令和6年1月5日知事会見記録
開催日時
令和6年1月5日10時00分から10時46分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介したいと思います。転入した記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
大きく2点、能登半島地震についてと、あとは1年明けましたので、今年(令和6年)の抱負というところをお聞きしたいと思います。まず、元日に発生した能登半島地震についてです。これまでの県の対応状況、また、今後の支援の対応についてというところをまず伺えますでしょうか。
知事
まずは、新年のけじめとして、明けましておめでとうございます。
能登半島地震は元旦の大地震ということで、日本中に衝撃が走り、岩手県民の皆さんも非常に衝撃を受け、そして、心配されていると思います。
全国知事会のほうで(全国知事会災害対策都道府県連絡本部において)、関西広域連合、中部圏知事会が、まずは前面に立って対応をしましたが、その後、全国知事会の本部に(全国知事会緊急広域災害)対策本部が2日に立ち上がって、全国知事会全体で対応するような体制になっています。岩手県でも元旦、地震の直後から24時間危機管理警戒体制により、国からの情報や全国知事会からの情報を中心に、情報の収集や連絡調整を行ってきているところです。
岩手県からの支援としては、厚生労働省から保健師の応援派遣の要請がありまして、保健師チームを明日(6日)、石川県に派遣することとしています。このように要請を受け、それを踏まえて支援をしていくということが基本になっていきます。一方、県民の皆さんには、何かしたい、何かしなければという思いがあると思いますが、青年会議所のネットワークを使った支援が、岩手県からも行われていると聞いていますし、それぞれの民間あるいは地域ごとのつながりを生かした支援などが行われていること、あるいは救助犬の専門家、これは全国組織としての活動ですが、岩手県人もそこに参加していると、そういった支援が行われていますし、また、募金活動も岩手県内の各地で行われているというふうに聞いております。それぞれのつながりなどを生かしながらの支援ということができますし、県としても、今の情報収集、連絡調整体制を基本にしながら、随時対応していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。今回の大きな地震だったのですけれども、例えば、産業面であるとか、人的交流であるとか、県内に及ぼす影響(について)、もし、何か現在想定できるものがあれば教えていただきたいのですが。
知事
今の段階で私のところに情報として上がってきているところはないのですけれども、被災地においても被災の状況の把握が完了していない状況であり、そこからほかへの波及というのは、なかなか今の段階では、まだちょっと予測し難いところもあるのだと思います。日経平均株価も一時、大きく下がったのですけれども、その後、回復したというようなこともあって、見えない影響について様々推測がなされているような段階なのだと思います。
記者
ありがとうございます。次に、今年、新年最初の会見というところで、今年の県政運営について、展望でありますとか、抱負のほうを伺えればと思います。
知事
去年(令和5年)コロナ感染症(の感染法上の位置付けが)5類移行ということで、経済活動や社会活動、様々コロナ前のような形になり、外国から岩手に来るお客さんも増えましたし、岩手から海外で様々な活動をすることもできるようになってきました。そうしたことを今年、更に発展させていきたいと思います。
また、人口減少対策の面で、昨年、全国トップクラス水準の子ども・子育て支援環境を実現するための予算をスタートさせ、保育料の無料化や育児支援金給付、高校生までの医療費助成の現物給付などがどんどん利用されていて、浸透していっているところですので、これを更に軌道に乗せていきたいと思います。
また、交流人口の拡大についても、去年から回復しているところがどんどん出てきておりますので、ニューヨーク・タイムズ紙効果や、また、大谷翔平さんの活躍の効果なども今年、更に生かしながら、交流人口拡大に力を入れていきたいと思います。
