平成30年4月27日知事会見記録
平成30年4月27日10時00分から10時43分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。
幹事社
質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介します。転入者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
本日は記者クラブを代表としての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。
記者
まず、本日行われている朝鮮半島の南北首脳会談について伺いたいと思います。去年、国際情勢が緊張する中で、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぎ、岩手県としてもそのたびに県民の不安が高まる状態が続きました。その上で、県民を代表されている知事の方に、今回の南北首脳会談で期待されること、また、今後の朝鮮半島の情勢がどのように変わっていけばいいかというふうなことを改めてお願いします。
知事
去年の今ごろは、内閣(府)の方から弾道ミサイル落下時の対応についてというのが発表されて、ミサイルが飛んでくるかもしれない、落ちてくるかもしれないというような心配の中でゴールデンウイークを迎えたわけですけれども、1年経って全然違う環境になり、まずこのゴールデンウイークは去年とは違って、さまざまな行事をはじめ、より仕事や生活、また学習などに県民が集中できるのは良いことだと思いますし、日本全体、そういう形でこの春から初夏を迎えているというのは、大変良いことなのではないかなと思います。
そして、朝鮮半島情勢ですけれども、前からこの記者会見の場でも言っていたと思うのですけれども、要は朝鮮戦争というものが終戦されず、休戦という状態でずっと来て、国際法上はまだ戦争が続いていたような、そういう不正常な状態がいよいよ解消されるということは、東アジアの緊張緩和ということで、非常に歴史的な意義のあることだと思います。そういう方向に向かってほしいと思います。
朝鮮戦争を終戦させるということは、当事者である北朝鮮と当時国連軍として戦ったアメリカプラス韓国、また、北朝鮮の側に立って義勇兵が参加した中国という、その4者の間で基本的にセットされることですので、日本の出番というのはあまりないのですけれども、ただ日本というのは、朝鮮戦争というものが起こるに至る歴史をつくってきたというところに日本の責任があり、また朝鮮戦争終戦というところまでいって、朝鮮半島は第二次大戦直後の状況にまで戻った時に、改めて当時、日本が新しい憲法の下で民主化、国際協調、経済復興というのを、まず日本の国内でやろうとして再スタートを切ったわけですけれども、それを改めて東アジア全体の中で、朝鮮半島や中国大陸、そういう広がりの中で、民主化、国際協調、そして経済や福祉の向上ということを先導していく役割が日本にはあると思いますので、日本がそういう役割を果たせるようなステージをまずは朝鮮戦争の当事者の皆さんにつくっていただけばいいのではないかと思います。
記者
今日の会談の後、今度米朝間の会談もある中で、この一連の流れの中で、朝鮮半島情勢含めて、最終的にどういう方向に落ち着いてほしいと思いますか。
知事
そもそも朝鮮戦争が休戦に至った1950年代ですか、あの時点で終戦までいっていてよかったはずなのですけれども、なぜそうなっていなかったかというと、米ソ冷戦ですよね、米ソ冷戦という状況の中で、北朝鮮と韓国との戦争というのは東側と西側の対立の一部になってしまって、東側と西側の対立という中で米軍も東アジアにプレゼンスを維持し、またそれに対抗する勢力も軍事化を進めてきたということで、1990年代に米ソ冷戦が終わったところで、東アジアの状況も変わってよかったのに、今まで変わっていなかったということがあったわけですけれども、それはさまざま個別の事情、それぞれの国のリーダーが誰だったのかとか、リーダーとリーダーの間でどういう関係があったのかとか、その時々の個別の事情で朝鮮戦争の終戦、東アジアの緊張緩和というところまでいかなかったので、国際政治の構造としては朝鮮戦争終戦、東アジアの融和、緊張緩和に向かう力というのは構造的にはもうあったと思うのです、冷戦が終わった時から。