令和4年9月9日知事会見記録
開催日時
令和4年9月9日10時00分から11時00分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
まず、新型コロナウイルス対策関係でありますが、いわて陽性者登録センターといわて検査キット送付センターを開設します。
新型コロナウイルスの抗原定性検査キットのネット販売が解禁になり、今後自己検査で陽性を把握する方が増えていくと見込まれますが、適切な療養支援を行い、そして医療機関の負担軽減を図るため、いわて陽性者登録センターといわて検査キット送付センターを今日開設します。
いわて陽性者登録センターの開設で、65歳未満の重症化リスクの低い方は、医療機関を介せずに24時間いつでも陽性者登録をすることができます。そして、いわて検査キット送付センターは、重症化リスクの低い有症状者の方などが自ら検査を行えるよう、申込みされた方に抗原定性検査キットを送付するものです。いわて陽性者登録センターといわて検査キット送付センターは、本日開設しました。利用に当たっては、岩手県ホームページにアクセスし、ウェブ上での申請、そして申込みをお願いします。
次に、岩手県医療的ケア児支援センターの開設についてです。
令和3年9月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されました。
そこで、県では岩手県医療的ケア児支援センターを9月15日に開設します。このセンターでは、医療的ケア児を地域で支援する市町村等への関係機関に受け付けた相談に関する情報提供や、医療的ケア児等コーディネーターの養成に係る研修を行うほか、家族等からの相談を受け、支援情報の提供、助言等を行います。
センターは、相談支援や人材育成について、ノウハウや専門性を持った専門機関に委託することとし、県と民間機関が協力、連携する体制で運営することで、総合的、専門的な支援機能を確保することとしています。
詳細は、配付資料に記載のとおりです。
医療的ケアを必要とする児童やその御家族がお住まいの地域において安心して暮らせる体制整備を支援します。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
本日質問の前に、記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入した記者から一言挨拶お願いします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
コロナ関連のところでお伺いさせていただければと思います。この(いわて)陽性者登録センターと(いわて)検査キット送付センターなのですけれども、他都道府県でも同様の事例があるのかどうかというところを教えていただきたいのと、検査キットの送付センターなのですが、お申込みされた方が大体どれぐらいで届くのかなというところが気になるところかと思うのですけれども、こちらに申し込んでからお手元に届くまで、どれぐらいの時間で届くのかというところを教えていただければと思います。
知事
それぞれちょっと手元に資料はないので、担当に確認してほしいと思います。
(担当部局が回答)
記者
私も(いわて陽性者登録)センターと(いわて)検査キット(送付センター)についてお伺いします。この2枚目の表を見ると、登録センターの医師がHER-SYS(ハーシス:新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)を入力するとあるのですが、そうすると、この登録センターには医師が常駐しているという形になるのかというところと、あと、要は、これは医療負担への軽減を図るための措置という、HER-SYS(ハーシス)への入力が医療機関でだいぶ時間がかかるといったところで、そういった相談も寄せられていると思いますが、そういった効果があるのかといったところをちょっと教えていただけますか。
知事
では、これも(手元に資料がないので、担当に確認してほしいと思います)。
保健福祉部長
医師が常駐しております。ただ、この医師に関しましては、処方とか、そういった形では対応しておりませんので、症状等ある場合については最寄りの診療・検査医療機関を御案内する形になります。
