令和4年9月30日知事会見記録

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1059626 

印刷大きな文字で印刷

開催日時

令和4年9月30日10時30分から11時30分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 令和4年度全国型市場公募地方債の発行についてです。
 本県初となる「全国型市場公募地方債」を令和4年10月に発行します。
 「全国型市場公募地方債」は、銀行や証券会社等を引受会社として、全国の幅広い投資家を対象に発行するもので、新型コロナ禍においても安定的な財源確保を図るため、資金調達手段の多様化等を目的としています。
 発行額は100億円、発行日は令和4年10月25日を予定しています。
 発行条件等については、県内外の金融機関10者から成る引受シンジケート団との協議、交渉により決定します。
 また、今回の発行に当たっては、投資家向けに本県の魅力や財政状況等について情報発信を行うため、新たにIR(アイアール:インベスターリレーションズ)資料を作成し、県ホームページに公開しました。発行の詳細については、事務担当課までお問い合わせください。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、今知事がおっしゃいましたただいまの発表事項1件について、各社の皆さん、質問あればお願いします。

記者
 改めてで大変恐縮なのですが、公募地方債の公募の狙い、期待する効果、この時期に開始する意図、また、この発行した地方債をどのような分野に活用していきたいかという知事の思いがあればお聞かせいただければと思います。

知事
 導入については、かねてから検討はしてきていたのですけれども、公債費が高い水準で推移していたことや震災からの復旧・復興事業による人員不足等もあって、これまで導入を見送ってきたという経緯があります。
 令和元年度に公債費負担適正化計画を達成して、令和2年度には第1期復興・創生期間が終了し、また、持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会での議論等もあり、資金調達手段の多様化等を目的として導入することとしました。
 そして、この公債を充当する事業といえば道路、河川等の公共事業が普通あるわけですけれども、幅広く活用することを想定しています。

記者
 今回のこの公募地方債なのですけれども、これまでの地方債の発行の仕方との大きな違いを教えてください。

知事
 市場で岩手県の財政状況や行政の在り方など、さらには岩手県の民間部門も含めた岩手のポテンシャルを材料に、市場で民間の機関投資家の皆さんに検討していただいて購入いただくというところが新しいと思っておりまして、そういう機関投資家の皆さんに対してPR(ピーアール)するためにIR(アイアール)資料もつくったところです。

記者
 もう一点伺いたいのですけれども、先ほど知事からも行財政研究会でも出た議論の一つの観点だとおっしゃっていましたが、実際、今回その行財政改革の報告書の一つのものを早速実現したのだと思うのですけれども、これについてはどういう意気込みでというか、どういうお気持ちで、今回すぐ導入することを決めたのか教えてください。

知事
 財政の歳入については、年々厳しくなっていく傾向にあるわけですけれども、今までやっていなかった新しい歳入の枠をつくることで、資金調達手段の多様化ということで将来の財政需要にも対応していくというところが新しい一歩であります。

記者
 概要の確認になるのですが、発行条件等は10月7日に決定予定というふうにありますので、最低購入単位ですとか、購入限度額、利払いの回数とか、そういった諸条件についてはこの日に決まるという理解でよろしいでしょうか。

知事
 そうですね、決まり次第発表ということになると思います。

記者
 ありがとうございます。ただ、こちらシンジケート団のほうに名を連ねている各金融機関や証券会社での申込みの受付をするということでよろしいでしょうか。

知事
 そうですね、一般の方向けの窓口販売というのはありませんので、そういう取扱金融機関を通じてということになります。

記者
 ありがとうございます。資料のほうに、令和3年度での全国の発行状況ございますけれども、もし令和4年度の直近での状況が分かれば教えていただきたいのですが。

知事
 そうですね、それは担当のほうから、後でということですかね。

記者
 承知しました。ありがとうございます。

記者
 本県初となる地方債の公募型の発行ということで、知事として何か投資家に岩手県の魅力というか、こういう魅力があるから買ってほしいと呼びかけみたいなものというのはいただけないでしょうか。

知事
 このIR(アイアール)資料を私も改めて見てみて、近年の行財政改革、中期財政見通しをつくりながら、年度、年度、健全財政に向けて努力してきた、そういうところをまず見ていただきたいですし、加えて、岩手全体のポテンシャルとして、自動車関係、半導体関係の産業集積が進んでいることや、農林水産業もお米のブランド化はじめ、高付加価値で買っていただけるような方向への発展が進んでいること、そして再生可能エネルギーのポテンシャルもあって、これからの時代に発展していく地域としての岩手のポテンシャルをこの機会に多くの人に知っていただきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。

