令和5年3月23日知事会見記録

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開催日時

令和5年3月23日10時30分から11時28分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 まずお伺いしたいのが、県議会の関係です。本日(3月23日)で県議会の2月定例会が最終日となります。代表質問での知事の5選出馬表明ですとか、あとは知事の4期20年を振り返るような質問もあったかと思います。一方で、当初予算案をめぐっては予算の組替え動議というものを出されて、非常に異例の展開となった県議会であったなというふうに私は思っています。知事のこの2月定例会を振り返っての所感を伺えればと思います。

知事
 今回の県議会に提出した来年度(令和5年度当初)予算案は、岩手県政史を振り返っても最高の予算案と言っていいのではないかと思えるような予算案を出しました。去年(令和4年)の有識者の皆さんによる持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会の報告書を踏まえたものでもありますし、また同時期に(「いわて県民計画(2019~2028)」)第2期アクションプラン、次の4年間の県の中期計画の策定と一緒に予算(案)をつくる作業をしましたので、政策的にもしっかり裏打ちされた予算(案)になっています。
 また、コロナ禍、物価上昇問題、そして人口減少問題や、あとは第1次産業を取り巻く地方特有の問題など、それぞれ関係する団体や企業、また有識者の皆さんと様々話し合い、調整しながら、言わば県民みんなでつくった予算(案)というようにもなっていますので、ぜひ可決していただきたいと思っております。
 それから、予算案への反対する大きな理由として、去年の岩手県の出生数の減少の割合が日本で一番大きいマイナス10.5%だったというものがあります。去年は、国もマイナス5.1%という大きな減り方をしていましたが、その倍くらいということで、確かに大きな減り方でありました。ただ、おととしは国がマイナス3.4%で岩手県は4.6%、岩手県以上の減り方をした県はほかにも幾つかあります。そして、令和2年には国がマイナス2.9%に対して岩手はマイナス2.7%ということで、国より減り方が少なかったというところがあります。この出生数というのは、個人の様々な事情によって決まってきますので、年によって増えたり減ったりという変動がかなりありますので、そういう変動の中で去年多くなったというようにも見ることができるかもしれません。また、去年はコロナ禍の3年目ということで、日本全体としてもその前の2年よりも大きな減り方をしていますので、日本全体がコロナで、妊娠、出産ということに慎重になる人が多い中、岩手は特に慎重になる人が多かったのかもしれません。
 いずれそこは、県民を取り巻く状況を分析し、また県民に寄り添いながら、生きにくさを生きやすさに変えるというアプローチでやっていくやり方が望ましいと思っておりますので、一概に去年の出生数が大きく減ったことをもって予算(案)全体に問題があるとは言えないのではないかと考えております。

記者
 ありがとうございます。あともう一点なのですけれども、新型コロナウイルスの関係なのですけれども、マスクの着用というところも大きな転換点となるのですけれども、また今度は5月にはコロナの5類移行というのが控えています。様々対処方針の見直し等を考えていく時期に入っていくのかなと思われるのですが、現在の検討状況といいますか、準備状況のほうを教えていただければと思います。

知事
 国からも様々(通知などが)きていますので、明日(3月24日)県の新型コロナウイルス感染症対策本部本部員会議を開催し、そこで県としての対応を公表したいと思います。それに間に合うように、今調整しているところです。

記者
 分かりました。その中で、現時点でおっしゃられるかどうか分かりませんけれども、国の対応とまた別に県独自の対応というのでしょうか、そういったものもこの対応には盛り込まれてくるのでしょうか。国との大きく違うような対応の違いというところですね。

知事
 国でも、いろいろいきなりやめてしまうわけではなく、当面継続していくようなことを言ってきていまして、それは全国知事会から提案したものを踏まえてそういうようにしているところもあって、岩手県としてああしてほしい、こうしてほしいというもののかなりは、国としてやるというようになっておりますので、国の方針からそれほど大きく違うものにはならないというように心の準備をしておいてもらっていいと思います。