昨日(4日)、仕事始めとして、久慈市からスタートしまして、県北沿岸部から沿岸の北部といいますか、岩手の中でも人口の少ない市町村が続く地域で仕事始めをしました。改めて、そういった人口の少ない市町村は、そこに問題があるから人口が少ないというよりも、むしろ、知られざる魅力や知られざる力が様々あり、それが広く知られていないがゆえに人口減少につながっているということがあるなと思いましたので、岩手の市町村の中でも特に、村や人口の少ない町、そうしたところに光を当てながら、これは岩手県全体が人口が少なく、かつ、減り方の多い、日本の中でもそういう地域ですので、日本全体としても、そういうところに光を当ててもらえるよう、まず、岩手の中でも人口の少ないところから光を当てて、県全体の交流人口拡大、人口減少対策につなげていきたいと思います。
記者
先ほどの質問の中に出ていた保健師の派遣について、具体的に今、お教えいただけますでしょうか。
知事
保健師さん2名と、連絡や車の運転などプラス2名の4人のチームを明日、派遣しまして、1か月以上(の派遣が)求められていますので、交代、交代で、ですから、実際に行く人の数はさらに増えるという格好になります。
記者
分かりました。こちらは厚生労働省のほうから派遣についての照会が来て、それについて岩手県としてどのような対応を取れるかということで、そのような対応を決めたということになるのでしょうか。
知事
保健師の応援派遣の要請があったということです。厚生労働省からの要請に応えて派遣するということです。
記者
ありがとうございます。引き続き、能登半島地震関連です。青森県では、このたびの支援活動に備えた県の応援本部というものを設置いたしました。岩手県では、そのような組織体の開設の予定というのはないでしょうか。
知事
今は、24時間危機管理警戒体制で情報収集、連絡調整を行っているところでありますけれども、この後、更なる県職員の応援の要請があり、県としての応援が、より大きくなっていくのに合わせて、必要に応じて岩手県応援本部を設置することになると思います。
記者
ありがとうございます。すみません。話題替わりまして、昨年の12月ですけれども、県職員が盛岡市内で酒気帯び運転をしたとして道(路)交(通)法違反容疑で逮捕されました。当該職員に対する処分というのは、どのようになっておりますでしょうか。
知事
処分については、これはルールや、また、前例も含めた法令に従って厳正に行われる必要があり、担当部局において検討が進んでいるところと承知しております。12月は、交通安全推進の期間でもあり、特に、飲酒運転は、県から県民の皆さんに厳に飲酒運転を行わないようにと強くお願いしているところですので、県職員が飲酒運転をしてしまったということは極めて遺憾であります。庁議で関連の部局から報告があったのに対し、私からも改めて飲酒運転、これは絶対駄目だということ、そして、交通安全全般に関して意識を高く持つことを指示したところでありますし、また、総務部から県各部局に対して組織的な通知の発信も行ったところであります。
記者
ありがとうございます。大変申し訳ありません。戻りまして、能登半島地震に関連してなのですけれども、昨日、三陸鉄道の社員への激励の後に取材をさせていただいた際に、今回の震災を受けまして、岩手県として、瓦礫(がれき)の山になったとしても復興は必ずできるということで、被災地の皆さんには気を強く持っていただきたいというふうなお話がありました。改めてですが、そういった被災地の皆さんは、まだ大変な状況だと思いますが、そういった方々への激励のメッセージというのでしょうか、そういったものを発信する予定というのは今のところないでしょうか。
知事
まず、機会があれば、どんどん発信したいと思いますので、今も質問いただきましたこの機会に発信したいと思いますけれども、今はまず、人命救助最優先で、大変な段階だと思いますけれども、同時に早い段階から責任ある人たちが始めとして、復興のビジョンも描いていくことになると思います。そして、ビルド・バック・ベターという言葉があるように、震災前よりも良くなるような復興のビジョンを描いて、そして、必ずそのような復興は実現するという思いで取り組んでもらえればいいのではないかなと思います。
能登半島は、豊かな自然と歴史、文化に大変恵まれた地域だと思います。漁業資源もありますし、輪島塗という日本全体を代表するような伝統工芸品もありますし、日本全体にとっても、なくてはならない地域でありますので、全国からの応援を受けながら、必ず再び日本を代表する豊かな自然と歴史、文化の地域として復興することを期待します。
