令和5年12月12日知事会見記録
開催日時
令和5年12月12日10時30分から11時21分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事から発表事項が2件あります。それでは、知事、お願いいたします。
知事
「第13回いわてマンガ大賞」コンテストの受賞作品が決定しました。
一般部門45作品、1~4コマ部門155作品、イラスト部門56作品の応募がありました。フランスや中国などからも応募がありました。
一般部門の大賞は、盛岡市、為永江田(ためなが えた)さんの「悪路王(あくろおう)」です。
そして、一般部門の優秀賞は、盛岡市、amaco(あまこ)さんの「荒神(あらがみ)の彼女」、九戸村、おりなさんの「歴史とどんぐりと俺と」、奥州市、佐藤超克(さとう ゆきなり)さんの「大脱走」です。
学生の部は、金賞2作品、銀賞3作品です。
1~4コマ部門のうち、一般の部の最優秀賞は千葉県のゆきさん、中学生以下の部の最優秀賞は、盛岡市のゆずさんです。
1~4コマ部門の優秀賞は5作品、そして、フランスから応募があった2作品は、海外から岩手県のことを調べて作品にしていただいたということで、特別賞です。
イラスト部門の最優秀賞は、岩手県出身の千紗戸(ちさと)さんの「何かが見つかる場所」です。その他、優秀賞作品は3作品です。
表彰式は12月16日です。
続いて、マレーシア、シンガポールでのトップセールスについてです。
12月20日から27日まで、マレーシアとシンガポールにおいて、関係する市町、商工団体、観光団体、農業団体等とともに、県産農林水産物や食品の輸出拡大に向けたPRや観光レセプションなど、岩手の魅力を発信するトップセールスを実施します。
トップセールスに当たっては、現地政府関係者、食品流通関係者、消費者やメディア関係者等の参加によるレセプション等を開催し、米、りんご、牛肉、水産物などの県産食材を活用した料理、また、日本酒なども提供しながら、県産品と観光のPRを行います。
このトップセールスの期間を含め、現地百貨店や量販店において岩手県産品をPRするフェアを開催します。更なる県産品の認知度・ブランド力の向上と販売促進を図ります。
今回のマレーシアとシンガポールへの訪問により、県産農林水産物を始めとした県産品の輸出拡大と本県へのインバウンド需要の拡大につなげたいと思います。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いします。
記者
まず1点目、マンガ大賞の関係です。まず、今回のコンクール全体を総括して、どんなコンクールだったか、どんな作品が多かったかというあたりの講評をいただければと思います。
知事
たくさん応募いただいておりますが、クオリティーも高くなってきていると思います。大賞作品も、アクションシーンなど非常に格好良くて、場面場面、絵の迫力がすごかったです。
それから、優秀賞のamacoさんの「荒神の彼女」は、漫画としての完成度が高く、岩手を舞台にした漫画として、いろんな人に見てもらいたいなというところです。
それから、イラスト部門を新たに設けたのですが、非常に良いイラストが応募され、賞になり、いろんな形で岩手の良さをPRする可能性が広がったなと思います。
記者
ありがとうございます。すみません。話題変わります。マレーシア、シンガポールでのトップセールスについてです。まず、この2か国を選んだ理由を教えていただきたいのが1点、あとは現地で特に推していきたいところ、打ち出していきたいところ、どういったところを知事御自身としては訴えたいかお聞かせください。
知事
一つは、新型コロナウイルスの流行で中断していた海外に直接出向いての宣伝活動を再開するに当たって、去年(令和4年)北米、今年(令和5年)は東南アジアというふうに、コロナ後、まずは行きやすいところというところがあります。そして、マレーシア、シンガポールは、地理的にも東南アジアの中心なのですけれども、英語が広く使われていて国際的であり、また、中華系、インド系、イスラム教であるマレー系の人たちが共存しているところでありまして、そこでアピールすることは、広く中華圏、そして、イスラム圏、インド圏にも広がっていくという、アジアへの窓口という、そういう地理的条件がいいなというところがあります。英語が広く使われていて、欧米とのつながりも強い地域でありますので、世界に向かってアピールできるなというふうに期待しています。
記者