幹事社
 それでは、今の発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての質問の用意はありませんので、そのほかのことについて各社の皆さん、質問あればお願いします。

記者
 先ほども話に出ましたけれども、行財政研究会の議論を受けた報告書というものが取りまとめられました。まず、早速この施策のほうにも反映しているというところがありますけれども、改めて知事の所感、全体の総括的な所感のところを伺えればと思います。

知事
 人口減少の中長期的な傾向というのには避けられないものがあり、そして人口が減った分一般財源が減るという、ひしひしと続いていく行財政の危機的状況があるわけですけれども、それに正面から向き合って、人口減少対策に始まって、病院、高校という重要なテーマ、さらに財政目標の設定というような新しい行財政改革の取組なども示していただいて、大変いい報告書を頂いたと思っております。
 特に、病院と高校に関しましては、従来世の中にありがちな改革論としては、すぐにも財政が破綻してしまうというような、もうぎりぎりの危機的状況になってから急遽「さあ、大変」と言って、そしてあれも切る、これも切ると、お金、人、施設などを切り捨ててしまう、そういったものを切り捨てることによって求められている行政ニーズに応えることができず、政策を進められなくなるような、言わば政策破壊型の改革というものがありがちだったと思うのですけれども、むしろこの報告書は、病院や高校に他の都道府県以上にお金を使ってきたことが岩手の強みになっているという政策本位の視点、県民本位の視点から、その強みを維持するためにも今までのやり方から変えて、そして中長期的に行財政を持続可能にしていこうという、そういう県民本位、そして政策本位の行財政改革というようになっていて、これはかなり新しい行財政改革のやり方であって、岩手にとって非常にありがたい報告書を頂いたと思いますし、岩手県においてこれをうまく活用し、全国的にも参考にしてもらえるような、そういうクオリティーの報告書だと思います。

記者
 ありがとうございます。その報告書の中で、先ほど知事も病院と高校という部分を挙げていただいたのですけれども、その中でもそれぞれに抱えている課題というところも非常に大きく取り上げられていたのかなと思っています。強みと位置づけた病院について、一般会計の繰出金が非常に多くて、また統合の必要性というところでは、中核病院の統合というところの必要性についても言及をしていると。学校に関しても、他県では1ブロック制でというところも例示しながら、現在の9つのブロック制というところにも見直しを考えていかなければならないのだろうというようなことも指摘をしています。
 これらの2つの課題について、現在知事が考えていらっしゃる何か方向性というものがあれば教えていただきたいのですが。

知事
 公募地方債の導入のように、もう直ちに実行できるような改革の方向性と違いまして、病院と高校については何年度かかけて議論し、検討していくような方向性が示されているのだと思います。それぞれ、病院については、広くは岩手の地域医療の在り方について議論する場が別にありますし、高校についてもやはり在り方について議論する場が別にありますし、そちらの議論も尊重しなければならないと考えております。
 まずは、一般会計から病院予算に、全国都道府県と比較しても非常に大きな額の予算が岩手の場合、毎年毎年注ぎ込まれていること、そして病院事業に関して市町村と県の割合で県の割合が非常に高いことなど、岩手の強みの実態、それを支えるために今までどのように他の都道府県がやっていないような出費があり、取組があったかということをまず県民の皆さんに知っていただくことが、今、大事だと思います。見やすいグラフなど、資料もいいものがそろっていますので、希望行財政改革報告書と略していいのだと思うのですけれども、この内容について多くの県民の皆さんにまず知っていただくところから始めればいいと思います。

記者
 ありがとうございます。
 今度は話題が替わってですけれども、先日安倍元首相の国葬儀に知事が参列されました。参列されての所感というのをお伺いできますでしょうか。