また、目的ですけれども、当然、医療機関の負担軽減ということもありますが、(新型コロナウイルス感染症の抗原定性検査キットの)ネット販売等が解禁になって、御自身で検査をされる方がかなり増えてまいります。そういった方々が陽性になったときに、もちろん医療機関に受診されれば、それで登録等できるのですけれども、医療機関等を受診しない方の場合、保健所で把握ができないために、自宅での療養の支援でありますとか、あとはMY HER-SYS(マイハーシス)の登録による療養証明の発行、こういったことができないということになりますので、こちらのサービスを利用していただくことによりまして、My HER-SYS(マイハーシス)の登録で療養証明の発行、また(いわて)健康フォローアップセンターによる自宅療養での健康支援ができるということになります。
記者
(岩手県)医療的ケア児支援センターの開設について、知事の医療的ケア児の県内の状況に関する現状認識と、このセンターができることへの期待感というのを改めてお伺いできますでしょうか。
知事
令和4年度の調査では、県内の医療的ケア児が253人となっていまして、平成30年の調査と比べて58人増えている状況であります。この医療的ケア児一人ひとりにきめ細かく対応していくに当たって、医療関係者、そして民間の皆さん、家族の方々と力を合わせてやっているわけでありますけれども、そこに専門的なアドバイス、また専門的な立場からの様々な助言、これをどういう形で提供していくかということを関係者の皆さんと相談した結果、岩手ならではの仕組みができたと思っております。既に実績ある関係者の皆さんに中心になっていただくことで、効果的な医療的ケア児支援ができることを期待します。
記者
今の関連でお伺いしたいのですが、何か実際に御家族だったり、当事者の方などから要望があって開設されたのか、その開設の経緯をお聞かせいただけますか。
知事
法律(医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律)で開設することと決まったわけなのですけれども、法律の求めているようなこの機能は、基本的には、それ以前から岩手の中にあったわけですけれども、改めて岩手の実態に即した、そしてさらにこのニーズに的確に応えて、よりよい医療的ケア児支援ができるようにという方向で調整を進めて、今回開設に至ったものです。
記者
今のに関連してなのですけれども、先ほど平成30年から約50人ほど増えているという中で、今おっしゃった岩手ならではという独自性というのはどういったところにあるのでしょうか。
知事
県が直接運営するのではなくて、既に実績があり、関係者の皆さんの信頼も得ているみちのく療育園メディカルセンターに委託して、それで岩手ならではの過去の経験を生かしながら、さらに医療的ケア児支援を発展させていこうという趣旨です。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社さんから質問があればお願いいたします。
記者
大きく2点、知事の任期満了まで1年というところと、安倍元首相の国葬についてお伺いできればと思います。
まず、明日で知事の任期満了まで1年となります。今任期を振り返って、成果となった部分、また今後あと1年で取り組まなければならないこと、あと課題と感じているところがあれば教えていただきたいと思います。
知事
今任期は2019年、令和元年に新しい年号とともにスタートし、その年は復興を8年進め、三陸復興防災プロジェクトという事業を展開しながら、釜石でのラグビーワールドカップ(2019(にせんじゅうきゅう)TM)開催というところを頂点に復興の成果と、そして岩手が持つ潜在力、これを改めて確認しながら、「幸福を守り育てる希望郷いわて」という基本目標に向かって県民計画を進めていこうという、そういうスタートをしたこの4期目でありました。
ところが、年が明けて新型コロナウイルスが日本にも広まり、この流行がいまだに終わっておらず、むしろ過去最多の(新規)感染者数を最近になって記録しているというところで、まずは新型コロナウイルス対策にしっかり取り組んでいかなければならないという過去3年であり、そして残り1年というところです。
一方、コロナ対策と並行しまして、まず東日本大震災津波からの復興という点では、復興道路に象徴されるビルド・バック・ベター、震災前よりもよい地域にしていくということが施設設備の面で可能になっていますので、これを活用した交流人口の拡大でありますとか、産業振興をある程度進めることができたと思っております。