記者
私も何点かありますので、簡単なほうからお願いします。先ほど年始の意気込みということでありました。ちょうど今週末に多くの自治体で、二十歳の集いがあります。これから人口減少社会と言われる中で、そういった若い人たちの活躍の場というのは増えてくると思いますが、知事としてはどういったことを期待していくか、また、活躍の支援に向けてどういった施策を打っていくか、改めて御説明いただければと思います。
知事
そうですね、昨日回った県北、沿岸の北部の地域で、若い人たちが新しい漁業に取り組んだり、商店街振興に取り組んだり、大変心強いところを見てきました。龍泉洞関係でも、新しい地域振興に20代の人が先頭に立って取り組んでいるところも視察しましたし、人口減少ということで全てが悪化しているわけではなく、今までになかった良いことが行われているというところもあります。是非、若い人たちにはそういう担い手になってほしいと期待します。
そして、もともと民主主義の下では、居住移転の自由や職業選択の自由というのは基本的な人権として、大事な自由として認められており、交通、通信も著しく発展していますので、全国や世界を舞台に広く活躍してほしいというところがあります。その際に、岩手を拠点としてもらって、岩手の中にいても全国や世界とつながる生活や仕事ができますし、また、一度県外で日本のどこか、あるいは海外に行っても、一旦県外に出た人も岩手県はつながりをしっかり保つように努めていきますので、何かあったらいつでもこの岩手を頼りにしてほしいと思いますし、また、岩手県外でいろんな成果を上げていることがあれば、是非それを岩手県民にも知らせてくれたり、また、岩手の役に立つように工夫してもらえればと思います。
記者
ありがとうございます。すみません、次ちょっと話題変わります。また私も能登半島地震の関係なのですけれども、発災直後からX、(旧)ツイッターでデマ情報であったりとか、あとは政治的なメッセージ、あとは政治家の方々の中でも、例えば、事実に即しない発言があったりであるとか、私が見た中では食料、水分の3日分保持の原則を知らない、そんな常識知らないと言った方もいたと思います。まず、ツイッター(現X)を使われている知事として、こういった状態は何で起きると思われるか、そういった推察をいただけますか。
知事
そうですね、一つは非常事態で不安に陥りますと、付和雷同という言葉がありますけれども、落ち着きを失って、普段しないような悪いことにも参加してしまうということがあり得るのだと思います。やはり、こういう非常事態だからこそ冷静になってほしいと思いますし、多くの場合は自分の日々の生活や日々の仕事にしっかり取り組むことが、この後、必要に応じて被災地を支援することができる力を、それぞれのもとに養っていくことにつながるので、まずは、自分のなすべきことというのをしっかり見据えてほしいと思いますし、また、基本的には、現地からの直接あるいは間接の依頼や要請というものがあって、それに応える形で効果のある支援ができますので、それ以外の第三者からの情報に基づいて軽々しく動くのではなく、緊急事態だからこそ、冷静に一つ一つ考えながら行動してほしいと思います。
記者
こういったせっかくの機会ですので、例えば、県民にそういったデマ情報の拡散などを止めるようなメッセージ、あとはそういった不安をあおるような情報を発信しないような、何か、もし、メッセージがあればいただければと思います。
知事
今、この質問に答える形で、こういう公式な記者会見の場で、さっき言ったようなことを発信できたのは良かったと思いますし、改めて、SNSなどについては冷静に、真に必要な情報の発信に限定して使うような工夫などを求めたいと思います。
記者
私も能登半島地震の関係でお伺いします。発生直後、津波警報が出て、テレビで、特にNHKだったと思いますけれども、かなり強い口調で、圧迫感のあるような感じで、津波についての注意喚起というのがなされました。これについて、実際、津波被害を受けた県の知事として、どのように受け止めていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。
知事