知事
 多くの人もそういう感想を述べているのですけれども、菅前首相の友人代表の追悼の辞であるとか、あとは閣議決定で私人であるということが強調されている昭恵夫人の存在でありますとか、プライベートな、私的な言葉や私的な参加の部分が多くの人たちに共感されたり、また印象づけたりしていて、なぜ国葬なのかという疑問がやはりそこから浮かんできました。
 それから、安倍元首相の安倍一強と言われた約10年の政治の期間について、これに公的に国民主権の視点から日本としてあるべき政策はどうなのかという、そういう公的な視点から安倍元首相の過去を振り返ろうとしたときに、やはり様々問題、課題があり、特に旧統一教会との密接な関係が、この10年間の日本の選挙や政権の在り方について影響を及ぼしてきたという部分は、公的な視点からは無視できない部分なわけですけれども、国葬儀の中ではそういったことは全く取り上げられない、全くそういうのが出てこない儀式になってしまうわけです。ということで、この今回の国葬の在り方については、やはりなぜこういうやり方が必要だったのかという疑問が残るものだったと思います。

記者
 ありがとうございます。この国葬に際して、出席前に知事のこの会見の場で、安倍首相が遭難されたことは非常にあってはならなかったことだったというふうにおっしゃられていて、出席してどうなるかというところに関しては、あってはならない儀式になる可能性もあるというような言葉も使われていたかと思いますけれども、今回、国葬儀の在り方について、まず疑問が残っているとおっしゃっていましたけれども、このあってはならなかった儀式であったかどうかというあたり、御認識は、どのように捉えていますでしょうか。

知事
 さっき紹介したようなプライベートな言葉、またプライベートな存在のようなところについて、それをまた見た人、聞いた人が自分の私的な思いとして肯定し得る部分はあったので、100%あってはならないものだったとは言えないと思っているのですけれども、逆に100%あれでよかったとも思えない国葬儀でありましたので、検証が必要になるのだなと思います。

記者
 私も国葬儀について伺います。国葬の終了後に達増知事も各メディアにインタビューに応じたようで、NHK(エヌエイチケー)のテレビで見たのですけれども、まるで国葬が国民を分断するようなものになってはならないというような趣旨の発言があったように思います。
 実際、私は、国葬当日、盛岡にいたのですけれども、県庁にいると県庁前に弔旗が掲げられた一方で、県庁前では国葬儀に対して抗議運動が行われたり、そういった何か国葬に関しては非常に国民を分断するようになったような気もするのですが、達増知事はその辺りはいかが見ていらっしゃったのでしょうか。

知事
 第3次の安倍内閣もあり得るのではないか、つまり、また総理大臣になるかもしれないとか、あと、なるべきだというような人もいる、そのようないまだ政権の中枢にいらっしゃったような大物政治家があのような形で難を受けるというのは、国家の一大事で、国家中枢が突然損なわれたような、非常に大きく、重く深刻な事態で、その衝撃というのは日本中に走って、全ての国民に何らかの影響を及ぼしていると言っていいようなことだったので、そこから日本国民が立ち直って、日本国としていい方向に進んでいくためには、やはり民心を安定させて、国民が一つになっていくような方向に持っていくということに政府としては、かなりそこに力を注がなければならなかったのだと思います。それを正反対の分断していく方向に進めてしまったというのは、やはり残念なことなのだと思います。

記者
 ありがとうございます。やはり分断する方向に進んでしまったということは、例えば国葬儀に対する法整備が不十分だったり、国民への内閣からの説明が十分ではなかった部分も影響しているのかもしれませんけれども、今後、国葬自体に対して、例えば国に対して法的な整備を求めるとか、その辺りはどのように思いましたでしょうか。

