令和4年5月13日知事会見記録
開催日時
令和4年5月13日10時00分から10時33分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
令和4年度県勢功労者の決定についてです。
県勢の発展に多大の功労があり、その事績が極めて顕著であって、県民の模範となる方々を県勢功労者として顕彰をしてまいりました。今回43回目の顕彰となります。
本年度の県勢功労者は、県内各界の代表で構成する県勢功労者顕彰選考委員会にお諮りして決定しました。
元岩手県看護協会会長、保健医療の充実に貢献された佐々木典子様、元岩手大学学長、高等教育の振興に貢献された平山健一様、元株式会社岩手日報社代表取締役社長、文化の振興に貢献された三浦宏様の3人です。
表彰式は5月30日、知事公館において行います。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から一言挨拶をお願いいたします。
(記者紹介)
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いいたします。
ないようですので、次に移ります。
それでは、発表事項以外に今日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
新型コロナウイルスについて2点お伺いさせてください。
ゴールデンウイーク明け、県内の感染状況はやはり悪化傾向に今なっていますけれども、その辺どのように見ているのかを教えてください。
そして、2つ目なのですけれども、新型コロナの感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)上の分類について、二類相当の見直しを検討するよう国に求める声が強まっています。この辺は、知事の見解を教えていただければと思います。
知事
岩手県における新型コロナウイルスの感染状況ですが、ゴールデンウイーク前半は、学校や幼稚園の休みなどによって感染者が減少する傾向が見られたのですけれども、ゴールデンウイーク後半は、帰省など人の移動の増加に伴う感染者の増加が見られています。ここ何日かは、人の移動の増加等による影響が続くと考えられます。
学校等の再開による集団感染の可能性もありますので、感染が増えていくことに気をつけなければならないと考えています。
今日午後、県の対策本部員会議を開きまして、ゴールデンウイークを振り返りながら今後の対策について議論することとしています。
記者
ありがとうございます。二類相当から季節性のインフルエンザへの五類への引下げについては、どのようにお考えでしょうか。
知事
新型コロナウイルスという、ウイルスの中でも特別な種類のものが広く世界全体に広がって、人間の呼吸器や、あとは免疫機能の関係でも様々症状を引き起こしているという点で、過去のなじみのあるインフルエンザウイルスでありますとか、そういったものとはやはり違う扱いをしたほうがいいのだと思います。
今のオミクロン株は、感染率が高い割には重症化の割合が少ないというところがありますが、ただ感染(者数)が多いので、やはりそれなりに重症化するケースもありますし、また命の危険に至る場合もありますので、そこはやはり季節性インフルエンザとは違う扱いが必要で、世界全体でも感染者数を国ごとに数えて、共同で対策を講じるということをしていますので、日本においてもやはり感染者数をできるだけきちんと数えていくということはまだ必要だと思いますし、そして感染した方々それぞれについて、症状がどのようになっていくのかということについては丁寧に追っていくという、今やっている法律、制度の下でのコロナ対策というのは続けたほうがいいと思っております。
記者
私のほうから大きく2点、知事の所感を伺えればと思いました。
本日の報道にもありましたように、奥州市の国立天文台、観測所を含む国際チームが天の川銀河の中心にあるブラックホールの輪郭を撮影したと発表しました。本県に立地する観測所が世界的ミッションを達成したことについて、まず知事の所感をお伺いできればと思います。
知事
水沢にある国立天文台も、これは岩手の宝だなと思いました。
ブラックホールは、天体のいろんな現象の中でも非常に興味深く、素粒子物理学とかいろんな分野にも関係ある物質やエネルギーの根源にも関わる非常に大事な分野で、それに関連して一般の人にも分かりやすく伝える写真撮影に成功したというのは、非常に大きな意義があると思います。
