令和4年4月8日知事会見記録
開催日時
令和4年4月8日10時00分から10時37分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
今日の発表は、岩手県民栄誉賞についてです。小林陵侑選手は、第24回オリンピック冬季競技大会、北京五輪大会男子個人ノーマルヒルにおいて、夏冬オリンピックを通じて本県初となる個人種目での金メダルを含め、個人で2個のメダルを獲得しました。さらに、2021/2022FISスキージャンプ・ワールドカップにおいて、3期ぶり2度目の個人総合優勝に輝き、同一シーズンで2つのビッグタイトル獲得という歴史的偉業を成し遂げました。岩手の誇りとして県民に深い感動を与えてくれましたことから、その栄誉を讃え、本県初となります2度目の県民栄誉賞を贈ることといたします。
また、小林陵侑選手は、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業の第1期生で、その活躍は、本県の子供たちに大きな夢と希望を与えてくれました。成績、実力に加え、日頃から郷土岩手に思いを寄せ、地元にエールを送るなど、その姿は県民に広く敬愛されています。
本県に大きな感動と明るい希望を与えてくれたということで、県民栄誉賞に値するものであります。表彰式は、5月5日に行います。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
今回2度目の県民栄誉賞というかなり異例の対応になると思いますが、新しい賞をつくるとかではなく、2度目という判断をした理由について、まずお聞かせください。
知事
まず、小林陵侑選手は、今後もさらなる活躍が期待されるということで、県民栄誉賞を上回る何か新しい賞をつくるとしたときに、今回そういうものをつくったとして、後にそれをさらに上回るものをつくらなければならなくなる可能性もある中で、新しい賞をつくるというのは、分かりにくくなるのではないかというふうに考えました。
一方、県民栄誉賞を今まで複数回受賞した人はいないわけでありますので、2度目の受賞ということで、これは非常に特別なことでありますし、更なる活躍を今後した場合に、さらに3回目の可能性、そしてその後も活躍に合わせて3回、4回などと増えていく可能性、そういう未来のビジョンのほうが分かりやすいのではないかという考えです。
記者
ありがとうございます。今お話ありましたが、となると今後も県民栄誉賞については、複数回受賞を妨げるものではないというお考えでよろしいでしょうか。
知事
今回2回目ということで、複数回受賞が妨げられないということが、新たにそういう道が開かれたわけです。
記者
ありがとうございます。そして、ちょっと始まる前に記者のほうでも話題になったのですが、県民栄誉賞、全国的には都道府県民栄誉賞になると思うのですけれども、これを複数回受賞する例というのは、全国的にも珍しいと考えてよろしいでしょうか。
知事
私は、ちょっとほかの県の例は知りません。何となく、小林陵侑選手の若くして世界最高水準に達し、そしてオリンピックとワールドカップと、その両方で頂点を極めるというのは、日本全体を見てもそうそうあることではないのだと思います。
記者
ありがとうございます。そして、今回、小林陵侑選手が金メダル獲得ということで非常に分かりやすい成績ですが、永井秀昭選手については、今後どういった顕彰のされ方をされますでしょうか。
知事
永井秀昭選手をはじめ、北京オリンピック・パラリンピックに出場した選手に対する表彰について、現在、文化スポーツ部で検討中です。
記者
今回小林陵侑選手が県民栄誉賞を受賞したということなのですけれども、今回オリンピックとワールドカップの総合優勝ということでの受賞ですが、知事が特にも思い出に残っている小林陵侑選手の活躍したシーンというのを教えていただければと思います。
知事
オリンピックのノーマルヒル個人の1本目、追い風が吹いていて、その前後の一流選手たちが皆、距離が伸び悩んでいたところ、マジックのように小林陵侑選手が追い風の中でそこをすーっと長い距離飛躍して、長い距離のジャンプを達成したというところ、これはテレビでリアルタイムで見ていたのですけれども、本当にすばらしいものを見ることができたなと思います。
記者
ありがとうございます。小林陵侑選手、まだまだ若い選手ですので、今後の活躍というのも非常に期待されるものがあります。2度目の県民栄誉賞、先ほど3度、4度というふうなお話も出ていましたけれども、今後の活躍について、小林陵侑選手にエールを込めてメッセージをいただければと思います。
知事
2度の県民栄誉賞を受賞するというアスリートの在り方というのは、想像を絶するものがあり、今後どのように苦労を重ねながら、そしてどのように新しい境地を精神的にも、身体的にも切り開いていくのか、そこは我々には想像も及ばないような、あっと驚くような世界に一緒に連れていってもらえればなというふうに思います。
記者