それが今の北朝鮮とアメリカの指導者のキャラクターの中で、去年、非常に事が荒立って、緊張が高まると、一方でそれは戦争の危機が高まるという非常によくないところもあるのですけれども、関係者が関心を高めて、より真剣になるという効果もあります。それが平昌(ピョンチャン)オリンピックというきっかけもあって、そしてバッハIOC会長が象徴的な存在だったと思うのですけれども、もともと国際社会全体にある、もう21世紀、国家間の戦争なんていうのは止めにして、平和な世界にしていきましょうという、そういう国際社会の大きな流れというのはバッハ会長とか、平昌オリンピックという場をきっかけに一種の触媒の役を果たして、去年はかつてないアメリカ、北朝鮮の間の緊張の高まりがあったわけですけれども、それが一気に朝鮮戦争終結、東アジア緊張緩和に向かうということで、そこはもうかなり必然的な流れができていると思います。だから、一部当事者の勘違いとか、突然変なことを考えて暴走するとか、そういうことがない限りは、これは平和に向かって進んでいくものと期待しています。
記者
そうすると、朝鮮戦争の終戦までこのままつながってほしいという思いでしょうか。
知事
はい、そうです。
記者
今の南北首脳会談に絡んでですが、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、この会談の中で日本の拉致被害者の問題にも言及すると言っていますが、この点については何か進展とか、そういう期待はございますか。
知事
拉致の問題は、一面、日本と北朝鮮の間の関係というところもあるのですけれども、やはり背景としては冷戦の中で東西両陣営、非常に無理をしていたような中で行われたことということもあり、そこには日本とともに西側陣営にあった韓国やアメリカもその日本人の拉致問題の解決に当たっては、やはりそれなりの役割を果たしてもらうべきだというふうに思います。
記者
NEC(プラットフォームズ)の一関事業所の撤退なのですが、従業員約260人の再就職支援ということですが、それについての知事の所感をお願いいたします。
知事
大勢の従業員の皆さん、またその家族や関係の皆さんは、大変心配していることと思います。閉鎖が決まったことは非常に残念でありますけれども、今後のことについて詳しく情報収集をしながら、県としても地元の一関市と連携をしながら必要な対応を行っていきたいというふうに思います。
記者
県として、今年度産業振興の人材育成、定着等を図っていく中で、北上製紙も含め大規模事業所の撤退が相次ぐ中で、早急な対策が求められると思うのですが、その辺りの対応をお聞かせ願えますか。
知事
大きな図式の中では、人手不足問題というのが構造化している中、岩手は自動車産業や半導体関係で新たな工場の増設、新設などもあり、人手不足問題ということが構造的な課題にはなっているのですけれども、ただ生身の人間でありますから、やはり基本的には今まで働いてきたところ、慣れ親しんだところ、そういった中での自己実現ということを希望する人が多く、そういった人たちの希望というのができるだけ叶えられるような形が望ましいというふうに思いますし、どうしても職を移らなければならないという場合には、今度は関連会社の岩手以外のところで働くのか、それとも岩手の中で別な会社で働くのかというような選択肢も出てくるのですけれども、そこも産業論とか、岩手の産業構造の点から言えば、岩手の中で転職し、そしてそこで転職の過程で新たな技術や技能を身に着けて、今まで以上の自己実現が図れるようになればいいという考え方があるのですけれども、ただここはもうケース・バイ・ケース、家族がどういうふうな意向であるかとか、家族がどこで暮らそうとしているとか、さまざまな要因が一人一人、1世帯1世帯についてあるわけですので、そこを丁寧に、そういう意味でも地元一関市と一緒になり、また、労働や商工の関係機関とも連携しながら、一人一人の生活の保障と、そして自己実現というような視点から対応していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。それで、人口減少についてなのですが、この間、県の発表で県人口が125万人を72年ぶりに割ったという辺りですけれども、次期総合計画の中でも人口減少対策を掲げていらっしゃると思いますが、この辺りについて知事の所感をお願いいたします。
知事
