令和5年9月26日知事会見記録

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開催日時

令和5年9月26日15時30分から15時57分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、よろしくお願いします。

知事
 今日は、県議会9月定例会に提案する令和5年度一般会計第3号補正予算案について発表します。
 補正予算額は、97億円になります。
 早急に対応が必要な予算として、今年度(令和5年度)前半に発生した低温や霜による農作物被害や大雨被害の復旧事業等に78億円、新型コロナウイルス感染症対策及び原油価格・物価高騰対策として13億円、震災対応分として6億円を計上しています。
 1ページめくっていただき、2ページ、災害に係る対応です。農林水産業の再開支援、道路、河川の災害復旧等に必要な予算として19億円です。このうち、9月補正予算に計上しているのは7億円です。
 続いて、3ページ、原油価格・物価高騰対策としまして、今回の補正では、地域公共交通の運行支援や指定管理施設の負担軽減策などの経費を先行して計上し、円安を生かした「稼ぐ力」の強化に向け、県産品輸出拡大やインバウンド誘客拡大に必要となる予算を計上しています。
 今後、国の経済対策の動きを踏まえつつ、県においてもこれと連動し、更なる生活者、事業者支援等について、早急に予算化を検討していきます。
 4ページ目、新型コロナウイルス感染症対応として、介護施設における人件費等のかかり増し経費の補助や、通常分として、水田の畑地化に対する支援等を計上しています。
 その他、決算や国庫内示の状況を受けた所要の整理を行っています。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 2点についてコメントをいただければと思ったのですが、まず、災害復旧のところで、凍霜害に対する防除費用というのでしょうか、こちらを盛り込んだその意図といいますか、期待される効果というところも含めて伺いたいのと、もう一点、海外輸出事業ですね、中国向けの海外輸出を強化していくための事業費を盛り込んでいますけれども、こちらを盛り込んだ意図と、現在、中国政府のほうでは、原発処理水の関係で水産物の輸入を停止しているという状況ではありますけれども、再開後を見据えて県としてどのような部分に力を入れていくのか、中国政府への対応、求めたいことも含めてお伺いできればと思います。

知事
 低温や霜による被害については、春から初夏にかけてそういうことが起きていたのですけれども、これは実際に実が成ってみないと、どういう被害が具体的に生じたのかが分からないということでもあり、関係者一同、気をもみながら、実りの季節を待っていたのですけれども、秋になりまして、具体的な被害が、その金額とともに見えてきましたので、早急に必要な予算を措置するというものであります。
 そして、インバウンド、海外輸出力強化事業費、中国における県産品の販路拡大に関しては、様々下準備が必要でありますので、今、海産物の全面輸入停止という不正常な事態になってはいるのですけれども、これを一日も早く解消をしていただいて、また、以前のように輸出入ができるようになるということを見越して、今のうちに準備をしておくことが必要という趣旨であります。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございません。各社から質問があればお願いします。

記者
 大きく2点伺えればと思っておりました。昨日(9月25日)から盛岡市でILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)の国際会議がスタートしました。この会議が開かれることによって期待する効果でありますとか、どういった議論を期待しているのかというところをお伺いできればと思います。

知事
 今日(9月26日)夕方のレセプションには、私も出る予定にしております。岩手でこのような国際会議が開かれるのは、2016年以来ということで、久しぶりの国際会議で、大いに歓迎したいと思います。まずは、ILCの準備として、科学者の方々の間の議論が進むというのは、実現に向けて前進していくことであるので、それが一ついいことであります。
 もう一つは、岩手県内でそうした国際会議が開かれるということで、県民の皆さんにも改めてILCのことやその意義、そして、世界各国の関係する人たちと一緒につくっていくという、そういう感覚を取り戻していただき、未来に向かって進んでいくためにも意義があると考えています。

記者
 ありがとうございます。
 もう一つ伺いたいと思っていたのが、先日の県議会の本会議で正副議長選が行われました。議長が第3会派から、副議長が第4会派から選ばれるという、今までとは異例と言っていいかと思うのですけれども、異例の展開だったのですが、こちらについて、知事はどのような所感をお持ちになったかというところをお伺いできますか。

知事
 議長、副議長の指名でありますとか、選挙でありますとか、そういったことは議会議員の皆さんで構成される議会の自治の問題でありますので、議員の皆さんがお互いに話し合ったり、あるいは選挙でそのように決めたということで、執行部としましては、知事はじめ県職員、その新しい議長、新しい副議長を含む新しい議会の体制に対して、法令等に基づきながら、しっかり対応していきたいと思います。
 岩手県は、これは日本全体そうなのですけれども、物価高騰問題でありますとか、コロナの、いまだに継続している(感染)流行の状況もありますし、また、経済、社会、様々な課題、大きな課題があり、人口問題という大きなテーマもあります。
 一方、これは特に岩手県に見られると思っているのですけれども、ニューヨーク・タイムズ(紙)効果を生かした可能性というものが目の前に大きく広がっているということ、そして、産業関係でも、自動車や半導体の産業集積が全国的に見ても例外的に進んでいるということ、そういったプラスの面も大きなものがありますので、議会におかれましては、そういった岩手の現状というものを前提に、県民の皆さんの民意を議会に反映し、そして、議会の役割を果たしていっていただきたいと思います。

