令和4年6月21日知事会見記録
開催日時
令和4年6月21日10時30分から10時51分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
まずは、明日、参議院選挙が公示されます。今回の選挙戦の争点はどのようなものだと考えていらっしゃいますでしょうか。また、どのような論戦を期待しますか。こちら2点、お伺いできればと思います。よろしくお願いします。
知事
まず、公正な選挙が行われるようにということを期待し、そして投票率ができるだけ高くなるように願っております。
そして、ここから先は政治的な話になりますけれども、新型コロナウイルスの流行がいまだ世界で収まっておらず、ウクライナでの戦争によって様々な影響が世界に及んでいると。そこに、日本の場合はアベノミクスということで、円安になるような経済政策がずっと続いていて、諸物価の値上がりや賃金との格差というようなことが他の国以上に深刻に起きるような状況になっています。
こういう危機的状況での選挙ということで、改めて国民の生活を第一に考える政治というのをつくっていかなければならないということがテーマになると思いますし、また、それを実現するために、国際的に日本がどういう姿勢を示していくのかと。対外強硬路線でいくのか、国際協調路線でいくのかというようなことがテーマになると思います。
そして、ここ10年の日本の政治の在り方が問われているというところもありますので、地方経済が実質的によくなっていくような経済政策ではなくて、金利を抑えて円安になりやすいような金融政策主導でずっとやってきた、そういう経済政策の在り方、また対外強硬的な、タカ派的な政治姿勢、そういったことがこれでいいのかという争点になるのだと思います。
それから、岩手県としては、近年岩手の政治を国に合わせて変えていくべきという流れが1つあって、国政与党の系列の国会議員、国政与党の系列の知事、国政与党の系列の市町村長であったり、地方議員であったり、それで岩手を変えていくのがいいのだという路線と、それと正反対で、岩手の形に合わせて国を変えていくべきだという路線、いわゆる野党であってもいいのだということです。岩手の国会議員や知事や市町村長、地方議員が野党であっても暮らしや仕事の現場の声を地方から積み上げていって、それで国を動かしていくような政治が好ましいのだという、そういう2つの路線の選択というところも争点になると思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。もう一点伺いたいことがございました。国の旅行喚起支援策の県民割(観光需要喚起策)のほうが、こちらが全国拡大ということになりまして、今まではブロック割でしたけれども、この全国拡大による期待感ですとか、県内における波及効果、どういったものをどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いできればと思います。
知事
岩手県外から県内にやってくる人が増える可能性と、岩手の人が県外にどんどん出ていく可能性と、両方あるわけですけれども、観光に関しては岩手県に強みがあって、インバウンド解禁に向けての実証ツアーで、全国の中で12の県が選ばれる中に岩手県が入ったことに示されるように、岩手県の(新型コロナウイルス感染症)感染リスクの低さとか観光の魅力については優位性があるので、そういう意味では、(岩手県外から県内にやってくる人と岩手県から県外に行く人を)差引き(した場合)、岩手の観光にとってプラスになるような効果があると期待します。
記者
先ほど知事のお話で、参院選について、国政与党に合わせる路線と岩手の形に合わせていく路線が岩手の一つの焦点となるというお話がありました。
こちらをめぐって、キャッチフレーズで「岩手を守り、日本を変える。」というものと、自(由)民(主党)の「日本を守り、岩手を変える。」というキャッチフレーズ、少し逆といいますか、有権者たちもちょっと違和感を覚えるというか、そういったキャッチフレーズが出ていると思います。知事の所感を聞かせていただいてもよろしいでしょうか。
知事
片や、例えば東日本大震災津波からの復興について、岩手の人の暮らしを守るために復興を進めなければならないということで、そして岩手県から野党系の知事とか、野党系の国や地方の議員さんとかがいたわけですけれども、あと非自民の市町村長さんもいるわけですけれども、そういう人たちがちゃんと現場の声を受け止めて、県を動かし、そしてまた国にも働きかけて、必要な復興施策を展開していくというようなことをやってきた積み重ねと、さらにそれを発展させていこうというのが片方にあると。
もう片方は、私自身の選挙でも経験しましたけれども、野党系の知事だと岩手が不利になるというような主張、政府与党の系列に合わせて、議員も首長も替えていかないと駄目なのだと、そうやって、それは論理的に日本を一党独裁の専制主義国家にしようということになるわけですけれども、今の与党以外のリーダーは地方に認めないということですから、そういう主張、そういう運動、政権交代はもうなくていいのだというような主張、それは去年の衆院選でも大きく行われたところですし、そういう考え方というのは現実にあるし、今回の選挙でもそういう考え方、それを運動にして展開しようという、そういう2つの方向性が争点としてあるのだということだと思います。