特に、岩手のここを伝えたい、見てほしいという部分(について)、知事御自身のお考えでも構いませんが、あればお聞かせください。
知事
シンガポールで岩手町の肉屋さんの熟成肉の生ハムがグランプリを取ったばかりというところがあるのですけれども、牛肉、そして、米、りんご、プラス水産物に日本酒という、そういう岩手の非常にクオリティーの高い食べ物というところをアピールするのに、非常に良いチャンスではないかなと思っています。
記者
私もトップセールスについてちょっとお伺いしたいのですが、PRポイントとして観光も挙げていますけれども、具体に、観光ポイントでしたり、ニューヨーク・タイムズで盛岡も取り上げられて注目を集めていますが、観光の具体的なPRポイントも教えていただいてよろしいでしょうか。
知事
今、(令和6年)1月からのJRさんと連携しての冬の旅行のキャンペーンの宣伝素材なども用意してやっているのですけれども、東南アジアは寒い気候や雪景色、そこでの雪遊びやウインタースポーツといったものへの憧れがあるというところがありますので、それは非常に良いアピールができると思います。そして、四季が豊かで温泉やスキー、あるいはゴルフリゾートというような、そういうところもアピールしつつ、あと、ニューヨーク・タイムズはシンガポール、マレーシアでも結構読まれていると思うのですけれども、日常の住民の生活の場が、非常に魅力的な海外からの観光地でもあるのですよというところもアピールしたいと思います。
記者
すみません。私もトップセールスについて一つお伺いできればと思います。今回、岩手の清酒、こちらがGI(地理的表示保護制度)登録になって、恐らく初めて海外でのトップセールスの場になるかと思うのですが、改めて岩手のお酒の魅力でありますとか、GI登録後に海外へアピールできるこの機会をどのように捉えているのかというところをお伺いできればと思います。
知事
日本食ブームが、もうブームから定着状態に発展してきていて、日本食とともに好まれる日本酒というのも、もう世界的になくてはならない存在になってきていると思います。そういう中で、ただ日本のお酒というのではなくて、日本のどこのどういうお酒という、そういう一歩踏み込んだ消費が求められる時代に来ていると思いますので、岩手の水の豊かさ、米の質の高さ、そして、南部杜氏の技術力というのをしっかり伝えていきたいと思います。
記者
私もトップセールスについて伺いたいのですけれども、今、日本酒の話もありましたが、マレーシアは比較的イスラム系の方が多いと思うのですけれども、お酒飲めない層もあると思うのですが、どちらかといえば、フェアとかでは、イスラム系の人たちではなく、中華系の人たちをメインにしていくつもりなのかどうか教えてください。
知事
人口的に中華系の割合はかなり高くて、プラスインド系の人たちもいますし、それから西洋系の人たちもいて、あと、日本人コミュニティーも結構大きいというところがあります。市場的には、かなりそういうふうに、十分な規模があると思っております。
マレーシアの日本大使を今務めている髙橋克彦さんは、盛岡(市)、岩手(県)出身で、岩手のお酒についても大変詳しく、いろんなお酒と関わる岩手関係の活動に個人的にも参加されていて、シルバー仮面に変身したアクションとかが得意な役者さん、柴俊夫さんが盛岡市内の福祉施設と連携しながら、スーパー歌舞伎の「天翔る」という名前でしたか、そういうラベルのお酒を開発して売って、それをチャリティーにするみたいな、そういう活動もされていた御夫妻なので、そこは頼りにしています。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
私からは、JA全農いわて販売の岩手県産南部小麦から基準値を超えるカビ毒が検出された問題についてお伺いいたします。県内でも市単位で給食やふるさと納税の返礼品などに使用されていたとの公表が連日のように出ています。県のほうで把握しているところで、例えば、県所管の範囲など、県内ではどのように広がっているか、把握している限りでお教えください。
知事
本来流通すべきではない基準値を超過した南部小麦が市場流通していたことは遺憾であります。食品は安全管理が重要ですので、原料の出荷から製造した食品の販売までの各段階の事業者の皆さんには、責任を持った管理を改めてお願いします。
