令和5年9月6日知事会見記録

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1068578 

印刷大きな文字で印刷

開催日時

令和5年9月6日13時30分から14時13分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 ありがとうございます。本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
 なお、手話通訳を行っておりますので、ゆっくり、はっきりと質問していただくようお願いします。

記者
 今期もよろしくお願いいたします。私から2点お伺いいたします。まず、1点目ですが、県政史上最多となる5期目を迎えられました。公務初日を迎えられて、県政で取り組む重点施策について改めてお願いいたします。

知事
 燃料費、物価高騰対策は、やはり県民の皆さんも心配したり、不安になったり、あと具体的に様々影響が及んで、生活や仕事や、特に農業をはじめ第1次産業も大きな影響を受けています。これをしっかり支援していくことが、まず喫緊の課題です。
 それから、人口減少対策です。これは、生きにくさを生きやすさに変えるとか、交流人口を増やすとか、非常に幅広い政策でもありますけれども、これをしっかり進めていくということが今、重要と考えます。

記者
 ありがとうございます。2点目ですが、知事選と同日の投開票になった県議(会議員)選についてお伺いいたします。多くの候補者が達増知事を支持する勢力と、あと千葉候補を支持する勢力に分かれたと。その中で、改選後の県議会について、どのような議論を望まれるのかお伺いいたします。

知事
 それぞれ地域に根差し、日頃から地域の皆さんと交流している現職の人や、また新人、元職でもそういう人たちが強くて、当選して来られたかなと思っております。知事は、達増拓也と千葉絢子のどっちがいいかということは、もう知事選挙という形で一つ決着はついていることでありますので、先ほど私に対して県政課題としてどういうことがあるか、何をすべきかという質問が冒頭あったように、県議(会議員)の皆さん方にもそれぞれ県政課題として何が重要か、また自分の基盤としている地域において何が重要かということが、それぞれ問われるのだと思いますので、そういったことを協力して問題を解決し、県民の皆さんの希望をかなえるようなことができればいいと思います。

記者
 私は2点ありまして、まず1点目、新型コロナの関係です。県内で感染者数が急増しており、これについては、お祭りであったり選挙であったりと、人の交流が多かったということではないかという推察も出ています。
 まずは、現状の新型コロナの感染状況について、県内はどういった状況にあると思われるかお聞かせください。

知事
 全国の中でも、岩手(県)はじめ東北地方の県が(感染者数が)多いので、8月初めの東北の夏のお祭りあたりからの人の動き、また、来訪した方々の数の多さあたりが背景にあるのかなと思っております。入院患者の増加による病床のひっ迫ということは、起きていないわけでありますけれども、地域によっては、入院調整が必要になってきそうな状況でもあるということで、改めて県民の皆さんには基本的な感染対策、また、場面、場面の感染対策を気をつけるようにお願いしたいと思います。

記者
 ありがとうございます。その点に関連して、お隣の青森県では、8月末に独自の注意報を出すという対応を取りました。岩手県でも何かしらそういった対応であるとか、注意報、警報、あとはかつて(岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部)本部員会議があったときには知事メッセージもありましたが、何か対応を取られる御予定はございますでしょうか。

知事
 先々週、(感染者数が)急激に増えた際に、あらかじめ、定点観測人数25を増えた場合には、保健福祉部長が記者会見をして、改めて状況の説明や感染対策について述べるということにしておいたので、そのとおり先々週行われて、そして、先週の数字は、先々週の急増に比べると漸増にとどまったというところもありますので、先々週、保健福祉部長から話あったような、基本的な感染対策や場面、場面の感染対策に気をつけていただく、あと、背景には人の移動、人の活動の増大というところがあるので、そういったところを特に注意していただければいいのだと思います。

記者
 確認ですが、ということは、先々週の保健福祉部長が出席されての会見が県としての注意喚起であった、それ以上のことは現時点では考えてはいないということでよろしいでしょうか。

知事
 ちょっと、今言った話を正確に脳内で再現、今繰り返しているところでありますけれども、おおむねそういうところだと思います。

記者
 ありがとうございます。すみません。私からもう一点、今後の県政運営に関わる話なのですが、県内市町村との連携についてです。まず、前提としての質問なのですが、県内各市町村の要望などに知事が出席されました。これまでは広域振興局長の対応が多かったと私は記憶していますが、今回、知事が出席された理由について、まずお聞かせください。

