平成31年2月28日知事会見記録
開催日時
平成31年2月28日10時00分から10時33分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
まず、岩手県文化スポーツ表彰、そして、いわて暮らしの文化特別知事表彰受賞者の決定についてです。
まず、岩手県文化スポーツ表彰は、文化及びスポーツの振興に顕著な功績のあった個人または団体を表彰するものです。そして、いわて暮らしの文化特別知事表彰は、今年度新たに知事表彰制度として設けたものであり、長年にわたる県民の日常生活に密着した文化的・芸術的な活動を通じ、岩手ならではの文化の創造に貢献するとともに、岩手県の文化芸術の魅力を県内外に広く発信するなど、その功績が認められてきた個人または団体を表彰するものです。
このたび、平成30年度の受賞者をそれぞれ決定いたしましたが、岩手県文化スポーツ表彰の文化分野で個人5名、1団体、スポーツ分野で個人12名、いわて暮らしの文化特別知事表彰で個人3名、1組、1団体となります。受賞者については、配付資料をご覧ください。表彰式は、3月8日になります。
次に、『コミックいわて∞(エイト)』の発行についてです。岩手県では、3月20日に「コミックいわて」シリーズの第8弾となります『コミックいわて∞(エイト)』を県内外の書店等で発売します。これが表紙です。『コミックいわて∞(エイト)』、この表紙には、鉄道むすめであります北リアス線の久慈ありすと南リアス線の釜石まなの2人が、3月23日に開業するリアス線をバックに、手を取り合って「8」を表現しているイラストとなっています。この2人が登場するマンガも中に入っています。
『コミックいわて∞(エイト)』には、岩手県公式WEB(ウエブ)マンガサイト「コミックいわてWEB」で配信する岩手ゆかりの漫画家の皆さんによるマンガ12作品を収録しています。コミックいわてでおなじみの岩手県出身・在住の漫画家さんのほかにも、この久慈ありすと釜石まなのマンガはMATSUDA98(まつだ・きゅうじゅうはち)さんに描いてもらっていますし、鉄道関連ライターでもある漫画「カレチ」の作者、池田邦彦(いけだ・くにひこ)さん。カレチというのは、列車の車掌さんのことですけれども、カレチの池田邦彦さん。そして、「ぼのぼの」で有名ないがらしみきおさんにも描いていただいております。東日本大震災津波からの復興の姿を発信するとともに、岩手の歴史、文化、食など岩手の多彩な魅力を発掘し、また、発信するコミックとなっております。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いします。
記者
今回新たに創設されましたいわて暮らしの文化特別知事表彰についてお聞きしたいのですが、新たな分野ということなのですが、新設した狙いと既存の賞との違いがあったらお願いします。
知事
長年にわたる県民の日常生活に密着した文化的・芸術的な活動が、岩手ならではの文化の創造に貢献するとともに、本県の文化芸術の魅力を県内外に広く発信するなどその功績が認められるものの、既存の表彰制度の対象となってこなかった方々に対して表彰を行うことによって、県民の幅広い文化芸術に対する関心をより一層高めていく機会になるものと期待して創設したものであります。
記者
ありがとうございます。
もう一つ、コミックいわてについてなのですが、今回第8弾ということなのですが、8回目の今回の出来といいますか、特徴というのではどういったところにあると感じていますでしょうか。
知事
三鉄のリアス線としての新出発を祝しての三鉄や鉄道に力点が置かれているところが特徴でありますし、また、岩手ゆかりの、あるいはいわてマンガ大賞を取ったおなじみの皆さんに加えて、今回はいがらしみきおさんのような有名な人にも描いていただいたというところが特徴です。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
被災者生活再建支援制度について知事のお考えを教えていただきたいのですけれども、現在、国の被災者生活再建支援法では、全壊と大規模半壊と解体する場合の半壊には支援金の支給があると思います。昨年、全国知事会でも半壊まで支給対象に拡大するよう国の方に要望していたと思うのですけれども、東日本大震災の経験を踏まえて、半壊や一部損壊など、現在支給対象でない被害程度の世帯への国の支援のあり方について、知事がどうお考えか教えてください。
知事
実質的にも全壊と同じような状況については、やはり支援が必要と考えていますし、また、支援額についても岩手の場合、県と市町村で支援を上乗せしているところですけれども、やはり今の金額では足りないというふうに考えています。
記者
半壊や一部損壊への支援の拡大というのはどうでしょうか。
知事
半壊や一部損壊といってもものすごく建て直しが必要になるとか、全壊とほとんど同じなのになぜ違うのかという声があるわけですので、やはり全壊に匹敵するような被害を受けたところは支援の対象にすべきというふうに考えます。