記者
 今のコロナの関係で引き続きお尋ねします。明日ということですが、知事としては5類移行に向けた準備としての話合いでどういうところが肝になるというのが、もしよければ少し教えていただければと思います。

知事
 医療について公費負担が維持されるべきというところ、特に入院の医療費ですとか、抗ウイルス薬などの特別な薬、それからワクチン接種についても公費負担が必要と考えていたところ、国としてもそれぞれそうするということでしたので、基本的にそういう方向に沿って県も対応していくことになります。
 また相談センターは、やはり最初の段階での様々な相談を受ける体制というのは維持する必要があるのではないかと考えていますし、また、高齢者対策は、高齢者について入院というようになれば、先ほど申し上げたように、(一部個人負担が生じることになりますが、)公費負担での入院というようになってくるのですけれども、クラスター発生時に高齢者施設で様々対応をしなければならないことになるとか、あとは今、高齢者向けの宿泊療養施設を特別に確保して、こちらは介護が必要という点で普通の陽性者と違う扱いが必要な高齢者向けの宿泊療養施設の確保といったこと、そういったことについては当面継続する必要があるのではないかという方向性で、今検討しているところです。

記者
 ありがとうございます。あと、既に個人の判断になったマスク着用なのですが、まちを歩いていたりしても外している人もいらっしゃいますが、まだまだ外していない状況なのですが、知事は卒業式とかでもマスクを外してというのが、3年ぶり、4年ぶりですか、卒業式等が行われている中で、そのマスク着用の個人判断に移行したことについて、県内の情勢等を知事はどう御覧になっていますか。

知事
 卒業式は、私が記者会見で言っていたように、しゃべらないときは外していてもいいけれども、歌を歌ったり、呼びかけをするときには着けるといったような方向で大体、これは全国的にそういうように行われたようであります。
 一方、国から教育委員会に来た通知で、それを県の教育委員会も県立高校と市町村教育委員会に既に通知していますが、前後1メートル、左右50センチの距離を取れば、合唱をするときでも、しゃべるときでもマスクなしでいいというものが今学校現場には伝わっているところで、だんだん一般の皆さんもそういったことを参考にしながらマスクの着脱を判断していくようになるのではないかと思います。

記者
 そうすると、スムーズにというか、徐々に混乱なく移行していくというような、当初知事もおっしゃっていたような推移をたどるとお考えでしょうか。

知事
 基本的には、まず感染対策(として)、今、目の前にいる人が感染しているかもしれないとか、あとはべらべら近くで話せば、飛沫や何やらでうつし、うつされる可能性がある、そういうことをお互い回避しましょうということを3年以上やってきて、その延長として、マスクを着けたほうがいいなというところでは着けるし、外してやろうというところでは外すということが個人の判断でできるように、今はなっているのではないかと思われます。

記者
 ありがとうございます。もう一点だけお尋ねします。私も県議会の予算特別委員会の審査の件でもう一点お願いします。先ほども質疑があって、やり取りありましたが、予算委員会での採決では、賛成23、反対20ということで、かなり拮抗していたのかなと思うのです。そういう中で、特に知事が施政方針でもおっしゃっているように人口減少対策が最優先と言っている中で、予算規模の227億円はそんなに多くないのではないかというような動議での指摘がありました。それを踏まえて、先ほど知事が最高の予算編成と言ったようなところがきちんと予算委員会の中で議論されたかどうかというのを知事はどう受け止めているか教えてください。

知事
 そういう関係の質問に対して、執行部側はきちんと答弁していたと思います。あとは、そういった予算に基づいて事務を執行して、人口減少対策をするに当たって、女性の働き方改革に関しては、それぞれの企業やそういった企業が参加している経済団体、そうしたところとのやり取りを踏まえて決めた予算(案)でもあり、改めてそういった団体とか、企業とかの話も聞いてもらえば、県のそういう事業を活用しながら、あるいはうちの企業はもう既にそういうことはやっているので、まだやっていないところに頑張ってほしいとか、そういった様々な現場の実態、そういったところを見て、ただそういう現場の実態を踏まえた具体的な修正案といいますか、ここはこうしたほうがいいという意見については、質疑と答弁の中では、何か今残っているという状態ではないのかなというように思います。