記者
 先日、復興大臣が県庁を訪れて、知事と意見交換されました。面会後の取材で、大臣のほうからどういったことをお話しされたということは聞きましたが、改めて、知事の口からどういった内容の意見交換があったのかお聞かせください。

知事
 まず、自己紹介のようなやり取りで、衆議院(議員)の同期当選で、外務委員会など同じ委員会に所属もしたりして、親しくしていたという、そういう個人的な関係について確認をすることができました。そして、岩手の生活の再建、なりわいの再生、安全の確保、復興の状況に関する現状を紹介して、それぞれの課題を示し、そして、七つくらいの項目(の)国に対する要望、提案の柱を説明しました。予算の確保から始まって、こころのケアやコミュニティ再生支援、そして、なりわいの再生、また、ALPS(アルプス)処理水関係の問題の解決などを伝え、最後にILCについても要望、提案の中に入っているということを伝えました。ILCについては、もう説明不要で、どういうものかは御存知でいて、それについては文部科学省のほうで取り組んでいるというような、政府側の取組の大枠について、既に承知している感じでした。

記者
 ありがとうございます。震災被災地である岩手県にとって、復興大臣というのはどういった存在で、どういった働きを期待したいか、知事として一言いただければと思います。

知事
 憲法上、行政権は内閣にあって、内閣の連帯責任として国会に責任を負うという形で国民に対して責任を負っていますので、その内閣の中で適切な役割を果たしていただくということだと思います。ですから、総理大臣やほかの大臣との役割分担の仕方などは内閣ごとに違いますので、一概に復興大臣かくあるべしということは言えないのではないかと思っております。
 ただ、復興大臣という存在が、一人の人がずっとやっているわけではなく、何年か、あるいは何か月かで交代していくわけでありますけれども、それだけ東日本大震災津波ということや、また、そこからの復興ということについて深い理解を持ち、そして、思いを持って取り組んでくれる政治的リーダーがどんどん増えていくということでありますので、土屋新大臣も、今は大臣の仕事をきちっとしていただき、やがてそういう元大臣たちのグループの中に入って、オールジャパンで東日本大震災津波というものに向き合い、復興に取り組んでいくという一翼を担っていただきたいと期待します。

記者
 私からは、昨今問題になっている青森県八戸市の駅弁製造の吉田屋に関する問題でして、岩手県の業者に米飯を委託しているということで、そのお弁当を購入された方の中には、何か御飯が粘っていたとか、そういった声も聞かれたということで、今、県の保健所のほうでも立入検査を行ったと聞きましたけれども、こちらの件についての知事の受け止めと、今後、どういうふうに推移を見守っていかれるのかということについてお伺いいたします。

知事
 今回の食中毒は、かなりきつい症状が出たというふうに聞いていますので、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 そして、食品というものは安全管理が非常に大事なわけでありまして、やはり食中毒を起こすようなことがあってはならないということを、まずはこの際申し上げておきたいと思います。
 そして、当該八戸市の弁当事業者に八戸市保健所がまず対応して事実関係の究明を進めていく中、岩手県内の業者さんとの関係も見えてきたということではあるのですけれども、ただ、事実関係というのを明確にして、そして、こういう食中毒を引き起こした責任の所在というのは、まだ八戸市保健所が究明している最中でありますので、その作業が進むよう岩手県としては協力できることを協力していきたいと思いますし、一日も早くそうした作業が進むことを期待します。そして、再発が防止されることを期待します。

記者
 それでは、まず、一旦県としては八戸市保健所のほうでの総合的な調査というか、そういったのが落ち着くまで県としてできることに協力していくというスタンス(ということでしょうか)。

知事
 今回の事案を、事実関係を究明して、そして責任の所在を明らかにし、再発を防止していくのに必要な作業を八戸市保健所は行っているというふうに見ていますので、そこに協力できることは岩手県でも協力していくということです。

記者
 今回は品質管理に関して、まだ調査中のところもあるかと思いますが、岩手のお米という部分だけが一人歩きすると、これからお米の稲刈りシーズンですとか、ブランド米とかいろいろ県産米をPRする時期に来ていると思うのですけれども、そういったことを踏まえて風評被害とか、そういうお弁当加工のほうにお米を提供したりとかということもあると思うのですけれども、その点については県として何か風評被害が広がらないように呼びかけとかしていく予定はありますか。