そして、今、県としても関係部局が連携しながら対応していまして、全農いわてに対しては、原因と再発防止策について確認し、必要な指導、助言を行います。流通先である食品製造業者に対しては、管轄保健所を通じて自主回収の状況を確認して、必要な指導、助言を行っています。そして、小売事業者など、影響を受ける関連事業者からの相談に対しても必要な支援を行っていきます。また、学校給食については、子どもたちが安全、安心に食べることができるよう、関係者の皆様には、しっかり取り組んでいただきたいところでありまして、対象製品の使用停止や回収、代替品による対応を行っていることを確認し、必要な指導、助言を行っています。
記者
ありがとうございます。そういった中で、今触れられたような学校給食ですとか、ふるさと納税の返礼品、こちらについて県内ではどの辺りまで、どのように広がっているかというのは、まだ、そういった取りまとめというのでしょうか、そこまでは行っていない感じでしょうか。
知事
まず、確認中の部分については、そこに今、対応中ということで、公表できる部分については、もう既に公表されていて、それもこの当事者からの発表という形でそれぞれ発表されていますので、発表されたところについて、まずはしっかり対応していくというところです。
記者
ありがとうございます。先ほど知事もおっしゃられたように、食の安全という点では大きな問題だと思います。日頃から岩手県の安全、安心の食というのをPRしている中でのこういったところで問題が発生したことについて、すみません、重複しますが、改めてその所感をお願いします。
知事
これは遺憾なことでありまして、再発防止にそれぞれ努めてほしいと思います。
記者
もう一点、今後の対応について、先ほども御説明いただきましたけれども、例えば、保健所による農協施設への立入りなど、そういったところを検討もしておるのでしょうか。
知事
管轄保健所は、この状況の確認や必要な指導、助言を行っていますので、必要に応じて、対応するということであります。
記者
雨風太陽が来週、上場します。これで県内七つ目の上場企業ということになると思いますけれども、どうお感じになっていますでしょうか。
知事
スタートアップ系と言っていいと思うのですけれども、また、インパクトスタートアップ的な社会課題を解決するということと、企業としての成長を両立させるような形で上場というのは、今、世界の最先端であり、日本に大変求められている、そういうことを岩手の企業がやってのけるというのは、大変良いことであります。岩手県としても、このスタートアップ支援、特に、このインパクトスタートアップ支援に力を入れていくところでありますし、また、地方の食材の良さというものを都会の人たちにも、ちゃんと知ってもらって利用してもらうということを、県は県でしっかり力を入れていきたいと思います。
記者
いろいろな問題が起きて、岸田政権の支持率が急落しています。とりわけ派閥の政治資金パーティーの裏金の問題というのが非常に大きな問題になっていて、野党側からは不信任案を出すというふうな話も出ていますけれども、この問題についての知事の御所見をお願いします。
知事
日本政治の劣化が非常に進んでいて、それで内閣支持率、不支持率についても、10年ちょっと前の政権交代、安倍政権になったとき以来の最悪の状態になっているということだと思います。大規模なかたちでパーティー券の裏金化が行われていたのではないかという疑惑は、大変大きい問題だと思います。そして、(旧)統一教会の問題もありますし、この際、現政権は、やはり内閣総辞職をして、下野して、そして、自民党は野党として徹底的に党改革を行って、出直しを図るということをしたほうが良い局面なのではないかと思います。その間、今の野党が内閣を組織し、ただその内閣は「危機管理内閣」ですね、これは、まず安倍一強10年の調査を任務とする内閣が良いのだと思います。パーティー券裏金化の問題、(旧)統一協会との関係の問題、さらに、改めて桜を見る会や森友・加計の問題など、国の組織を挙げて、政府、国会を挙げて調査するということ、また、そのような政治に支えられて、つくられてきた安全保障政策や経済政策の見直し、これで良かったのかという調査を、これも政府、国会を挙げて行うと。これは、1年半と期限を区切り、1年半後に予定されている参議院議員選挙、これと衆(議)院(議員)選(挙)を同時に行うと、そこで民意を問うということを今からはっきりさせて、そこまでに今の野党は内閣を組織して、過去の問題を徹底的に調査して明らかにすると。そして、自(由)民(主)党は野党から解党的出直しを図って生まれ変わると。それを1年半後に国民に評価してもらって、新しい内閣をつくるということをやれば、日本の政治は生まれ変わって、良くなっていくのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。一方で、野党のほうに目を向けると、前原さんが国民(民主党)から離脱するなど、まとまるというふうな機運は、あまり生まれていないのかなという気がするのですけれども、そこら辺はどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。