深刻な非常事態に関しては、深刻で、また、例外的であればあるほど、なかなか正解というのはないのですけれども、一般論としては、津波があったときには、空振りでもいいから避難をするというのが基本でありますので、切迫した形で逃げてくださいということを伝えるのはいいことだと思います。
記者
ありがとうございます。あともう一点、先ほどからのお話をお伺いしていて、こういう事態だと支援というのはどうするのかというところに、みんな注目が行くと思うのですけれども、かなり抑制的なのかなというふうに見えていまして、先ほどの発言でも、当事者から必要な支援の要請があったら送るのだというのは、やはりそれは、当事者としてそういうふうに感じたというところがあるのでしょうか。
知事
物の支援に関しても、あるいは人の支援に関しても、受入れ側のほうで用意ができていない場合に、やらなければならないことができなくなるとか、新たな仕事を増やしてしまうということがかなりあります。東日本大震災津波のときには、物の支援に関してはまず、岩手県が一旦引き受けて、県の保管場所に置き、そこから市町村のほうにという整理で、市町村への負担を減らしたということがありますけれども、まず、市町村に次から次へと市町村が想定していないものが送られたり、人がやってきたりしますと、これは専ら東日本大震災津波以前の震災の中で、かなり地元として苦しんだという経験が蓄積されているので、そこはやはり気をつけなければならないところだと思います。
記者
私から2点お聞きしたいのですけれども、1点目は能登地震の関係なのですけれども、先ほど保健師の方2人を派遣して、継続的に何人か送られるということだったのですが、どんな活動を期待されますか。
知事
保健師としての専門的な活動については、現地入りして、厚生労働省の調整の下でプロの世界としての仕事が求められていると思いますので、それをしっかりやってほしいということがあります。
そして、県としては、専門家としてやるべき仕事をきちっとやった上で、余力があれば、状況について様々見聞きしたことを、県の防災担当や、また、関連のところに知らせてくれて、県職員が現地に入るというのは初めてのケースになりますし、ほかにありませんので、情報の入手に一定の貢献あれば、なお結構というふうに考えています。ただ、本業が優先というのが前提になります。
記者
あともう一点なのですけれども、昨日の首相の会見で、首相が触れた「政治刷新本部」に関してなのですけれども、知事はこの件に関してはどんなふうに感想を持ったか教えていただけませんか。
知事
自(由)民(主)党の中で、違法性も疑われているようなことが組織的に行われていたということですので、基本は自民党の外に、第三者的に事実関係を究明し、再発防止について取りまとめる体制が必要なのだと思います。国会というものはそういうものとしてありますので、基本は、国会によって追及されるべきだというふうに考えますし、また、政府機関も動かす場合には、そのときの内閣は、自民党の人が入ってもいいかもしれませんけれども、総理大臣始め、主要な部分は自民党以外の政党から人が出るような内閣の下に、政府による調査や再発防止のための検討などは行われるべきというふうに考えます。
記者
能登半島について、さんざん先ほどから質問がありますが、私からも1点質問させていただきたいと思います。現地では、断水が深刻な状況だというふうに聞いているのですけれども、その点で何か追加で物資または人的な支援をこれから行っていく考えはあるか、あるいは義援金などをこれから募っていく、そういったお考えはありますでしょうか。
知事
義援金については、いつも大きな災害があれば、(日本)赤十字(社)への寄附というのを県としては基本的に推奨しているところで、今回もまずそれが基本になります。
そして、水の不足については、これは状況次第なのですけれども、水のあるところに被災者の方々に避難していただくということもあり得るのだと思います。岩手県では、(東日本大震災津波の際に)内陸避難ということを一時やりまして、これは日本では初めての試みで、岩手がやって、その後ホテルに入ることにも、避難所に入るのと同じような(災害)救助法上の予算が国から出ることになったので、熊本地震のときにかなりホテルへの避難というのが行われたと記憶しておりますし、金沢市まで行けば水はあるのか、そこまで行かなくても、その手前の段階で水のある市町村があるのか、その辺の判断は、やはり現地にいないとちょっと判断できないというところがあります。飲料水やその他の水は、自衛隊の能力があればヘリや、あるいはホバークラフトのようなもので次から次へと送り込めば、かなり送り込むこともできるのかなという感じはあるのですけれども、そこから先の給水車がないとか、そういうこともあるのだと思いますが、給水車がなければないで、あとは人力ということであれば、自衛隊に更に活動を大勢に入っていただくようなことも必要なのか、そういったことが今、現場で判断が求められている状況なのかなと思います。