少し気の早い話かもしれませんけれども、次回4年後のオリンピックというのも待っているかと思います。そこで知事が期待されることというのを教えていただきたいと思います。
知事
ジャンプの世界、強豪国にはそれぞれ強豪選手がいて、誰がオリンピックで金メダルを取っても、北京で金を取ってもおかしくないような感じでしたし、ワールドカップは1位を取る選手というのが次々に入れ替わるような、そういう世界でありますので、その中において頂点を極めるという、まさに普通の我々には想像できないような世界に一緒に連れていってもらえればなというふうに思います。
記者
ありがとうございます。そうすると、次回も金メダルを期待したいというところでしょうか。
知事
素人にはそういうことはそう軽々には言えないのではないかなということを私は考えています。
記者
表彰日時は、もちろん小林選手がいらっしゃる予定ということでしょうか。
知事
これは、御本人のスケジュールに合わせて設定した表彰の時間と場所です。
幹事社
ほかの社から質問はありませんでしょうか。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての質問はありませんので、ほかに各社から質問があればお願いします。
記者
昨日ですけれども、新型コロナ感染症の新規感染者が過去最高となりました。専門家からは、第7波が始まっているというような指摘もあります。現在の県内の状況をどのように受け止めているのか、また、県内にも第7波が到来しているというような認識をお持ちであるのか、まず伺いたいと思います。
知事
岩手緊急事態宣言の下で、新規感染者数を十分低い水準に減らそうとしてきていて、まだそこに至っていない、岩手県の感覚からすれば、第6波がまだ終わっていないという感覚を私は個人的に持っています。そして、1週間10万人当たり新規感染者数でいえば、ピークは200人近くまで、ぎりぎり200まではいかないくらいの数字までいったことがあり、昨日のことがあっても、そこはまだ154.8人ということで、昨日は大きいクラスターが重なって、過去最多429人になったということもあると思っております。
1週間10万人当たり200人近い水準になり、その中でも入院数を逼迫しない病床使用率で抑え、そして自宅療養者が2,600人くらいになってもきちんと対応できたので、今直ちにそういった医療関係の逼迫に至る状況ではないと受け止めていますけれども、やはり新規感染者数が高い水準にありますと、そこから大きなクラスターが出て、さらに新規感染者数が大きく増えて、いずれは医療体制の逼迫にもつながりかねないという、そういう危険性はずっと続いているという状況であります。改めて、オミクロン株というのは、感染力が高い、非常に感染しやすい、1人感染すると周りの人たちも感染してクラスターになりやすい。だからこそ、基本的な感染対策を徹底することで、集団の中で最初の一人にならないようにする、また誰か一人感染したとしてもそれを周りに広げないようにする、そのための基本的な感染対策というのが過去の変異株に比べて一層重要になっているので、これは国もですし、岩手県としてもですけれども、基本的感染対策の再徹底ということを繰り返しお願いしている状況です。
今回は、今まで増えてきていた保育・教育施設、学校、家庭に加えて、職場とスポーツ活動が増えたというところに特徴がありますので、そういった場での基本的感染対策をさらに徹底いただくようお願いしたいと思います。そういった基本的な感染対策を徹底すれば、普通の経済活動、普通の社会活動については、基本的に制限は必要ないと考えておりまして、外での食事であれば、県の認証店を使うなど、工夫していただきたいなと思います。
記者
ありがとうございます。先日政府のほうで、ワクワク、GoToに代わる新しいイベント関係の補助制度を実施したいというような方針が示されましたけれども、知事はパッケージのほうを御覧になってどのような印象を抱いたかというのを教えていただければと思います。
知事
去年、「鬼滅の刃」という映画が物凄くヒットし、全国で何百万人もの人たちが「鬼滅の刃」を見ているのですけれども、そこから感染が起きたという例はたしか報告されていないと思うのです。映画館、それからコンサートなどもそうでありましょう、そしてスポーツ関係でも、適切な感染対策を取られた中でのそういうイベントというのは、結構感染リスクは低いので、今でも感染対策に気をつけながらやっていただきたいなとは思っております。そして、ワクチン接種は、やはり今県内の感染状況を見て、3回目ワクチン接種率が低い低年齢、20代、10代に感染が多く見られ、あとはワクチン接種の対象にならない5歳未満の子供たちの感染もあるということで、ワクチンをすればやはり感染水準を低くすることができるということがありますので、ワクチン接種希望の人は早め早めにワクチンを受けられるよう、市町村、県でやっていますので、受けてほしいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、ウクライナの関係でお伺いできればと思っておりました。以前、県営住宅の提供といった県の独自の支援策というものを打ち出されたと思います。5日、政府も現地から避難民の方たちを日本に受け入れたということが始まっていきました。国からの岩手県への受入れの要請ですとか、打診というものが現在あるのか。また、前回発表後に新たに検討している支援策等あれば教えていただければと思います。
