令和5年6月2日知事会見記録

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開催日時

令和5年6月2日10時00分から10時33分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 今日の発表は、グリーン/ブルーボンドの発行についてです。
 全国の地方公共団体で初の事例となるグリーン/ブルーボンドについて、令和5年7月に発行します。
 発行額は50億円、年限は5年で、満期一括償還を予定しています。第三者評価について本日付けで取得しています。ブルーボンドに係る取得は、全国の地方公共団体としては初めてとなります。
 世界にも誇り得る豊富な水資源を有する岩手県が、これを将来世代に引き継ぐ取組を率先して進めようという考えの下、全国に先駆けてブルーボンドを発行することとしました。
 グリーン/ブルーボンドの発行により調達した資金については、気候変動の緩和または適応に資する事業や、海洋資源・生態系の保全等に資する事業への活用を予定しており、河川改修や県有施設の省エネ化、共同実習船「りあす丸」の更新などへの活用を予定しています。
 このような岩手県の政策理念や取組に共感いただける県内外の多くの投資家の皆さんにグリーン/ブルーボンドを購入いただき、県の取組を支援いただきたいと思います。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 本日はよろしくお願いいたします。質問の前に記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入した記者から一言御挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 ブルーボンドは全国初の取組となります。投資という形で環境保全というところに関わっていくというところが大きな特徴かと思いますけれども、県内の環境保全に対してどのようなインパクトがあるのか、投資家の方たちへの呼びかけも含めて教えていただきたいのが1点と。
 もう一点、歳入確保の一手だとは思うのですけれども、一方で、財政健全化というところの意識も欠かせないかと思います。そこの財政健全化への意識というところも知事の所感を伺えればと思います。

知事
 グリーン/ブルーボンドは、特にブルーボンドは、今のところ岩手県だけが予定しているということで、岩手は長い海岸線と、そこから海につながっていて、海洋資源の利活用ということが大きなテーマでありますし、特に東日本大震災津波の経験に基づいて海と大地とともに生きるということ、これが岩手にとって非常に重要なテーマでもあります。
 また、内水面、湖や川に関しましても、長さで全国5位、流域面積で全国4位の北上川や馬淵川などの主要な河川もありますし、そういった水に関する自然環境の保全や持続的な活用というところに財源をしっかり確保できればという思いです。
 また、投資してくださる方々、債券を買ってくださる方々も、それによって岩手県の水に関する環境政策に協力することになりますので、それをそちらのステークホルダーの皆さんに説明しながら、社会貢献しながら経済活動を行うということを進めてもらえればと思います。
 一方、それはお金を借りることでありますので、やればやるほどいいということでもなく、一定の制限の下に行われるわけではありますけれども、きちんと返済の見通しある資金調達というのは、資金を出す側にもさっき言ったようなメリットがありますし、うまく進めていきたいなと思います。

記者
 確認ですが、グリーボンドは初ではないということですか。

知事
 はい。グリーン/ブルーボンドで初になるわけでありまして、その中のグリーン部分だけを取り上げれば、これはほかにもやっている県はたくさんあります。

記者
 ブルー単独でやっているところはない。

知事
 ブルーは単独でも、合わせ技でもまだない状態です。

記者
 分かりました。あと、格付見通しは、JCR(ジェイシーアール:日本格付研究所)に頼むとは書いてありますけれども、見通し(はいかがでしょうか)。

知事
 第三者評価は、市場のルールや環境省のガイドラインへの適合性の評価だから。格付については、ちょっと私は手元に情報がありませんので、後ほど担当経由で返答するか、あるいは担当が記者クラブに投げ込みするかでお答えしたいと思います。

記者
 分かりました。分かるのであれば、投資家にとっては重要な指標になりますので、よろしくお願いします。

知事
 今、記者資料としてお手元に配付されている「岩手県が発行するグリーン/ブルーボンドのご案内」という資料の、ページ数は書いていないのですが、恐らく1枚目にあるかと思いますが、Green1(グリーンワン)(F(エフ))、Blue1(ブルーワン)(F(エフ))という評価になります。