記者
 今回の動議に対して、反対した人の中でも動議を出した提案者に関してはある程度、一部その中身的にはいいものだという評価している人もいたようなのです、取材をしていると。例えば、当初予算でなくても、そういった動議が出た5つの項目が提案されたわけですが、必要であれば、情勢を見ながら補正予算で編成するとかというようなこともなくはないのでしょうか。いかがでしょうか。

知事
 基本的に県政全般、様々な分野において追加的な施策というのは現場の状況を踏まえながら、適宜、必要であればそれはやっていくことであります。

記者
 昨日(3月22日)コメント出していただいておりますけれども、侍ジャパンについてお尋ねいたします。県ゆかりの選手が活躍して幕を閉じました。一夜明けまして、改めて知事から所感をお願いいたします。

知事
 大変すばらしい優勝だったと思います。その中で大谷さん、佐々木朗希さん、山川穂高さんという3人の岩手関係の選手もそれぞれ活躍し、あのときあれがなかったら、もう1点取られていればとか、あの1点がなかったらとか、大谷選手はもう最初から最後まで大谷さんがいなければという、それぞれ大活躍で、岩手関連選手がみんな優勝に貢献したことを大変うれしく思います。
 中でも大谷さんはMVPまで取って、大変すごかったと思います。決勝戦の9回表、ピッチャーとして登板するということは、もう日本の皆さんが期待していたことで、アメリカの人たちもやはりショーヘイ・オオタニに決めてもらうというのを期待していたと思いますし、また世界全体も、チェコのような国も含めて、最後は大谷さんでということを期待していた、その期待に正面から応える栗山監督の采配というのは、物すごいなと思いましたし、また、それにきちんと応えて一点も取られないどころか、三者凡退、最後はトラウト選手相手に三振で決めるという、そういう最高のフィナーレを飾った大谷さんは本当にすごいと思います。
 そういう大谷さんが生まれ育った岩手県としては、これはニューヨーク・タイムズが盛岡市を(「2023年に行くべき52ヶ所」で)2番目に選んだことに勝るとも劣らぬインパクトを受けたなと思います。象徴的なやり取りが、試合後、アメリカ野球界のレジェンドの人が大谷さんにインタビューをし、冒頭「あなたはどこの惑星から来たのですか」というように質問し、それに大谷さんが「日本の田舎のほうからです」というように答えたというのですけれども、やはり大谷翔平さんがどのように生まれ育ってきたかというのはみんな知りたいことだと思いますし、本当は岩手に生まれ育ったのだ、そして岩手というのはどういうところだというのを、やっぱりあらかじめ知っていていただいて、インタビューする人も「岩手の選手はやっぱりすごいですね」と冒頭言うところから始めるような世の中にしていかなければならないと改めて思いました。
 ニューヨーク・タイムズの件でも、「盛岡、それ青森県にあるの」とか、「盛岡、行ったことない。どんなところなの」という声がいまだにあるわけでありまして、盛岡、そして岩手を知ってもらうような発信を、更に力を入れなければならないと思っていたのですけれども、今回のWBC(ダブリュービーシー)のこの結果で、さらに岩手というのを県外に、それは全国、海外にということですけれども、発信していかなければならないなと思いました。
 これは、岩手のためだけではなく、日本の地方を代表してということでもあります。日本の地方は、人口減少で、あとはもう消滅するだけ、もう終わった存在のようなイメージがあるわけですけれども、決してそうではない、ニューヨーク・タイムズで言うところの、世界から来た人がかけがえのない体験をできる場であるし、また大谷翔平さんのような人が生まれ育つ場でもあるという、そういう日本の地方の良さというのを改めて発信しなければならないという使命感も感じたところでありまして、そういう意味で大谷さんの活躍は岩手のあり方とか、日本の地方のあり方を変えるくらいのインパクトもあるものだと思っています。

