令和5年11月2日知事会見記録
開催日時
令和5年11月2日10時30分から10時53分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事、お願いいたします。
知事
令和5年度の岩手県文化スポーツ表彰の受賞者が決まりました。
岩手県文化スポーツ表彰は、岩手県の文化及びスポーツの振興に顕著な功績のあった個人、団体を表彰するものです。
令和5年度の受賞者は、文化分野では岩手芸術祭美術展現代美術部門会長の小笠原卓雄(おがさわら たくお)様、公益財団法人日本民謡協会岩手県連合委員会元委員長の菊池信夫(きくち のぶお)様のお二人、そして、スポーツ分野では、関東化学株式会社、浅沼幸輝(あさぬま こうき)様をはじめとする個人13名と公益社団法人岩手県サッカー協会様の1団体です。
表彰式は、11月21日です。
広聴広報課
以上で、知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
今回表彰を受けた方々は、様々な分野で、分野も多岐にわたって、一言ではなかなか言い表せないかもしれませんが、業績を上げた方々へ知事から一言いただけますでしょうか。
知事
文化については、岩手の芸術文化については、様々な部門があるのですけれども、その部門の発展に長年寄与され、そして、岩手の芸術文化全体に対しても貢献をしていただいた方々です。
そして、スポーツのほうも、やはりそれぞれの競技について、また、地域でのスポーツ振興に貢献をしてこられた皆様方であり、また、岩手全体のスポーツ振興にも貢献をいただいておりまして、それぞれの皆さんに感謝したいと思います。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
大きく何点か伺えればと思っておりました。まず、本日、最終本会議を迎える県議会9月定例会についてです。昨日(11月1日)の決算特別委員会で附帯意見つきの認定の見通しとなりましたけれども、本定例会を振り返って知事の所感を伺いたいと思います。
知事
今回の定例会は、知事選、県議選の後を受けて、初めて質問、答弁というのが全体的に、また、分野ごとに行われました。知事選や県議選で見えてきていた、岩手県民が直面している課題について、改めて県民の皆さんに知っていただき、そして、それらについて県がどういうふうに対応をしてきたか、また、これからどういうふうに対応していくのかということを、答弁を通じて県民の皆さんに伝えることができたと思います。
特に、(新型)コロナウイルス(感染症)の流行によりまして、非常に大きな影響が、今でも続いているということが大事だったと思います。婚姻数の減少、出生数の減少、そして、子どもの医療受診の減少ということも確認されました。また、不登校が増えていることについても、コロナが一つの要因になっているということも確認されまして、そのようなコロナ対策をしながら、経済、社会活動を進めていくという大変厳しい課題に対し、昨年度(令和4年度)、岩手県民がそれぞれの場面ごと、また、オール岩手として協力し合いながら努力してきた、そこに使われた予算の決算を認定していただいたというのは、大変良かったと思います。
ウクライナ戦争が始まって、物価高騰問題もそこに重なりまして、非常に県民生活、県民経済が大変だったわけですけれども、県も補正予算への度重なる議会の承認をいただきながら対応してきた、そういう決算が認定されるということで、大変良かったと思います。
記者
ありがとうございます。
もう一つ、話題は替わるのですけれども、半導体をめぐる動きについてお伺いしたいと思います。先日、SBIホールディングスと台湾の半導体受託生産大手のPSMC(力晶積成電子製造)が宮城県の大衡村に半導体工場を新設すると発表しました。会見の中では、SBIの首脳のほうから、東北各地に半導体のサプライチェーンがあり、効率的な生産に好ましいというような発言があったと報道もありました。今回の工場新設に関する知事の所感、本県へどのような影響を及ぼすのか、伺えますでしょうか。
知事
岩手県にも既に半導体の製造会社があり、そして、そこに半導体の製造装置を提供する会社や、また、半導体製造にまつわる様々な特殊なガスを供給する会社でありますとか、まさにサプライチェーンが発展してきているところであります。そことの相乗効果が期待できますし、自動車関連産業集積で東北が力を合わせているのと同様に、半導体に関しても産業集積を、東北として推進していくことが既に進んでいます。国の東北経済産業局とも連携しながら、半導体に関する東北の連携体制も進んできているところですので、そういう方向性に沿ってPSMCの新会社が宮城県内にできるということは、岩手にとっても、そして、東北にとってもいいことだというふうに期待しています。
記者
ありがとうございます。そこで、気にかかるのが人材の確保という部分です。大きな工場が隣県に立地するとなると、人材の流動化というか流出のところも気になる点ではありますけれども、本県の半導体の担い手の確保といった部分で、どのように県として進めていきたいかというところを伺えますでしょうか。
知事
PSMCの新工場は、まだ資金調達の仕方も具体的には決まっていないみたいですし、あとは実際に工場建設が始まって稼働するまで、まだ何年かあるようですので、まだ時間はあるなと思っているのですけれども、半導体産業で働く人が必要になっていく傾向というものは、更に加速されていくと見込まれますので、人材育成に更に力を入れたいと思います。
岩手県にキオクシアができて、また、工場をどんどん増やしていくに当たって、北上川バレーという北上川流域全体の産業振興の旗を掲げることで、岩手県内の人たちに岩手に残って働こうと、また、岩手県外に対して、一旦外に出た若い人も岩手に帰ろう、あるいは岩手県外で生まれ育った人でも岩手にやってこようという、そういう人の流れをつくろうと思ってやってきていました。宮城(県)の大衡村の辺りまで含めて、広く東北の中心に半導体の一大拠点ができて、東北全体として半導体産業振興が進むというビジョンを東北内外に示すことで人材が集まりやすく、また、育っていきやすくしていきたいと思います。
記者
私からは、ツキノワグマの出没、被害の関係についてお伺いいたします。連日のようにけが人が増えてきていまして、また、熊が倉庫に立て籠もるといった、そういったことも発生しておりまして、県議会の中でも、捕獲頭数が今シーズンは上限に達する可能性もあることが示されました。