そして、岩手全体では、岩手の中に好ましい雇用の場がないということで若い人が県外に出ていくという流れがずっとあるわけですけれども、自動車、半導体関連産業の集積が著しく進んで、若い人たちの地元就職率が高まり、地元志向も強まって、そういう流れをつくることができていると思います。
そして、日本全体の少子化もあって、今、若い人たちはむしろ人手不足という状況が日本全体に広がり、岩手でもそうなのですけれども、とにかく雇用の場をつくるという段階から、働き方をよりよいものにするという、いわゆる働き方改革を進めていくような段階に入っていて、県としては市町村と、そして民間企業や団体と連携しながら、岩手県内での働き方を向上させ、そして働き方と生活のバランス、ワーク・ライフ・バランスというのをよりよいものにしていく、それが少子化対策にもなるということで、それをこれから本格化していかなければならないというところです。
今、岩手県民計画のアクションプラン、4年間の中期計画、このアクションプランの新しいものを来年度からスタートということで、今述べたような流れを踏まえて、県内の様々な主体が力を合わせて、人口減少対策というのを中心にしながら、よりよい地域をつくり、県民の幸福度を高めていくような、そういう作業を進めていく、今年から来年にかけてはそういうように取り組んでいきたいと思っています。
記者
ありがとうございます。そこで、次期知事選というところにも知事の去就の部分が非常に注目されるところですけれども、先日参院選の総括の会議の席上で、知事から来年の知事選、統一選に向けて、日本の政治を変えるために全力を尽くすといった趣旨の挨拶をしたかと思います。立憲民主党最高顧問の小沢一郎さんからも5選出馬へ期待感とも取れるような発言がありました。去就について、現時点で5選出馬の考えがあるのか、またその決断の時期というのを大体どれぐらいと想定しているのかというところを教えていただきたいと思います。
知事
「岩手を守り、日本を変える」なのか、「日本を守り、岩手を変える」なのかということが政治的なテーマとなって、去年の衆院選、今年の参院選とあったのだと思いますけれども、選挙結果で一見「日本を守り、岩手を変える」というそういう流れになったのかなと思われたところ、統一教会問題がどんどん明らかにされ、実は「日本を守る」というのは、統一教会と癒着した政権与党を続けるのかということであり、「岩手を変える」というのは、今までそういう影響がほとんどなかった岩手県を、日本、中央と同様に統一教会と癒着して政治を進める岩手県に変えるのかということだったということが、今、見えてきていると思うので、改めてそういう統一教会と癒着しない岩手の政治を守り、そして日本の政治を統一教会と癒着する政治から変えていくということが、来年の知事選、県議選で重要なテーマになるのではないかと思っております。
これは日本中そうでありまして、実は地方議員、そして地方の首長に統一教会の影響を受けているところが、かなりあるということも明らかになっていますので、岩手においては、何か自分の意思を奪われた人たちが政治の力になっていくような、そういう政治ではなくて、あくまで自由な主体性で政治に関わり政策をつくっていく、そういう草の根の政治、本来のあるべき民主主義的な政治を、全国の中では岩手にはそういうのがあるほうですので、それを岩手で守り育てていくということが、来年の知事選、県議選に向けての大きなテーマだと思うので、そういう政治を岩手において守り、それで日本も変えていくということは、私も今までずっとやってきましたので、さらに力を入れてやっていきたいということであります。
一方、私自身の進退につきましては、先ほど言ったような課題が目の前にたくさんあり、まずは現職知事として、それに向かっていくというところでありまして、いろいろな声はいただいているのですけれども、そういった声をいただきながら、今後検討していくことになるのかなというところです。
記者
ありがとうございます。去就の判断の時期というのは、今のところ何か想定しているものはございますか。
知事
内容もですけれども、またいつまでということについても、今後検討することになるかなと思います。
記者
ありがとうございます。先ほど統一教会の件が出ましたけれども、今度は国葬についてお伺いできればと思います。まず、安倍元首相の国葬なのですけれども、政府で想定する出席者の中では、海外の首脳であるとか、都道府県知事といったところも出席の想定には含まれているようですけれども、現時点で政府から出席の案内というのは来ているのでしょうか。また、知事御自身出席の考えがあるのかどうか、お聞かせいただければと思います。