20世紀から始まっている少子化、生まれている子供の数が少ないということに起因し、出産、子育ての世代もどんどん減っていくというような中で、構造的に岩手を含む日本全体として、今人口が減り続けるトレンドにあるというのは、これはなかなか人口増に持っていくのは困難な状況にはあるわけですが、1つは減り続ける人口というものが(国立)社会保障・人口問題研究所の試算では、直近のデータは、その前のデータよりは改善し良くなってはきているけれども、いわゆる地方消滅、日本消滅に至るようなカーブを描いているわけで、それをどこかで底を打って、定常状態に持っていくようにするというところが最大のポイントです。この定常状態も、その底をできるだけ上の人口で定常状態に持っていくということと、それは主として人口の自然減の問題なのですけれども、社会減の問題として、そういう自然減のトレンドがあって、それを何とか定常状態にと言っている時に、大規模な社会減があったりしますと、その地域としての地方消滅に至ってしまいますから、岩手県としては人口流出の問題についても歯止めをかけていくような手を打っていかなければならないと考えて、今、ふるさと振興総合戦略に基づいた手をさまざま打っているところです。最新のデータをどんどん参考にしながら、今やっていることの有効性というのを常にチェックして、より効果的に出産、子育てに対する支援を強化していかなければならないと思いますし、また、人口流出に歯止めをかけていくような施策もより充実させていきたいと思います。
記者
米軍機の低空飛行訓練についてお尋ねします。動画サイトのYouTube(ユーチューブ)に岩手県内の上空を低空で飛行したと見られる(米軍機の)コクピットから撮影された映像が投稿されています。米軍関連のサイトの映像で、住宅地の上や、県が設置する高森高原風力発電所と見られる、風車と風車の間を通過する場面もございますが、現時点で把握されている事実と、とられている対応についてお聞かせください。
知事
県の方からは、防衛省東北防衛局に岩手県上空での米軍機の低空飛行訓練実施の事実関係を確認しているところでありますけれども、今のところ回答を得られていないというふうに聞いています。引き続き事実関係を確認していきたいと思います。
やはり県民の安全ということが大事ですので、そこが脅かされたり、また、結果として安全であったとしても、安全に脅威を感じる、イコールそれは不安になるということなわけですけれども、不安にならず安心、安全と、安心プラス安心というものがきちんと守られるような対応を求めていきたいと思います。
一方、構造的には日本全国、日米安全保障条約と地位協定に基づいて、米軍は実質的に日本のどこでも自由に移動や訓練ができることになっているわけです。最近もオスプレイが東京に配備され、そして東京上空を飛んだり、東京で訓練をやることもできるということで、日本全体がそういう状況にあるということを国民的にも改めて気がついたのではないかと思います。
米軍は、なぜ日本にこれだけの体制で駐留しているかということは、第二次大戦プラス朝鮮戦争国連軍として戦って、また国連軍の戦いは国際法上終結していないというところがあるわけですから、今回(の会見の)最初の話とも関連するのですけれども、朝鮮戦争の終戦という方向に向かうのであれば、改めて日本における米軍のプレゼンスについても、そういう朝鮮戦争後の新しい体制により軍事的プレゼンスを低下させていいのではないかと。その中で、そういう移動や訓練がより安全、安心なものになるように、今あるルールを変えるときが来ているのではないかということを考える時に来ていると思います。
記者
知事は、映像の方をご覧になられましたでしょうか。もしご覧になられていたら、印象をお聞かせください。
知事
映像は見ていませんけれども、びっくりしたとか、怖かったとかという声は聞いていますので、やはりそういったことはないようにしなければならないと思います。
記者
知事の初めの回答にも若干重複する部分がございますが、米軍機というのが日米地位協定に基づいて、航空法の定める最低安全高度の基準から適用除外されている一方で、米軍としては安全に対して最大限配慮するという旨も明らかにされております。そういう点を踏まえた上で、今現在岩手県内における米軍機の運用というものが、例えば墜落のおそれとか、騒音を伴う県民の不安を喚起するような状況にはないという認識なのでしょうか。
知事
現在そういうことが深刻な問題として起きていないということはあるのですけれども、ただ、今のルールのもと、そしてその前提として朝鮮戦争国連軍の主力としての米軍が、朝鮮戦争はまだ終わっていないという前提でそういう基地の存在、移動や訓練のルールというのがあれば、いつでも、今は戦時なのだから仕方がないみたいな、厳しい訓練や大規模な移動がいつ行われてもおかしくないような状況にあるわけですから、ルールの見直しということが今のポイントだと思います。