記者
ありがとうございます。まだ先の話かもしれませんけれども、この観測所のほうに何か顕彰であるとか、激励であるとか、何かの形をもって顕彰するようなお考えというのはありますでしょうか。
知事
今は、まずは片仮名で「イワテノタカラ」と申し上げたいところでありますけれども、さらなる活躍を期待いたします。
記者
ありがとうございます。もう一点お伺いしたいと思っていたのが、参議院選挙の関連です。立憲民主党、共産党、社民党の野党共闘について、先日、野党共闘の実務者会議がありました。その後の記者会見のところでは、知事の後援会が仲介者となって木戸口さんを支援するというような内容の発表がありました。他県の選挙区の事例を見ますと、この仲介役というのは市民連合、市民団体が仲介をするという事例は見られるのですが、知事の後援会というのはなかなか事例がないと、こちらのほうで確認ができていない、異例の形かなと思えます。
このような形になったことについて、まず率直に、知事が御相談を受けたのかもしれませんけれども、知事の所感をまず最初にお伺いできればと思います。
知事
きっかけは、立憲民主党の本部で、幅広く政党の支持を受けるためには、市民連合が連携の場の役割を果たすというようなことが示されたということがきっかけなのですけれども、岩手県で、私も含め関係者でいろいろやり取りをする中で、岩手県には達増拓也後援会という、言わば県民連合のような団体があって、これは7年前に当時5つの野党の代表の皆さんが盛岡駅にあるホテルに集まって、達増拓也支援をその場で確認するということをやったのですけれども、そのときに、今も達増拓也後援会会長で、当時も達増拓也後援会会長の森越さんが「達増拓也必勝」と書いた紙に寄せ書きのようにして、5野党のトップの人たちがそこに寄せ書き風に署名をするということをやりまして、言わば達増拓也後援会が場をつくって、その場に野党が参画していくというような形を7年前に知事選のときにやった例があり、そこから参院選で、そしてまた知事選でそういう達増拓也後援会と政党が連携しながら、そしてニュータイプ知事ということで、自民党支持者からも多くの得票を受け、そして政党支持のない無党派の人たちからも多くの支持を受ける、そういうニュータイプ知事の後援会としての達増拓也後援会というのが、岩手の場合、岩手にある市民連合というよりも県民連合的な民間団体として野党共闘に場を提供するのにふさわしいのではないかということで意見が一致して、今日夕方、署名式が行われるというように理解しています。
記者
ありがとうございます。こういった異例の形なので、与野党の中からこの形は違和感がある、いわば知事の後援会というものがその仲介役を務めるということに分かりづらさであったりとか、違和感があるというような声も私のほうでは実際に聞くことがあります。
なかなか分かりづらい構図になってしまった、知事の後援会が前面に立つような、国政選挙のところで知事の後援会がまさに中核となってやっていくような形になることに違和感があるというような声に対してどのように応えていくおつもりでしょうか。
知事
その達増拓也後援会の会長が「達増拓也必勝」と書いたところに、5人の政党のトップが署名して、後から後援会長さんも自分もサインをその紙の隅にしたりしているのですけれども、そういうことはもう7年前に行われていますし、その後、達増拓也後援会と政党が連携しながら一つになって、その後の岩手での知事選、参院選をやってきている流れがあります。
今回、政党推薦という、政党が候補者本人を直接推薦するのではなくて、間に達増拓也後援会という団体が入るということについては、これは立憲民主党本部もいろいろ考えてそういうやり方を推奨しているのだと思うのですけれども、日本における政党政治、政党がきちんと役割を果たしながら、日本の政治をつくっていくということに加えて、政党に所属しない、どこかの党員になっていないような普通の人たちも広く政治参加して、そして選挙にも参画していくという、そういう広がりをつくっていくことが今の日本にとって大事なのではないかと。
政党と政党の比較において、一強体制、安倍一強体制とか、総理大臣は替わっているのですけれども、いわゆる一強体制というのは、もう10年も続いている日本において、そういう一強の政党と、小さくて弱い複数政党の構図、図式で、10年たって日本の政治が変わらないという、日本の政治を変えるために政党以外の団体が大きな役割を果たして、広く国民、住民の参画をいただきながら、日本の政治をつくっていくという趣旨で、なかなかいいやり方なのではないかなと思います。