知事
今御指摘のとおり、政府の説明によると、地方公共団体の代表も参列者の中に入っているということなのですけれども、具体的な案内は来ておりませんので、案内が届き次第、検討することになると思います。
記者
分かりました。それでは、今度は岸田首相から弔意の強制はしないというような発言があったのですけれども、例えば、県として半旗の掲揚をするといった弔意の示し方というのでしょうか、というのを現時点で何か考えていることがあるのか。また、教育委員会等への協力依頼というのでしょうか、あとは市町村への弔意表明の要請といったような弔意の示し方というところで、何か現時点で考えているところはありますでしょうか。
知事
政府としては、地方自治体や教育委員会等への弔意表明の協力要請を行わないということでありますので、その趣旨を吟味しながら、総合的に検討、判断していきたいと思います。
記者
私からも安倍元首相の国葬に関連して何点かお伺いしたいのですけれども、政府から国葬の概要について発表が出始めて、野党からもいろんな指摘も出ていますけれども、今回の国葬について、知事は国葬の課題というものはどういったところにあると思いますか。
知事
一方では、いわゆる国葬ということで過去様々行われた国葬、吉田茂総理もですけれども、戦前でいうと東郷平八郎さんや山本五十六さんですか、そういう国葬をやるという雰囲気を醸し出しつつ、そういった過去の国葬とは違うのだと。地方自治体や教育委員会に弔意表明の協力要請をしないというのもそうですし、国民一人ひとりに弔意を求めるものでもないということですので、そういう意味では今までやったことのない、前例のないことをやろうとしているということでもあると思うのです。そういう政府が正式に発表している内容は、過去の国葬とは違う、あくまで今回閣議決定された国葬儀なるものが行われるということなのですが、その理念、趣旨、そして内容というのは、まだ明らかになっていないところが多いのだと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。あと国葬への出席の有無については、まだ、案内が来てからといったことを先ほどおっしゃっていましたけれども、国葬が27日ということで、知事としてはいつ頃までに判断したいとか、そういったお考えはありますでしょうか。
知事
そこは開催の趣旨や内容によるのだと思うのですけれども、今のまま曖昧なままでいくとすると、なかなか判断するのが難しいまま続くかもしれません。
記者
分かりました。ありがとうございます。あと次にですけれども、教育委員会に対する各自治体の対応というところで、宮城県の場合ですと、例えば、仙台市では市長が市内の小中学校や高校に対して半旗の掲揚を要請しまして、非常に問題視する意見も出たのですけれども、そういった各自治体で対応が異なるという状況についてはどのようにお考えですか。
知事
人の死というのは、突き詰めるとかなり難しいことでありまして、「千の風になって」という歌がありますけれども、お墓参りをするなというようなことを歌っているわけです。自分はそのお墓にいるのではなくて、千の風になってどこにでもいるみたいな歌で、大きな共感を呼んではいるのですけれども、一方、お墓参りというのはやはり意義のあることだと私も思うし、多くの人はそう思っていると。よく考え始めると、死の意味というのは、結構考えても結論が出ないようなところがあるのを、それでも共同体が集団として統一的な葬祭儀礼を行ってきた歴史というのは、やはり慣習というものに支えられていると思うのです、過去の例というもの。ですから、今回前例にない全く新しいことを閣議決定しているというところがそこの問題の核心でありまして、なかなかそれぞれ対応に困っているのだと思います。
記者
先ほど知事の任期残り1年ということで、これまで4期15年務めてこられました。ちょっとその振り返りというところで、県政の課題の大きなところである県北・沿岸振興、こちらについては、この15年を振り返られて、その成果をどのように捉えられていますでしょうか。また、まだ残っている課題の認識というのをどのように捉えていますでしょうか。
知事