知事
要請、打診は今のところありません。
場所の確保と、様々事務的な対応の最初の段階の準備は今できていますので、あとは国のほうから具体的にこういう人たちが希望しているというようなことがあれば、それに合わせた更なる準備をしていくということになるのだと思います。
記者
新年度入りまして、今年の大きな目玉として、八幡平のハロウインターナショナルスクールの開校があると思います。ちょうど今日、同じ時間に現地で会見をやっているようですが、改めて知事として、ハロウスクールへの期待があれば、まずお聞かせください。
知事
様々な学校開設のための手続も順調に進んで、ゴーサインが出ているというふうに理解しておりまして、募集などもこれから活発になっていくのだと思います。新型コロナウイルス流行の中でのインターナショナルスクールの開校というのは非常に大変なのだと思いますけれども、そういう中でイギリスと岩手の関係者の行き来でありますとか、必要な段階をちゃんと踏みながら準備を進めているということには敬意を表したいと思いますし、世界にいろんな場所があり、また日本の中にもいろんな場所がある中で、世界最高水準の教育の場として岩手県の安比高原がいいというふうに選んでもらったということで、岩手県、地元側としても、選んでくれた学校側に対して、それにふさわしい在り方で、様々連携したり、あるいは支えたりできればと思います。
記者
ありがとうございます。開校によって、世界から多くの子供たちが安比高原で学ぶということですけれども、逆にそういった方々が来ることによって、岩手県、同年代の子供たちも含めてなのですけれども、どういった好影響があるとお考えか、お聞かせください。
知事
ハロウスクールは、過去、イギリスのチャーチル首相やインドのネルー首相が学んでいて、あとは俳優のベネディクト・カンバーバッチさんが学んでいるよというところで、そういったいろんな分野で世界に通用するような人材が育っていく学校であります。どういう生徒を入学させるのか、そしてどう教えていくのかというのは、そういった経験に基づいて、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンという学校として決めてやっていくのだと思いますけれども、そういった過去の歴史からして、今まで日本の中になかったタイプの学びの場ができるということで、非常に大きな可能性が広がるのだと思います。
将来国のトップになるような人でも、日常生活では、また特に生徒時代であれば、素朴な山遊びとか、買物とか、まち歩きとか、学校の中での活動以外でいろんなことを岩手の中でするのでありましょうから、そういったところでもいろんな交流とか出会いの可能性もあって、地元側と学校、生徒側、様々いい影響を与え合うように発展していけばいいなと思います。
記者
ありがとうございます。またスポーツの話題に戻りますけれども、メジャーリーグ、今日開幕します。岩手県出身の選手として2人いるわけですけれども、知事から何か期待であるとか激励のコメントがあればお願いします。
知事
去年1年間、新型コロナウイルスが続いていろいろ大変だった中で、それと並行して大谷翔平選手の活躍が続いたということは、それはアメリカ、日本含めて、世界の人たちに元気と希望を与えてくれたのだと思います。ぜひ、今年もそのように世界の人たちに元気と希望を与え、そして小林陵侑君と同じなのですけれども、今まで見たことがないような世界に私たちを連れていってほしいなと思います。
記者
ありがとうございます。私から最後1点、先日発足しました国民民主党県連について、達増知事も結成大会に出席されて祝辞を述べられていました。改めて県政界においてどういった存在感を発揮してほしいか、知事のお考えをお聞かせ願えればと思います。
知事
私が衆議院議員に初当選した頃からお付き合いがある方々も多くいらっしゃいまして、軽石代表もその一人でありますけれども、岩手の生活者、働く人、地元の地域や、また産業界、そういったところとともに歩みながら発展させてきた実績のある人たちですので、ぜひそうした過去の実績、これらを生かし、またそれを発展させるような形で、岩手のためになり、そして日本を変えていくような、そういう方向に進んでいってほしいなと思います。
記者
先ほどコロナの関係で言及がありましたけれども、スポーツ活動等の感染者が増えているということ、クラスターが増えていますけれども、ただ一方で学校が今春休み中だからそういうところが増えているということも、感染症課長からの御指摘もありました。そんな中で、4月に入って、子供たち、大事な大会等がこれから増えていく、最後の大会等を迎える学生たちもたくさんいらっしゃる中で、今、岩手緊急事態宣言でかなり活動に我慢をお願いしている状況ではありますけれども、そういったところをこれから、今回クラスターが出たところも、皆さん、お願いを遵守されていたとも伺っていますし、そういったところ、柔軟な対応であったり、宣言の在り方等も含めて、変更していくような考え方はありますでしょうか。