知事
政権を取ってどうするかということが一つになっていないのだと思うので、まず、「危機管理内閣」として、過去の10年間の日本の政治の反省というミッションのために内閣を組織するということであれば、これは合意できると思います。国会では少数派で、自(由)民(主)党のほうが多数ですので、何か変なことを内閣がやろうとすれば、それは国会では否決される構造になっているので、ちゃんと自(由)民(主)党側と納得ずくで、過去の調査をきちっと行うということに徹すればできるのではないかと思います。そして、1年半の間、何か新しいことはしないということです。野党が政権に一時的に就く1年半は、あくまで過去の調査を目的とする1年半であって、何かやりたいことは1年半後の選挙で、そこで勝利して国民の負託を受けた上でやっていくと。ですから、野党がどうまとまるかとかという話も、1年半かけて準備すればよく、そういうことが今、求められているのだと思います。
記者
去る12月4日の(岩手)県議会の本会議のほうで、自(由)民(主)党の岩崎県(議会)議(員)から、知事の政治活動について「マニフェスト詐欺」ですとか、「詐欺眼鏡」というような趣旨の発言がありました。率直にこの件についてどのようにお考えか、知事の見解を伺いたいと思います。
知事
まず、議会としてどのように決着をつけるかは、議会にお任せしたいと思います。一方、先日も自(由)民(主)党(岩手)県(支部)連(合会)及び(岩手県議会)自(由)民(主)党会派による知事への予算要望説明というものがあり、私を詐欺師ということを前提にすれば、そういうことはないのだと思いますし、また、説明の中でも、市町村でも私の「マニフェスト+(プラス)39」というのを前提にした要望を市町村からも出してきているので、その実現をお願いしますということがあり、あれが詐欺ではない、私は詐欺師ではないということを前提に、組織的に活動されているので、そういう意味で発言は実質的になかったことにされているなと感じております。
記者
ただ一方で、なかったことにされているわけでは現状まだないわけですけれども、知事御本人としてはどのように感じていらっしゃるかというのを改めて伺いたいです。
知事
もし、私が「詐欺眼鏡」で、「マニフェスト詐欺」だということを前提にしていれば、私への予算要望、特に「マニフェスト+39」を前提にした要望というのはあり得ないので、それをやっているということは、もう実質的に詐欺ではないというのを前提にしていると理解しています。それを議会内での発言に、どうけりをつけるかとか、議事録をどうするかというのは、これは議会の自治の中で決められればいいのだと思います。
記者
すみません、申し訳ないです。では、県(議会)議(員)として発言をされたわけだと思うのですけれども、岩崎県(議会)議(員)は。自(由)民(主)党としてというような趣旨の認識でいらっしゃる(ということでしょうか)。
知事
自(由)民(主)党(岩手)県(支部)連(合会)を代表するような立場の人だと思いますので、ああいう発言をしたときには、自(由)民(主)党を代表しての発言という色合いもあったのかなとあのとき聞いて思ったので、直ちに反論し、撤回してもらわなければと思ったのですけれども、その後、自(由)民(主)党として組織的に私の存在や私の「マニフェスト+39」を認めるかたちで来ていますから、そういう理解でいるところです。
記者
先ほどの質問に関連して、日本政治の劣化ということでしたけれども、今、主に政権与党の話だと思いました。ただ一方、1年半検証に当たる「危機管理内閣」のほうの野党の劣化もあるのかどうか、その点の知事の認識をお聞かせください。
知事
今、直ちに内閣を組織して、それは内閣総辞職された後に、では次、どういう内閣をというときに、今ぱっと誰が総理大臣で、どういう内閣で、どういう政策を展開するというのは、国民に示されていないのではないかなと思いますので、そして、また、全く新しいことをやるためには、やはり選挙を経ないと駄目だと思いますので、そういう意味では、今の野党が政権に就いても、それは今の目の前の課題を解決すると。