知事
 県議会から、知事も同席することで、様々いい効果があるというような意見がありましたので、そのとおりにしたということがきっかけであります。実際、資料を読むよりも、図表も見ながら耳で聞くほうが入ってきやすいところもありましたし、あとは市町村の課長さん方はじめ、職員の皆さんの顔をじかに見て話をじかに聞くことで、市町村の普段の仕事ぶりみたいなイメージも湧いてきて、良かったのではないかなと思います。

記者
 では、知事が実際に出席されていい効果があったということですが、となると、いい効果があった以上、今後も継続して出られるのが筋かなと思いますが、今後の対応についてはいかがでしょうか。

知事
 この夏は、知事選挙があったとはいえ、今までに比べますと大規模な震災やコロナの流行等がなく、知事を本部長とするような災害対策本部会議や、それに類する本部員会議というものが、今年度(令和5年度)はあまりなかったということもあってできたかなと。ただ、先方の市長さんの都合がつかず、まだやっていない市もありますので、実は、比較的平時といっていいような今年であっても、そう簡単ではありませんので、コロナ(感染症の感染法上位置付けが)5類に移行して、市町村長さん方もコロナ以前以上に今年は忙しかったということもあったようでありますので、その辺は、基本は広域振興局長を通じて文書できちんと要望書をいただくという、その文書でいただいた要望書に対して県として組織的にきちんとした対応をするというところを、まず確かなものにしていきたいと思います。

記者
 すみません。恐らく私の理解が追いついていないのかもしれませんが、実際に知事として効果があったと思われることを、スケジュールの都合もあり、コストパフォーマンスといってはおかしいかもしれませんが、そういったこともあって、基本的には今後は広域振興局長対応に戻して、そっちを確立させていきたいということでよろしいでしょうか。

知事
 言いたかったのは、市町村で働いている課長さんたちの働きぶりもイメージできるというメリットと、一方で大災害の対策本部会議、あるいはコロナのようなものへの本部員会議を開かなければならないような場合とでは、本部員会議を優先するということです。

記者
 今の質問に少し関連して、市町村とのやり取り、今後の連携について伺いたいのですけれども、そういった要望の際に知事が同席されて、市町村長と直接やり取りされるという場面があった上半期かと思うのですが、今回の知事選を通して市町村長さんの一部からは、そういった知事との対話の機会が足りないというような課題を御指摘された市町村長さんもいたところです。今後について、こういった意見を踏まえて、知事としてはどういうふうにやり取りをされたいか、更に力を入れたいと思うことがありましたら教えていただければと思います。

知事
 私に対して何か意見を伝えたいのであれば、きちっと正式な形といいますか、私に分かりやすいといいますか、何を求めているのかがきちんと分かるように伝えてほしいということで、例えば、雫石の河川(について)、大雨で橋を架けたりとか、災害復旧工事をしたりとかで大変ということについては、雫石町長さんと私とで直接具体的な話(を)、地図も見ながら、あと現地も一緒に見に行ったりもして、そうやって復旧を一緒に進めたりしておりまして、ですから、具体的にどういうテーマについて何をしたいということがあれば、いつでも受けます。
 それから、報道などでそういう知事とのコミュニケーションが足りないみたいな話があるのを聞くのですけれども、自民党なら自民党というグループの中にいて、行政の長としてのやり取りとは別に、自民党政治家同士の何か非公式の飲食をともにしたりとか、特に目的もなく集まる機会が多い、接触する機会が多いとか、そういうのを求めているとしたら、そこは私に求められても困るということです。

記者
 ありがとうございます。となりますと、何かテーマがあれば、その都度応じられる方針ということで、ただなかなかざっくばらんにという機会は、ちょっと公務の関係で厳しいということでしょうか。

知事
 自民党系政治家としての付き合い方を求めてくるのであれば、それは無理だと思うのですけれども、そうではないことで、気軽に目的なく一緒に食事をしたりとかしている首長さんはいますので、何か食事をしようとかいうことであれば、何でもかんでもそれは聞きますよ。何かお祭りに一緒に行こうとか、何でもあれば聞きます。実際にやっているし。