そういうやり方が、事実上岩手県では既に7年前から始まっていて、そして日本全体の一強体制がさらに進むと、全体主義といいますか、野党というものが存在しない、野党勢力というものが存在しないような日本になってもおかしくないような傾向がある中で、野党側の勢力を何とか維持、発展させている岩手のやり方というのは、この7年間やってきたやり方というのは、日本全体にとってもこれは貴重なやり方なのではないかと思います。
記者
毎回定例記者会見で、知事にもお伺いしているのですが、ウクライナからの避難者の受入れに関してなのですけれども、その後県内はどのような状況になっておりますでしょうか。
知事
各市町村がそれぞれ意向を表明したり、いろんな準備をしているということ、そして国のほうで受け入れた人たちについて、地方と協議をするような格好になっているのですけれども、ただ具体的に、岩手県に縁やゆかりがない人が岩手に紹介されて、どこかの市町村に入るということは、まだ起きていません。岩手県では、親戚、知人が岩手にあって、そこを頼って避難してきた方々の例があるというところです。
記者
先ほどの参院選の話に戻るのですけれども、先月の会見の際に知事御自身と木戸口氏の関係について、コインの裏表よりも踏み込んだ表現を考えるといった旨をおっしゃっていましたけれども、この大型連休中も、知事御自身も街頭演説に自ら立つなど、そういった活動が見られましたけれども、そういったものを経て、何か新しいぴったりの表現というのは見つかりましたでしょうか。
知事
まだ見つかっていませんが、何を伝えるためのキャッチフレーズかなのですけれども、その伝える中身としては、参院選に向けて、そもそも日常的に政治活動として、有権者の皆さんに、今、日本がどういう状況にあるか、今、地元岩手がその中でどういう状況にあるか。そして、政治に携わる議員さんがどういうことを考え、どういう活動をしているかとか、あと政党がどういう主張をして、どう活動しているのかということが、これは参院選がなくても、日常的に広く有権者の皆さんに伝えられて、そしていざ選挙というときに、そういった情報も生かしながら、有権者一人一人が決断して投票行動をするというようになるのが望ましいわけですけれども、木戸口参議院議員が何を考え、何をしてきたかということについては、私も一緒に考え、一緒に行動してきたところもあり、私から伝えることが効果的な面がかなりありますので、そういうことは街頭演説で伝えたり、あるいはユーチューブ動画で伝えたり、立憲民主党の県連の機関紙に私の発言を載せて配ったりもしているようですけれども、そういう今までの経緯が関係としてありますので。
長野県の知事政務秘書をめぐる裁判で、知事という特別職は、政治的に行動することが公共の利益にも資するから、そういうことはむしろ期待される役割だという判決文があるわけですけれども、やはり日本の政治をよくしていって、そして選挙があれば選挙がいい選挙になるようにしていくために、木戸口参議院議員のことについて、あるいは木戸口参議院議員と一緒に私が考えたり、取り組んだりしてきた日本全体のこと、岩手県のことについて、私が積極的に発信していくというのは、これは広く公共の利益に資することと思って、最近やっているところであります。
記者
ありがとうございます。もう一点、街頭演説とかユーチューブ動画への出演ということで、かなり精力的な活動も始められている印象がありますけれども、現時点で反響とか手応えとか、何かそういったものは知事御自身では感じられていますでしょうか。
知事
ユーチューブ動画は、初めてやっているようなところがあるのですけれども、それなりに見ていただいて、チャンネル登録もしていただいて、ありがたいと思っておりますし、いろいろ街頭演説やユーチューブ動画を紹介するツイッターのほうも反応がいいので、それなりに伝わっていっているなという手応えを感じています。
記者
先日、一関市の家きん飼養施設で鳥インフルエンザの簡易検査陽性がエミューで判明しまして、昨日、疑似患畜と確定し、殺処分も行われたところでした。今回の事例については、久慈の養鶏農場と違って、観光施設ということもあって、大きな社会的な影響もあるかと思いますが、こちらについての知事の受け止め、所感についてお伺いします。
知事