過去の政治姿勢というのですか、そういう(政治資金パーティー券の)裏金問題、(旧)統一教会問題などの検証、調査プラス政策の検証、そこに専念するというのが基本なのですけれども、ただ、物価高騰問題とか目の前の緊急課題は、これは対応すると、それはできると思います。かつ、国会は自(由)民(主党)のほうが多数なので、そちらが賛成しないと国会で成立しませんので、自(由)民(主)党とも合意できるような、そういう目の前の必ずやらなければならないようなことはきちっとやり、G7サミットに出るとか、そういうこともきちんと、普段やっていることは大体普段やっているとおりにやってもらって1年半かけると。
明治時代の岩倉派遣団、アメリカ、ヨーロッパ視察団は2年間、政府、首脳や政界のリーダーが日本を留守にして国づくりの勉強をしてきたわけで、そのくらいのことを今、日本はすれば、今の日本の政治の状況に比べても全然違う、文明開化ぐらいの新しい政治を実現できるし、したほうが良いのではないかと思います。
記者
逆に知事の今のお話聞いていて、1年半待って衆(議院議員選挙)参(議院議員選挙)同日で信を問えというのがあったのですけれども、であれば「危機管理内閣」とはいえ、やはり政権担当能力を問うということを考えると、先に衆(議)院の解散をして信を問うてからそういう流れに行ったほうが自然なのかなとも私は受け取ったのですが。
知事
いや、まだまだパーティー券裏金問題の事実関係は明らかになっていないと思いますし、(旧)統一教会関係もまだまだ明らかになっていないことが多いし、さらに、桜を見る会、モリカケ(森友・加計学園を巡る問題)云々とか10年分の、そういうことが分からないまま選挙するとどうなるかということを、さきの参(議)院(議員)選、その前の衆(議)院(議員)選で我々は経験しているわけで、あれはやっぱり、まずいわけです。ちゃんと事実が分かった上で選挙しないと、きちんとした結果は出ないので、そこはやっぱり1年半かけてやってからの選挙でなければ駄目だし、あと、今いる国会議員というのは、全国民の代表にして国権の最高機関なのだから、やっぱり、今いる国会議員で日本が直面している問題には、ちょっとけりをつけてもらわなければと思います。
記者
なるほど。先ほどの回答を聞いていると、私は、今まで知事が話した中で、これほど踏み込んだことはなかったのではないかなという印象を受けました。1年半後の衆(議院議員)参(議院議員)同時選挙のシナリオまで口にされたということは、次期国政選挙に関しては、知事の立場でコミットしていくという認識なのか、その点をお伺いして終わりにしたいと思います。
知事
前から、何十年に1度という危機のときには、もう与野党大連立をやって対応するのがいいという、そういう発想の延長でしゃべっているわけですし、あとは、おととしの原敬没後100年の際に、明治、大正の政治をいろいろ調べて、日露戦争のときの与野党の連携とかも改めて調べて、こういうときにはそういうふうにするのだなという知見を自分の中に重ねて、今日、話しているというところもあります。ただ、これは知事として、そういう知見を身につけることができ、今のように発言する機会もいただいていて、ここにいるから見える景色かなとも思っていますので、まずは知事として、しかも、県民がせっかく選んでくださった5期目の知事というところで精進しながら、まず、県政をしっかりやっていきたいと思います。
記者
すみません、終わりにしたいと言ったのですけれども、別の件で、カビ毒の件なのですけれども、県としてもそれぞれのつかさつかさのところで対応、調査したり情報収集していると思うのですが、食の安全ですし、確かに今、健康被害こそ出ていませんけれども、やはり食の安全を揺るがす事態だと思いますので、何かそういう統括みたいなところ、県の窓口がどこになって、どういう分野で情報収集、あるいは必要に応じて相談対応しているというのが分かるような発信も併せてしてもらえればなと思うのですが、その点、知事の認識をお聞かせください。
知事
そういう意見は尊重したいと思います。それぞれこういう危機管理のときは、つかさつかさで必要なところに、状況に対応できるものではあるのですけれども、改めて全体の推移を、私も気をつけて見ていきたいと思います。
記者
