令和6年2月14日知事会見記録

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ページ番号1072165 

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開催日時

令和6年2月14日10時30分から10時56分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事、お願いいたします。

知事
 「いわて・三陸から ありがとう!」というテーマで、復興情報を発信するポスターと動画を制作しました。
 今回制作したポスターは、こちらになります。
 「釜石(最年少の震災語り部)編」、「大槌(ジビエ MOMIJI(もみじ))編」、「洋野(北三陸ファクトリー)編」、「宮古(みやっこベース)編」の4種類です。
 これらのポスターは、2月中旬から3月中旬にかけて、県内外の自治体や団体等の協力を得て行われる「岩手県復興ポスター展」で展示します。3月11日前後には、都営地下鉄の車内で、中づり広告として掲出される予定です。
 そして、「いわて☆はまらいん特使」である村上弘明(むらかみ ひろあき)さんに御協力いただき、動画をポスターに登場する地元の方々と共演する形で制作しました。
 動画は、今日(2月14日)、この記者会見の後から岩手県特設サイト「いわてとあなたが、つながるページ」とユーチューブの「岩手県公式動画チャンネル」で公開します。
 以上です。

広聴広報課
 以上で、知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件につきまして、各社から質問があればお願いします。

記者
 ポスターについて、知事が見た印象といいますか、所感のほうを教えていただけますでしょうか。

知事
 岩手の復興の今という感じで、文字どおり復興の今を感じていただけるようなポスターになっていると思います。直接震災を体験していない世代が語り部になって、伝承発信をしていくということや、鳥獣被害対策にもなるようなジビエの新しい試みが大槌(町)という岩手沿岸で始まっているということ、洋野町の北三陸ファクトリーは、ウニの蓄養を新しい形で行って、世界にも発信しながら気候変動対策にも貢献するという、復興の取組から非常に新しい試みがどんどん出ているということ、そして、みやっこベースは、若い人たちが先頭に立ちながら、地域に根差した将来を担う若者たちの応援を行ってくれているということで、それぞれ岩手における復興の今を象徴するような内容のポスターだと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一つだけ、今回、首都圏のほうにもポスターの掲出をするということでした。新型コロナウイルスで、被災地に行きたくてもなかなか来られなかったという方がここ数年いらっしゃったかと思うのです。このポスターの掲出を契機に、被災地に足を運んでいただきたいとか、ポスターに期待する効果というところも教えていただけますでしょうか。

知事
 まず、県外に対しては、感謝の気持ちを伝えるということが大きいテーマになっていて、それで「いわて・三陸から ありがとう!」というテーマにしているのですけれども、まず、そういう感謝の気持ちを伝えるという効果を期待します。そして、そういう意味でも東日本大震災津波被災地と首都圏を始め、岩手県外の皆さんの心を通わせて、岩手沿岸に行きたいという気持ちになってもらって、また、いろんな形でつながりたいということで、物産を利用していただいたりとか、そういうことにつながる効果も期待しています。

記者
 この動画は、知事、御覧になりましたでしょうか。

知事
 いや、まだ見ていません。

記者
 分かりました。ちょっと突っ込めないんで。

幹事社
 では、発表事項についてほかに質問がなければ、それ以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 人口減少問題について伺いたいと思っておりました。本日から県議会の2月定例会が始まります。初日の知事の所信表明に続いて、会期中は(令和6年度当初)予算案を軸とした論戦になるかと思います。その予算案ですけれども、人口減少対策を最優先としたということでありますけれども、昨日(2月13日)の(令和5年度第3回岩手県)人口問題対策(本部)会議では、23年の出生数が過去最少となる見込みが示されました。改めてで恐縮ですけれども、その見込みについて知事の所感を伺えますでしょうか。