ちなみに、アメリカで出ている「フォーリン・アフェアーズ」という世界で一番権威のある国際関係の論文誌ですけれども、これは鳩山内閣のころに出た「フォーリン・アフェアーズ」ですけれども、「チャイナズ・グランドマップ」という基本は中国封じ込めのタカ派的な論文をロバート・カプランという人が書いているのですけれども、その人が、鳩山首相がつたないやり方で日本の米軍の規模縮小を言ってきているけれども、そういう話はもっと昔に提起されても良かったのだと、あれは第二次大戦のレガシー、また、朝鮮半島の米軍のプレゼンスもそれは朝鮮戦争のレガシーとしてあるのだから、今の時代にはふさわしくないというような議論を、アメリカ人ですけれども、アメリカの有識者がしているということがあります。軍同士とか、あるいは日米の外交、防衛の担当の官僚同士の議論だと、今までどおりにやっていくのが無難ではないかというのが主な流れになるのだと思うのですけれども、日米の広く有識者を含めた国民的な議論をしていけば、21世紀、今の時代にふさわしい防衛体制というものを日米で工夫していくことはできるし、しなければならないと思います。
記者
旧優生保護法の調査が国から来ていると思うのですけれども、現段階での県としての対応状況についてお聞かせください。
知事
県庁保健福祉部所管の文書庫や永年保存文書を管理している盛岡合同庁舎内の文書保存庫、そして各保健所に確認したのですけれども、この優生保護法による手術総件数データ以外の存在は確認できなかったところであります。各道府県で新たに文書が発見されたという報道があって、改めて各保健所に文書保管の有無を確認したけれども、関係文書はなかったというところです。
記者
この旧優生保護法について、知事としてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
知事
基本的人権の観点から、また、人道上、ある一線を越えたことが行われたというふうに思いますし、被害を受けた人たちの権利の回復ということが行われるべきだと思います。
記者
すみません、しつこくて。今後調査結果が出た場合、個人が特定された場合、県としてどういった対応をするというのは現時点では何かお考えでしょうか。
知事
丁寧に対応していかなければならないと思います。県において文書がないからといって、それは事実がないということを意味するわけではありませんので、さまざまな仕方で事実関係が明らかになっていった場合には、そこにきちんと対応し、そして必要な権利の回復ということが行われるよう県も努めていきたいと思います。
記者
私も今の優生保護法に関連してなのですが、県の衛生年報を見ると、県内で1950年から60年の間に、少なくとも362人が強制的に不妊手術を受けていたと読み取ることができるわけですが、この数字について、まず知事、ご見解いかがでしょうか。
知事
今ちょっと私としては初めて聞いた内容でありますので、県としてのきちんとした回答は今ここではできないのですけれども、事実関係を明らかにする参考にはなると思いますし、その中で権利の侵害があって、その回復をしなければならないケースがあれば、それはそういう方向にきちんと進むよう、県としても対応しなければならないと思います。
記者
国の全国調査、恐らく方針が示されたのか、示されるのだと思うのですけれども、先ほど関係文書はなかったということですが、改めて国の依頼を受けて、また調べるというか、調査するということになるのでしょうか。
知事
全国的な問題ですので、事実関係の把握の仕方とか、また権利の回復の仕方などは、やはり全国統一的に行われる方がこれはいいケースですので、そこは国の方から作業依頼があれば、それに対応し、国においていろいろ補償とか賠償とかという、そういう問題になってくれば、やはりそこは国において全国統一的な対応がなされるよう、県としてもそこに協力していきたいと思います。
記者
昨日、控訴審判決があった宮城県石巻市の大川小学校の件についてなのですけれども、今回の判決では県と市の責任が認定される形となったわけですけれども、その判決についての知事の受け止めと、あと、判決を踏まえての県としての学校防災のあり方について見解をお願いいたします。
知事