先ほどの質問に関連して1点だけお伺いします。「詐欺眼鏡」という言葉は、いわゆる岸田総理を「増税眼鏡」というふうにSNSで揶揄(やゆ)するところで広まった言葉を、多分意識して「詐欺眼鏡」とおっしゃっていると思うのですけれども、そのことについてはどのように思われますか。
知事
眼鏡かけている人全般に対する良くない発言なのではないかという論点があります。これは、私は眼鏡をかけている側なので、私個人としては、その論点を特に強調しようとは思っていないのですけれども、決して良い言葉だとは思っていません。
記者
あと、自(由)民(主)党の総裁である岸田さんを揶揄(やゆ)する言葉を意識して、達増さんを揶揄(やゆ)するみたいなところはあったのかなと思うのですけれども、そこら辺はいかがですか。
知事
国政は与党だけれども、県政ではそうではないというのでしょうか、国政与党のような形で県政である状況ではない中、国政のほうでトップが激しい批判を受けている中で、どうしていいか分からないような状況で、ああいう発言があったのかなとも思っておりまして、そういう意味でも解党的出直しをする中で、与党であれ野党であれ、政党として国民や県民とともに福祉の充実でありますとか、また、幸福度を高めるでありますとか、そういうことを日頃からやっていく、そういう中に県議会も位置づけるというようなことを、より上手にできるように精進していただければ良いのではないかと思います。
記者
本日(12月12日)の県議会の定例会で追加の予算案が提案されると思うのですけれども、どういった県政の課題、問題に向けた予算案であるかということを改めてお聞かせいただけますか。
知事
まず、物価高騰対策として、影響を受けている生活者、事業者を幅広く支えるため、これまでの対策の継続、拡充に加えて、賃金水準上昇に向けて新しい支援策を講じるなど、追加的に必要となる予算を計上しました。また、公共事業も含めた防災・減災、国土強靱化の推進ということも大きなテーマですし、クマ被害対策も大きなテーマであります。こうした県民の安全、安心の確保などに必要な予算も併せて計上したところです。
記者
大谷選手のドジャースへの移籍が決まりました。それで、新しい一歩をまた踏み出されたということで、どのように活躍してもらいたいか。また、岩手県として、いつもいろいろ活躍されると横断幕を掲げたりとか(していますが)、県としてどういうふうに応援していきたいかということについてお伺いいたします。
知事
まず、エンゼルスのあの赤いユニフォームの大谷翔平選手の記憶が、非常にいい記憶がたくさんあり、そこに愛着も感じるので、エンゼルスをやめてしまうのはとても寂しいなという気持ちがあったのですけれども、しかし、すぐにドジャースのユニフォームを着た画像があちこちで作られて、あちこちで発表されて、それを見る機会があって、「あっ、かっこいいな」と思いまして、働く条件も良くなるようですし、歴史的な年俸(契約金)も交渉の結果、決まっているようですし、新たな、より高いステージで大活躍することを期待したいと思います。そこがどういうステージになるのかは、まさに、いまだ見たことがない景色でありまして、県としても、様々優れた業績を顕彰し、また、応援もしていきたいと思っていまして、どういうやり方でやればいいかは、いろいろ考えて検討したいと思います。
記者
また一つ、奥州市関連で質問だったのですけれども、岩手を代表する裸祭りといいますか、1,000年以上の歴史を持つ蘇民祭が来年(令和6年)の2月をもって、大々的なお祭りが終了するということだったのですけれども、この蘇民祭が終わりを迎えるということについて、知事の所感をお聞かせ願えれば。
知事
まずは、当事者の皆さんが考えに考えを重ねて決定したということを静かに見ているところであります。そして、事ここに至るには、やはり、コロナで何年か、いつもどおりのお祭りをやれなかったということがあったのだと思います。これは、いろんなところで、コロナで中断されたために、お祭りを次世代に引き継いでいくということができなくなって、人が集まらないわけですから、本来集まるところに集まらない状況が何年か続いて、ですから、改めてコロナ禍というものが、日本のあちこちに残している深い傷というものを感じているところでもあります。
やる気と能力のある企業が、コロナ禍で企業としての存続について民事再生とか、そういったことを取らなければならなくなっている企業も出てきているなど、コロナ禍の影響の大きさというのを感じることが多いのですが、一般論的には、まだまだ世の中全体としてコロナ禍が残した傷というものをきちっと見ていないのではないかと思うところがあり、そういったところを見ていく中で、コロナがなければ続いたものが、コロナのせいで続けられなくなっている、そういう経済活動も含めて、それらに対する何か策が編み出されるようなことを願うところでもあります。