記者
 WBCなのですけれども、日本で試合があり、アメリカで試合がありました。知事にとって、県ゆかりの選手、大谷選手、佐々木朗希選手もいます、印象的な場面ですとか、シーンがありましたら教えていただけますでしょうか。

知事
 佐々木朗希選手については、チェコ戦で先発し、そしてまず自分の分を投げ切ったところが大変すごかったと思います。そして、デッドボールを与えた選手との交流というのが思い出すのは、ラグビーワールドカップ(2019TM岩手・)釜石開催のときのカナダ、ナミビアの選手たちの台風で中止になった試合の後の交流ということで、やはり世界大会というのにはああいう交流というのがあるのだなと思いましたし、試合そのものプラス、ああいう交流がまた記憶に残って、岩手のためにも非常にいい話だと思いますし、野球とか、いろんな関係者のためにもいい話だったと思います。

記者
 私もWBCについてお伺いします。試合終了後に、県の広聴広報課が更新したツイッターが過去最多プレビュー数を更新したという話もありますし、例えば、今度の4月1日に新しいボールパークもオープンします。野球に関する注目が集まっている状況ではありますが、今後、例えば、県として野球を通じた観光振興であるとか、誘致であるとか、何かそういったことを行う考えはございますでしょうか。

知事
 そうですね。そばっちが野球のユニフォームを着て、ペッパーミルを持っている絵で、「侍JAPAN(ジャパン)おめでとう」(正しくは、「ありがとう侍JAPAN!!」)と書いたものが、すごくたくさん見られているなと思っていたのですけれども、歴代最高(正しくは、「令和2年度以降最高」)になりましたか。私もそれなりのコメントをツイートしたのですけれども、それをはるかに上回る勢いで拡散しているので、やられたなと思っていたのですけれども、よかったと思います。ちょうど、あたかも4月1日には、きたぎんボールパーク、いわて盛岡ボールパークがオープンしますし、野球を通じた岩手の地域振興というのは大いに力を入れていく分野だと思います。

記者
 私からもWBCの話題についてなのですけれども、今回、岩手ゆかりの選手が活躍しまして、例えば、佐々木朗希投手で言えば、11日の東日本大震災発生の日に追悼登板という形で、地元ではパブリックビューイングがあったりとか、決勝戦も含めて岩手の各地でそういった震災への思いの重なりとか、あとはWBCの盛り上がりというところで非常に大きな効果があったと思いますけれども、そのような県民の盛り上がりという面では、知事はどのようにお考えでしたでしょうか。

知事
 そうですね、栗山監督の采配のすごさというところもあるし、それに応えた佐々木朗希選手のすごさということでもあると思います。私も含め岩手県民の、特に被災に関係している人たちの心に届いたと思います。感動することができましたし、また前に進む力をもらったなと思います。震災で犠牲者を出し、被害を受けた、そういう日に世界の大舞台でみんなの期待に応える力投ができる、そして、あの日、ちゃんと試合にチームが勝てるような、そういう負けるくらいの点は取られなかったという、そういう力投をしてくれたわけでありまして、非常によかったと思います。

記者
 分かりました。あと、昨日あった決勝戦というのは、知事はどこで御覧になって、観戦していたでしょうか。

知事
 東京出張で、岩手関係の民間関係、企業とかに回って歩いていたので、テレビで見ることはできず、インターネットでツイッターや、あとは検索サイトの野球ニュースページなどを見ながら情報入手していました。あとは、家に帰ってから、夜の再放送とかニュースとかで、映像は夜遅くになってから見ることができ、それまでは言葉だけで状況を把握していました。

記者
 今回のWBCを通じて、大谷選手が言っていたペッパーミルパフォーマンスがすごく話題を呼んだと思うのですけれども、ああいうしぐさ、知事は場面で披露するようなことというのは何かありますか。