農業の面からすれば、肉や卵を生産するために飼っていたわけではなくて、まさに観光、展示のための飼育だったので、肉や卵の出荷という問題もなければ、その関係の業者の出入りということもないので、農業の視点からすると、影響は少ないなと思いますが、一方消毒の必要性はありますから、それはきちっとやるということで取り組んでいます。
多くの普通の人が出入りする施設において、こういうことが起きたという面では、新しい局面なのだなというふうに今の質問を聞いて思いました。
まず、人間にはうつりませんので、出入りしていた人たち、お客さんとして入った人たちは、その点は安心してもらっていいと思います。
一方、(鳥インフルエンザ)ウイルスに感染した野鳥と濃厚接触してしまったり、あるいはそのふんを踏んづけた靴底をそのままでエミューがいる施設に入っていって、エミューのそばまで行ってしまったりすると、その人がエミューに感染させてしまうということがあり得ますので、そこは岩手県民の皆さんというか、広く一般に日本の皆さんは、自分自身がそういう強毒性の鳥インフルエンザの媒介をしてしまわないように、野鳥には近づき過ぎないようにしたりとか、あとは靴の裏とか、そういう衛生に気をつけて行動してほしいなと思います。そういう普通の一般の皆さんが鳥インフルエンザの伝染に関して気をつけるべきことを、改めて今回のことで確認してもらえばいいなと思います。
記者
ありがとうございます。あとは、この施設が6月3日まで、約3週間の臨時休園を余儀なくされるということで、県民にも幅広く親しまれてきた施設でもありますし、県として何か支援ですとか、対応というのは、現時点では考えられていますでしょうか。
知事
私個人としては、当該施設は人気もあって、うまくいっている施設かなという印象を持っているので、数日休んだくらいでは平気かなというふうにも思っているのですけれども、今回のことで様々私も報告を受けるようになっていますので、その中で何かしたほうがいいこと、しなければならないことがあれば、検討はいたしますけれども、今の段階で、個人的な意見としては、落ち着いてまた営業再開されれば、多くの人がやってきて、繁盛するのではないかなと思います。ライオンもいればカピバラもいるし、いろんな動物のファンの人たちが楽しめるようになっていますしね。
記者
昨日、東北電力からフランスの企業と共同で、久慈市沖の浮体式洋上風力発電の事業化に向けた調査を開始したと発表がありました。本県の再生可能エネルギーの高いポテンシャルを評価されての動きだと思いますけれども、知事の所感をお伺いできますでしょうか。
知事
やはりポテンシャル、そういう可能性のある場所でありますので、立派な企業さんがしかるべき段階に入っていくというのにふさわしいところでありますので、県としても洋上風力発電の可能性を切り開いていきたいと思いますし、それとセットで港湾の体制についても前向きに検討していきたいと思います。
記者
あと関連して、先日の市町村とのトップミーティングでも、県内の温室効果ガスの削減目標を県として引き上げる方向で検討するという言及がありました。
他県では、国の目標引上げを受けてもう既に引き上げているところもありますけれども、政府の目標に沿って(2013年度から)46%(削減)にするところもあれば、それ以上に設定されているところもありますけれども、現時点で知事のイメージとか、お考えがあれば教えていただけますでしょうか。
知事
この前のトップミーティングでも、それぞれの市町村が温室効果ガス削減に向けて、かなり思い切った政策をやっていくというところが見えてきて、国の目標については、みんなで頑張ってクリアしようという感じにはなっているのではないかなと受け止めています。
大きい工場が集中している市町村で、その市町村だけ取り上げますと、CO2(二酸化炭素)排出量削減というのは、そう簡単ではないようなところもあるのですけれども、まさに岩手県としての広域で取り組んでいくに当たっては、国の目標を達成し、さらにそれよりも上の目標を目指すということは、現実的なのではないかなと。
再生可能エネルギーの自給率で、物凄い何倍もの自給率、市町村のところだけ見ると、物凄い成績を既に上げているところもありますので、オール岩手で全部合わせたときには、それなりの目標を立てられるのではないかなと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は5月20日(金曜日)の予定です。
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