令和4年11月15日知事会見記録
開催日時
令和4年11月15日15時30分から16時33分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
県議会12月定例会に提案する令和4年度一般会計第6号補正予算案について発表します。
補正予算額は、3億円です。
令和4年8月大雨被害に対応したIGR(アイジーアール)の災害復旧事業費補助及び令和4年福島県沖地震に対応した中小企業等のグループ補助に必要な予算として3億円を計上しました。
なお、原油価格・物価高騰対策等については、国の経済対策を踏まえ、現在検討を進めており、12月定例会中に提案できるよう補正予算の準備をしているところです。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から御挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
では、今の知事の発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。
幹事社
それでは、発表事項以外で質問があればお願いいたします。
記者
まず、コロナの感染拡大についてお伺いできればと思います。本日1,600人以上の(新規)感染者数が発表されました。専門家からは、感染の流行第8波に入ったという指摘もありますけれども、まずは現在の感染状況の受け止めというところを教えていただければと思います。
知事
岩手県では、第7波のときの(新規感染者数の)最高が1日約2千件でありましたので、1,600件を超えたというのは、そこに近づいていくような感染の拡大であり、2千を超えれば過去最多ということになりますから、だいぶ気をつけなければならないと思っています。
先週、岩手県医師会と県で連携し、感染対策の徹底を改めて県民の皆さんに呼びかけたのですけれども、国の専門家の意見の中でも、寒さで換気が不足気味なのではないかという指摘がありますので、換気ということに改めて気をつけていただきたいと思います。
あとは、第7波で相対的に感染者数が少なかった北海道、東北で、今、全国の中でも特に感染者数が多くなっていて、そして第7波で感染者数が相対的に多かった沖縄、九州で、今、感染者数が少ない状態になっています。
60歳未満の人たちは、基本的に今年の初め頃に3回目のワクチンを打ち、その後打っていない方が多いと思うのですけれども、この間、沖縄、九州のほうは、感染拡大が第7波で夏に大きくあって、免疫が、そのときのものが今に残っているのではないかというような趣旨のことを国の専門家の方も言っていたというように記憶しております。そういう意味ではワクチンが、オミクロン対応の新しいものが打てるようになっていますので、こちらのほうを早く打っていただきますと、北海道、東北のほうの感染もブレーキがかかってくるのかなという推測ができる状況かと思っています。
記者
ありがとうございます。今度は、対策の部分なのですけれども、政府の新型コロナウイルスの分科会で新たな対応強化策というものが示されました。都道府県が外出自粛を要請する対策強化宣言というものを新設したというところが一つ大きなトピックになります。
それで、先ほど知事のほうからも2千人という数字が出ましたけれども、第7波を超えるような事態になったらば、都道府県がその発出について検討する、または決定するという手続になるのですけれども、この宣言を出していく何か基準というもの、例えば感染者数で、先ほど2千というところもおっしゃっていましたけれども、そこを超えた段階で宣言のほうを発出する検討に入るというような受け止めでいいのか教えていただければと思います。
知事
感染者数が既に過去最多を上回っている北海道、そして、その北海道に次いで、今、感染者数が増えている山形はじめとした東北では、第7波で東北の中でも感染が目立っていた青森県が今東北で一番感染者が少ないという状態で、岩手はその次に少ないので、まず北海道やほかの東北各県の状況を参考にしながら決めていく余裕が、岩手にはあるのかなと思っております。
記者
ありがとうございます。今度は変わって、先日行われた滝沢市長選についてお伺いできればと思います。毎回、会見で聞いて恐縮なのですが、次期知事選への対応というもの、現時点での検討状況を教えていただければと思います。
知事
今、発表できるようなものはありません。
記者
分かりました。ありがとうございます。滝沢市長選の先日投開票が行われて、推薦は得なかったものの、自民党が支援する新人が勝利しました。知事は、以前の会見でも、現職の方をリーダーシップが優れているというところ、あとは民主党時代に一緒に仕事をした仲間だというような仲だったというようなお話をされていました。今回の選挙結果というものをどう受け止めたのか、次期知事選、県議選に影響がどのように出てくるのか、現在の所感があれば教えていただければと思います。