知事
 ともすれば地方の人口減少というのは、一定のペースでどの地方も一様に少子化が進み、そして、どの地方も一様に都会への人の流れが一定のペースで流れているかのような、そういう人口減少イメージを持たれてしまうのではないかと思うのですけれども、実態は全然そうではなくて、各道府県それぞれ、また、そこの市町村がそれぞれ非常に特徴ある少子化のパターンや、人口流出という言葉は非人間的で使いたくないので転出超過(と言っていますが)、それぞれ自治体特有の転出超過のパターンを描いています。それぞれに理由があるので、その理由になっていることにきちんと対策を講じていけば、歯止めをかけていくことができると、そういうふうに県では考えているわけです。それで、岩手の人口減少の要因を分析し、それに応じた対策を来年度(令和6年度)予算案の形で今日、議会に提出するということです。そして、この予算案に盛り込まれた人口減少対策の事業は、それぞれその原因となっていることへの対策なので、その要因が何かというのは、改めて県民の皆さんや、また、県外の皆さんにも知ってもらうことができるよう、議会での質問に対して、しっかりした答弁を執行部としてはしていきたいと思っています。
 そもそも結婚、出産、子育て世代の可処分所得が少なくて、なかなか結婚、出産、子育てがしにくいということがあり、また、そういうことができるような収入を得られるような仕事に就くのが簡単ではないという問題もあり、そういったことに対してやりがいがあり、一定の収入を得られるような仕事に岩手で就くことができるような政策や、また、結婚、出産、子育てのそれぞれの段階に応じた金銭的な支援も含む対策を講じております。そして、職場での働き方がまた重要で、若い人たちの結婚、出産、子育てという、そういう生活イコール人生と両立するような働き方に向けた改革を、それぞれの職場で進めてもらうという対策にも力を入れているところであります。
 また、交流人口、関係人口を増やしていくことが、人口減少を補って、経済、社会を盛り上げるという直接の効果もあるのですが、そうなっていくと地元に残る、地元で働く、地元で生活するということが、よりやりやすくなりますので、交流人口、関係人口の拡大というところにも力を入れているというところでありまして、これらをしっかり進めることで、予測以上の結果を出していきたいと思っています。
 あとは、コロナ禍の影響ということが、欧米などでは2020年、21年、22年、23年の4年間のコロナ禍による経済的な打撃、雇用関係の打撃、そういう経済、社会的な影響について、欧米ではかなり分析され、社会的に共有されているのですけれども、日本ではいまいちそこが振り返られていないところがあると思っているのですが、岩手県の人口に関連して調べてみると、やはりコロナ禍で婚姻数がそうでなかった傾向以上に減っているとか、そして、それが先行して、その後から出生数のそれまでのパターン以上の減少が見られるとか、コロナ禍というのはかなり影響を及ぼしていて、改めてコロナ禍で経済や社会に及んだ影響というものへの対策、生活ですとか、経済ですとか、そういったところへの対策も取り組んでいく必要があると考えています。
 同時に、コロナ禍の影響というのは心理的な部分も大きくて、様々な活動を自粛していたものが、そのまま萎縮のような形で残ってしまっています。自粛から萎縮へと、もう自粛する理由はないのに、経済活動、社会活動を、別の言葉で言うと遠慮をしてしまっているような傾向も見られますので、そこは必要な感染対策というのは今も必要なのですが、そこを合理的にきちんと行いながら、経済活動、社会活動は思い切ってやるという、そういう機運を広げられればなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。人口減少でもう一つだけ、一部で報道がありました(国立)社(会保障・)人(口問題)研(究所)の人口推計について伺えればと思います。2050年の生産年齢人口が20年と比較すると半数未満となるという自治体が県内では25市町村に上る見込みとなりましたけれども、特に、県北・沿岸といったところの減少が顕著になっているというところが見てとれました。県として、県北・沿岸を中心としてになるかと思うのですけれども、どのような対策を行っていくのかというところを教えてください。

知事
 西日本のほうの自治体を見ていますと、著しく人口が減って、もう消滅に向かうような軌道を描き始めますと、このままでは駄目だということで、それまでやったことのないような取組をその地域で行うようになって、人口減少に歯止めがかかるという例があちこちに見られます。ですから、著しい人口減少イコール地方消滅ではないということは、まず言っておきたいと思いますけれども、一方で、今の傾向がそのまま続くと、そのくらい人口が大きく減るという統計は、やはり参考にしていかなければならないと思います。岩手県においても、人口の少ない町村で今後の人口減少も著しいという予測がなされています。それぞれ非常に豊かな価値や魅力があるにもかかわらず、それが住民の皆さんにも浸透し切らず、まして外には全然知られていないというようなことで、人口が減り続けているというところがありますので、人口の少ない町村の価値や魅力を共有し、発信しながら、人口の少ないところの人口減少にできるだけ歯止めをかけていくように取り組んでいきたいと思います。