知事
 自衛隊の皆さんの参加が非常に多くて、大砲を撃ったり、儀仗兵、捧げ銃があったり、音楽も自衛隊の音楽隊の演奏で、それぞれは自衛隊の儀礼として、自衛隊の音楽演奏として大変すばらしいものがあったと思い、そういう個別の事柄に関して自衛隊はいい仕事をしたと思っているのですけれども、一方、そのような公的な国家というものの最高度に国家的なものを象徴するような、そういう軍事的な儀式というものが、極めて私的な友人代表の辞や、もう決定的に私人と位置づけられている奥様の存在などと合わせられることで、そこに出てくるのは、やはり戦前的な滅私奉公というのでしょうか、私(わたくし)、プライベートな部分を、公(おおやけ)、国家の目標や国家の在り方と一致させるという機能を国葬は果たすものであって、そこに参加する人や報道などでそれを見聞きする人たちも、自分の私的な思いというものを国家としての在り方と一致させることを求められるような、そういう儀式だと思うのです。戦前、そういう運用も盛んになされてきたがゆえに、戦後法律が廃止され、制度として残れなかったと。吉田茂さんのときに国葬をやったけれども、やはりこれはもう戦後日本でやるような行事ではないなということで、その後もやれなくなったというところがあるのだと思います。
 今回、そういう問題点をやはり日本の多くの人が感じたのではないかなと思いますので、民主主義に支えられた国家の公の在り方というのは、これはこれで追求されなければならず、それを支えるのは国会なのですね。国会というのが国権の最高機関として機能するときに民主主義的な国家の最高度の在り方がそこで決まってくるし、それはそれで追求してもらって、また政治家が亡くなったときに、その政治家といろんな個人的なつながりのある人たちが私的な思いを共有し合うような場というのは、それはそれで設けられればいいのではないかなということを思いました。
 ちなみに、原敬首相が亡くなったときに、まさにそういう原敬さん個人を悼むということは、盛岡大慈寺を中心に、私的に、プライベートに行われて、そして国の在り方については、まさに大正デモクラシー、直ちに総理大臣の代理を置いて、つつがなく国政が進むようにということがまさに議会を中心にして進んでいったという、原敬首相の事例というものが日本の今後のそういうことに関しても、国葬をめぐる議論についても大いに参考になると思います。

記者
 私からちょっと、行財政研究会のことについて確認させていただきたいのですが、今回の報告書なのですけれども、先ほども年度をかけて議論をするべきものと、早く導入すべきものであると思うとおっしゃっていましたが、今後、どのように県政に反映させていきたいかというのを改めて教えてください。

知事
 さっき悪い例と引いたように、今すぐ切って捨てないと、もう財政破綻して、岩手は終わりというような状況に、そうならないようにするくらいの時間的余裕を持って、早め早めに中長期的な改革に取り組んで、そうやることで県民本位、政策本位の真の改革をやることができるということであります。
 そして、病院と高校については、岩手が、いかに今まで特別な行財政でそれらを支えてきたか、他の都道府県と違うやり方でやってきたかというのが、実は意外に県民の皆さんにもよく知られていないところがあるのではないかと思うので、まずそれを知っていただくところから県民的な議論も可能になっていくのだと思います。

記者
 すみません、あともう一点。先ほど、今私の質問の前に、原敬さんの事例をちょっと教えていただいたと思うのですが、原敬首相の亡くなったときの私的な、プライベートな葬儀に関して、もうちょっと教えていただきたいのと、どの部分が今後の参考になるかというのをちょっと詳しく教えていただけませんか。

知事
 あのとき原敬夫人が、原敬さんの亡きがらを政党関係者が首相官邸に持っていこうとしたのだったかな、政党関係者ではないな、政府関係者が首相官邸に持っていこうとしたのですけれども、浅夫人が、亡くなった以上、原はもう一個人、民間人ですと、ですからもう首相官邸にはやりません、うちに置いておきますと言って、ご自宅でたしか一夜を過ごし、さすがに政友会関係者が頼み込んで、政友会本部に一時亡きがらは移されて、そこで政友会関係者が弔意を示す機会はあったようなのですけれども、葬儀という正式な儀式については、これはふるさと盛岡、大慈寺でやるということで、上野駅から亡きがらは東北本線で盛岡まで運ばれていったわけです。そして、原敬さんは遺言状を残していて、その遺言状に、もし自分が死んでも、東京で大げさな儀式はするなと明記してあり、盛岡で、大慈寺で普通の葬儀が行われればよいと、お墓も普通にしてくれればいいということを遺言状に書いていて、奥さんはじめ残された人たちもそのようにしようということで、そうしたという、そういう例があるわけです。

記者
 そのどういうところが今後の葬儀のあるべきところに参考になるという点なのか教えてください。

知事
 そういう意味で、葬祭儀礼、亡くなったことに対する儀式、儀礼に関しては、本人や遺族の思いを尊重しながら、プライベートベース、私的なやり方で行われるのが好ましいということです。

記者
 また話題が違うのですけれども、先日、岩手県競馬組合の職員が飲酒運転を起こしたということで、懲戒免職処分となりました。このことについて、以前も組合の職員が収賄容疑で逮捕されて、現在起訴済みということで、11月に公判が予定されているわけですけれども、こういった組合の相次ぐというか、時期としては、ずれてはいるのですけれども、不祥事が重なってしまったということについて、知事の管理者としての受け止めをお願いいたします。