知事
主濱さんが次点にとどまったのは、大変残念であります。市長を続けられれば、非常にいい市政を市民の皆さんと一緒に進められただろうにと残念に思っております。
滝沢市は、非常に大事な市で、市民の皆さんにもいろんな力があり、潜在力がありますので、新しい市長さんには、ぜひ市民の皆さんとよい市政をつくっていってほしいと思います。
そして、選挙は、基本的にその候補者を比較したりしながら、見ていかなければなりませんので、来年の岩手県知事選挙というのは、まだそういう検討とか、評価とかできる段階にはないと思います。
記者
私もまずコロナについてお伺いします。対策強化宣言、あとは医療緊急事態宣言が知事の判断で出せるようになったということですが、これはあくまでも現時点では他の都道府県よりも感染状況に余裕があるために、他の実際に出した例を見ながら、参考にしながら、岩手県としての対応も決めていくという先ほどの発言の趣旨でよろしいでしょうかという確認でした。
知事
今、北海道がまだ、そういう宣言を出していないのですけれども、今すぐ絶対出さなければならないという状況ではないのだと思います。北海道がまだそういう状況ですから、岩手や青森というのはまだそういう状況には至っていないのだと、今現在では思います。
先週、国から新しい対策強化地域という枠組みの手続きについては、近日中に自治体にお知らせするということが通知されています。それがまだ来ていないのですが、今週中に県のコロナ対策本部(本部員)会議を開いて、まずは、この新しい対策強化地域という枠組みや、それに関わる国の新しいレベルの考え方を県組織の中で確認するところから、まず手をつけていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点、滝沢市長選についてです。市長選の結果は、そのとおり、受け止めはお伺いしましたが、投票率が45%を下回るという、なかなかない結果になってしまいました。その点について何が原因だったのか、あとは選挙制度というものを維持していく上で、もっと投票率は必要だと思うのですけれども、どういった取組が必要だと考えますか。
知事
やはりかなり低い投票率だなと、私も驚きました。滝沢市固有の問題というよりは、今、日本全体として政治不信が広がっているのではないかなと思います。
特に、統一教会問題が、今、次々に明るみになって、この日本の政治の中心、戦後長きにわたって中心であったところや、特に最近10年間、一強体制と言われるような体制が、実は日本国民の尊厳や国益をも踏みにじるような、そういう活動と日本の政治の中枢がつながっていたということで、多くの国民がショックを受け、さあ選挙だ、投票だといったときに、ではどう考えて、どう行動すればいいのかというのが見えにくくなっているのかなと思います。そういうタイミングで滝沢市長選が行われたのだとすれば、残念なことだったと思います。
記者
滝沢市長選で勝利した候補者が、今盛岡の三本柳にある盛岡赤十字病院を滝沢のほうに誘致したいとかということを主に訴えていたのですが、その病院の移転について、知事はどのように思っていらっしゃるのか、その辺りお願いします。
知事
赤十字病院は、病院の自立した意思決定の中で病院経営が行われていて、建ってどのくらい経っているかとか、どういうところを直さなければならないのか、そういう建物の安全の確保ですとか、また新しい機械の導入とか、そういうことは常に検討しながら、年度、年度一定の決定をしながら病院経営を進めているというところなのですけれども、その中では特に移転とかいう話は聞いておりません。
また、県としては、そういう前提に基づきながら医療計画を立てて、県全体、二次医療圏や各種医療圏ごとの病院の連携などによって、滝沢市民の皆さんも含め、全ての岩手県民が必要な医療が受けられるような体制をつくってやっているところです。
記者
分かりました。ありがとうございます。あともう一点なのですけれども、その市長選の前日に、階猛衆院議員が、先日立憲民主党岩手県連との資金問題をめぐる裁判が終結したことで記者会見を開いて、県連側との関係修復に言及したというのがありました。ニュースにもなっていたと思うので、もう見られていると思うのですけれども、その階議員が言っていたのが、県連から階議員に対して謝罪が大前提で、ボールは県連側にあるというようなお話がございました。その辺り知事はどのように思ったのか、その辺りお願いします。
知事