まだこの判決を詳細に読んでいませんので、報道で第一報を見ただけの状態ではあるのですけれども、仙台高裁は頑張られたなという感じがします。やはり東日本大震災の被災地の高等裁判所として、真剣に考えた上での判断なのかなというふうに思っておりまして、やはりあれだけの被害を受け、悲惨な震災を経験し、そこから復旧・復興していこうという私たちは、震災前以上に災害への備え、特に大規模災害への備えというのはやっていかなければならないのだなというふうに、そういう思いが今しております。
記者
新潟県知事の米山隆一さんが、恐らく本日付の県議会で正式に辞職が受け入れられるということになる模様です。米山さんに関しては、出会い系サイトを通じて複数の女性と金銭を通じた交際があったということなのですけれども、同じ知事という立場で、まず今回のこの辞職劇といいますか、問題についてどのように受け止められますか。
知事
事態ががっと動いた時に、中国に行っていたこともあって、事実関係の詳細は承知しないのですけれども、極めて残念なことだと思います。不正常な形で任期途中で辞任するということは、大変残念でありますし、そういうことがないようにしていかなければならないなというふうに思いました。
記者
新潟県知事選(挙)に関しては、原発の問題ということが争点の一つとなって、野党がまとまって応援して、米山さんが当選するという結果が出たわけですけれども、全くそういうことと関係なくというか、別の分野で道徳的なことに関して、辞めてしまったわけですけれども、何かそういう一連の選挙での勝利みたいなものまで否定されかねない今回の不祥事だったのではないかなとも個人的には思うのですけれども、知事はその点どう思われますか。
知事
選挙で選ばれる公人というのは、まず、応援してくれた人たちのために頑張らなければならないし、また、選ばれた以上は応援していなかった人たちのためにも、つまり県であれば全ての県民のために仕事をしなければならないわけで、それをあくまで個人的な事情でそれが全うできなくなるというのは、やはり公人の公的な部分以上に私的な部分を優先させたということで、それはやはりあってはならないことだと思います。
記者
直接ご覧になっていないかもしれないのですけれども、会見の中で、知事というものは太陽でなければならないというような発言をしたそうなのですけれども、太陽でならなければならないと、知事は同じ知事という立場で、それってどういうものだとお考えになるでしょうか。
知事
さっき私が話したことの延長の話になるのですけれども、私的な部分を優先させたいと思えば、そういう生き方は幾らでもあるわけです。そういう生き方ではなくて、公的な生き方を選んだ以上、やはり公的な部分を重視して、私的な部分が公的な部分を侵害するようなことはしてはならないということだと思います。
記者
ありがとうございます。別件で、国政の件なのですけれども、今、森友、加計(かけ)問題とか、セクハラ発言問題とか、いろいろ今、国会も中央政界も不正常な状態が続いていると思うのですけれども、そうした中で内閣不信任(案)を出すという野党の話に対して、与党側が解散をにおわす発言をしたのですけれども、こういうやりとりを知事はご覧になっていて、どのようにお感じになりますか。
知事
まさに今日、韓国と北朝鮮の首脳会談、しかもそれはただ会うだけではなくて、朝鮮戦争終戦にまでつながっていくような、いろいろ下準備した上での首脳会談が行われるという中で、国会が考えなければならないこと、議論しなければならないこと、そして決めなければならないことというのは、ほかにものすごくたくさんある状態だと思うのです。日本がそこで民主化、国際協調、そして経済や生活の向上に貢献しなければならないという話もしましたが、そのためにはやはり日本国内において、かつての軍国主義化というのを、やはりそこは完全否定して、民主化の方向に進んでいくのだという、そういう国の姿勢を示していかなければならないし、またヘイト、ヘイトとか言っている場合ではなく、国際協調の姿勢も示していかなければならないし、また、朝鮮半島や中国大陸の人たちの幸福度を高めていくような、そういう経済力や技術力を日本が発揮していく時でもあると。そういうことを実現するための議論や決定というのを国会には今やってほしいなと思います。
記者
そうすると、今やるべき課題がいっぱいあるのだから、もっとしっかりやってくださいよと、知事としてはそういう思いでいらっしゃると。
知事