知事
 今回の酒気帯び運転に関しては大変残念なことであり、県民の皆さん、そして岩手競馬ファンの皆さんに大変申し訳なく思います。そして、広告宣伝をめぐる供応というのでしょうか、供応、物をもらったり、食事の提供を受けたりということについては、贈収賄の犯罪に該当するかどうかは、司直の手によって、今、詰めて検討されていくところではありますが、物や食事を直接の利害関係者から受け取ったこと、その事実は、もうほぼ確定していると言ってよく、これはやってはいけないことでありますので、これも非常に遺憾なことです。
 競馬組合では、8月にコンプライアンス推進チームを設置して、競馬組合内に法令遵守ということを徹底するように動き始めているわけですけれども、今回の酒気帯び運転事案についても、コンプライアンス推進チームを、その力を推進力にして法令遵守意識の徹底というものを進めていくよう、これは副管理者以下に私からも指示しているところであり、これを徹底させていきたいと思います。

記者
 11月には、地方ダートの祭典のJBC(ジェービーシー:ジャパンブリーディングファームズカップ)競走という大きなイベントもありますけれども、これに関わる広告宣伝、PR(ピーアール)の業務に関しての職員が2人逮捕だったり、不祥事を起こしたということなのですけれども、県民や競馬ファンの期待が高まる中で、ちょっとこういったよくない出来事が起こってしまって、今後そういったイベントで競馬の魅力を発信するに当たって、県としてはどういうふうに努めていきたいと考えていらっしゃいますか。

知事
 岩手競馬は、約300億円の返さなければならないお金を待っていただく中で存続しているわけでありますし、また東日本大震災津波の際に、単年度でどうやっても赤字になるという事態に直面した際に、中央競馬、地方競馬界、多くの競馬関係の皆さんに助けていただいて、その困難を乗り越えて今に至っているわけですので、そういった方面への謙虚さや、また感謝というものを忘れなければ、そこを原点にしていけばコンプライアンスの徹底ということはおのずとできることなのだと思います。
 様々目の前のネット販売の急増とか、あるいは高止まりとか、そういった目の前の動きに一喜一憂せずに、地方自治法に基づくそういう組合形式の特別地方公共団体としてやっている仕事でありますので、そこのコンプライアンス、法令遵守を徹底するということを改めて求めていきたいと思います。

記者
 私からもまた別の話題なのですけれども、来年に迫った知事選について、明日から10月ということで、年度も折り返し、今年も残すところ3か月という時期が来ましたけれども、このタイミングで現時点で何かお気持ちに変化はありますでしょうか。

知事
 参議院議員選挙の選挙対策本部解散式や、それを受けての達増拓也後援会の集会などもありまして、今は、私について言えば、衆議院議員時代から岩手において花咲かせようとしていた、県で言えば県民本位の、そして草の根の政治というもの、本来のあるべき政治でありつつ、日本においてはそれが新しい政治、改革の政治でもあるという、それを改めて強化していかなければならないということを確認して、今に至っていると思います。
 そういう中で、後援会の事業としての県政報告会などをスタートさせたりしているわけですけれども、これは来年の知事選挙での私の進退のこととは、また別に取り組まなければならないということでやっているところでありまして、また、そもそも行政の長として県政、コロナ対策から始まって様々重要な局面でもあり、来年の知事選の私の進退ということについては、これはしかるべき段階で検討していかなければならないことだとは思いますけれども、今はまだ、そこまで至っていないというところです。

記者
 分かりました。ご自身の進退について、しかるべき段階での検討ということでしたけれども、知事自身でどのくらいの時期までに決めようとか、そういったことは現時点ではお考えはありますでしょうか。

知事
 いつまでにとか、いつにはとかということも含めて、それを検討するには、まだ至っていないというところです。

記者
 分かりました。あともう一点、今のご自身の任期について、県庁舎の建て替えの件をはじめ、以前の会見でまだまだやり残したことがあるといった趣旨の発言がありましたけれども、明日から年度の折り返しといいますか、こういったタイミングでもありますので、ご自身の、また県政のそういった仕事について、今後の決意とか意気込みがあれば、そこも改めてお願いできますでしょうか。