知事
 やれと言われれば今やってもいいくらいでありますけれども、これはとても簡単にできることで、私もアメリカ生活していたときとか、日本でもこういうものを置いているレストランはありますので、簡単にできることなので、いろんなときに使っていくといいのではないかと思います。

記者
 分かりました。ありがとうございます。
 最後に、またちょっと別な話題なのですけれども、今度、NHKの連続テレビ小説で「あまちゃん」の再放送が始まるということで、非常に岩手県民の関心も高くて、楽しみにしている人も多いと思うのですけれども、こちら知事は御覧になる予定はありますでしょうか。

知事
 そうですね。普段の出勤の準備の時間帯からはテレビを見ているような時間ではないのですけれども、各エピソードを過去何度もそれぞれ何回かずつ見ているということもありますが、4K(デジタル)リマスターバージョンで画質がよくなっているというところを、全部最初から最後までということではなく、そういう画質がよくなったところをどこかで確認したいなという気持ちはありますけれども、始まればツイッターや周りの人たちが、今週はこういう週だねとか、今日のエピソードはああだったねというのには、ぱっと反応はできると思うので、そういう意味では、再放送に並走するような半年間になると思います。このニューヨーク・タイムズの件があって、そして大谷さんはじめ、岩手関係者のWBCでの活躍、優勝があって、そこに「あまちゃん」の再放送は始まる、「銀河鉄道の父」の映画が公開されるということで、「あまちゃん」というドラマも、震災とそれ以降の岩手にとって、非常に本質的なドラマであり、ムーブメントでありましたし、あと宮沢賢治という存在は、やっぱり岩手の本質に関わる存在でもありますので、(岩手県政)150周年期間でもありますし、そういう岩手の本質というのを全国や海外の皆さんとも共有しながら、どんどん県外に知られる岩手として打って出ていきたいと思います。

記者
 話題戻って恐縮なのですが、WBCについてです。また前の質問者とちょっとかぶってしまうところもあるかと思うのですが、改めて県内の盛り上がりについてです。WBCの試合が放送されると視聴率も40%、50%を
超えるなど、全国で盛り上がりを見せる中、特に岩手県ではそれより高い50(%)以上、60(%)以上というところの視聴率がありました。改めて知事は、この県内での盛り上がり、あとは優勝や勝利したことによる勇気を与えたことについてどう受け止めていらっしゃるのか、お伺いできればと思います。

知事
 大谷効果があり、佐々木朗希効果もあり、そして山川穂高選手もすごい選手ですからね、その効果もあり、かつ、やっぱり岩手県民全体として野球好きというところもあるのだと思います。そういったことが合わさって、また、大谷さんが先頭に立って、今まで起きたことがないようなことが、今起きつつあるということも岩手県民の皆さんは敏感に感じて、その場を見届けよう、一緒に体験しようという、そういう勢いもあったのではないかと思います。
 岩手の意外な進取の気性とか、岩手の意外な思い切って世の中を変えようという、そういう行動に出る過去のいろんな歴史や例があるのですけれども、そういうことが今回のWBCでも起きたのではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。まさしく県ゆかりの選手たちが非常に大きな活躍をして、県民も非常に勇気だったりをもらったと思います。改めて知事としての考えについて、こういった県ゆかりの選手たちの活躍なり、県民に勇気を与えたことに対して、例えば、県民栄誉賞であったりとか、そういった何か表彰をされたいお考えなど、もしくは予定などあるのでしょうか。

知事
 前例がないようなことを成し遂げてくれたなということを今感じているのですけれども、今質問にあったような、県として何らかの賞を、特に県民栄誉賞をということは、それは論点としてあると思います。
 これは、県の人事の手続と同じくらい厳格な手続を経て決められるものなので、まずは担当での吟味から始まっていくわけでありますが、一方、三人三様に、もう仕事に戻りつつあるというところがあって、実際に賞を差し上げるみたいな段取りになっていくと、いつどういうタイミングでみたいなやり取りとかが必要になってくるのですけれども、そういうやり取りもそう簡単ではないような今の状況ですので、すぐに決めなければならないわけではなく、また、すぐには決められないかなという感じで今はいます。