記者
昨日、日本穀物検定協会の方から発表された(米の)食味ランキングなのですけれども、県南ひとめぼれが特Aを奪還して、銀河のしずくも初めて特Aになりましたが、一方で金色(こんじき)の風は1段階評価を下げるような形になりましたが、これについて知事の所感をお願いいたします。
知事
昨年、岩手のお米については栽培指導を徹底して、全ての品種において生産者の皆さんも例年以上にきめ細かな栽培管理に取り組まれたと思います。銀河のしずく、そして県南ひとめぼれで特A評価をいただいたことは、生産者の取組が報われたものというふうに考えております。金色の風については、A´評価ではあったわけですけれども、お米マイスターの方々からの評価では高い評価をいただいておりますし、金色の風についての評価は、それは一つの評価だというふうに認識しております。金色の風についても、去年の新米の季節からさまざまキャンペーンを展開したり、また、営業をかけたりしているわけですけれども、そういう中で実需者の皆さん、販売、卸、またレストランのようなところ、それぞれ非常に引きがありますので、そういうところにきちんといいものを届けていくように、また、品質・食味の良さというものを消費者の皆さんにPRしていきたいと思います。
記者
もちろん今回の評価が全てではないとは思うのですが、一方の農家の生産者の方は、ある程度特Aを目指して栽培研究会とか努力してきたと思うのですが、そういった生産者の方の生産意欲を今後どうやって保っていくかという部分は、今回の要因等を分析して、今後の対応はどうとっていくかという部分をお聞かせください。
知事
目指すべきところは、生産者の皆さんの所得の向上につながるような高品質で、そして高価格帯で売れるお米としての金色の風でありますので、特A評価というのもそれに資するところがあるわけですけれども、それ以外のお米マイスターの評価でありますとか、そのほかさまざまな実需の現場の評価とか、高価格帯として普及を広げていくというための手はいろいろありますので、そういう中で生産の栽培管理等の努力というのは着実に価格等に反映されていますので、努力すればその分報われるということで、この調子で生産者の皆さんには頑張っていただきたいというふうに思います。
記者
2点ありまして、まず最初にILC(国際リニアコライダー)なのですけれども、先日、文(部)科学校法人省の局長が3月7日の(国際)会議に出席して見解を述べるというようなことになりましたけれども、出席するということはそこ(前向きな意思表明)に期待する部分もあると思うのですけれども、知事はどういうことをその声明に対して期待しているのですか。
知事
やはりわざわざ出席するということですから、学者の皆さんの会議に日本政府から担当省庁が出席するということですから、これは前向きな意思表示がなされるものと期待しています。
記者
7日に向けて、改めて時間はないですけれども、県としての取組というのがあれば教えてください。
知事
昨日、東北ILC推進協議会プラス地元市町村で文科省の方に改めて陳情、要望に行ったところで、その中で3月7日(に向け)、最後のお願いになるかもしれませんがとかいう話もありましたけれども、昨日の陳情、要望が、2月21日に文科省から3月7日の会議に出るという話が出て、そこから3月7日までの取組としては一つのハイライトだったわけですけれども、状況を見て、また関係者の皆さんとさまざま情報交換などしながら、何かできることがあればやっていきたいというふうには思っています。
記者
もう一点なのですけれども、(平成28年)台風第10号(災害)から2年半という時間が経ちましたけれども、まだ応急仮設に138世帯、これから河川改修が本格化ということで、改めて今後の取組について教えていただければと思うのですが。
知事
大変多くの犠牲と、そして大きな被害があった台風10号でありますし、また、特に岩泉町においては、広い範囲の全てが被害を受けるような甚大な被害を受けているわけでありまして、発災直後から県も市町村とも一体となって、あるいは市町村より先に行くぐらいの覚悟で対応してきたところですけれども、2年半で多くの復旧工事は進んでいるのですが、工事の箇所はものすごく数が多いというところもあり、まだまだいよいよこれからというところもあるので、まずしっかりこの復旧工事を進めて、その間、仮設住宅生活等、生活も支援しながら、一日も早く復旧・復興が進んでいくように努めてまいります。
記者
復興庁の後継組織についてお尋ねします。昨日、渡辺大臣が後継組織のトップに閣僚を置くという方向で検討に入ると記者団に明かしました。首相の意向を酌んだものということです。この方針についての受け止め、評価をお願いします。
知事
岩手県の方からも担当大臣が置かれるような体制というのを念頭に置きながら、存在感のある体制でということを言ってきましたので、まずはいいことだなというふうに思っています。そういう担当大臣が置かれるにふさわしい事務の体制も改めて整えて、まだ必要性が残っている復興の現場に対応してほしいというふうに思います。