知事
 八戸市保健所による事実関係の究明や責任の所在を明らかにし、再発防止につながるようにするということが進んでいきますと、どういうふうにすれば食中毒にならないのか、あるいは逆に、どういうことをしたから食中毒になったのだということが明らかになれば、それ(原因となった取扱い)をしなければ、岩手のお米というのはおいしく安全に安心して食べることができるわけでありますので、その間、明確な根拠がない臆測ですとか、あるいは十分な情報のないままに何か結論的なことを先走って表明したりしなければ、御指摘のような風評とかというのは起きないのだと思います。

記者
 補正予算の説明のときにお聞きすればよかったと思ったのですが、昨日、政府のほうで経済対策について総理が発表されました。来月にはまとめて、補正予算を提出するということでしたが、まだ本当にさわりの部分だったとは思うのですが、その印象と、あと補正予算でも説明されていたように生活者支援や事業者支援に関しては、国の経済対策と連動して今後早急に予算化ということだったのですが、来月、政府の補正予算が出れば、県のスケジュール感として、希望として、どのぐらいにはまとめたいというのがあれば教えてください。

知事
 方向性は示されたのですけれども、具体的な内容については、これからまず、与党の中で検討とか、プラス政府の関係省庁の中でも検討ということなのですけれども、検討は夏の間にしていても良かったのではないかなという感じはしております。というのは、様々困っているという声は、私も選挙中に聞いていたわけでありますので、8月頃から既に様々大変だ、大変だと、困っているという声は、暮らしや仕事の現場にありましたので、とにかく早く、それを政策の形にしなければならないと思います。ですから、岩手県として、あるいは全国知事会として要望でありますとか提言でありますとか、そういうことをしていく可能性もあります。いずれ早め早めということが暮らしや仕事の現場で困っている方々の感覚ではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。ちなみに、昨日、人口問題の件でメッセージにもありましたし、その中でも賃上げというところが、所得水準というところを触れられたのですが、今回の経済対策に関しても、賃金、もう一つは事業者に対しての投資というところもあったと思うのですが、ある程度一致するところもあったのかなと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

知事
 方向性はそうですけれども、ただ中身をこれから検討ということですので、やはり中身が出てこないと、なかなかそれについて議論という感じは難しいのではないかなと思います。

記者
 最初の質問で答えていただいたように、夏もみんな大変だった中で、少し政府の着手の仕方がやっぱり遅きに失したのではないかというような印象は、知事は強く持っていらっしゃるのですか。

知事
 去年(令和4年)の2月のウクライナ戦争が始まったときに岸田首相は、これは我が国にとって戦後最大の国難である、それはウクライナ戦争、プラスコロナ禍もあり、また、様々な日本の経済、社会のいろんな課題も同時にあって、そういったものが幾つも重なっているから最大の国難と。その最大の国難という状況は、解決しないまま今に至っているのだと思いますので、ですから、もっと夏の間に、去年、おととしのように参院選があったわけでもなく、また、衆院選が近かったわけでもなく、選挙のない黄金の3年間が去年の夏から始まっているという話もありましたし、やはり今年の夏の間に日本国内の大きな課題について、もっと様々取り組まれていても良かったのではないのかなと、国会を開会するとか、そういうことも含めてですね、というふうに思います。
 あともう一つ、そんなに今、仕事や暮らしの現場がきついのであれば、もう国の政策を待たずに県がしなければならないのではないかという突っ込みもあり得るのかもしれないのですけれども、お金があればそれぞれ時間を稼ぐことができる課題ではあって、農家の皆さんが収穫のシーズンに燃料費がいつもより高くなっている、その中で収穫しなければならない、収穫に必要ないろんな資材とかも高くなっている、大変だということについては、融資が行われ、そして、そのお金を借りてそういったところに当面の対応ができれば、当面状況を乗り越えるというか、抜本的な支援金とか、そういったものをある程度は先に延ばすことはできるので、冒頭言ったように、本格的な県の施策については、国の政策を踏まえてやっていくということにしているところです。

記者
 もう一点、待ったなしというところで、もう来週は10月になって年の瀬となると、県民の生活としても、年を越せるかどうかというような事業者さんも出てくるのかもしれないということでいうと、希望的なスケジュール感といいますか、やはり年内にはある程度その形やスキームを県としてもつくれるような国の早い対応をお願いしたいというような思いがあるのかどうか、その点いかがですか。

知事
 そこを決めるのは、暮らしや仕事の現場であって、答えは現場にありですけれども、できるだけ早くというのが実態なのではないかと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は10月4日(水曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
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