報道によると、去年の衆院選で自分もスタッフも苦労したというような話があったようなのですけれども、先週、その記者会見をやっているときに、階議員が初当選するときも大きな力になり、その後当選を重ねるときにも一緒にやっていた主濱さんが選挙をしていて、そして主濱さんと一緒に、民主党であったり、立憲民主党であったり、野党共闘であったり、一緒にやってきた人たちも滝沢市内で選挙や運動をやっていたことのほうをまず考えるべきだったのではないかなと思います。
それから、何か政治を取引のように考えて、アメリカのトランプ元大統領は、政治を「ディール」と呼んで、取引、自分が何か得る、自分が何か与えるには相手からも何か得るみたいな。ただ政治というのは、何ももらわなくてもその人に投票するとか、何ももらわなくてもその人を応援するとか、実は無償の自由な意思決定と行動というのを組み合わせてものをつくっていくのが政治ですので、自分が何かやりたいのであれば、何か相手に見返りを求めるのではなくて、まず自分がやりたいことをやるというところから政治は動いていくのだということを申し上げたいと思います。
記者
知事から見て、この10年間の中でのいろいろな政治的経緯もありまして、小沢議員を中心とした立憲民主党の県連のグループと階さんのほうで、関係というのはかなり確執のようなものがあるようなふうにも見えるのですけれども、実際修復していくことは可能と考えるものでしょうか。
知事
あまり政治家個人とか、政治家個人の、国民、県民の生活とか、国の在り方、地方の在り方と直接関係のない政治家の行動については、あまり深く考えなくていいのではないかと思っていまして、やはり大事なのは人々の生活であり、それをよくしていくための政治の在り様、そちらとの関係で政治家の行動や考え方が問われるということはあるのですけれども、今は統一教会に依存しなくてもきちんと選挙を戦って、そして政治を組み立てていくことができる、普通の、しかし本当の民主主義というのを、私は地方からつくり上げていくということが大事ではないかと思っているのですが、いい政治、新しい政治を日本につくっていくことが今求められていて、そのために誰が何をするのかということだと思います。そういうことをやろうとしている人たちが集まったり、力を合わせたり、そして様々選挙に参画したり、日常の運動を行ったりということは、今、広く行われていますので、そちらのほうこそ大事にしていけば、人々の暮らしや日本の政治というのはいいほうに向かっていくと思います。
記者
私からも滝沢市長選に関して、先ほど出た質問に関連してお聞きしたいと思っています。1点目なのですけれども、先ほど投票率の質問のところで、知事が今の統一教会の問題ですとか、最近10年間の政治の在り方の話もされていましたけれども、こういったことが少なからず影響して、投票率の低さにつながったのではないかというふうに受け止めて大丈夫でしょうか。
知事
そうですね。さっき言ったように、今の政治状況、統一教会問題はじめ、政治不信、政治全体への不信を起こすような状況なので、それが選挙のときの投票率の低さにも影響を与えているのだと思います。
記者
続きまして、先ほど主濱さんに対して、大変残念であるというようなお話がされていました。告示前に、告示期間中に応援に駆けつける予定はあるかという質問をさせていただいたと思いますが、お姿が見られなかったように思うのですが、何か理由があったのか、もしあれば教えてください。
知事
選挙対策本部のほうから私に運動の依頼がなかったということなのですけれども、依頼がない背景には、滝沢市以外に住所を持っているとか、滝沢市政の中で発言したりする、つまり、それは市議会議員さんとか、市内のいろんな役に就いている人、市内に住んでいる人という意味ですけれども、そうではない人が選挙の中で目立っていくような形にしたくないという選挙対策本部、主濱選対の考え方ではないかなと私も察して、選挙運動は行わなかったところです。
記者
分かりました。あとその答えの中でありました、滝沢市は非常に大事な市、潜在力もあるというお話がありましたけれども、その非常に大事な市というのはどういう点でおっしゃっているのかというのと、あと新しく市長に就任することになる武田さんへの期待感を教えてください。
知事
チャグチャグ馬コに代表される歴史と文化があり、そして戦争後開拓という形で新しく入っていった人たちがいて、また最近になって盛岡で先進的な仕事をする人が住所を滝沢市に持っているということもあるし、岩手県立大学が滝沢市にあるということもあり、古きよき伝統文化を生かしながら、非常に先進的な産業や地域づくりにも取り組むことができるところですので、大変大事だと思っています。
記者
新しく市長になる武田さんに対しては、どんなことを求めたいと思っていますか。
知事