記者
 シーズンが始まって、手続等、選手の事情とかもあると思うのですが、現時点で知事としての思いとしては、何か表彰したい思いなど、いかがでしょうか。

知事
 特に大谷翔平さんが今まで誰もやったことがないようなことをやってのけてくれたということをしっかり受け止めて、知事はじめ岩手県民としては、まず自分たちがそれぞれ大谷さんに続けという感じで、それぞれの今やっている仕事や勉強、また日々の生活とか、大谷さんのようにはなれないかもしれませんが、何らかの形で向上させていくというようなことに岩手県民がみんなで取り組んでいく。もちろん個人の判断で自由にやるべきことではあるのですけれども、そういう岩手の人たち一人ひとりが向上心を持って、大谷さんに続けみたいな感じになることが大谷さんに対する最大の差し上げられるものかなということを、今は感じています。
 ちょうど、いわてスーパーキッズの修了式、開始式の直後だったこともあって、ああいう次に向かって挑戦する人たちがいる、そして、そういう子どもたちがこれからも頑張るということ自体も大谷さんに対する我々が差し上げられるものの一つだななんていうことを思ったりしています。

記者
 私からちょっと話題変わって、ちょっと堅くなってしまうのですけれども、3項目ほど伺いたいと思っています。1点目なのですけれども、知事選の日程が決まりました。知事の政党支援体制の検討状況というのはいかがでしょうか。

知事
 最近は、県議会対応のほうばかりやっていたところでありますけれども、政党の側も、まずは春の統一地方選ということのようでありますし、国会でも様々、今国会(では)いろんな重要なテーマがあり、また、今まで例がなかったようなことが起きるような国会でもあったりして、ちょっと政党側も9月のことについては、まだ今は忙しいのかなという感じで受け止めていますが、それぞれの政党(は)、日常の活動はされているので、そうしたところはお招きいただいたところに出席したり、街頭演説を一緒にという話があれば一緒にやったりとかというのは、今のうちにもやっていく予定です。

記者
 あと、知事選関係でもう一点なのですけれども、公約等の検討状況のほうもいかがでしょうか。

知事
 原敬首相が最初に盛岡選挙区に立候補したときのことを振り返りますと、当時大正デモクラシーの頃、公約という言葉は使っていなくて、「政見」という言葉を使っていて、それで自分は今世界がこうなっていると思う、日本はこうすべきだと思う、そしてこういう政策を進めていきたいというようなことを語るのが基本だったみたいですよね。
 マニフェストという契約という形の公約のスタイルが、イギリスではやり、日本に取り入れられて、短期的な目の前で数字を出していく、そういうのが公約みたいなイメージが出てきているのですけれども、達増拓也として県民の皆さんに岩手が何をすべきで、岩手がすべきことの結果として、来年度重要な指標はどこまで持っていくかとか、4年後どこまで行くかというのは、今、第2期アクションプランや、それに関係する指標の形でお示ししているところであります。
 そしてまた、「政見」に当たるようなことは普段からしゃべっておりますので、こういったことをまとめて発表する機会というのは、選挙本番にあれば政見放送とか、あとは新聞にセットになる各候補者の表明みたいな、そういった形のものはきちっとつくっていこうとは思っています。

記者
 続いてなのですけれども、先ほど最初、国会のお話もされていました。今、総務省の文書などをめぐって国会が紛糾していますが、知事はこの問題についてどのように御覧になっていますか。

