「食の匠」 軽米町 大崎和子 『生麩(なまふ)』
料理の紹介
小麦を生産している軽米町で多くつくられていた郷土料理です。初夏に収穫した小麦を使い、小麦のたんぱく質(グルテン)を利用してつくった生麩(なまふ)は貴重なたんぱく源として、盆の精進料理に欠かせない一品です。また、生麩は処暑の頃、肉体労働時の欠かせないおかずで、疲れが早くとれ仕事がはかどるように心がけてつくったものです。
生麩は弾力のあるもち状のもので、辛子しょうゆでいただく他、煮しめ、みそ漬け、揚げ物にします。
材料(4人から5人分)
生麩350グラム程度のできあがり
- 小麦粉(ナンブコムギ等の地粉) 1キログラム
- 塩 10グラム
- 水 500cc
- しょうゆ
- 辛子
作り方
- 塩水をつくり、小麦粉を少しずつ入れて泡立器で良く混ぜ、(泡立器が)回せなくなったら手でこねる。固くなったら、そのままねかせ、軟らかくなったら、またこねる。これを2回から3回くり返す。
- 手につかなくなったら、4つに分ける。
- ボウルに10度くらいの水を張り、水道水で流しながら2をもみ洗いする(水がきれいになるまでもむとグルテンが残る)。30分くらい置くとグルテンがまとめやすくなる。
- もみ洗いした3を4つに分けて、中に塩一つまみ(分量外)入れ丸める。
- 沸騰した湯に入れて15分ほど煮る。最初は下に沈むので、時々かき混ぜながら煮る。煮たってきたら、火を弱める。
- 5をまな板に並べて、上にまな板をのせ軽く重しをして10分ほどおき、余分な水分をだす。
- 生麩はさしみ状に切り、辛子しょうゆで頂く。
料理のポイント
グルテンに塩を入れると生麩がしまっておいしい。
夏場につくる時は、悪くなりやすいので手早くすること。
つくった生麩は一個ずつラップで包み冷凍保存し、食べる時は自然解凍する。
豆知識
日本の伝統的な植物性たんぱく食品である。ゆでて生麩、焼いて焼き麩、中華料理などで使われる油脂で揚げた揚げ麩(あげふ)があり、それぞれ食感が異なる。
また、菓子に使われることもあり、生麩で小豆あんを包んだ麩まんじゅう、麩菓子などの駄菓子がある。
(平成22年認定)
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