はい。ただ、いわゆるモリカケ問題とかという中には、戦前軍国主義化の否定、民主主義の道を進むという非常に大事な問題とか、あとは教育勅語の復活とかが絡んでいますから、そういう軍国主義化の否定イコール民主化と、あと国際協調ということに関しても非常に重要な問題もありますので、そこはないがしろにしてはならず、だから今、重要な問題でこう着しているとは思っていますよ。つまらないことでこう着しているわけではなく、やはり乗り越えなければならない重要な問題でこう着しているので、早くそこを乗り越えて先に進んでほしいなという、そういう気持ちです。
記者
なるほど、わかりました。あと、さっきの不信任案と解散のやりとりのところで、小泉進次郎さんがインタビューに答えていたのですけれども、解散だとなったら、与党を倒すために野党は燃えるというか、選挙に向けて頑張るという姿勢がありそうだけれども、何かちょっとびびっているみたいな発言していたのですけれども、そういうのはいかがですか。
知事
いざ解散となれば、また全然違うのだと思うのですけれども、解散になればなったで、その時に非軍国主義化イコール民主化、国際協調、そして東アジアの幸福度を高める経済、技術力というようなことを掲げる勢力がばっと出て、そして国民の負託を得て、政権を担うような状況になるのだったら、解散総選挙はいいことだと思います。
記者
ILCについて、改めてお伺いします。先日、オープンラボが開設されました。県民の皆さんに知ってもらうのに大変良い施設だなと思って、見学いたしました。一方で、お金の問題とか、あるいはあまりまだ知られていないのではないかという不安みたいなものが地元からも声が寄せられておりました。改めまして、知事としてどのように誘致に向かっていくかというのをお知らせください。
知事
オープンラボは、まずILC関係でどういう製品とか、部品の製造ができるのかというのを考えている企業の皆さんや、関連して研究、開発をやりたいと思っている学生の皆さんなどに非常に役に立つものだと思いますし、同時に仕事でそういうことをやろうと今すぐ思っていなくても、興味、関心のある方々、ちょっとのぞいてみようぐらいな、そういう方々にものぞいていただける、特に子どもたちにも見てもらえるようなものとしていいものができたので、これはILCの知名度を高め、理解を深めるいい施設ができたなというふうに思っています。どんどん活用したいと思っています。
あとほぼ時を同じくして、映画、アニメ作家、監督の押井守さんとその仲間たちがILCサポーターズというのを立ち上げてくださいまして、それが今そういうことというか、今まで押井守さんに注目していた人とか、そこに集まったゲームデザイナー、声優、そういったカルチャー系の方々のファンの人たちといった、今までILCがあまり浸透していなかったところに今広く浸透しようとしていますので、そちらの方もどんどん県としても協力できることをしていきたいと思います。
あさって、日曜日は幕張で年に1度のニコニコ超会議、私も(いわて希望チャンネルの)生放送をしてきますけれども、そこでもILCサポーターズの話はして、全国に宣伝したいなというふうに思っています。
記者
その方がのぼりとか、立て看板とか、そういうのがもっとやったらいいのではないかということもおっしゃっていました。地元への周知というのが一関の方だったかな、その辺に対する見解をお願いします。
知事
そうですね、これいろいろ政府関係や、またオールジャパンの科学研究開発とかに携わっているような方々の話を聞きますと、岩手県内の地元の盛り上がりは、これはすごいと感心されています。今あるのぼり、立て看板についても非常に驚かれていますし、また、学校単位あるいは町内会とか、老人クラブとかでILCの勉強をしているということについては目を丸くされますよね。
では、もうそっち(地元への周知)は緩めていいのかというとそうではなく、そちらはそちらでこの調子でますますやっていただきたいですし、ただ私が課題だなと思うのはオールジャパン、全国的な浸透の部分、やはり広く国民の支持があっての国家プロジェクトとしてのスタートにつながっていくと思いますので、そういうところにまたILCのオープンラボやILCサポーターズが貢献していけるように頑張っていきたいというふうに思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は5月18日(金曜日)の予定です。
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