記者
先ほどの質問の中で出た「危機管理内閣」に関してちょっと教えていただきたいのですけれども、知事がイメージする「危機管理内閣」はどうやって人を選んでいくというか、どういうのをイメージされているのかというのを教えてもらえますか。
知事
まず、今の与野党の代表が集まって相談して決めれば、それが一番手っ取り早いと思います。下野する自(由)民(主)党サイドも、国会の議席数は多いので、そちらの理解も得ながらやっていく必要がありますし、そして今、野党をやっているところの、まず代表が集まって、そして、全国民の代表であり、かつ国権の最高機関として、今の議員さん方が、今、日本が直面している100年に1度、戦後最悪の状態に直面していると言っていいのではないかと思うのですが、これを解決するために頑張ろうということを決めさえすれば、枠組みさえできれば、調査や研究はどんどん、今、民間の野に埋もれている優れた人たちを集めてというのは、いろんな問題に警鐘を鳴らし、取り上げてきた人たちは、いっぱいいるわけで、(旧)統一教会問題であれば、関係の弁護士さんやジャーナリストさんとか、まさに日本の国会が中心になって、日本中の知恵と力を集めて日本の政治を大改革しようということをやればいいわけで、今の野党の議員さん方で、これからどういうふうにそれを進めていくかということをすぐ打ち出せなかったとしても、そういう知恵と力を日本中から集めれば、1年半の時間の中でかなりのことはやれるのだと思います。
記者
一つだけ、本日で県議会の12月定例会が閉会を迎えますけれども、まず、12月県議会を振り返っていただいて、特に、補正予算の編成というところが一つ大きなところであろうかなと思います。補正予算の編成(に当たっては)、国の経済対策が見えないと、なかなか編成作業もできないというところが、恐らく悩みの種の一つなのかなとは思うのですけれども、これまでも類似の大型の補正を組む際に、国からの経済対策がなかなか見えないですとか、苦労があれば教えていただければなと思っておりました。
知事
まず、(令和5年度一般会計)第5号補正予算案を、今日、提案ですけれども、間に合って良かったなと思っております。確かに、国のほうで夏の間に様々準備し、秋の臨時国会でどんどん対策が早い段階で決まって、地方も動けるようになっていればもっと良かったというのはあるのですけれども、今の国政は戦後最悪の危機的状況にあるわけでありまして、まずは、全国知事会の要望を尊重し、その線に沿った、地方が自由に使える財源の確保という線で、まず予算をどんどん決めてもらえば、岩手県含め、地方はどんどん物価高騰対策を進めていけると思います。
記者
ありがとうございます。今の内閣の状態が、いつ閣僚が差し替わるのかというところで揺れているところではありますけれども、こういった国政の混乱というものが地方に及ぼす影響というのでしょうか、恐らく悪い影響だとは思うのですけれども、及ぼす影響はどのようなものが考えられるか教えてください。
知事
今でも大分混乱してきているのですけれども、やり損なうと今以上の混乱に陥っていく可能性もありますので、できるだけ早く、さっき紹介したような抜本的な改革のほうに踏み切って、国民生活を下支えするということを、まず徹底的にやった上で、その先の日本をデザインして実行していけるような体制をつくってほしいし、それをつくることに1年半ぐらいの時間をかけることは仕方がないのではないかと思います。本来は、10年前、政権交代があったときに、そういう新しい日本政治の体制ができていてしかるべきだったのですが、今になって全然そうではなかったということが明らかになっている。そのときの政権交代によっても、日本政治を抜本的に改革して、良くすることができなかったということを考えますと、今回、より政治家の皆さんも、また、国民のほうも本気になって、明治初めの先人が思い切ってやったようなことを、今やらなければならないのではないかと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は12月18日(月曜日)の予定です。
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