知事
岩手緊急事態宣言があるから我慢していただくのではなくて、去年、おととしに見られなかったような高い感染水準、高い感染リスク、1週間10万人当たり新規感染者数が1人とか2人という低いときに比べれば、100倍のリスクがあるので、だから多くの人が感染したり、クラスターも出たりしているわけですので、そこで感染の連鎖を断つような対策は、これはやはりしなければなりません。今の状態を岩手非常事態宣言と呼ぼうが、これは県によってはいろいろ、再拡大防止期間とか、リバウンド防止期間とか、特別警戒期間とかいろいろ呼んでいるのですが、いずれ新型コロナウイルスの流行が始まってから、基本的な感染対策に関しては最高度にやっていかなければならない状況だということは御理解いただきたいと思います。その上で、今日午後、県の対策本部会議を開いて、教育委員会のほうから学校関係の新たな対策といいますか、どういうふうに対応すればいいかという内容が出る予定になっていますし、それからスポーツ関係の場で、最近どのように感染が起きているかという実態を踏まえて、こういうところに気をつけてほしいという具体的な感染対策の案内も出す予定にしていますので、それを参考にしてもらえればと思います。
記者
緊急事態宣言の文言を見ると、全国大会等の公式大会についてもこの限りではないという表現がありますけれども、今これから全国大会につながっていくような地方大会等もどんどん始まってくると思います。そこについては、これは出場を制限するような形になってしまうのか、それともどういうような認識でいらっしゃるのかお伺いできますか。
知事
オミクロン株の特徴は、感染力が高いがゆえに、一たび感染の連鎖が断たれると感染者数が一気にたくさん減るという特徴もありますので、ぜひ感染の連鎖を断って、いろんな活動がさらに自由にできるような方向に持っていっていただいて、感染者数を減らし、そしていろんな活動がさらに自由にできるように持っていきましょうということを申し上げたいと思います。
記者
ちょっとエンタメ的な質問をさせていただきたいのですけれども、大河ドラマを今やっていますが、その中で岩手県ともゆかりが深い義経が登場しています。義経のキャラクターがこれまでと違うようなブラックというか、ダークなキャラクターで演じられていますが、その辺り、もしお考えがあればというのと、何か知事の考える義経像のあたり、教えてください。
知事
義経は、実はああいう人だったのではないかなというのはいろんな人が言っていて、漫画、アニメにもなっているのですが、「ドリフターズ」という歴史上の人物が1か所に集まって戦うような作品でも、非常に冷酷で、とにかく勝てばいいという義経が描かれているのですけれども、歴史はいろんな見方がありますし、特に歴史ドラマ、歴史物語はいろんな人物について、実はこういう人だったのではないかというようないろんなアイデアがどんどん出てきてもいいのだと思います、それが絶対の正解ではないわけでありますので。今の菅田将暉義経も予想を裏切るような冷酷さとか、自分勝手さを発揮しているのですけれども、そういう中で非常に素朴な身内への愛情とか、あとは目的のために頭を回転させたときの知性の輝き、合理的に戦略、戦術を組み立てていくすごさ、改めてそういういいところを掘り下げられているところもあるので、これからの展開、ますます楽しみにしたいと思います。
記者
先日県の発表で、県の防災ヘリの散水で岩泉町の消防団員が大けがをするというような事案がありまして、それが国交省からの航空事故とも認定されたことで調査が進められています。このことについて、知事はどのように受け止めているのかお聞かせください。
知事
消防団員の方が地元での消防活動中に大きなけがをされているということ、これは本当に気の毒なことでありまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い回復をお祈りします。
山林火災への対応では、消防職員、消防団員による地上からの消火活動と、防災ヘリなどによる上空からの消火活動の連携ということが非常に重要でありますので、その作業中に大きなけがをされたというのは重要な問題だと思っております。今、運輸安全委員会の事故調査という形で事実関係を明らかにし、原因究明がなされているわけですので、県もこれに協力しながら、再発防止のために教訓を引き出して、必要に応じてマニュアルの見直しなど今後の安全な消火活動につなげていきたいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は4月15日(金曜日)の予定です。
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