経済水準でありますとか経済規模、また1人当たりの経済水準など、経済的な統計は格差が著しく縮小していく15年間で、それは復興事業の成果というところが大きいですし、また、県としても東日本大震災津波以前から県北・沿岸振興ということで様々な事業を展開してきたところもあって、統計数字的には、かなり格差は縮小してきていると思います。
そして、かつては岩手県東西南北、内陸も沿岸も同じようにしていこうというイメージがあったのだと思うのですけれども、内陸、北上川流域には北上川バレー構想があり、そして沿岸には復興の成果を生かした三陸防災復興ゾーンという構想があり、そして県北には再生可能エネルギーの賦存量でありますとか、盆地ごとに歴史と伝統のある独特の産業が育っていて、それが高速道路や新幹線でつながっているというような、そういう県北の可能性は、実は内陸中南部や沿岸地方以上のポテンシャルも県北にはあるのではないかと。そこに注目して、東京大学の地域振興の先端を研究している人たちやプラチナ社会の研究している人たちもどんどん岩手県北に入ってきてくれているという状況になっています。そうですね、そういう形をつくれた15年だったと思います。
記者
ありがとうございます。一方で、やはり住民からは、どうしても内陸との格差というところを指摘する声というのはいまだにあるところだと思います。そういった状況をどのように受け止められて、これからどのように県北・沿岸振興に努めていこうというふうにお考えでしょうか。
知事
その内容は、岩手県南にあるような大工場がないとか、あとは県都盛岡が持っているような人を集める、そういう材料がないというようなことだと思うのですけれども、さっき言ったように、県北は県北独自の道を進むことで、むしろ盛岡や県南にないような、それ以上の可能性が広がっているというところはあるのですけれども、一方、企業誘致や観光や交流人口拡大で、県南、盛岡的な人を集められる、人が働けるような場をつくっていくということもありだと思っておりまして、高速道路の効果を生かした企業誘致でありますとか、観光、交流人口拡大につながるような様々なイベントや仕掛けなどについても、県北において展開していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点お伺いいたします。先ほど今後の去就についてのお話、質問ございました。知事の普段のツイッターとかを見ていたり、先日の参院選の会合とかでも、決して県政のみを意識したものというよりは、普段から日本の政治自体をイメージした発言があるというふうに感じております。そういったところで、今後の去就というところで、国政復帰ということも考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
過去、一強体制というのが10年くらい続く、その10年というのが統一教会との癒着がどんどん進む10年だったというのが、今、明らかになっているのですけれども、そういうことから離れて、そういうふうにならなかった岩手の政治というのは、それは岩手の持つ取り柄の一つだと思っていますし、また政府、山際(やまぎわ)大臣の八戸での発言が典型的なのですけれども、政府は野党の人の声は聞かないと、だから選挙では与党、自民党の人を当選させなければ駄目だというような、そういう圧力がずっと存在していたわけですけれども、それを跳ね返して、そもそも政府が野党の人の声を聞かないというのはデマだし、選挙での政治的な自由と行政の公正さというのは、それは両立させるのが民主主義なのだという、そういう政治と行政の在り方を、岩手県でずっとやってこれたというのも、これは岩手の取り柄だと思っています。
私としては、知事としてそういうところに関われたことを誇りに思っておりますし、また、今は知事としてそういう岩手が守ってきた政治を、さらに守っていかなければと思っていることと、プラス(加えて)、新型コロナウイルス対策から次期アクションプランの策定というような、今やらなければならないことに集中してやっていきたいという、そういう思いで今やっているところです。
記者
分かりました。ということは、あくまで今現在では、知事という職務に専念しているというところで考えているということですね。
知事
全くそのとおりです。
記者
今朝というか、未明ですが、イギリスのエリザベス女王がお亡くなりになられました。まず、その件の受け止めをいただいてよろしいでしょうか。
知事