記者
 ああ。そういうお誘いが今後もありましたら……

知事
 最近こういう作物が取れたとかいって、持ってきて見せてくれたりする人もいますし、そういうのを持ってくれば見ますしね。

記者
 国政の関連でお伺いします。知事選で支援を受けた国民民主(党)なのですけれども、玉木代表が代表選で再選されて以降、いわゆる自公国の連立というのがうわさされていて、与党への接近というのがうかがわれます。このことについて、知事のお考えというか、どういうふうに見ていらっしゃるか、御所見をお伺いします。

知事
 まず、知事選が終わったばかりでもあり、私としては、この達増拓也を知事選に当選させる、そのために力を合わせるということで、国民民主(党)にも、その所属する県議さんと一緒にやったりとか、その支持者の団体や個人の皆さんと一緒にやったりしましたので、まずはそういう関係を、私としては大事にしていきたいということです。

記者
 岩手では非常に仲良くできていると思うのですけれども、その反面で中央ではちょっとまた別の動きがあるということについてはどのように思われますか。

知事
 それは、本当に臆測というか、実際どういう動きがあったかということは、それぞれ結果が出てみないと分からないことなので、ちょっと臆測次元での達増知事当選、そして国民民主(党)の人もいて、立憲民主(党)の人もいて、共産党もいて、社民党もいて、そのほかの政党もいてというものを実際にやった私としては、実際に起きたことのほうを大事にしていきたいと思います。

記者
 分かりました。もう一点、県議(会議員)選の関係なのですけれども、先ほどもお話がありましたけれども、達増知事を支援する側の方と千葉さんを支持する側がいらっしゃって、達増さんの側のほうが若干人数としては少ない、当選した数は少ないということのようなのですけれども、その辺、今後の県議会との付き合い方等を含めてどのようにお考えか、御所見をお願いします。

知事
 私を知事にするのか、千葉絢子さんを知事にするのかという選択肢は、今、目の前には多分ないのだと思うのです。それは、決着がついたばかりでありますから。そして、あとは実態として、県議会議員さんがそれぞれ得票した票数のかなりは、知事選は私のほうに投票をしているケースも多いと思います。そういったことを踏まえて、知事選では達増が当選していると、そして県議(会議員)選ではそれぞれの県議の方々が改めて地元有権者とやり取りしながら、その結果というのをそれぞれ受け止めていると思うので、例えば、葛巻町とか普代村、田野畑村は、私ではないほうを当選させようという人が多い町村という結果は出ているのですけれども、だからといってそこの人たちと私が、何か今後対立するとは私は考えていなくて、むしろそういう人たちへの私からの働きかけが弱かったからそうなっているので、今後は更にそこに働きかけなければと思っています。そういう発見がそれぞれの議員さんにあるのだと思いますので、それを尊重しながら、それぞれ議員の自主性、そして結社の自由に基づいて議会活動をやっていただければいいのではないかと思います。

記者
 知事の公約(は)、かなり網羅的だったと思います。一方で、千葉さんも別の切り口というか、それなりの主張をされていました。千葉さんの主張の仕方とか、あるいは内容で、知事からこれは聞くべき点だったなみたいなところがあったら教えてください。

知事
 全てをきちんと把握していないので、また、いろいろスタッフなどを通じて私に届けられる情報は、銀河のしずくを全県でやるとか、賛成できないような政策の情報ばかり私のところに来ていましたので、基本的に私がやると言っていたことで、千葉候補もやると言っていたことはたくさんあったのだと思います。私が言っていなかったことで、何かプラスでいいことというのは、今のところちょっと思いつくものがありません。

記者
 分かりました。ありがとうございます。もう一点、盛岡市長が新しく代わられました。これまで、新市長との接点みたいなのがあったら教えてください。

知事
 衆議院議員時代の私の選挙の応援をしてくれていました。青年部活動に参加してもらっていました。あと、同じ高校の卒業生なので、学校関係やそのほかの交友関係などでいろいろ一緒になる機会も様々ありました。

記者
 今回選挙戦を通じる中で、有権者の方から物価高騰対策というところが喫緊の課題というお話、頻繁に受けられたというふうにおっしゃっていました。「希望郷いわて、その先へ。」というふうに掲げられたこの5期目、具体的にどのようなところが、有権者からのお声を聞く中で、まさに喫緊だな、例えば、次の9月の議会で即座に取り組んでいかなければいけない部分だなというところ、物価高騰、燃料費高騰で感じられているか、分野等あれば教えていただければと思います。