記者
 県主催の追悼式が来月(3月)11日に盛岡で初めて開かれると思うのですが、やはり知事もおっしゃったように、震災を経験していない世代の方がいらっしゃったりとか、記憶の風化というのも懸念されるところだと思います。一方で、能登で1月に大きな地震があって、やはり記憶をつないで生きていくということは非常に重要なことだと思うのですが、改めて知事の現状の抱負をお伺いしたいです。

知事
 盛岡を舞台に盛岡広域の市町村(盛岡広域首長懇談会)と一緒に追悼式を行うということは、東日本大震災、特に津波を直接経験していない人や、さらに、その後生まれ育っている人たちと一緒に追悼するという、そういう傾向が沿岸市町村と一緒にやるときよりも強くなるのだと思います。そういう傾向を踏まえての追悼、そして伝承、発信というのをこれからますます工夫しながら、効果があるように行っていかなければならないということだと思いますので、そういう一歩を今年はいい形で踏み出すことができればなというふうに思います。
 それから、能登半島地震との関連というのは、今年の3月11日をどう迎えるかということに関して大きい要素だと思っています。改めて2011年の3月11日のときのことを思い出し、そして、その後の救助、復旧・復興というプロセスを思い出す機会として、能登半島地震との比較や、また、能登半島地震の救助、復旧・復興に生かせることはないかという、そういう問題意識など、能登半島地震を意識することで、今年の3月11日の迎え方が、より意義深いものになるということを期待します。

記者
 先日、環境省がツキノワグマなどのクマ類を指定管理鳥獣に追加する方向ということが固まりました。早ければ今年度内にも追加されるということで、1度コメントは出していただいていますけれども、改めてこのことについて受け止めをお願いいたします。

知事
 やはり要望に行って良かったなと思っておりまして、地域の声をしっかり政府、環境省に伝えるということをやって、良かったと思っております。専門家の皆さん、そして、環境省、政府においても、そうした地域の声、また、地域の状況をしっかり踏まえて、今回の結論を出してくれたなというふうに思っておりまして、そのことには感謝したいと思います。
 クマ類が指定管理鳥獣になるということで、個体数管理ということを、より徹底しながら保護と、そして、害を減らしていくということの両立ということが、よりしっかりできるようになりますので、岩手県においてもそういうことを進めていきたいと思います。また、専門家の会議は、環境整備の重要性も指摘しておりまして、個別に1頭1頭に対応していくということのみならず、クマの生活圏と人の生活圏をしっかり分けていくような、そういう環境整備というところにもやはり県としても力を入れていきたいと思います。

記者
 先日のコメントでは、追加の対策についてもしっかり検討したいということでしたけれども、具体的にはやはり今言ったような共生、共存というところに力を入れていくということなのでしょうか。

知事
 そうですね。来年度予算の中にも今回の環境省の決定に沿った方向での対策強化が盛り込まれておりますし、また、実際に取り組みながら、更により効果が出るようなやり方というのを工夫していきたいと思います。

記者
 私から、今週末の開催で終了するとされている奥州市の蘇民祭についてお伺いしたいと思うのですけれども、最も岩手県内でも有名とされる黒石寺の蘇民祭が終了するということで、岩手県に長く伝わる一つの文化であり、伝統の一つであるというふうに思いますけれども、この歴史の幕を閉じるということに関して、知事のほうで何かこの文化への思いであったりとか、御所感があればお伺いしたいと思います。

知事
 お寺における宗教的な行事であり、そして、そういう信仰を共有する地域の皆さんがつくり上げ、受け継いできたものでありますので、そういった信仰でありますとか、また、この地域を良くしていこうという思いが将来もいろんな形で発揮されて、地域の皆さんがそれぞれ心理的にも、そして、物質的にもより良い生活に向かって進んでいくことを願い、かつ、期待するものであります。
 様々な議論と検討の末に今回が最後の蘇民祭ということで、全国には黒石寺蘇民祭のファンといいますか、そこに敬意を持ち、見に行きたいと言って来てくださる方々もいらっしゃいますので、そういう人たちも大勢来るのだと思います。それはまた、今までなかったような形の蘇民祭が今年行われると思うのですけれども、そこを県としても、あるいは知事というか、私も個人的に仏教徒の端くれでもありまして、個人的にもしっかり見届けたいというふうに思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は3月1日(金曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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