平成31年1月7日知事会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
それでは、幹事社から県政記者クラブを代表して質問いたします。年頭に当たっての知事の所感をお聞かせください。
知事
今年は釜石で仕事始めを行いましたが、秋にラグビーワールドカップ2019TM岩手県・釜石市開催、いよいよ今年行われるという特別な年となりますし、また、3月23日には釜石・宮古間を含めたリアス線が開通し、三陸鉄道が生まれ変わる年でもあります。その間、三陸防災復興プロジェクト2019を開催し、東日本大震災津波の風化を防ぎ、改めて震災の教訓を未来に伝え、県外、国外にも発信していくような、そういう取組を展開しながら、復興の状況と、そして復興のその先の岩手の目指す姿というものを岩手沿岸、三陸から発信していく、そういう年になっていきます。そして、内陸の方では、北上川流域での自動車・半導体関連産業を中心とした製造業の生産と雇用の著しい伸びが今年も続く見込みですので、これを新しい地域づくりにつなげていくことができるように、仕事と生活のバランスが取れた新しい地域づくりにつなげていくことができるような、そういう未来を切り拓くような人手不足対策を講じていきたいと思います。県北に対しても、先端的な政策をさまざま集中的に投入して、それによって岩手全体、未来を切り拓いていく、いわばスタートの1年になるということで、それは4月から新しい総合計画の下で県政を推進していくという年でもありますので、亥年にちなんで、新しい県政を目標に向かって一直線にダッシュしていくような、そういう1年にしていきたいと思います。
イノシシが一直線にダッシュする姿は、ILC国際リニアコライダーの電子と陽電子が一直線に進む姿にも似ているのですけれども、ILCの方もいよいよ、去年が正念場だったのが今年に延長され、正念場が今年へ越年されているのですけれども、これも地元としてしっかり準備、対応していきたいと思います。
幹事社
ありがとうございます。それでは、ただいまの知事の年頭に当たっての所感について、質問が各社からあればお伺いいたします。お願いします。
よろしいでしょうか。それでは、幹事社質問に関連する質問以外で各社から質問があればよろしくお願いいたします。
記者
先週、安倍総理が記者会見をされて、新しい元号を4月1日に発表するというふうに記者会見でおっしゃいました。これについて、知事、所感をお聞かせください。
知事
どういう元号になるのか楽しみですけれども、これは専門家の方々が知恵を絞って、普通では考えつかないような元号を考えるのだと思うので、どういう元号になるか楽しみにしたいと思います。
記者
ありがとうございます。今回のこの4月1日の発表ということに関しては、新元号の政令、改元の政令の時期をめぐって、政府内でも、専門、有識者も踏まえたのでしょうか、いろいろ議論があったようですが、今の天皇陛下が公布するということに関して、伝統を重んじる方からもいろいろ意見があったようなのですけれども、決定するまでのプロセスに関しては、知事は報道等をご覧になってどんな受け止めを持っていらっしゃるでしょうか。
知事
元号を新しくすることには、昔は天変地異が続いたり、あるいは戦が始まったとか、あるいは終わったとか、そういう時の節目に元号を変えるなんていうこともあったのですけれども、今回は御代がわりに伴う元号の転換というのですか、変換になりますので、趣旨からいえば、まず御代がわりということを国民としてきちんと受け止めて、改めて日本国憲法の下での象徴天皇制ということの意義、そして日本国憲法以前には国の統治とか、国のいろんな責任を天皇に求めたりするようなところもあったのですけれども、今、国民主権の時代ですから、国民がきちんと責任を持って国のあり方を決めて、そしてつくっていくという覚悟を改めて確認するような、そういう御代がわりであり、また新元号制定になればいいと思います。
記者
知事としては、新しい元号が今の天皇陛下が公布されることには特に違和感というのは持っていらっしゃらないですか。
知事
さっきから言っているとおりですけれども、日本国憲法の下で国民は国民としてちゃんと国民主権を全うするよう努めていけばいいと思っています。
記者
ありがとうございます。あともう一点、県医師会の名誉会長の石川育成さんが年明け早々御逝去されたというふうに一部報道でありました。県勢功労者にも選ばれている方ですし、長年、医師会の会長として本県の医療に関して貢献された方だと思うので、知事から所感をいただければと思います。
知事