知事
 議会での対応のようなところは、これから県職員と議論をしていかなければならないと思っています。県職員は県職員で、今しなければならないこととかそういうことを、担当が仕事を通じてそれぞれに情報を得たりして、いろいろ考えているところなので、そういったことも総合して、県としての対応は決めていきます。

記者
 達増さんが選挙期間中に一番お感じになった部分を、お聞かせいただいてもいいですか。

知事
 燃料費、物価高騰対策は喫緊の課題で、すぐ様々支援を強化してほしいという、そういう有権者の声を伺ったと思いますし、あとは人口減少対策関係についても、これは私の主張に対して、「うんうん」とうなずきながら聞いてくださる方が多く、これもしっかり進めていかなければならないなと。
 あと、交流人口の拡大で、ニューヨーク・タイムズ(紙)の効果を生かして、盛岡だけではなくて岩手全体にその効果をということについても、かなり期待感が多いので、それも今年度中に、様々手は打っていかなければというふうに思いました。

記者
 ありがとうございます。もう一点、今回、御自分の経歴などの部分も改めて自己紹介するような形で、有権者の方に知ってもらえる選挙になったというふうにおっしゃっていましたけれども、最初の御経歴としては外務省の御経歴があると思います。その外務省の御経歴を生かして、今期取り組んでいきたいこと、あるいは取り組んでいきたいと考えている地域や国などのイメージ、具体的なものあれば教えてください。

知事
 外務省の経験で最大なものは、世界標準の民主主義の在り方、デモクラシーの在り方というのをたたき込まれたということで、ですから、政権に忖(そん)度しなければ事業ができない、予算がつかないみたいなことはもうあってはならない、そういう封建時代のようなことはあってはならないという、そういう政治姿勢が、まず私が外務省に入っていたことの最大の効果であります。プラス、英語でいろいろしゃべったりする訓練も受けましたし、そういう経験もありますし、中国語もちょっとかじったりしていましたので、海外に対する岩手の魅力のPR、特に農産物の輸出ということについて力を入れていきたいと思います。

記者
 今は海外に対して農産物輸出に力を入れていきたいということでしたけれども、今、(アルプス)処理水の件で中国のほうが全面的に禁輸しているということで、現状、岩手(県)でそういった影響を受けているということは何か聞いていますでしょうか。

知事
 業者ごとに、もう大分影響は出ていると思います。きちっと取りまとめて、私への報告という形には、まだなっていないのですけれども、全面禁輸宣言以前から様々、中国から見ると輸入の手続が滞るようなことはあったようですが、基本的に影響は出ていると言っていいと思います。

記者
 それに対して、県独自として何か取り組まれる予定というのはありますか。

知事
 これは、基本、国と国の構造の中でできていますので、選挙中ではあったのですが、全国知事会で政府に対する緊急申入れをしました。日本産水産物の輸入の全面停止措置について、中国政府に対し、即時に撤廃するよう強く働きかけること、そして、日本産水産物の輸出に関わる事業者の事業継続に向けて、損失に対しては国が全責任を持って対応することという申入れを全国知事会からしたのですけれども、その際、当時の平井会長と、あと農林商工常任委員長の私、プラス農林商工常任委員会の下に輸出拡大プロジェクトチームを立ち上げて、岐阜(県)の古田知事にチームリーダーになってもらっていましたので、そういう意味で取りまとめは古田知事にやってもらえて助かったのですが、その平井、達増、古田の連名で政府にそういう緊急申入れをしているところです。

記者
 全国知事会でも、中心的になって動いているということですね。

知事
 はい。

記者
 すみません、もう一つ質問なのですけれども、広島市で給食などを提供している会社でホーユーという会社があるのですが、こちらが突然営業停止して、県内でも盛岡となん支援学校で雇用されているスタッフが、ボランティア状態で給食を提供しているということなのですが、県としてこの問題には対処されますか。

知事
 会社がそういう状態になっているということで、一方、この会社に連絡しようと思っても、電話をしても出ないということも聞いております。ですから、会社相手のことというよりは、ほかの事業者さんで給食の提供ができるところを探したりなど、県内の対象となる学校の給食提供がちゃんと続くように、そういう手配を教育委員会でしていると聞いています。