今言ったような可能性をフルに生かして、そして市民の皆さんには、それぞれいろいろ考えがあると思うので、市民本位の市政をやればいいのではないかと思います。
記者
最後にもう一点だけお願いします。赤十字病院の質問があったと思うのですが、この御回答を聞いていると、今のところは聞いていないというか、移転に対して聞いていなくてということでしたが、県として進める方向性と連携は難しそうというふうに理解したほうがいいのか、考え方をちょっと教えてもらえますか。
知事
県は、もう既に医療計画の策定をはじめ、今ある赤十字病院の位置づけというのを踏まえて、県民みんなが必要な医療を得られるような医療の体制づくりというのに取り組んでいるところです。
記者
移設への連携というのは、難しそうなのでしょうか。
知事
赤十字病院は既に岩手の医療の中で非常に大事な役割を果たしてきている実績があり、東日本大震災津波のときもそうですし、コロナ対応もそうですし、その力をフルに生かしていただきながら、ほかの病院や診療所、いろんな医療関係、福祉関係等々と連携していくことで、県民全体がよくなっていくということを、既にもう県は、そういう計画を今実行に移していますし、また次の計画を準備しているところです。
記者
私からも滝沢市長選についてお聞きします。今回の滝沢市長選では、なぜ主濱さんが次点にとどまったかと思われますか、知事の見解をお聞かせください。
知事
それは、4万5千人の人たちが、それぞれ、なぜ主濱さんに投票したか、もう一人に投票したか、そして投票に行かなかったか、ということの全体の中でそういう結果になっているわけです。
さらに言うと、その中で結局投票に行かなかった人が多いというところが、言わば敗因なのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。今回の市長選を含めて、衆議院選挙、今年の参議院選挙を含めて、立憲民主党的な立場の方が相次いで敗北しています。その理由というのを、今考えられていることはございますでしょうか。
知事
それは、さっき言ったように、ミクロにはそれぞれ一人ひとりの投票行動にそれぞれの理由があるということですよね。そして、やっぱり自民党の組織力というのは強いのだと思います。様々な政治的な組織だけではなくて、いろんな産業別の組織とか、社会的な組織も動員し、動いてもらい、そういう中に統一教会もあるという指摘もされているわけですけれども、そういう組織を動かしてやるやり方というのは、統一教会の選挙参加のように、完全に一人一人の自由意思というのをなしにして、上が決めたことに下が従うというようなやり方はもう民主主義の逸脱なのですけれども、団体によってはちゃんと民主的な決定過程に基づいて、その団体、会員、構成員の自由意思で、団体としても活動する例もあるのですけれども、日本全体として、やはりより国民の自由を生かしていくような政治の在り方に転換していかなければならないのだけれども、まだなかなかそういう転換ができていないというのが実態なのではないでしょうか。個人の自由意思に基づいて、そして自分から進んで政治に参加して、政治をつくっていくというような動きが強くなっていかないと、昔ながらの組織力というのが、選挙の結果や政治の在り方を決定していくような状況になるということなのだと思います。
記者
ありがとうございます。県民の間で立憲民主党離れというのが起きているのではないかと思っているのですが、知事の見解はいかがでしょうか。
知事
今の政治では駄目だなという感触は受けるのですけれども、新しい、自由で、一人ひとりの主体性をより生かすような政治というのが、私の前回選挙とか、その前の選挙とか、ちゃんと県民の皆さんが、今回は岩手の新しい県民計画をつくる、そのための選挙、選挙に参画することで自分も新しい岩手の県民計画づくりに参加するのだという、そういう一人ひとりの主体性を引き出すような選挙、その前は岩手の復興、東日本大震災からの復興をこういうふうに進めていくのだということを、選挙戦を通じて投票行動で広く県民もそこに参加できるというような、そういう有権者が自由な主体性に基づいて新しい政治の形をつくっていけるような形を選挙でつくっていくことが大事でありまして、それがなかなかできないと昔ながらの組織力、伝統的な政治の力で物が決まるというようになってしまうということだと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。衆議院議員選挙で小沢さんが小選挙区で負けられてから、参議院選挙、今回の市長選、小沢さんに近い方が相次いで落選しております。小沢さんの求心力低下というのはあるとお考えでしょうか。
知事