記者
では、引き続き支援の要請があれば、それに応じていくというお考えでよろしいでしょうか。
知事
はい。
記者
あと、保健師の件ですけれども、具体的にどこの地域に行くかとかというのは、まだ決まっていないでしょうか。
知事
まだ調整中という感じで、やっぱり行ってみなければ分からないところがあり、石川県に行くというところまでです。
記者
続いて、ちょっと県政運営についてお伺いしたいのですけれども、先ほど人口の少ないところに光を当てていきたいというお話がありましたが、もし、これから(令和6年度)当初予算に盛り込みたいような、具体的な策とかが何かあれば教えていただきたいのと、あと、物価高とかが引き続き課題になっていますが、それに対する対策とかも何かお考えがありましたら教えてください。
知事
各部局から上がってきている予算案の中には、やはり県の持っているマンパワー、また、大きい組織としての財政力で、そういったマンパワー、財政力を合わせるような形で、小さい町村を支援するような案が上がってきておりまして、これはなかなか現実的で、いい方向性かなと考えています。
それから、交流人口拡大に関しては、この1月から冬の観光キャンペーンがもう始まっているところでありまして、まずそこで、今まであまり人が注目していないとか、観光していないようなところにも脚光を当てながら、人口の少ないところにも観光を誘導していくようにしていきたいと思います。
一方、物価高騰対策については、12月に議会で承認いただいた補正予算を、まず着実に執行していくことで、今困っている生活や仕事の現場を支えるということ、これを進めながら、さらに、困難が続きそうな分野や地域を見極めていきたいと思います。
記者
私も地震に関して伺いたいのですけれども、昨日、知事の年頭の訓示にもあったのですけれども、実際に(能登半島地震の)中継の様子とかを見ていても、海のほうに向かう車がいたりとか、自宅に戻ってきて、そのまま何をしているのだろうという車がいたりとか、なかなか避難行動に移さない人の姿というのも散見されました。震災の教訓ですとか、防災への知見を、県のほうではお持ちだと思うのですけれども、それをどう県内外に発信されていくのかというのを改めてお伺いしたいです。
知事
まず、毎年毎年、県内でのフォーラム、シンポジウムのような形で情報の発信を行っているところですし、そういった活動を県外においても行ってきたところであります。これは、それを一度やれば、全ての国民に必要な知識が浸透するということでもなく、地道な作業ではあるのですけれども、少しずつでもそのように東日本大震災津波の教訓を伝承し、また、広げていく取組は続けていきたいと思います。あとは、陸前高田市にある(東日本大震災)津波伝承館がやはりそういう情報発信の拠点でありますので、そこからの発信も更に力を入れていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。今のお話に関連して、ただ一方で、非常に関心を持たれていないと、そもそも入り口にならないという部分があるかと思うのですが、県として防災という点でできることがもしあれば、お伺いしたいのですけれども。
知事
(東日本大震災津波の際は、)大人たちよりも子供たちのほうが、いざというときに地震イコール津波(が来るかもしれない)、即避難という意識が高いということが見られたりしました。学校できちんと防災教育をやっていると、そういう子供たちが、関心の低い親たちを引っ張るように避難するということがありますし、また、地域、地域においても、誰かが逃げている姿を見ると、逃げなければと思うという傾向があるというのは、専門家の指摘するところでありまして、やはり問題意識が強い人が地域に何人かいれば、その人が率先して避難して、みんなも避難するということがありますので、関心の低い人たちに向けても、直接アピールする方法も様々あるのだと思いますし、また、間接的に、いざというときに伝わっていくように、様々工夫されているところでもありますので、そういうのを併せてやっていくのだと思います。