記者
 分かりました。このジャンルでは最上位ということですね、Green1(グリーンワン)(F(エフ))、Blue1(ブルーワン)(F(エフ))と。これの主語はICMA(アイシーエムエー:国際資本市場協会)になるのですか、JCR(ジェイシーアール)になるのですか。JCR(ジェイシーアール)の格付ですか。

知事
 いずれGreen1(グリーンワン)(F(エフ))、Blue1(ブルーワン)(F(エフ))という評価を受けているということです。

記者
 環境省のガイドラインということですか。分かりました。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 大きく2つ伺えればと思います。まず、全国植樹祭についてです。全国植樹祭の開催が、あさってに迫ってまいりました。また、明日からは、天皇皇后両陛下も即位後初めて来県されるということになります。改めて本県で植樹祭が開催されるその意義と成功への思い、また、東日本大震災の被害地が会場であるというところも、今回大きな意義があるのかなと思っておりますけれども、全国へ被災地から発信したい思いというところがあれば教えてください。

知事
 毎年行われている全国植樹祭でありますが、天皇皇后両陛下に御臨席をいただく、国としても最大級の重要行事です。それは森林の保全と活用ということが日本にとって非常に重要だということで、これを岩手県で開催できるということは、大変すばらしいことだと思います。岩手県は、都道府県で北海道の次に広い森林面積を持っていて、林業も盛んです。そして、近年、この全国植樹祭は、森林の保全と活用ということに加えて、気候変動対策、地球全体の環境を守るということもテーマに入ってきているところでありまして、具体的に気象が極端になってきている近年、また、漁業にも様々影響が出ていて、岩手県としても緊急事態宣言を出している気候変動問題についても、岩手から発信することができるということを意義深いと思っております。
 そして、岩手県では2回目の全国植樹祭(となり)、1回目は山のほうで、今の八幡平市で行ったのですが、今回は海のほう、陸前高田市で行います。沿岸の市町村でも林業が盛んというところもあるわけですが、岩手県の場合、東日本大震災津波の被災地を会場とすることで、改めて震災の記憶を風化させないと、そして、その後の復興について、岩手から感謝の気持ちを発信するという意義もあります。
 あさっての全国植樹祭に先立ち、明日、天皇皇后両陛下には、御即位(されてから)初めて被災地入りをしていただき、追悼の花を手向けていただくということが予定されています。東日本大震災津波から今年(令和5年)の3月11日で12年たったわけでありますけれども、改めて日本全体として、あの震災の記憶を失わないようにして、そして、犠牲者を悼みながら、今後の防災に役立てていくという、そういう日本全体としての決意の場となることを期待します。

記者
 ありがとうございます。次に、話題が替わって知事選についてなのですけれども、先日、立候補を表明している新人の千葉絢子さんが、公約集という形で、自身が代表を務める団体の公約というような形で政策を発表したのですけれども、現在、知事御自身で、御自身の公約でありますとか、以前はマニフェストというような言い方をしていたかと思うのですけれども、発表のタイミングというのをいつ頃に考えていらっしゃるのか教えてください。

知事
 まず、今、話にあった公約集というのは報道で見ている限りですけれども、基本的に私が知事としてやってきたこと、そして、今やっていて、これからもやろうとしていることとほとんど同じかなというように思っておりまして、そういう意味で、人口減少対策を軸にしながら環境やデジタルなどの先進的な政策にも力を入れて、生活や経済、産業に関わる様々な施策を総合的に推進していくという、このやり方が岩手県民にとって、そして、今の岩手にとって、やはりいいやり方なのだなと思っております。
 一方、県の新しい4か年の(「いわて県民計画(2019~2028)」)アクションプランを4月からスタートさせていますけれども、やはりこの浸透を図っていかなければならないと思っておりますし、そして、人口減少対策の部分では、今週、(日本創生のための)将来世代応援知事同盟サミットでも仲間の知事さんとともに、人口減少対策を強力に進めていかなければならないという宣言を出し、また、交流人口を増やしていくということについては、ニューヨーク・タイムズの記事をきっかけにした取組を、これは補正予算も活用しながら、新しい政策を付け加えながらやっていかなければならない、こういったことを県民の皆さんに浸透させていかなければならないなと思っております。