それで、国のほうでは、熊の被害に関して、専門家を要請に応じて派遣するといったことも決められたようなのですけれども、県として国に対して支援などを要望される予定があるのかどうかをお伺いします。
知事
人命最優先ですし、また、安全第一でありますので、緊急的な駆除に関しては、もう上限というのを超えてもオーケーというルールに既になっていますし、また、今年の熊の出没は異常事態と言っていいので、ここはもう、臨機応変に必要な捕獲や駆除というのをやっていかなければならないと考えています。
そして、国でもやはり、今起きていることは、現象としては異常事態ですが、政策的には非常事態ということで、国も専門家派遣など、いろいろ支援をしなければというのはそのとおりだと思います。いろいろ現場は現場で過去の経験とか、今起きていることに合わせて対応はしているのですけれども、全国的な視点や、また、全国からいろいろ人やお金や物を集められる、そういう政府の力でいろいろ助けられるところはあると思いますので、調整しながら支援を受けていきたいと思います。
記者
現時点では要請することが決まったとかそういう段階ではなくて、まだ調整しながら検討するということでよろしいでしょうか。
知事
政府の中でも、まだ支援内容については調整中ということなので、こちらのほうも現場の実態を情報共有しながら、何をしてもらうのがいいのかというのを調整していきたいと思います。
記者
前回の会見のときも質問があったと思うのですけれども、異常事態という言葉を先ほど知事おっしゃいましたけれども、県として何か何々宣言みたいなものとか、メッセージを発出するということは予定されているのでしょうか。
知事
まず、市町村ごとに気をつけてやってもらっているし、また、市町村ごとに熊出没、発見された場合にはその近所に知らせるような取組でありますとか、やはり地域ごとにパターンが違ってきます。市街地では河原を熊が歩いていた例はあったのですけれども、高いところから見下ろして、「ああ、熊だ」とかというそういうケースと、里山がそのまま農家の庭先につながって、小屋や家に容易に入ってこられるような環境とでは、それぞれ違いますので、まずは、より危険性の高いところについて、例年以上に気をつけていただくということ、そういうところからまずやっていければなと思います。
記者
分かりました。あと最後に1点なのですけれども、自治体のほうの判断で熊を駆除したりということがあると思うのですけれども、他県では、熊の駆除に関してクレームが相次いでいるといった、そういう話題がありましたけれども、岩手県のほうにはそういったクレームが殺到しているというような状況はあるのでしょうか。
副知事
30件ぐらいの電話がありますけれども、熊を殺さないでほしいという意見の一方で、もっと捕獲を強化すべきという意見もいただいております。
知事
30件くらいの電話があって、熊がかわいそうというのと、ちゃんと捕まえろとか、両論あるということですね。
記者
先ほど半導体の話題がありましたけれども、キオクシアの統合の件に関しては、知事はどう見ていらっしゃいますか。
知事
経営のところは、もう高度な判断で様々検討されていると思いますので、そこへのコメントというのはないのですけれども、いずれ確かな技術と製品の良さがあるので、いろんな形で、要は巨額の投資資金をどう調達するかということの関係で、大きい会社にしたほうがいいのか、そうではないほうがいいのかとか、そういう資金調達の仕方でいろんな議論があるのだなと思っておりまして、それは逆に技術の確かさや製品の良さを裏づけるものというふうに受け止めております。
記者
弊社も熊の件で1件お伺いしたいと思います。先ほど国からの支援のところのお話の中で、政府の中でも支援内容を調整中というお話がありました。それこそ地域ごとでも対策というのはそれぞれ異なると思うのですけれども、岩手県として、政府のほうに専門家の派遣以外で具体的にこういうような支援をしてほしいという何かお考え、方向性を含めて知事のお考えがあればお聞かせください。
知事
一般論ですけれども、やっぱり人とお金、それがあると非常に助かるというところはあるわけでありまして、熊が出たときの対策に関わる人手、そして、それらに係るお金、人の面とお金の面で市町村も県も苦労しているところがありますので、一般論的にはそこが大変だなと、そこに支援があると助かるというふうに考えます。
記者
専門家の派遣の件なのですけれども、政府の動き次第というところではあるのですけれども、県としては季節的なところもあると思いますので、いつ頃までに政府のほうに支援の具体的なところを決めてほしいとか、何か要望といいますか、求めるスケジュール的なところで何か求めるところがあればお考えをお願いします。
知事
コロナ対策のときに、クラスター対策で国から専門家に来てもらったことも何回かありまして、クラスターが起きた部屋の中で空気がどのように回ったのかとか、座っている人たちにどのように感染が広がったのかということを、地元のほうで気がつかないような知見もいただきながら明快に示してもらったりして助かったことがありますので、熊対策に関しても国のほうでそういう研究の蓄積でありますとか、今起きていることの分析で地元以上にいろいろ持っているものがあれば、そういうのが役に立つと思います。
政策企画部長
(国への要望については、)11月の北海道・東北知事会議で要望する方向で今、内容を調整中でございます。
知事
そうですね、北海道・東北知事会議が11月中に、今年は盛岡で行われる予定なのですけれども、そこで提言をつくる準備をしています。提言と言いつつ国への要望ですね、熊についても要望をまとめる予定です。
記者
その提言というのは、具体的なところはこれから詰めると思うのですけれども、方向性としてはどのようなことを提言する予定なのでしょうか。
知事
(北海道・東北知事会議が)まだちょっと先のことなので、(提言内容についても)まだ最初の(調整の)段階であります。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は11月10日(金曜日)の予定です。
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