戦後の国際社会を代表するような存在であられたと思います。日本の皇室とも縁が深く、交流を続けられていたイギリスの王室で、長年にわたって女王を務められていたこと、偉大な存在だと思いますので、崩御されたということは衝撃的に受け止めています。イギリスの宗教と政治、王室の在り方の中で、亡くなられてからも象徴的な役割を果たしていかれるのだとは思うのですけれども、生の声が聞けなくなるということは、本当に残念で、悲しいことだなと思っております。
去年、イギリスのグラスゴーでCOP26(コップ26:国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)があったときに、挨拶をされていまして、それは非常に感動的な挨拶でした。気候変動対策の会議に世界から代表が集まって、困難な課題に取り組むとき、必ず解決策が出ると信じますという、国際社会全体に対して希望を広げてくださるような演説をされていて、その思いを私も個人的にしっかり受け止めて、仕事に生かしていきたいなと思います。
記者
ありがとうございます。もしあればなのですが、知事御自身であったり、岩手県と何かエリザベス女王で御関係があったりとか何かあれば。
知事
訪日されてはいるのですけれども、岩手との関係というのは、ぱっと思い出せるものはないのですが、ただ岩手県、イギリスとの関係は様々ありまして、イギリスとの交流を進めたり、ビジネスを進めたりするときに、常にエリザベス女王は象徴的な存在として、その向こうに存在感を感じられていたのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。ちょっと別の話題になります。東京オリンピックに関してです。復興五輪としていろんな情報が発信できたとこれまでも評価されていた中ですが、ここに来て、それこそ汚職であったり、贈収賄であったりという、様々な黒い話題、暗い話題が出てきました。その県の受け止め、もし何かあればお聞かせください。
知事
昔からスポーツマンシップと呼ばれていた、公明正大、うそをついたり、隠し事をしたりせず、自分の全てを出して競い合って、人間としてお互いを高め合っていくという、そういうオリンピックの趣旨に完全に逆行するようなことがあったという報道が最近続いているのは、非常に残念です。そういうオリンピックの趣旨が人間一人ひとりを大事にしていくという、言わば人間讃歌という趣旨が復興というテーマにも共通していることなので、復興五輪ということはできるし、やらなければならないということで、岩手県民の皆さんも(聖火)リレーに参加したり、様々な行事をつくっていったり、ボランティアになったり、そこには県民一人ひとりの真心があり、特に沿岸で直接被害を受けたような方々の真心というのが復興五輪に込められてきたわけでありまして、それを裏切るようなことが大々的に行われていたということは非常に心外で、遺憾であります。
記者
私も来年の知事任期の部分に絡みまして、今年、知事から県庁舎の建て替え検討についての発言があってからは、いろいろ当局のほうからもスケジュール感等を示されておりますけれども、その中で、以前はどのような県庁舎がいいのかという方向性について、任期中にやれればという発言もあったと思うのですけれども、先日の県議会総務委員会で示された検討スケジュールの中では、耐震診断が終わるのが早くても来年の春で、そこから建て替えにするのか、改修をするのかという、方向性の検討自体が1年以上かかるということが示されました。
以前、知事も次の世代が困らないようにという趣旨の発言もあったと思うのですけれども、ちょっとそういうふうな形で次期任期に検討の一番大事なポイントが絡んでくるような状況になったと思うのですけれども、そこについて知事の現状の認識をお伺いできますでしょうか。
知事
科学的、技術的な根拠に基づかないと決められないことでありますので、そこで耐震調査ということが必要になるわけで、まずはそこに着手したと、任期内に着手したということで、まず一つこの仕事ができたなとは思っています。もちろん様々早め早めにできればいいにこしたことはないのですけれども、まさに科学的、技術的な必然性で、一定の時間がかかるという調査でありますので、拙速にならないよう、きちんとした結果が出るように調査はしなければなりませんので、まずはその調査をしてからということだと思っています。
記者