さっきも言ったのですけれども、自民党の組織力とか、伝統的な選挙での力というのは非常に強いですからね。ですから、それに対抗し得るような新しい政治の展望とか、そういうのをきちっと示すことができないと、日本ではやっぱり大体どこでも自民党が勝つのだと思います。
記者
そうしたら、今までの結果に対して、小沢さんはそんなに関係ないというお考えということでよろしいですか。
知事
去年から今年にかけて1つあるのは、立憲民主党本部が岩手県でずっと県民と一緒にやってきていた岩手型の野党共闘というのを、党本部がそこにあんまり協力的でなかったというところがそれ以前と違う要因ですよね。という事実関係を見ていけば、その辺が今までと違うところというのが分かるのではないですか。
記者
分かりました。最後のトピックにさせていただきますけれども、知事は、従前から、次の知事選については、まだ発表できる事項はないということをおっしゃっていますけれども、今回の市長選を受けて、御自身の進退の判断に影響というのはあるとお考えでしょうか。
知事
報道を見ていると、今回、滝沢市長選で力を発揮した組織力というのは知事選でも強いぞみたいな意見もあるらしいのですけれども、誰が候補者かも決まっていない、つまり政治的な組織の力、動員力などで、どんな人でも当選させられるみたいな、そういう政治の在り方というのは非常によくないと思うのです。選挙というのは、人を選び、政策を選ぶものなわけですから、そういう中で、滝沢市長選挙で滝沢市民の4万5千人の皆さんが人を選ぶ、政策を選ぶということをきちんとやれたのかというと、結局半分以上の方は投票しなかったという結果ですので。ですから、来年の岩手県知事選の在り方について、滝沢市長選との関係で何か考えるとすれば、やはり政策を選ぶ、人を選ぶ、そしてそれを通じて県民が新しい岩手をつくっていくという、そういう形をつくるような選挙にしていかなければ駄目だということでしょうね。
記者
私からは、新型コロナの状況について改めてお聞きします。今日は、県内では過去3番目の(新規)感染者数だったということですけれども、先ほど知事のお話の中でも第7波のピークに近づいているというお話もありました。現在の県内の状況は、第8波と言えるものなのか、知事の認識をお願いします。
知事
私は、増え始めた段階からもう8波と言ってよかったと思います。ずっともう8波と言っています。
記者
増え始めた時期というのは、大体どれぐらい(の時期のことでしょうか。)
知事
申し訳ないが、そこは県のホームページとか資料があるので、グラフが上に向いたときということです。
記者
恐らく10月中旬以降から増えていると思うのですけれども、その要因に関して知事はどのように考えていらっしゃいますか。
知事
専門家の皆さんも言っていますが、換気が足りなくなってきたことと、それから免疫が弱くなってきたことだと思います。
記者
私からまた別な話題で何点か質問をさせていただきます。先日、岸田内閣で葉梨法務大臣が事実上の更迭ということになりましたけれども、更迭となったことそれ自体のことと、あとはその問題となった発言に対しては、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
死刑について、国会議員が、さらには法務大臣が冗談のようなことを言うというのは、決してあってはならないことだと思います。
記者
更迭ということについては、この処分についてはどのようにお考えでしょうか。
知事
法務大臣にしてはいけなかったということですよね。ですから、その後、何をしてもそれはもう手後れということだと思います。
記者
以前もありました山際経済再生担当大臣のときもそうですけれども、更迭としたその判断自体が遅過ぎるといった批判が、また今回も出ていますけれども、そのタイミングとか、それについてはいかがでしょうか。
知事
7月8日に安倍元首相が狙撃され、亡くなったことについて、当時私は、選挙中はそれもさることながら、選挙の争点になっていること、今回の選挙で国民が決めなければならないこと、そちらの議論をしましょうと言って、でも多くの人に反対意見をいただいたわけですが、あのとき安倍元首相が亡くなったこと、その死が重要なのだと、政権の中枢にある方はじめ、多くの人が言っていた割には、今風化しているのではないかと思いますよ、安倍元首相の死というものが。また総理大臣になるかもしれないというくらい、それが期待されるぐらい力のある国家の中枢と言っていい人が、白昼、選挙中にああいう形で亡くなるというのは、日本の政治の在り方をよほど改めて、そして日本社会をがらっと変えないと、今の日本は非常にまずいというところから出発しなければならないはずで、そういう新内閣になっていなかったということですよね。