急な御逝去であり、大変寂しく、また残念に思います。岩手県医師会会長を長く務められ、特に東日本大震災津波への緊急対応から復興支援、リーダーシップを発揮していただいて、復興の中で医療が占めるウエートは非常に大きいものがありますので、県と医師会を通じ、広く医療関係者、力を合わせて復興の現場の医療を守ってきたこと、そうした功績のある方でありますので、後進への指導や、また、何かあった時の助言等、さらなるリーダーシップというものも期待していたので、大変残念に思います。
記者
先ほどの年頭所感でもありましたけれども、ILCなのですけれども、3月7日という研究者組織が示した(日本政府の意思表明の)期間まで3カ月という短い時間になりましたけれども、改めて残り3カ月、県としてどう取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。
知事
本当は去年のうちに何らかの国の意思表明ということでやってきたのが3月まで延長されたような格好になっているわけですけれども、検討すべきことはもう大体検討されていて、そして、何をやらなければならないかということも大体議論されている中、あとはもう政府による関心の表明ということですから、早ければ3月を待たずにやっていただければいいなと思いますし、去年12月、(日本)学術会議の正式な報告の後、政府・与党を回った感触では、(日本)学術会議としての検討が終わった、次は政府・与党としての決断だというふうにモードチェンジといいますか、切り替わっているなという印象を受けましたので、それをやっていただけるように、何かいろいろさらなる質問とか調査とか県に求められば、すぐに対応したいと思いますし、やれることは何でもやるという覚悟で、その意思表明を待ちたいと思います。
記者
具体的に何か今月やるとか、そういう予定というのはございますか。
知事
今現在は求められていることはないのですけれども、まず意思表明に至るプロセスを注視しながら、やるべきことをやっていきたいと思います。
記者
あともう一点、岩手競馬の禁止薬物問題についてなのですけれども、本来であれば開催するはずだったのが、今日7日まで休止となったのですけれども、3月の特別開催での再開を目指す方針に変わりはないかというのと、あと、原因究明に関しての進展というのはこの間あったのか、ちょっとお聞かせください。
知事
今発表されていることが全てです。そして、さらなる警備、警戒の強化ということは、これは捜査の進展や事実関係の究明を待たずにやっていき、その必要な体制の強化が行われれば、春競馬の開催は可能と考えていますので、春競馬を開催することが岩手競馬組合、特別地方公共団体としての責任と考えますので、そこに向けてしっかり対応していきたいというところです。
記者
教育委員会の方で高校再編に向けた各ブロックでの地域検討会(議)が始まっておりますが、少子化による小規模校化の流れの中で、学校の統合などの方向に進んでいかざるを得ない状況でありますが、各地域の声としては、それはそうとして、岩手モデル、新しい何か、小規模でも地域のために残っていけるような学校のあり方をという声はよく意見として出ているのですけれども、教育委員会のマターではありますが、高校教育の特に方向性に所感といいますか、お考えありますでしょうか。
知事
この問題は、思考停止に陥ってはならなくて、機械的にこうしなければならないみたいな何かそういう自動的に結論が出るような話ではなくて、生徒たち、また、これから生徒になる今の小中学生たちの置かれた状況や環境、これから高校生になる人数とか、また、地域の現状とか、そういったことを見ながら、子供たちが高校生として学ぶべきことをきちっと学んで羽ばたいていくことができるようにするにはどうすればいいかということをみんなで検討しているので、そういう生徒本位の検討というものがきちんと進んでいけば、悪いようにはならないというふうに思っています。
記者
昨年は、明治維新150年ということで、知事は原敬や相馬大作などの人を推していらっしゃったと思うのですけれども、今年は県の偉人局としてはこの人を推したいみたいな、もしいらっしゃれば。
知事
原敬、新渡戸稲造、後藤新平みたいな政治家系、また、(宮沢)賢治、(石川)啄木のような文人系、偉人局が対象とすべき人は大勢いるのですけれども、これは常にやっていかなければならないことだと思っていますので、教育の現場での先人教育というのは定着した感がありますし、人に着目して郷土の歴史を理解することが、幸い岩手の先人は、全国的に、国際的に活躍している人たちがいっぱいいますので、日本全体とか世界全体の理解にもつながっていくので、そういうことは今年もいろいろやっていきたいと思います。
記者