記者
 よろしくお願いします。選挙期間中でしたが、県と沿岸12市町村による地震・津波減災対策検討会議の報告書が公表されました。原則徒歩避難を維持しつつも、車避難の検討方法に具体的に踏み込んだりと、これまでの対策になかった要素も多く含まれていたと見受けましたが、知事の率直な所感をお伺いできますでしょうか。

知事
 より実態に即した形で、一人の命も失わないで済むような避難をしっかりやろうという方向性のものはできたと思っております。

記者
 今回の選挙でも、改めて沿岸各市町村を回られた機会も、いろんな方のお話を聞く機会も多かったと思いますが、今後の5期目、この防災に対する改めての具体的な方針であるとか、考えというものがあれば教えていただけますでしょうか。

知事
 12年前の東日本大震災、あの津波の経験、これを大事にしながら、その伝承と発信ということをしっかりやっていかなければならないというのがあるのですけれども、同時に新しいタイプの豪雨災害でありますとか、また津波に関しても、日本海溝・千島海溝大地震に起因する津波への新しい想定が求められるような状況にもなってきていますので、そういう新しい災害の、既に起きている災害や予測されている災害に対しての新しい情報をきちっと押さえて、市町村と連携しながら、それにも対策を講じていくということをしっかりやっていきたいと思います。

記者
 もう一点、先日、盛岡市で計画されている薮川地区風力発電事業について、環境影響評価の第2段階に当たる方法書でも、第1段階の配慮書に続いて、事業の取りやめを含めた抜本的な見直し検討を求める知事意見を出されました。昨年(令和4年)来、北上山地で計画されている風力発電事業で、イヌワシへの影響など環境への配慮が不十分だと指摘されるケースが増えている一方で、北岩手の産業振興だったり、県の脱炭素の取組においても、風力発電を含む再生可能エネルギーの導入促進を進めたいというジレンマもあると思うのですけれども、改めてこの推進と規制の両立に対する知事のスタンスをお伺いできますでしょうか。

知事
 イヌワシの保護のような生物多様性保護は、やはり大事ですので、そこはそれで守っていかなければならないと考えています。
 そして、再生可能エネルギー振興も大事ですので、風力については、風力発電に向いた場所を紹介できるような形ができればいいなと考えていることと、あとは洋上風力ですね、洋上風力というのは、鳥との関係については、山に住んでいる鳥との関係が問題にならないので、やはり洋上風力の可能性を追求していきたいと思います。

記者
 私からは1点、ILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)の東北誘致の関係についてお伺いします。知事も選挙でもマニフェストプラス39にもあったように、東北誘致をに向けた取組というのが項目の中に示されていました。2030年をめどに建設が望ましいというような具体的な目標も科学者会議の中で示されたということで、改めてそういうスケジュールが明確になったことで、県としてどのような形で取組を進めていかれるのでしょうか。

知事
 それまでは、2025年には建設を始めなければみたいな話もあったのが、5年先送りみたいな格好になっているのは、コロナの流行で3、4年作業が滞った面があることや、特に各国政府がコロナ対策に追われたりとか、予算的にもコロナ関係の大幅財政出動などをしていて、そうそうすぐにILC(アイエルシー)について、ぱっと答えを出せる状況に、今この瞬間にはないという現実を踏まえて、そういう話になっていると思いますので、科学者の皆さんのスケジュール感と各国政府のスケジュール感が、より一致しやすくなって、話を進めやすい状況になってきているのかなと期待します。

記者
 そうなりますと、今の時点では、まだ様子を見守るといいますか、その状況を踏まえて、また選挙前からやってきたように県としては国に対して国際的な議論を推進されるように働きかけるというスタンスは変わらないということでしょうか。

知事
 そうですね、コロナ対策に大規模財政出動ということは、もう各国政府は、あまり今は考えなくていいようになってきていますし、改めてこのヒッグス粒子の謎を解明し、素粒子物理学の更にその先へということの重要性というのをみんなで共有するのにいい環境になってきたと思うので、そういうことに力を入れていきたいと思います。

記者
 私から大きく2点伺いたいのですけれども、選挙戦の中で知事は、人口の少ない市町村を守る、それが33市町村を全て光り輝かせるのが希望郷いわてのその先だというふうにおっしゃっていた場面があったと思うのですが、この人口の少ない市町村を守るというのは、どういうことを想定されているのでしょうか。