あとは、今任期に限らずですけれども、ILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)の誘致というのが達増県政にとっては非常に大きなテーマの一つだと思うのですけれども、先日の文科省の概算要求では関連予算が2倍つけられていたというところもありますけれども、これに対しては、その額に実効性があるのかといった疑問の声も一方ではあると思います。そういった中で、知事は現状のILCの誘致に関しての、どういう状況にあるというふうに分析されているのか。残り1年どのような活動をしていかなければならないかということを改めてお伺いできますでしょうか。
知事
工藤巌知事の頃から取り組んできたILCでありますので、息長く取り組んできているのですけれども、まだ概算要求段階でありますけれども、その中で関連予算が倍に増えて、このくらいの額の関連予算が今要求されているというのは過去なかったことでありまして、それは政府内部にもILCについての理解が広がっているということで、その背景には日本商工会議所連合会など経済3団体にもこの理解が広まっていて、また岩手県民をはじめ、国民的にも知られるようになってきているということが背景にあるのだと思います。
やはり国民的な決断で造ると決められるべきことだと思いますので、そのようにより知られるようになり、理解も深まっているということは前進し続けているなと感じるところでありまして、今回の概算要求はそれを象徴していると思います。
記者
一方で、先ほど山際大臣発言や参院選の中の話もありましたけれども、ILCに関しても対自民党側からすれば、与党でなければというような話というのも参院選の議論等の中でも、そういった趣旨の発言であるとかもあったと思いますけれども、そういった部分の主張に対しては、知事はどのように反論されるといいますか、どういう御意見を持たれていますでしょうか。
知事
政府は、行政を公正にやらなければならないので、ある地方の選挙で選ばれた人が与党ではないからといって、そこを差別してはいけません。それは、結局その選挙区の有権者に対して、そこの有権者が野党の人を選ぶようであれば、その有権者たちには日本国民として、当然受ける公平な行政を及ぼさないと政府が言っているようなもので、それもあってはならないことであります。だから、実際には日本政府はそういうようにはしないわけで、野党だから何々できないというのは基本的に全てデマと言ってよく、そういうデマで、選挙のときにデマを使って人の投票行動をねじ曲げようというのは、民主主義においては極悪非道なことなのですけれども、そういうことをしないようにしてほしいと思います。
記者
それではあと1点、話は変わるのですけれども、静岡県の認定こども園バス(置き去り)の事故を受けた県の対応について、先日通知は発出されていましたけれども、今後、例えば、実態調査であったりとか、緊急点検だったり、何か実施される方向で今検討しているものがあるかどうかというのを教えていただけますでしょうか。
知事
岩手では、そういうことは起きていないし、起きそうになったということも聞いていないので、まずは注意喚起というところでありますが、その子どもさんが亡くなって見つかったときの様子が、昨日どんどん詳しく報道されて、本当に暑い中で最後の最後まで外に出ようとして出られなかった、暑さを避けるための文字どおり死に物狂いの努力をしていたという報道がされていて、本当にあってはならないことだと思うので、やはり改めて県内の関係者の皆さんには通知の趣旨を踏まえて、絶対そういうことが起きないように努めてほしいと思います。
記者
2点お願いします。昨日、盛岡市で、パートナーシップ制度の導入について、遅くとも来年の5月までということで公表ありましたけれども、こちらのパートナーシップ制度についての県としての考え方、導入の有無の検討などについて、現時点での知事のお考えを聞かせていただければと思います。
知事
あの制度が目指す方向性については、いわて県民計画の中でも指し示していると考えておりまして、LGBT(エルジービーティー)の方々が制度的に合理的な根拠なく不利になったり、困ったりしないようにしていきたいということは、県としてもそういう方向性ですし、私個人もそういう考え方であります。
具体的に条例とか、その取り組み方については、盛岡市の場合は市議会や、また市民的な議論もいろいろ重ねて、今回そういう条例制定の方向性が出てきたということだと思います。(このことについては、)婚姻制度とか、家族として受けられるサービス、家族だからできる権限とか、市町村の事務、事業の場で出てくることが多いことなので、全国的にも国際的にも基礎自治体からそういうパートナーシップ制度というのがどんどん広まっていると思うのですけれども、やはり県民的な議論、県議会内の議論も含めて、そういったことを踏まえながら、県として具体的にどうするかということが決まっていくといい、そういうテーマなのだと思います。