記者
すみません、最後に話題が少し替わるのですが、知事は12月27日までマレーシアとシンガポールのほうにトップセールスに行かれていらっしゃったと思うのですけれども、実際の活動内容と手応えと今後の展望を簡単に伺いたいのですが。
知事
岩手のお米とりんごと牛肉と日本酒を中心に岩手の物産を宣伝し、また、岩手への旅行というのを宣伝してきました。そして、岩手のものを今回の特別なフェアや、また、普段から取り扱っているお店や卸売業の人たちへの挨拶、意見交換なども行ってきたところです。岩手の物産のクオリティーの高さが評価されているという手応えは、がっちり感じたところでありまして、持っていけば持っていくほど売れるというくらいの手応えを感じました。
それから、日本経済が低迷し、東南アジア経済は発展著しいので、相対的に日本の存在感が東南アジアで薄れているのかもしれないなと想像していたのですが、行ってみたら全然そんなことはなく、30年前、私がシンガポールで働いていたときや、その後、衆議院議員として、知事として、10年に1回ぐらいずつシンガポールやマレーシアには行っていたのですけれども、過去よりも日本の存在感が高まっているのを今回、目撃しました。それは、日本食レストランの数が増えていて、日本の食べ物を現地にいながらにして食べる人や機会が増えているし、あとは日本に旅行に来る人も過去よりずっと増えているわけです。そして、アニメや漫画などの影響もさらに広がっています。シンガポールにある日本のデパートの数は、昔より少なくなっていますし、30年前、私が働いていた頃には、全ての都市銀行がものすごくプレゼンス(存在感)があったりとか、建設会社も大手ゼネコンや、それ以外にもどんどん進出して仕事をしていた、そういう大企業の存在感は薄くなっているのですけれども、国民が直接消費する物やサービスに関しては、昔よりずっと日本的なものが浸透しているということですので、食べ物や旅行や漫画、アニメなど、生活文化と言っていいと思うのです。日本の生活文化が高く評価され、より御利用いただいているということですので、岩手はまさに、ニューヨーク・タイムズ紙効果を、これは生活文化が高く評価されていることだと分析し、そこに岩手全体で力を入れていこうとしているところですので、その方向で東南アジアにアプローチしていけば、どんどん物やサービスを利用してもらえるなと感じました。そして、物やサービスの利用と同時に、生活や文化に対する理解が深まっていくということも同時にあるところがいいなと思いまして、岩手の食べ物の背景にある風土や人々の生活、仕事の仕方、そういったものも含めて伝えていくことで、より深い交流を進めながら、経済的にもウィン・ウィンの関係で発展していくという方向性を見いだすことができました。
記者
東日本大震災の際は、石川県含む北陸地方からも多くの支援をいただいたとは思うのですけれども、今回、知事も先ほどおっしゃられた復興のビジョンを石川県含む北陸地方が描くためにも、今後、岩手県として、どのように能登地震に関わっていきたいかという思いを聞かせていただけますでしょうか。
知事
東日本大震災津波の際には、新潟、富山、福井の3県から岩手県に対して、約10年間の間に40人を超える応援職員を派遣いただいています。また、岩手県内の被災市町村に対しては、約10年間の間に新潟、富山、石川、福井の各県内の9市3町から60人を超える応援職員を派遣いただいています。やはりその恩返しという気持ちも込めて、支援をしなければならないなというふうに考えておりますが、思えば、最初の1週間はまず、自衛隊や警察や消防が現場に入って、道を開きながら行方不明者捜索、救助、それがまず、最初の1週間、フル回転で行われていて、県や市の行政に関わるような支援を受けて、それを進めていくというのは、もうちょっと先になるのかなと今感じているところです。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は1月12日(金曜日)の予定です。
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