際リニアコライダー)についてお聞きします。今月7日に政府が、文(部)科学校法人省が初めて(ILC誘致に関する)見解を表明しました。その直後のぶら下がりで、知事も政府の表明を歓迎するとおっしゃいました。ただ、文科省は「前進か後退か」という問いに関しては、「継続する」とのみ発言しています。改めて知事のお考えをお聞かせいただきたいのと、県としては次の節目をどのように捉えているかお考えありましたらお聞かせください。
知事
政府として、きちっと担当省庁の局長が関係する国際会議に出て発言をするとか、今までやったことがないことをやっているわけですし、また、国際的な、意見交換という日本語を使っていますけれども、英語を見るともう調整と訳してもいいような、協議と訳してもいいようなことを外人研究者の皆さんには告げていて、アメリカ、ヨーロッパとそれぞれ政府間の協議も今までやったことがないようなことをやっていくという話をしていますから、それはやっぱり言葉の使い方の問題、いろいろあるのでしょうけれども、前進と言っていいと思います。
ということで、今までやってなかったことをやるようになっている政府でありますから、さらに今までまだやると決めていなかったということについてもILCやる(誘致する)と決めるというところに向かって、さらに進んでいってもらえればというふうに思います。
記者
ありがとうございます。今後の次の節目としては、知事はどのように考えていらっしゃいますか。
知事
私個人としては、もっと早い段階で決めていただいていても良かったなというふうには思っているのですけれども、そういう意味ではできるだけ早目、早目にさまざまな作業を行って決定をしていただければ、地元の方でもそれによって必要な準備とかもはっきり形が見えてきて、研究者の皆さんの生活の場をちゃんとつくっていくとか、そういうことを早目、早目にやれるように、早目、早目に決めていただきたいなというふうに思います。
記者
先ほどの知事選の関連でお伺いしたいのですけれども、現時点では県民計画であったり、目の前のことに専念したいことだと思うのですけれども、ではどのようなタイミングがその態度の表明に適切なのか知事のお考えをお願いします。
知事
今は基本的に今年度内のことで手いっぱいという状況なのですけれども、さすがに今年度最終週に入って、来週の日程とか予定が固まってはきているのですが、4月の予定を見ていてもかなりやることが多く、いわて県民計画(2019~2028)のスタートダッシュという部分でもかなりやらなければならないことがあるし、また、年度始め固有のさまざまなやるべきこともありますので、まずはこの新しいいわて県民計画を軌道に乗せるということに集中していかなければならないかなというふうに感じています。
記者
私も幸福度ランキングについてお尋ねします。少し重複もしますが、日本の幸福度が下がってきているというふうに位置付けられていることは、知事としてはどのように分析されていますでしょうか。
知事
国連のあのランキングは、自分自身が幸福だと思うかとか、そういう主観的な回答もカウントされていると仄聞しておりまして、日本人の場合、その辺遠慮がちになって、いやいやそうでもない、そうでもないという感じで全体的に数字が低く、ランキングの順位が低くなりやすい傾向があるというふうに受け止めてはいるのですけれども、さはさりながらあの順位はちょっと低過ぎるのではないかなとも思いますし、また、今自分が幸福だと思えないような時、それが単なる主観的判断というよりは背景となる経済情勢、社会情勢問題があって、どうも給料が上がらない、使えるお金がむしろ減っている。そして、子育てとか、介護とか、不安も多いとか、そういうことが背景になっていて、主観的な数字も悪くなっているのかなとかも思いますと、やはり(幸福度を)高める努力と工夫をしていかなければならない局面だというふうに思います。
記者
今のお話を聞いても、確かに地方自治体の方がやれることがあるという先ほどのお話はわかる気はしますが、しいて言えば国としてどういうことをやれば上がるのではないかなというご意見があればお願いします。
知事
そうですね、やはりマクロ経済政策は大事で、平成を振り返る企画が今さまざまありますけれども、賃金が伸び悩んで、むしろ税金とか、社会保障保険料とかの負担は増えて、可処分所得が全体として減っているという状況だと、やっぱりこれは幸福度も幸福感も下がっていくような格好になりましょうから、高度成長をもう一度というのは非現実的なのですけれども、世界経済全体はこの30年ずっと伸び続けていたわけでありますので、やはり低めの成長率であっても成長していく、あるいはまた成長率以上に分配が、普通の人への所得の分配が高まるような、そういうマクロな経済政策をしていくことが国の務めだと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は4月1日(月曜日)の予定です。
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