知事
 参院選前の後援会の集会でしゃべった趣旨は、やり残したことがあるという状態ではよくないと。4期もやらせてもらっている以上、やり残したことがたくさんあるようではよくないということを言ったわけでありまして、そういう意味で早め早めに、県庁舎については、建て替える、建て替えない云々の前に、耐震調査など科学的な事実関係をまず明らかにすることが必要で、それに着手できたことはよかったと思っていますし、あとは持続可能な希望が持てる行財政について、(持続可能で希望ある岩手を実現する行財政)研究会に報告書を出してもらって、それを早め早めに実現していけるようにしたということもよかったと思っています。
 今、コロナウイルスの流行と諸物価上昇問題ということがあって、これは目の前で日々動いている状況ですので、なかなか早めに片づけるということはできないことなのですけれども、これについても、まず後れを取らぬように対応していきたいと思っています。

記者
 国で、来月11日から全国旅行支援をスタートすると、それに併せて岩手県のほうでもいわて旅応援プロジェクトを10月10日まで延長するということでしたが、海外の渡航制限も来月見直されるというタイミングがあって、コロナの状況も踏まえて、この動きに対して知事はどう御覧になっているか教えてください。

知事
 この間ワシントンDCで岩手の食材、いわて牛などを扱っているシェフとその関係者御一行をお迎えしたりとか、やはり国境を越えて人が行ったり来たりしながら、今までやったことないようなことをどんどんやって、それで岩手の生活水準を上げたり、経済を活性化させたり、県民の幸福度を上げたりということができるなと感じているところでありますので、コロナ対策をしっかりやりながらそういう国境を越えた経済活動、社会活動というのをやはり増やしていきたいなというように思います。

記者
 そういった意味で、全国旅行支援というのは、コロナで疲弊した観光だったり、サービス業全般にとって、岩手にとっても大きな効果が期待できるという見方でしょうか。

知事
 そうですね。日本スポーツマスターズの岩手大会でも、日本中から約6,500人の方々がやって来て、非常にすばらしいプレーを見せていただき、また地元の経済や社会、こういうスポーツ振興とか、あと交流人口の拡大とか、そういったところでも大きな成果があったと思います。
 やはり県境を越えてオールジャパンで人が動くことで、大きな価値が生まれていくということを実感したこの1週間ぐらいでありましたので、全国旅行支援が始まることでそういうようになっていくことを期待したいです。

記者
 その一方で感染者の状況を見ると、やはり8月が月別で言えばピークで3万6,000人台でした。今月は今日で終わるわけですけれども、やはり第7波の入り口だった7月よりはやや多い状況ですし、今のここ2週間を見ても第6波の今年の春に比べたら少し多いのかなと。
 そういった中、やはりこの夏から秋にかけていろんなイベントが復活して、3年ぶりに再開するものが多くて、県民の皆さんや全国の皆さんも活気づいた一方でまだ感染が収まっていないと。どういうふうにそれぞれをバランスといいますか、共存しながらやっていくかという難しさもあると思うのですが、その点、知事どのように御覧になっていますか。

知事
 軽い症状で済んだり、また無症状で済んでいる人がほとんどではありますけれども、やはり高齢で、かつ持病のある方で亡くなられる方がいらっしゃいます。あとは後遺症の問題ですね、特有の症状が長く続くということも指摘されていますので、決して新型コロナウイルスを以前の普通の感染症の一つという扱いはできないなと思っています。そして、全数届出をしないようになっている分、感染した人は自宅での療養を基本的に自分で管理しなければならなくなります。また、そうすべきというやり取りを保健所との間ではなくて、まずは診察を受けたお医者さんとの間で確認するなど、自己管理を含めて現場で今まで以上にきちんと徹底して対応しなければならないようなやり方になっています。県民の皆さんには全体としての作業量は減らすようなやり方をしてはいるのですけれども、一人ひとりが気をつけていかなければならないとか、感染があったときに対応する場合も、今まで以上に丁寧にきちんと対応していかなければならないということを理解いただき、その上で、経済活動、社会活動を、やれること、やりたいことをやっていきましょうというように申し上げたいと思います。

記者
 先ほど日本マスターズ2022岩手大会にも触れられましたけれども、今回のマスターズを通して、以前に東京五輪・パラリンピックが終わった後に、2019年のワールドカップからつながるスポーツレガシーを発展させていきたいという旨の発言があったと思うのですけれども、そういったものを、今大会を通して感じた部分がもしあれば教えていただけますでしょうか。