記者
改めて新たな後継組織に引き続き求めたい支援、あるいは新たに求めたい点ですとか、こういうところに留意してほしいとかいう点があれば教えてください。
知事
一つの役所で一元的に東日本大震災全体を見て、そして県や市町村からの要望についても一つの窓口としてそれを受けることができるということがまず基本でありまして、その基本を引き続き維持してほしいということであります。
また、東日本大震災の風化ということを防ぐために、今まで以上の努力と工夫が必要だと思いますし、また、復興を卒業するような人や地域がどんどん出てくる中、いまだ復興に取りかかっている人や地域というのは、それだけ長期化により大変な苦労に直面しているので、そういったところはやはりよりきめ細かに、また、より強力に支援するような事業を展開してほしいというふうに期待します。
記者
参(議)院(議員)選(挙)について伺います。先日、夏の参院選に向けて、共産、自由、社民、国民民主の県組織が2010年バンクーバー五輪に出場した横澤高徳さんを擁立することを決めて、本人も先日の社民党の県連の大会に出席されたということです。これについて擁立されたということの知事の受け止めを伺えればと思います。よろしくお願いします。
知事
議会の答弁で述べたように、人(立候補予定者の名前)も出てきますと、知事の発言が選挙結果に影響を及ぼしていく度合いが強くなっていくと思いますので、今、議会開催中はコメントを控えたいと思います。
記者
ということは、議会が終わった3月25日以降であれば、いろいろと知事の思いを述べられる機会もあるかなということでしょうか。
知事
まず、議会の中に参院選の話をどんどん入れて、また、議会を参院選の中に巻き込むというのですか、そういうことは好ましくないと考えております。
記者
今の参院選の関係で、同じような答えになるかもしれませんが、知事として、今回、次の参院選に特定候補を応援しようというお考えがあるのかどうかという点はいかがでしょうか。
知事
これは、このくらい人が出て、出そろうという言葉はまだ尚早かと思いますけれども、複数(立候補予定者の名前が)出ている中で何か発言しますと、かなり結果に影響を与えるようなことになるのではないかということをちょっと懸念しますので、まず、予算も扱う重要な議会の最中で、特に来年度予算や次の総合計画の策定というところの議会ですし、また、県政としても集中してほしいというところですので、コメントは控えたいと思います。
記者
候補に関する点はそうだと思うのですが、野党4党がまとまってやろうという中で、3党が見切り発車というか、先行して候補を擁立して、国民民主が反発しているような格好になっている、その状況については見解としてはいかがですか。
知事
言い始めると、やっぱり人の話になっていきますので、ちょっとコメントは控えたいと思います。
記者
(米の)食味ランキングについて私も1点だけ教えてください。先ほど聞いたとおりだと思うのですが、特に来年度以降に向けたお米の県としての戦略については、今回の結果が何か左右したり、影響を与えたり、見直したりという、そういう考えは現在、現時点ではというか、持ち合わせていらっしゃらないのでしょうか。
知事
私が議長役を務めて、県内の生産、販売、主要な団体の代表の皆さんと、そしてオールジャパンのお米に関する専門家、有識者の皆さんでブランド米戦略会議を開いて、そこで戦略を定めているのですけれども、基本的にその戦略のままでいけるというふうに考えています。
記者
わかりました。ありがとうございます。
あと県内の政治の話とかは、先ほどもおっしゃっていたように控えられるのだろうなと思うので、ちょっと別の件なのですが、沖縄の県民投票、この前の日曜日に結果が出ましたけれども、民意の現れ等いろいろ受け取り方が何か報道等で見る限りはあるようなのですが、知事は県民投票のあの結果についてどのようにお感じになりましたか。
知事
個人的な考えですけれども、重く受け止めるべきだと思いますし、また、形式的に投票されたうち(反対が)圧倒多数だったという、そういう形式面のみならず、今、米朝首脳会談が開かれていますけれども、朝鮮戦争を正式に終わらせようという話がある中で、在日米軍というのは朝鮮戦争がまだ終わっていないということもあって、これだけ手厚い布陣になり、また、安(全)保(障)条約プラス(日米)地位協定においても、日本の領土、領域をアメリカ軍が自由に移動や訓練ができるというのも、これは朝鮮戦争が正式に終わっていないからそういうことになっているのだと私は考えていますし、また、横田空域、この日本の首都圏と朝鮮半島を結ぶ空域が米軍の管理の下にあるという異常事態も、これは朝鮮戦争が正式に終わっていないからそういうことになっているのだと思うので、朝鮮戦争を終わらせて東アジアに緊張緩和と平和をという流れの中で、辺野古不要論というのは辺野古に基地を造ることは要らないというのは非常に理のあることだと考えています。