ですから、内閣を組織するのは、選挙で多数を取っている自民党を中心とした勢力なわけですけれども、改めてもう一回、今、今日でもいいので、日本に今必要な内閣というのはどういう内閣なのか、人、そして政策ですよね、そこを改めて突き詰めて考えて、二度と7月8日の事件のようなことが起きない日本にするという覚悟を国民に示すことが、今大事だと思います。
記者
分かりました。先ほどそのお話で、襲撃を受けて、その後新しい内閣になっていなかったといったことですけれども、その新しい内閣にならなかった、なってしまわなかったところの要因というところをもう少し教えていただきたいのですけれども。
知事
まず、現象として、もしあそこで心を入れ替えて、体制を一新みたいな格好になっていれば、死刑というテーマで戯言(ざれごと)を大臣が言うなんていうことはあり得なかったはずですし、統一教会との関係をいつまでも説明できないような大臣がいるということもあり得なかったはずです。やっぱり事の深刻さにぴんときていないという状態が今の政権にはあるのだと思います。でも、国民にはあるのですよ、非常に由々(ゆゆ)しい事態だというのが。それが内閣支持率の低下、不支持率の上昇として表れているので、本当に国民のほうがはるかにいい感性で、今の日本の政治では駄目だろうと強く思っているということですから、そこを反映させていけばいいのだと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。あと次にもう一点、ちょっと別な話題でお伺いしたいのですけれども、間もなく今週末に、次は大船渡市長選が告示を迎えますけれども、こちらの大船渡市長選については、どなたかの候補者を支援するといったことはありますでしょうか。
知事
そうですね、ここも、大船渡市は大船渡市の今の状況を見ていると、やはり大船渡市民の皆さんに、よく考えて、そして必要な行動を取って、新しい市長さんを選ぶということをやっていただくべき状況で、私としてはそれを見守るスタンスかなと思っております。
記者
分かりました。候補者もすごく多いですけれども、そこについてのお考えはいかがでしょうか。
知事
そうですね、ちょっとそこは不用意に現場の実態をきちっと踏まえないままでコメントをするのは控えたいと思います。
記者
盛岡赤十字病院の関係で再度お伺いさせていただくのですが、知事は、今後の病院の利便性やサービスの向上を考える上では、現状の盛岡市にあるべきか、はたまた滝沢市に移転をするべきかなど、どのようにお感じでしょうか。
知事
それは、まず赤十字病院に限らず、病院経営の主体は、その病院自身の自立性というものが尊重されるべきですし、一方、県立病院が企業局(地方公営企業)としての様々な経営判断もあると、個々の病院だけではなく。ですから、赤十字は赤十字で、赤十字本部としての考え方や判断もあるわけでありますが、そういう団体の本部の考え方と現場の病院の考え方、これは日々よりよいやり方をということをいろんなレベルで工夫してやっているわけで、そこを尊重していけば、そうそう変なことにはならないと思います。
記者
すみません。変なことにはならないというと、例えばどういったものでしょうか。
知事
そうですね。そのような責任を持つ人たちが、それにふさわしい主体性を持って、自由に判断しながらやっていくことが望ましい病院経営の在り方だと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。
続いて、話題が替わって、先月行われた政府の税制調査会で話題に上がりました走行距離課税の関係でお伺いいたします。電気自動車の走行距離に応じて課税する制度の導入の検討という形ですが、本県も県土が広く、影響する県民も多くいるおそれがありますが、これについての知事のお考えをお聞かせください。
知事
今やっぱり非常事態というところがあって、コロナによる消費の減退と物価高による経済への影響ということで、国民、県民になるべく負担は加えずに、逆に負担を軽減することが、今、求められているのだと思います。そういう状況で、地方の人ほど自家用車を多く利用し、長い距離走るという傾向があるわけで、岩手のように面積の広い県はまさに、その中でも特にそうなわけでありまして、そういうところに負担のしわ寄せが行くような税の集め方というのはよくないと思います。
記者
ありがとうございます。一方で、電気自動車への移行でガソリン税の減収というような状況もある中で、今後の税制度について検討されるべきところですが、なかなか岩手にとっては厳しいという課税だと思いますが、今後のそういった自動車に関する税の在り方については知事はどうお考えでしょうか。
知事