知事
 人口の少ない町村は、子ども子育て支援に関しては、もうかなり前からいろんな無料化など進んだ政策を取っていて、それでも人口が減ってきているというのは、その町村が悪いというよりも、その町村の魅力を全国や海外に発信するというところで、県がもっとやったほうがいいのであろう、また、国にもちゃんとそういうところに目を向けてもらって、改めて地方創生といいますか、人口減少対策を人口の少ない町村を重視しながら、さらに力を入れてもらうといいという思いで、そういうことを言っております。
 それから、人口の少ない町村に、人にたくさん行ってもらおうとすると、その人たちは新幹線にせよ、飛行機にせよ、あるいは車で行くにせよ、岩手の人口の多い市の部分を通る形になり、そこにも滞在する可能性がありますので、実は、岩手県内の人口の少ない町村を重視するということは、人口の多い市や町にとっても、利益になる話だと思いますので、33市町村プラス県で、そういう共通認識を持って力を合わせて取り組んでいくといいのではないかと考えています。

記者
 一方で、今回知事がおっしゃっているように、葛巻町とか田野畑村とか、人口が一番少ない普代村とかなどで、相手候補の得票を下回ったという話を御自身もされていると思うのですけれども、そのところへの働きかけを改めてするという言葉も先ほどありましたが、どういう働きかけをしていかれる予定ですか。

知事
 そうですね、まず県と国との関係で、そういうねじれが起きてしまっては、もう予算がつかないとか、そこで政策が実行されないとか、そういうふうに思われないようにするということです。どうすればそう思われないのかというのは、裏を返すと、なぜ県と国との関係で、そういうふうになっているのかというのを、改めて見直すことも役に立つかもしれないですけれども、いずれにせよ、普通にやればいいということでしょうかね。とにかく上に忖(そん)度しなければ、予算も事業もつかないというのは、それは江戸時代以前のことだと、大正デモクラシーの頃でもそんな話はなかったですからね。原敬さんの存命中にはそういう話はなかったので、日本を封建時代に戻してはいけませんので、普通にやって、ちゃんと現代民主主義にふさわしい普通のやり方でやっていきたいと思います。

記者
 先ほど市町村連携の質問があったときに、自民党系政治家としての付き合い方はしないとおっしゃっていましたけれども、この付き合い方というのはどういうことを指しますか。

知事
 それは、そういう世界にいないから想像でしか言っていないのだけれども、というのは、それ以外に理解できないわけです。何か会いたいということで会っているし、それはさっき言った災害対応のような緊急性の高い行政上の仕事から、何か食べに行くとか、採れた作物を見せてもらうとか、そういう付き合い方については、もう本当に普通にやっていますので、それでも物足りないというのは、多分私の知らない自民党系の政治家の間では、何かもっと濃密な関係があって、そこを私がやらないと言っているのかなと、私は想像しているということです。

記者
 1点お伺いさせてください。5期目こそ取り組みたいことについてお伺いします。選挙期間中も応援に駆けつけた泉前明石市長が御自身の3期12年の経験を踏まえて、最後の4年で花が咲いたと。達増知事は、ある意味、震災に特化せざるを得なかったので、最後花を咲かせる4年間が大事だというような応援をされていました。先ほどの質問と、もしかしたらかぶる部分もあるかもしれませんが、その喫緊の課題の対応と、加えて御自身がこれまでの4期でできなかったり、手をつけられなかったなどのチャレンジしたいような取組がありましたらお聞かせください。

知事
 海外へのPRですね。思えば1期目は、上海万博で南部鉄瓶を数週間展示するということをやって、いよいよアジアから世界に岩手のPRを、というときに東日本大震災津波が起きましたし、そして4年前、ラグビーワールドカップ(2019TM日本岩手・)釜石開催で、いよいよ復興から次、全国や海外に岩手をアピールという、そこには東京オリンピックやパラリンピックの活用というのもあったのですけれども、そこにコロナが来てしまいということで、今回こそ、そういうことをやっていきたいということです。

記者
 何かイメージしているPRの仕方などはありますか。

知事
 まず、今年中にも去年やって手応えがあった海外への農産物の宣伝、トップセールスはやりたいと思っています。

記者
 実際に御自身が訪問してということですか。

知事
 はい。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は9月20日(水曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。