知事
 文書の技術的な問題ということは本質ではなくて、本質はあの文書で語られている、政府が、総理大臣が先頭に立ってマスコミに圧力をかけて、政府に不利な報道を減らし、野党に不利な報道を増やすということですか、民主主義国では決してやってはいけないし、大概欧米の国ではやっていないようなことが、いわゆる安倍一強10年間において、非常に力を入れて行われていたのではないかということが本質ですので、そこが明らかにされるべきなのだと思います。
 そのことは、統一教会と連携していた、一緒にやっていたということとセットになっていて、なぜ統一教会とあれだけ組織の枢要な役に就いている、党の枢要な役に就いている人たちや政府の枢要な役に就いているそういう議員はじめ、大勢の議員が統一教会と連携関係にあることができたのかというのは、全然マスコミが追及しなかったからという10年間でもあったわけで、そこはセットで追及されるべきことなのだと思います。いわゆる安倍一強10年というのが、日本の民主主義政治のあり方としてどうだったのかという反省になると思いますし、その根っこが、戦前戦中に活躍した政治家たちがそういう道を戦後つくってきたということも見えてきていると思いますので、私は原敬さんの、大正デモクラシーの頃まで遡って、日本の政治をやり直したほうがいいのではないかと思っているのですけれども、そのくらいのところにまでたどり着くような国会の議論を期待します。

記者
 最後に、袴田さんの件に関してお伺いしたいです。ツイッターで陸山会事件との関わりについて語るような動画を知事が引用ツイートされていたと思います。両事件の共通点なども含めて、知事がツイッターで投稿した理由といいますか、真意をちょっと伺いたいです。

知事
 統一教会との連携という柱、そしてマスコミへの圧力という2本目の柱、3本目の柱として検察が権力側を守り、そして権力の反対にあるような野党側とか、あるいは一般の普通の人とか、そういったところにはあからさまな捏造をしてでも、そっちを潰していくみたいなことというのは、それは統一教会的な手法でもあるし、統一教会プラス勝共連合的な、敵をつくってたたいてという手法だし、それを可能にするのはマスコミへの圧力という条件があってこそなので、その3本柱をセットで、やはり国会で追及してほしいと思います。

記者
 スポーツ関連に話が戻って恐縮なのですけれども、岩手県人のアスリートが多方で活躍している中で、野球界と岩手県という観点で質問させていただきたいのですけれども、昨日までのWBCでも、おっしゃったような3選手はじめ、それ以外でも菊池雄星投手などが活躍していると思います。野球界において、なぜ岩手県人の活躍がこうも目覚ましいのかというのは、何か知事として分析なさったことはありますでしょうか。

知事
 今まで食べ物がいいとか、あとはストレスの少ない普段の生活環境とか言ってきて、あと菊池雄星君の頃に、既に岩手県はリトルリーグ、シニアリーグで全国有数の強さになっていて、そして県内で菊池雄星君と戦っていた他のチームの生徒たちが雄星と一緒に甲子園に行こうといって花巻東(高等学校)に結集し、佐々木監督の指導の下、春の甲子園で準優勝までいったという、そのレガシーが岩手全体に残っているというところもあるのだと思います。
 あと、いわてスーパーキッズのおととい(3月21日)の開始式で話したのですけれども、彼ら、彼女ら、スーパーキッズの皆さんは選ばれし者であると同時に、選ばれることを自ら選び取った者たちであるということを言って、その選ばれる存在であることを自ら選ぶという、その自分の中から湧いてくる意思、自分の中から湧いてくる力を大事にしてほしいというように言ったのですけれども、大谷さんなんていうのもまさに、いろいろ選ばれ続けているのですけれども、選ばれるということは自分から積極的に選び取っているわけです。9回表に登板することについても、栗山監督は、あれは選手のほうから言ってきたのだと言うわけですけれども、ダルビッシュ選手と併せてですけれども。そういうやらされ感でスポーツに取り組むのではなくて、選ばれることで厳しいトレーニングがあり、集団生活もあり、様々自分の生き方について制限を受けるところはあるけれども、それを基本的には主体的に選び取って、自由にその道を進んでいくという感覚が岩手の中で非常に発達してきていると言っていいのだと思います。
 ですから、それは野球のところに非常に強く出ていますけれども、スキージャンプとか、スポーツクライミングとか、スノーボードというところにもそれぞれ出ていて、また合唱とか吹奏楽とかいった分野にも出ています。これは県のミッションとして、暮らしや仕事や学びの場を提供し、そこを自由に自分のベースとして自分の幸福度を高めてほしいという、そういう県のミッションというところから考えると、そういう岩手をベースにしながら、自由に自分の道を進んでいくということが岩手でよくできるようになってきているという、そういうことがあると思っていまして、これはもうあらゆる分野でどんどん進めていって、自動車、半導体産業集積の更なる発展とか1次産業の発展とか、そういうところにも通ずる話で、人口減少対策にもなると思っていますので、そういうように生かしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。最後に1点、先ほど大谷選手らの活躍は、岩手のあり方や地方のあり方を変えるとおっしゃっていたと思うのですけれども、ちょっとここの意図をもう少し詳しく教えていただきたいのと、結局は、他の地方と岩手県はアスリートが育つ上で何が違うのかというところを教えていただけますでしょうか。