税制というのは組合せなので、例えば岩手県民は消費税はゼロ、それだけではなくて、逆に消費に10%ずつ支援を上乗せするみたいな、そういうマイナス消費税みたいな特別措置を岩手だけではなくて、地方にはそうやって手厚い地方への税制優遇をやった上で、自動車関係で利用しただけ税収をいただくようにするとかというのは、まだ検討の余地があるかもしれません。いずれにせよ、特に今、きつい地方の生活や地方の仕事を、特にそこにさらに負担を加えるようなことは好ましくないということです。
記者
先ほどちょっと質問の中にありました県民計画について、昨日(いわて県民計画(2019~2028))第2期アクションプラン(素案)が示されました。そのアクションプランについて、込められた思い、それからあとパブリックコメントや地域説明会も始まりますが、その件について、何か県民に呼びかけたいことがあればお願いします。
知事
これは、市町村長さん、そして県議会での議員の皆さん、多くの団体を通じて県民の皆さんの声を集約してつくっているところです。一方では、そうやって私以外の多くの人たちの意見ができるだけ反映されるようにという視点がまずあるのですけれども、そうやってできてきたものは、かなり我が意を得たりというところがありまして、人口減少対策というテーマに集中することで、今目の前にある地域の課題というのがはっきり見えてきて、それを乗り越えるに当たっては、デジタル(トランスフォーメーション)とグリーン(トランスフォーメーション)が大事だという、そういう組立てというのも非常に時代にマッチし、可能性が広がる組立てだなと思っていまして、この方向で細部が詰まっていくといい計画になると期待しています。
記者
先ほど立憲民主党のお話の中で、最近の衆院選と参院選、それから滝沢市長選と、立憲のほうが少し勢力がちょっと弱まっているような今の指摘がありましたけれども、知事選に関して、達増知事の令和元年(2019年)の知事選を振り返ると、自民党支持層からもすごく評価を受けて、知事自身もニュータイプというようにお話もしていたと思います。今、知事選への去就は明らかにしていないものですけれども、もし出馬するとなれば、前回の戦略というものは変わらないのか、それとも何か変えていきたいものなのか、その辺りはどのように考えますか。
知事
行政は中立に、政治は自由にというのが民主主義の原則ですので、行政に関してはもう何党の人であろうが、申請があって適切であれば、それは認可はどんどんされるし、いろんな補助事業やら何やら、党派関係なく必要なところにそういった事業は行われていくわけでありまして、ちなみにそういう考え方というのは山際大臣がその正反対のことを先の参院選で言っていたように、そうではなくていいと思う人が結構日本の政界には多いので、実は行政中立というのは当たり前のようでいて、それが実は政治的に独特なスタンスでもあったりしますよね。そういう意味で、自分が今まで学んできて、そして実践を積み重ねてきて、これが民主主義の正しいやり方だと思うところをさらに積み重ねながら、今目の前の仕事に当たっていきたいと思います。
記者
選挙選で訴えたときのような、ニュータイプの姿勢というのは変わられていないというような感じですか。
知事
ニュータイプは、保守だからといって自動的に共産党や社民党と対立すると決めつけないということで、そういう政治姿勢は今でもそのとおりです。そして、逆に自民党という存在も絶対悪とは決めつけずやっていくという、当たり前といえば当たり前なのですけれども、復興というテーマであればもう全ての政党と、これ行政だけではなく、政治的にも力を合わせる、復興というテーマに関してはですね。そういうところに躊躇(ちゅうちょ)しない、積極的にそういう方向に踏み出すというのは今でもそうです。
記者
先ほど少し税のお話が出たのですけれども、今、国のほうで防衛費の増額について、国民の負担を求めたほうがいいというふうな風潮にもなってきています。こういった動きというのは、どのように受け止めていらっしゃいますか。
知事
今はむしろ軍縮ですよね。これは、原敬首相の時代に似ていると思っているからなのですけれども、今まで冷戦時代に、それぞれある程度軍事を拡張し、冷戦が終わった後も地域的な緊張に対応するということで日本やその周辺の国々、アメリカもそれぞれ軍事力はレベルアップをさせてきているわけで、そろそろ日本、中国、そしてアメリカ、韓国、北朝鮮、ロシアも入れられればいいのですが、それはいわゆる6か国協議というやつに参加していた国々なわけですけれども、東アジアに軍事的利害を持つ国々が軍縮交渉を始めるべきだと思いますよ。そして、尖閣諸島のことについても、ちゃんと中国と話し合って、お互いの公船を、お互い角を突き合わせているのは無駄だから、一定の距離は離そうではないかみたいな、そういう交渉をするべき時期なのだと思います。そういう交渉をすれば、かなりお互いに軍事にかけているお金は減らすことができて、それを民生、生活関連、人々の暮らしをよくすることのほうにかけられて、実は中国も本当は民生にお金をかけたいのだと思いますし、それはアメリカや韓国、北朝鮮、ロシアもそうなので、6か国協議の枠組みで東アジア軍縮協議というのを立ち上げ、逆に防衛費を減らせるようにしていくべき局面だと思います。