記者
 ありがとうございます。そうすると、御自身の(公約)というところは、まだ、現在のところは未定であると、県の施策を通して御自身の姿勢であるとか、政策面というところを県民の皆さんに伝えていきたいというような意図なのでしょうか。

知事
 今言っている話の前提には、知事選挙に立候補する人たちは、一定のフォーマットに沿った形、一定の形式に沿った形で政策を出さなければならないというような前提があるのだと思うのですけれども、県民本位に考えたときに、まず、今、県民の皆さんに理解していただかなければならないこと、そして、力を合わせてやっていかなければならないことを今は優先させなければならないと思っております。
 では、達増知事に公約はないのか、政策はないのか、5期目当選の暁にやろうとしていることはないのかと聞かれると、それはとんでもないことでありまして、非常に厚いアクションプランの政策パッケージがあるわけでありまして、そこには何十もの政策が、こういうことを今後4年間やっていくと書いてあるわけでありまして、まずは、それを県民の皆さんに見ていただかなければならないということであります。
 もし、私以外の立候補予定者と私の政策を比較したいのであれば、そこを比較してもらえればいいと思います。冒頭比較した結果、あまり違いはないというのが私の感想です。

記者
 私からは、知事サミットの件と少子化対策の件を主に教えていただきたいと思っています。1点目なのですけれども、(日本創生のための将来世代応援)知事同盟サミットがありました。知事も最後の会見のときに、地方の先進事例を共有できたというお話もありましたが、ほかの県さんの発表を聞いて、御自身が御関心を抱いた政策とかありましたか。

知事
 民間企業ですけれども、鹿児島銀行さんの制服を設けないとかの思い切った女性の働き方改革というのは、ただ、なかなか県でそれを全ての企業に強制するわけにはいかないのでしょうけれども、そういう思い切った女性の働き方改革が必要という基本的考え方は、非常に参考になるなと思いました。意識の変革、そして、行動の変容ということを早く、大きくやっていかなければならないということで、そういう企業の先進事例を、まずは紹介しながら、そういうのを率先して進める企業を県として支援していくというようなことを進めていきたいと思います。

記者
 関連してなのですけれども、基調講演で知事や県の職員さんが(著書を)読んでいるという山崎(史郎:さまざき しろう)さんの講演もありましたが、そちらのほうの御感想はいかがでしたか。

知事
 まだ読んだことがないとか、内容をよく知らないという知事さんもいたので、広く共有できたのはよかったと思います。特に初めて知ったとか、今まで知らなかったという人たちは、その後、懇談会の場などですごくよかった、自分も読んでみるというような感じで評判がよかったです。
 政府から「こども未来戦略方針」というのが発表されたのですけれども、山崎史郎さんの「人口戦略法案」のほうがより踏み込んでいるし、また、広いですし、そして、財源についても非常に具体的に準備されているので、そういうように今の日本政府の人口減少対策についても持っていくことができればなというように思います。

記者
 自分も関連して、合計特殊出生率の関係でお伺いいたします。知事サミットでも他県が出生数の増加に向けて取り組む様々な政策が紹介されたところでありますが、県としても現状の数値目標では、令和5年度に1.35、令和8年度には1.58とする目標を掲げています。実現のために県として改めてどのような支援、政策が必要か、現時点でのお考えをお聞かせください。