年末に菊池雄星選手、花巻東高校出身の菊池雄星選手がマリナーズに入団するというニュースが入ってきました。花巻東高校出身の選手としては大谷翔平選手に次ぐ大リーガー誕生ということで、知事の所感と期待についてお尋ねしたいと思います。
知事
日本の球界を代表するピッチャーにまで成長し、その実績を引っ提げてのメジャーリーグ入りですので、ぜひぜひメジャーリーグで世界をびっくりさせるような大活躍をしてほしいというふうに期待します。
また、アメリカでの記者会見で、英語がぺらぺらなのに感銘を受けました。現在形、過去形、過去分詞形、現在進行形、自由自在に使い分けて、非常にしっかりした英語を話していたので、英語学習の目標としても、岩手の子供たちをはじめ、日本の英語学習者の皆さんに英語学習者としての雄星君にも注目してほしいと思います。「I’m looking forward to」という、そういう構文も使いこなしていましたから、すごいと思いますよ。
記者
ありがとうございます。同じスポーツの話になるのですけれども、スキージャンプの小林陵侑選手が欧州で非常に歴史のあるジャンプ週間で完全制覇したということも、非常に岩手のスポーツ界にとって大きなニュースとして入ってきました。この点についても所感をお聞かせください。
知事
大変うれしいことですし、すごい、見事だなと思います。世界の強豪とともに競技して優勝を重ねていくということで、本当に強くなったな、強いなというふうに思います。日本のジャンプの一つの聖地である八幡平市、旧安代町の田山で子供のころからジャンプをしていて、そういう岩手の地域で育ち、スーパーキッズにもなった小林陵侑君が世界のトップを今走り続けているということは、これは岩手のあらゆるスポーツや、また、スポーツ以外でもいろんなことに挑戦している子供たちの大きな励みになることですので、ぜひこの調子でワールドカップのシーズン優勝を目指して、ジャンプし続けてほしいと思います。
記者
先ほどの年頭所感の部分と若干かぶってしまうかもしれないのですが、3月で東日本大震災から8年を迎えます。今年の復興事業に関して、災害公営住宅の完成であったり、宅地の引き渡しなど、自治体によっては一定のめどを迎えるところもあるかと思うのですけれども、県として今年の目標感といいますか、具体的に復興に関してどのような1年にしていきたいのかというのを改めてお聞かせください。
知事
災害公営住宅の完成や持ち家再建のための土地の造成の完成がどんどんゴールに向かって進んでいきますので、これをしっかり遅れないように進めていくということが大事ですし、一方、まだ次の住まいに移ることができず、仮設住宅等での生活を強いられる方々が今年もまだ残りますので、これは長くなればなるほどきつくなっていくわけですから、その生活支援、心と体のケアなど、これも一層力を入れていかなければならないと、そういう1年として進めていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。関連してなのですが、復興庁の後継組織について、3月をめどに一定のあり方を示すということで、宮城、岩手、福島と明確に形が分かれるかもしれないのですが、岩手において閣僚がトップに就くのか、あるいは庁という形が残るのか等々、どのような体制が望ましいというふうに知事はお考えでしょうか。改めてそこのところをお願いします。
知事
市町村の意見も参考にし、また、国としても現状を分析して、考え方を整理しているようですけれども、8年とか10年とかで区切れるものではなく、連続性がありますし、また、必要なことはちゃんとやるという、そういう体制はなければならないのだと思います。
また、オールジャパンとして、日本全体として東日本大震災の復興を進めるのだという、そういう趣旨で特別会計もつくったわけですし、また、現場の感覚からすれば、日本国内だけではなくて、海外からもいろんな支援、応援、また、学習にも来てもらっているところですから、そこまで視野に入れますと東日本大震災というものに早く区切りをつければいいというものではなく、早く終わらせなければならない事業は遅らせないようにというのはあるのですけれども、一方で伝承や発信については半永久的にやっていくべきところもあるわけなので、区切りをつけるという発想よりは、むしろ半永久的に震災を風化させず、その教訓を生かし、また、震災の関連で困難に直面している人たちに対しては、必要な限り国も手を差し伸べるという体制を維持するという発想で組織を決めてほしいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は1月18日(金曜日)の予定です。
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