外交、安全保障の理屈からいっても辺野古に造る必要はない、また、造らない方がいいのではないかと思っていますし、あと、普天間の空港(飛行場)は、これは辺野古移設、辺野古ができたらそっちに移すとかと言っている場合ではなくて、やはり直ちに運用を停止しなければならない危険な状態にあるのではないかと思います。近くの住宅とか学校とか、そういうところに危険を及ぼすというのは、世界のいろんな空港と比べても、飛行機とか許可が出ないような危険な状態、空港としてあってはならないような状態にあると私は個人的には思っていますので、普天間については即時運用停止を日本政府は求めていくべきだと思います。
記者
冒頭おっしゃったように重く受け止めるべきというのは、政府だったり、あるいはアメリカだったりということだと思うのですけれども、前沖縄知事選(挙)の時にも少しやりとりさせていただいた時に、基地負担の問題ということでは沖縄のみならず、やっぱり国民全体で考えることだというような趣旨の発言もされたのですが、この重くというのは当然国民全員が重く受け止めるべきと、そういう解釈をしていいですか。
知事
ええ。それは、沖縄の米軍の兵力を減らす分、日本のどこかに増やすという話ではなくて、沖縄の米軍基地は縮小させていけばよく、横田空域も解消の方向に持っていけばよく、そして三沢の基地の米軍機も自由に移動訓練ができるがゆえに、去年の岩手県内での超低空飛行問題も起きたわけですから、やはり戦時でもないのだから自由な移動訓練というのはやり過ぎなので、ちゃんと日本政府や地元自治体と十分連絡を取り合って移動訓練をする。日本の自衛隊はそうやっているわけですから、少なくとも自衛隊並みの運用にしてもらうように日本国民みんなが頑張っていくべき局面だと思います。
記者
知事選(挙)の関係なのですが、9月の任期満了まで3月で半年となりますが、知事ご自身はまだ進退の方を明言されていませんが、改めて次期知事選に向けた知事のお考えをお聞かせください。
知事
4月に選挙を迎える知事さん方の中でも、ようやく最近、神奈川県知事さんは本当にごく最近態度表明したみたいですけれども、あまり早い段階で今の任期のことから注意を外して自分の任期が切れた後のことをそちらに注意を集中するというのはあまりよくないと思っておりまして、特に今、来年度予算や次の新しい総合計画を決めるという時期ですので、そこに集中していきたいと思います。
記者
この間の2月定例会の一般質問の中で、知事ご自身の今任期中の評価について100点満点中何点かという質問があって、その中で知事は24時間、365日知事としてベストを尽くしたいと、努めてきたとお話しして、いまだ自分では満足できるものではなく、100点満点中何点とは述べられるものではないというお考えをお話ししていますが、というと自分の中で納得がいっていない部分がまだあるとすれば、これは次期知事選に向けたお考えもあるのかなと一方では思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
知事
口幅ったい言い方になりますけれども、人生をかけて今の知事の仕事をやっているわけですから、まずそこに集中しなければならないと思いますし、ただそこは完璧にこれ以上いいことはないようにできているかというと、決してそうではないと思っていて、足りない部分については今からでもどんどんつけ足していかなければならないというふうに思っています。それは総合計画の中身についても今いろんな指摘を議員の皆さんから受けていますけれども、総合計画最終案を修正するには及ばないとしても、実行に移すに当たってそこに配慮しなければならないなというような意見はいっぱいいただいていますので、そういうのをどんどんつけ足したりしていかなければならないという意味で、今やっている仕事が決してもうこれでいいというような状態ではないなという意味です。
記者
簡単に1点だけお尋ねします。Nanak(ななっく)が閉店するという報道が出てきましたが、これについては地域に与える影響も大きかろうとは思いますが、知事として今どのようにお感じになっていますでしょうか。
知事
あそこは私がちっちゃいころに川徳があって、買い物もすれば、ゲームセンターのようなゲームコーナーや屋上の遊園地で遊んだりもしたところで、あそこにある大型商業施設というものがずっと盛岡市民、岩手県民にとって非常に大事なものであり続けたので、小売に関する経済情勢、平成日本の経済情勢は厳しいものがあるわけではありますけれども、関係者の皆さんの努力と工夫によって、あのエリアの明るい未来を切り拓いていただきたいなというふうに思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は3月25日(月曜日)の予定です。
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