記者
現時点では、お考えとしてはまだ導入するしないというお考えはまだされないということで。
知事
そうですね、何か鶴の一声的に「えいっ」とやるのではなくて、結局制度だけでやるというよりは、住民、当事者に加え周りの人たちも、広く議論しながら、趣旨、方向性がよく分かった上でお互い配慮するとか、助け合うとかということだと思うので、そういう議論の広がりの中で決めていくことができればと思います。
記者
ありがとうございます。2点目について、(新型コロナウイルス感染症陽性者の自宅)療養期間の短縮について7日から始まりまして、昨日なんかも2,500人の自宅療養の人数減っておりますけれども、短縮についての受け止めというところを、知事のお考えをお聞かせいただければなと思います。
知事
日本のコロナ対策は、現場力といいますか、一人ひとりの基本的感染対策の徹底ということと、そして場面、場面での感染対策の徹底ということで、それを中心にしながら進められてきたところがあります。経験を積んで、さらなる感染対策の自己徹底ということができるようになってきているからということだと思うのですけれども、一段高い、そういう対策を個人に求めていくという方向性なのだと思います。
(自宅療養)期間が短くなったとしても、今までとの差の日数については何もないように振る舞うのは駄目で、やはりより慎重な行動に気をつける、リスクを踏まえた行動が求められます。そういったことは、岩手県民の皆さんの今まで感染対策ぶりを見ていますと、岩手県民であればできるとは思うのですけれども、改めて県としても注意喚起をして、この短くなる分、完全にフリーになるわけではなくて、短くなっても、そこで感染させるリスクというのはまだあるので、人にうつさない対策ということについては慎重に行動していただきたいと思います。
記者
私からも大きく2点伺いたいのですけれども、先ほど国葬の質問の中で、判断の時期に関して、開催の趣旨や内容が曖昧なままでいくと判断するのが難しいというお言葉があったのですけれども、どこが曖昧で、どういった判断材料が提供されれば知事として判断したいと思っていらっしゃるのか、教えてください。
知事
全く新しいこと、今までやったことのない、前例にないことをしようとしているのだと思っていますので、そういう意味では何が出てくるか分からないというところがあります。
あとは、直接的にはやはり案内が来て、何日までに御返事くださいとかあれば、何日までというのがまた一つの判断材料になるのでしょうけれども、行政のそういうある種行政手続の問題というのが一方にあり、もう一方にはこの趣旨をどう理解していくのかというところがあるのかなと思っています。
記者
開催の趣旨を政府においてもっと説明すべきというふうに理解してもよろしいのですか。
知事
そこは、昨日も岸田総理自身が今後も説明に努めていくとおっしゃっていたので、されるのだと思っています。
記者
任期の質問のところで、進退などに関して、いろんな声はいただいていて、いろんな声を受けた上で検討するというお話があったと思うのですが、いろんな声は、例えばどういった御意見が知事の元には届いているのでしょうか。
知事
そこは、その人との関係とか、あとはいろいろあるので、ちょっとそこは秘密にさせていただきたいと思います。
記者
弊社で今回任期(残り)1年に合わせて、首長の皆さんにアンケートを取らせていただいたのですけれども、その中で知事の県政運営に関して、県政運営全般に関して評価される首長さんが60%だったのですけれども、この数字に関してどのように、所感があれば教えてください。
知事
東日本大震災津波からの復興も、あとは新型コロナウイルス対策も、前例がないような中で、非常に厳しい危機管理、そして対策を続けてきた中で、また課題もたくさん残っている中で、そういう評価をいただいたのはありがたいと思っています。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は9月20日(火曜日)の予定です。
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