知事
 コロナ禍で更に合計特殊出生率が下がるような形になっていますので、やはり感染の状況については、今、去年(令和4年)より感染水準は低くなっているし、行動制限もない状態になっているのですが、経済的な影響などは後を引くものがあり、そして、結婚のしにくさ、妊娠・出産のしにくさ、子育てのしにくさということがコロナ前以上に深刻になっていますから、そういったところへの支援を強化していくようにします。コロナ対策に燃料費、物価高騰対策も重ねて、補正予算も必要に応じて繰り出しながら、まずは結婚、妊娠、出産、子育てしやすいように、いろんな条件を改善していくということを進めていきます。

記者
 ありがとうございます。知事がおっしゃったとおり、経済的な影響が、やはり出生率の低下というところにつながり得るということで、近年は物価高、エネルギー高といった問題がコロナ禍の後も非常に重くのしかかっているところでありますが、そういった中でも支援を手厚くすることで、この目標自体やはり実現するというところでは変わりないという理解でよろしいでしょうか。

知事
 希望の出生率は、やはり基本的に1.8とかそのくらい、あるいは、それ以上にあるわけですし、生きにくさを生きやすさに変えたときに、自然体でそこになっていくだろうというような出生率を目指したいと思います。

記者
 私からは、先日発表された三陸鉄道の昨年度(令和4年度)の決算についてお伺いします。昨年度の決算は、特別利益を加えて2期連続の赤字ということでしたけれども、80万円ということで、赤字幅はかなり縮小しまして、また、震災学習列車の利用数が過去最高になるなど、そういった回復の兆しも見え始めていますが、この決算についてどのように知事は受け止められましたでしょうか。

知事
 報道などを見ていると、「あまちゃん」の再放送効果で今年度(令和5年度)に入ってから25%ぐらい利用が増えているというような明るいニュースが報じられていて、しかし、やはり赤字については深刻なものがあると思っております。
 一方、燃料代の高騰などは、ロシア、ウクライナ戦争に起因する非常事態でそうなっているわけですので、そこは県、沿線市町村の、公による支援ということがやはり必要になってくると思います。そういうヨーロッパのほうの戦争に起因する異常なマイナスのほかに、人口減少に伴う利用者が少なくなることなどもあるわけですけれども、それを補うような観光や、また、交流的な利用の増があり、この前の役員会でも沿線市町村長さん方から、やはり地元での利用、市町村職員による利用も含めて、マイレール意識をさらに高めていく必要があるのではないかという話もありました。そういった努力を重ねて、構造的な赤字を減らしながら、まず、目の前の危機は公の支援も併せて乗り切っていくということで、様々な好材料、防災学習、復興学習、「あまちゃん」再放送効果などを生かしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。今、「あまちゃん」の再放送が好評だという話がありましたけれども、知事もツイッターで、イラストを知事室の近くに貼りましたという投稿もありましたけれども、今の「あまちゃん」、再注目という、盛り上がりとかという点については、どのように見られていますでしょうか。

知事
 震災の2年後に放送すると(なると)、もう震災の翌年から撮影、ドラマづくりは始まっていて、当時、直接役者さんやスタッフの皆さんと接する機会があったのですが、やはりかなり真剣に取り組んでいらっしゃったと思います。あれだけの犠牲者が出る、あれだけの大きな被害の東日本大震災津波を、それがあった場所、かつドラマの中にもそれが含まれるということで、宮藤官九郎さんの脚本に始まって、非常に緻密につくり上げられ、また、非常に熱心に演じられていたということで、エンターテインメント、ドラマとしても非常にいいドラマで、多くの人に好まれ、愛されるドラマができたのだと思います。ですから、10年たって放送されても全然色あせず、初めて見る人たちも面白い、面白いと言って見てくれているようですので、そういう価値あるドラマ、日本のエンタメ史に残るようなドラマをつくってもらったということが非常によかったと思いますし、また、それは、震災に真剣に向き合ったからそれができたということで、震災に真剣に向き合う姿勢というのを、まず、我々、岩手県民が、大事にしなければならないし、また、オールジャパンでも大事にしてほしいなと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は6月13日(火曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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