知事
 私も幾つかの競技を高円宮妃殿下久子様と一緒に見たのですけれども、40代、50代、さらに60代の人たちがもう見事なプレーをそれぞれの競技で繰り広げていて、生涯スポーツということの可能性を大きく感じるところがありました。関連するバスケットボールの県の会長さんと話をする機会もあったのですけれども、県内でもますますシニアの競技を充実させていきたいという言葉がありましたし、県内各競技関係者はもっと頑張ろうという気持ちを新たにしたと思います。それから、競技団体、直接関係者以外でも家族で見に来ていた人たちもいましたので、そういう人たちも、老いも若きもスポーツというのは一生懸命やるに値するし、やればこれだけすごいこともできるのだなというのを確認できたと思います。
 国体、全国障害者スポーツ大会、そしてラグビーワールドカップというのは、日本一とか、世界一を目指す非常に高いレベルの競技ですけれども、今回のスポーツマスターズはもう少し日常的なスポーツとの親しみというところをベースにしているものでもありますので、スポーツの裾野を広げていくことに関して大きなレガシー、岩手にとってなるなと手応えを得たところです。

記者
 開催した県から、そういった意味で非常に大きな、今後もやっぱり開催したいという引く手あまただという話も伺いますけれども、ちょっと気は早いですけれども、また今後の大会の招致、そういったところへの思いがもしあればお伺いできますでしょうか。

知事
 まずは、今回の成功をかみしめるところをやりたいところではありますけれども、国際大会、全国大会、またいろんな大会の誘致というのが、様々な、そして大きな成果を残すレガシーになるということを再認識しましたので、今後もそういった大会の誘致というのに力を入れていきたいと思います。

記者
 昨日、送迎バスについて、小倉少子化担当大臣からバスに安全装置の設置の義務化を指示したというふうな報道等ありました。岩手県内では、近年置き去りといった重大事故はないということではありますけれども、義務化というふうになると対応を迫られる幼稚園、認定こども園等出てくると思います。ただ、現場のお話聞いていますと、財政的な負担というところがなかなか難しいというお声もある中で、県としてこの指示、どのように受け止められるか、また今後、支援等を考えていらっしゃるか確認させてください。

知事
 まずは、今、全国一斉緊急点検と実地調査を行うということで、岩手県においてもそれが進んでいるところでありますので、それをきちっとやることによって、今まで岩手県では起きていなかったので、これからも起きないようにするということがまず一つ目指していけるのだと思います。
 バスに安全装置をつけるということについては、自動車関係の技術の進歩は著しいものがあり、自動運転というようなところまで実用化されたりもしていますので、バスを造る会社が最初からそういう安全装置がついているようなバスを、値段がそんなに上がらないような、高くならないような感じで造れるようになるとか、自然な技術の進歩と安全の確保というのが現場のお金や人手の負担というところが、きつくならないような形で進んでいくのが好ましいのだと思います。
 現場で人の負担、それはお金の負担と密接に関連しているのですが、そこを惜しんではいけないわけで、そこを惜しんだがゆえに残念な事故が2例起きているのだと思うので、お金や人手を惜しんではならないのですが、ただ、今までやってきてそういう事故がなく、今やっている緊急点検と実地調査によって安全な状態をさらに続けていけるというある程度の見通しがあれば、さらなるコストや人手の負担増ということについては、日本全国無理のない形でやるほうが望ましいのではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。あと、これは一般論という形で伺えればと思うのですけれども、先ほど4期もやらせていただいている中でというふうな御発言ありましたけれども、達増知事御自身のお考えとして、5期というふうな長期の年数について、任期についてはどういうふうなお考えをお持ちかお聞きしてみてもいいでしょうか。

知事
 参院選前の後援会の集会のときに、さっきも言ったのですけれども、4期もやらせていただいていてどうのこうのという話をした際に、かなり報道で大きく取り上げられて、ちょっとそういう話が独り歩きするような部分を感じ、何期目だという話にはあまりこだわらない方がいいのだなと、その後考えるようになっています。ですから、任期というのは1期目のときであっても、今の4期目の任期であっても、県民の皆さんの投票で信をいただいた4年間という意味では変わらない4年間であって、そういう気持ちで臨むほうがいいだろうと。何期目という数字を意識しないで、今の仕事に集中していくことがいいだろうと、今は考えています。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は10月17日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。