記者
ありがとうございます。そのためには、政治による解決というのがまず必要なのではというふうな、そういった御趣旨でしょうか。
知事
政治による解決というか、閣議とかでそう決めて、外交交渉を始めて、相手もいいよと言えば、すぐにでも始められるのではないかと思います。
記者
私からは、今月初めに一関市でありましたスクールバスへの一時児童の置き去りの件について質問したいと思います。所管としては、教育委員会のほうなのですけれども、今、全国的にバスや車内への置き去りが問題となっている中で、県内でこのような、あわや大きな事故につながりかねない事案が発生してしまったということについては、知事はどのようにお受け止めになりましたでしょうか。
知事
子供、児童の安全、場合によっては命に関わる重要なことで、置き去りというのはあってはならないことであります。まして幼稚園、保育園、就学前の子供について悲惨な事故があったばかりなわけですから、特に気をつけなければならないようなときにそういう事案があったことは非常に残念です。一関市教育委員会も反省の弁を述べて、再発防止策に取り組んでいるということですけれども、そういうようにしてほしいと思います。
そして、県の教育委員会は11月11日、県立学校と市町村教育委員会にバス利用における児童生徒の安全管理に関する通知を出して、改めて安全を呼びかけているということで、そういうことがちゃんと実を結ぶことを期待します。
記者
今回は、児童が保護者からクラクションを押しなさいというふうに指導を受けていたということが、すぐに助かるということにつながったようなのですけれども、昨日市教委と県教委の意見交換会の中でもいろいろやり取りがあったようなのですけれども、知事としてもどういったことに、県民を含めて、注意喚起の言葉などあればお願いいたします。
知事
そうですね、悲惨な事故があった直後から、テレビ、新聞などでクラクションを鳴らせばいいのだとか、いろんなそういう情報が出てきましたので、まず自分の身を守るためにそういうことを知っておくというのを、子供が家庭や学校でそういう情報を自分のものにするということは望ましいと思います。ただ、子供だけの自己責任にするわけにはいきませんので、やはりバスを管理する主体がきちんと見逃しがないようにするということが大事であります。
記者
私からは、立憲県連で常任幹事会が開かれて、体制が刷新されたのですが、そこには階さんは入っていないわけで、刷新された立憲県連の体制でこれから統一地方選挙に臨んでいくのかなとも思うのですが、それについての所感と、知事が望まれるような今の立憲県連の体制なのかというのをちょっと聞かせていただければと思います。
知事
政党の在り方は、特に団体としての自立性、自主性が求められますので、構成員が話し合って民主的に決めていけばいいのだと思います。
ただ、日本の風潮として、今議席を持っている議員たちが、その議席を持ち続けられるよう、言わば選挙互助会的に力を合わせていればいいのだみたいな風潮がともすれば日本の政治には、そういうのが出てきて、広がり、深く根を張りがちなところがあるので、あくまで議員の議席というのは有権者のものなのだという、民主主義の大前提をまず忘れないようにしてほしいと思います。
ですから、議席を持っている人たちがどういう位置づけになるかということよりも、いかにして有権者、そして選挙権がなかったとしても、子供たちでも国民、県民なわけですから、そういう人たちが自由に政治に参加して、その人たちの思いをきちっと形にできる、そういう政治をどう組み立てていくかというほうに集中して、そのためだったら、今議席に着いているような人たちはもうみんな一旦引いて、新しい体制づくりに身をささげるみたいなことをやってもいいくらいの今の日本の政治情勢なのだと思います。
記者
今回は、かなり若返ったという印象なのですが、それについてはどうお考えですか。知事としてはどういうふうに受け止められているのかなと。
知事
そこはまさに、どうすれば国民、県民に自由に参加してもらえる政治の形をつくっていけるかということで、いろいろ考えて工夫をされているのだと思います。うまくいけばいいなと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は11月25日(金曜日)の予定です。
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