令和5年11月10日知事会見記録
開催日時
令和5年11月10日15時00分から15時14分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。
幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
私からは、先週に引き続き、クマの被害防止の件についてお聞きしたいと思います。まず、前回は北海道東北地方知事会議の中でクマ被害に関する要望を取りまとめるということでお話ありましたけれども、こちらが緊急的に国への要望に前倒しで行われるということで、具体的にそうなった背景と、どういった内容について求められるのかということについてお願いいたします。
知事
内容を調整していって、実は、北海道東北地方知事会議の前日、来週月曜日の13日には、全国知事会の会議が東京であるということで、そうであればもう、東京でその日のうちに緊急要望を政府にしてしまおうではないかということで、そうしようと決めました。北海道と秋田(県)、岩手(県)の3道県で農林水産省と環境省に要望活動を行うということです。それで、内容的には、大事なところとしては、(一つ目として)クマの指定管理鳥獣への追加指定ということ、それから、(二つ目として)クマ類の出没対策に係る新たな財政的、技術的な支援制度の創設、三つ目として人家周辺での銃器使用に係る運用基準の明確化、最後、四つ目として国民への有害捕獲制度等の周知、これは背景にはクマを撃ったりするのはかわいそうという電話が自治体に殺到するということがあって、必要な場合にはそうするものだということを、政府からも国民に周知してほしいというのが四つ目になります。その四つが主な項目になります。
記者
分かりました。あとは、まだ県内でも人的被害、物的被害が継続していますけれども、県のほうでは何か単体でこういった対策、または会議の場を開くとか、そういった何か新しい対応というのは考えておりますでしょうか。
知事
まずは、それぞれの現場ごとの対応になっているのですけれども、やはり個人的に今、例年とは違う秋から冬への時期を迎えていると思っています。普通なら、冬眠に入っていくので、クマが出てくるというのは、どんどんなくなっていく時期なのだと思うのですけれども、逆にまだ、おなかがいっぱいになっていないからか、かえってそれで、人が住んでいる近くにも出てくるとか、あとは冬眠しないクマも出てくるのではないかという指摘もされていますので、まず、その辺を担当や、あるいは必要であれば専門家からちょっと話を聞くというのをやっておきたいなとは思っています。そういう現状について、情報を共有する中で必要な対応がもし見えてくれば、それをやるというふうになっていくと思います。
記者
私もクマに関連して、先ほどの町村会の要望の中で、知事のほうから今年(令和5年)のような異常事態に対応できる形をつくっていきたいという言及もありました。何かそうした庁内での対策チームであるとか、あるいは新しい組織改編での対応みたいなこと、今、もしイメージとしてあれば教えていただけますでしょうか。
知事
今起きているのは、本来、そろそろもうクマは出てこなくなるのに、そうならないと。かえって普段の年より、まだたくさん出てくるという異常事態なので、まずその現状を把握することが必要だと思います。私個人としても、今起きていることを、より正確に知っておきたい、かつ、いろんな科学的な意味合いですよね、そういうところも理解したいなと思っているので、まずは、その辺を担当や必要であれば専門家から話を聞きたいと思います。
記者
それは、そうすると知事所轄の会議体みたいなイメージになるのでしょうか。
知事
それは、普段の業務で、何か聞きたいことがあれば、いつでも担当に報告を求めるということは普段からやっていることなので、日常の業務の中でまず、それをやるということです。
記者
岸田首相が年内の解散を断念したとの報道があります。理由としては、経済対策に専念したいといった理由のようですが、この首相の判断について知事の所感をお伺いします。
知事
解散する、しないということが、不断のテーマとしてあること自体おかしいなと思っていまして、まず、物価高騰対策をしっかりやらなければなりません。政府としてやらなければならないことはたくさんあります。一方、それをきちっと準備すべき時期に解散するかしないかということを検討していて、その関係で、例えば1人4万円の減税の説明の仕方について、内閣で説明が違う、総理は還元と言っているけれども、財務大臣はもう使ってしまったので、借金増やして別途対応するとか、内閣の中で答えが違っているような状態が起きているのは、本来解散というのは、しなければならないときは、ぱっとすればいいだけの話で、しようかしないか検討するというのは、やっぱりおかしいのですよね。まず、仕事に集中してくださいということを言いたいと思います。
記者
それから、もう一つ、中国の次世代加速器の計画について、先日報道がありましたが、2027年にも全周約100キロの巨大円形加速器の建設を目指しているといった内容でした。こういった中国の動きについて所感をお伺いします。また、本県が建設候補地となっているILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)、改めまして、日本政府は、まだ判断ついていない状況ですけれども、本県の立場と、それから政府に今後、更に求めていきたいことをお伺いします。
知事
質量の基になっているヒッグス粒子の謎を解くというところまで、今、目的が絞られてきているのですけれども、質量の謎が究明されれば、反重力装置というのでしょうか、それこそ空飛ぶ自動車みたいなものを造ったりとか、あとは、どんどん重力加速をばんばんやることで、いわゆるワープとか、SFに出てくるような技術が実用化するとか、そういう物質の根源を探って、ついに質量の謎の部分にまで科学の解明が進めば、今、人類が直面しているいろんなエネルギー問題でありますとか、環境問題などを、どんどん解決できる可能性も広がるわけで、それは中国もやろうという気持ちになるのは当然だと思います。ですから、競争云々というよりも、人類にとって非常に大事な基礎科学研究でありますので、早め早めにやって、その成果を生かして次に行くとか、あるいは、ほかの生命科学とか、地球環境科学とか、ほかにもやるべきテーマは基礎科学にはいっぱいあるので、まずILCはどんどん早く進めて、日本も、あるいは欧米、G7(ジーセブン:先進7か国首脳会議)諸国もそういう基礎科学研究ということにどんどん力を入れることで、いろんな経済、社会の問題を解決するという方向に邁進してもらえればいいなと思います。
記者
報道が出たばかりですけれども、中国のこうした動きの、日本への具体的な影響というのは、知事としてはどういうふうに考えておられますか。
知事
直線の加速器をつくるというのとは違うみたいなので、日本がILCをつくる場合の人や資源が奪われる話かどうかは、まだよく分からないと言っていいと思うのですけれども、もし、ILCがやろうとしていることをやるようなものをつくるということであれば、そこは人や資源を取られるおそれというのが出てくるのだと思います。
記者
先ほどクマの被害についてちょっと質問が集中してしまって、そのほかの部分でというところで伺えればと思うのですが、来週に北海道東北地方知事会議のほうが迫ってまいりまして、こちらのほうでは東日本大震災の復興であるとか、人口減少について意見交換が交わされる見通しと、表題を見るとなっております。今回の会議で、本県開催で全国に発信していきたいことですとか、どのような会議になればというようなお気持ちを抱いているかお聞かせください。
知事
東日本大震災津波からの復興というのは、日本全体にとっても大きなテーマですので、これについて、今の時点でまとめを行って、それを発信するということは大事だと思っております。そして、人口減少対策も、東京一極集中の問題は、裏を返すとかなりの部分、東北、新潟からの人口移動の問題でもありますし、北海道もやはり人口減少に悩む地域でありますし、そういう日本全体の人口減少対策の中でも、特に大変な状況に直面している北海道、東北から現状を踏まえたメッセージを出していくというのが非常に大事だと思っています。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は11月20日(月曜日)の予定です。
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