知事
 まず、大谷現象という言葉で大谷さんのみならず、いろんな若い人が岩手から世界に羽ばたくというのを注目してきたのですが、サッカーワールドカップは岩手に直接関係する選手はいないのですけれども、岩手以外の地方から今までの日本のサッカー選手ができないようなことをやれる若者がどんどん出ているというのを感じましたし、あと私がよく引き合いに出すのは、歌手の藤井風君が岡山市に生まれ育って、ほとんど岡山から出ないで、もうワールドミュージックという感じのヒット曲を岡山からも発信するような感じになっているということで、そういうばらばらで、なかなかそれを結びつけて、実は地方はすごいのだというムーブメントにまで持っていくこと、今まで我々はできていなかったのですが、今回の大谷さんの活躍というのは、大谷さんだけではないぞとか、大谷さんに続けとか、地方こそ世界に羽ばたく人たちが生まれ育つ場所なのだというように日本のあり方を変えていくインパクトが今回のWBC優勝劇にはあると思っているわけです。

記者
 自分からは、岸田首相のウクライナ訪問についてお伺いいたします。電撃で現地を訪問して、ゼレンスキー大統領と現地で会談を行いました。紛争中にその当事国に日本の首相が訪れるということは、戦後例のないことではありますが、一方で、G7(ジーセブン:主要7か国首脳会議)の中で訪問していない首脳は日本だけだったという事情もありました。知事は、この訪問についてどのような評価をお持ちでしょうか。

知事
 まず、無事に戻ってこられてよかったと思っております。そして、ゼレンスキーさんはじめ、ウクライナの人たちはとても苦しんでいて、一人でも多くの味方が欲しいというところ、日本を代表して我々は味方だというメッセージを直接伝えられたことはよかったと思います。
 一方、ロシア・ウクライナ戦争が長期化しているのは、西側諸国がNATO(ナトー:北大西洋条約機構)という枠組みにこだわって、NATO対ロシアという図式を強調しているがゆえに、ロシアはなかなか下りられないし、中国がNATO側につくということは、NATO、NATOと言っている間は、中国はその味方にはなれないし、そしてアフリカやアジア、中南米のいわゆるサウス、南の国々もNATOとの連携というのは腰が引けてしまうわけで、本当はNATOという枠組みにこだわらないで、ロシアとそれ以外の国連加盟国みんなという大きな図式の中で、ロシア以外はみんな戦争をやめろと言っているのだからロシアはやめなさいと。やめて、しかるべき補償や、戦後秩序に関するロシア側の妥協というものを受け入れるのであれば、引き続き国連加盟国として尊重するというような国連の枠組みでの解決が本質的には求められる中、今回の訪問が、日本はNATOと違って軍事支援はしませんよというような、そういうNATOと違う国連的枠組みを広げる契機になるのか、それとも日本もあくまでG7もあるし、NATOのプラスアルファという、NATOの準加盟国のような位置づけで今回の戦争に臨むのだというのを今後強調していくと、それはかえって事態を悪化させる可能性があるということで、そういう今後の日本政府、日本国民のこの事態への対応ぶりに、今回のことがよかったか悪かったかは関わってくるというところです。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は4月3日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
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