記者
意味は全く逆なのですけれども、キャッチフレーズが酷似しているということについてはどのように捉えていますか。
知事
そうですね、それはまねではないかとか言わせたいのではないかというような誘導質問に聞こえるのですけれども、まねと言えばまねかもしれませんね。
記者
私も参院選に関連して伺います。達増知事は、これまでの定例記者会見で木戸口さんの再選のために、タブーなし、何でもやるというような発言もありまして、改めて今回の参院選で木戸口さんを再選させるための達増知事としての政治的な戦略というものはどのように考えていらっしゃるのか、教えてください。
知事
法律は守らなければなりませんし、人としての道を外しても駄目ですし、タブーなしということで言いたいのは、忖度とか過剰な遠慮をしないということです。
日本は、近年様々な分野における忖度、それは今、与党になっている政治的なリーダーや集団に対する忖度によって、やらなければならないことをやらないでしまったり、やってはいけないことをやってしまったりという、忖度によって日本がどんどん悪くなってきているというところがありますので、そういう忖度をしない、やるべきことはやる、やったほうがいいことはやるという意味です。
それは、戦略と言えば戦略ですけれども、当たり前と言えば当たり前。そうですね、国の与党が何党であろうが、地方の選挙でいわゆる野党系の議員や首長が選ばれたとしても、民主主義の原理原則に基づいて、暮らしや仕事の現場の声をきちんと政策の形にして、県で実行、そして国でも実行というようなやり方でやっていくというのは、日本においては新しい政治かもしれませんが、民主主義の基本からすれば、真のあるべき政治であって、これを片仮名で「シン・ポリティクス」と言えばいいと思いついたのですけれども、知事であっても選挙に対して、そういうタブーなしという姿勢で、忖度とか過剰な遠慮なしに活動していくというのは、これもまた「シン・ポリティクス」と呼んでよく、それが基本戦略になります。
記者
ありがとうございます。非常に公務が忙しい中で、週末なども2人で街頭演説をやられたりしていると思うのですけれども、実際手応えとしてはいかがでしょうか。
知事
県内あちこち回って、多くの県民の皆さんと接しているのですが、非常に反応がいいです。手応えがあります。やはりこういうことはしょっちゅうやらなければならないなと思っています。そして、私がそういうことをすることがまた広く期待されているなというふうにも感じますので、選挙中にもうまく時間のやりくりをしながら、広く岩手あちこち行って、多くの人と接するということはしていきたいと思います。
あと、公務多忙というのは全くそのとおりなのですけれども、今回の参院選の結果次第では、日本が、およそ野党という存在が認められないような一党独裁専制主義国家にさらに大きく向かっていくという、結構日本の歴史的な危機的な状況でもあり、それを食い止めるためには、そこにそれなりの時間を割いたとしても、それは県民の利益に資するというふうに考えています。
記者
あともう一つ伺ってもよろしいでしょうか。以前、小沢一郎さんの後援会の場で、木戸口さんの再選のために、地元に可能な限り戻ってくるという発言がありました。達増知事の拡大後援会の後の後援会の場で。今回の参院選に関しては、達増知事と木戸口さん、二人三脚という形の側面も強いと思いますけれども、小沢さんにはいつ頃選挙区に入っていただきたいとか、その辺りはどのように思っていらっしゃいますか。
知事
その辺は、選挙対策本部を中心とした戦略、戦術の世界ですので、その内容をどの段階で発表するかということも含めて選対本部の判断で発表されればいいと思います。
記者
ありがとうございます。あと、明日公示ですけれども、自民党の岸田総理が公示日初日に岩手県入りするというようなことが一部メディアでも報じられているようですけれども、自民党は岩手選挙区で1992年以来議席を取っていないということで、最重点選挙区という位置づけのようですけれども、このことに関してはどのように感じていらっしゃいますか。
知事
第一声を福島県でという報道にも接しておりますので、福島県で朝、選挙運動をやった後、総理大臣は、多分そのまま北上すれば、その日のうちに岩手県にも来られるということだと思います。
その意図や狙いというのは、その後は全然来なくなるのかということとも関係してきますので、やはり自民党のほうの選対本部のほうから発表されるべきことかと思います。
記者
先ほどお話のありました「シン・ポリティクス」についてお聞きしたいのですけれども、先日県南の演説等でも「シン・ゴジラ」ですとか「シン・ウルトラマン」を引用されておりましたけれども、「シン・ポリティクス」における「シン」というのは、例えば真実の「真」なのか、新しいなのか、どういった意味を込めて御発言されているか、お聞きできますでしょうか。
知事
これは、新しいという意味であり、真の、本当のという意味。漢字にすれば新しいという「新」と、それから真実の「真」、その両方の意味を兼ねるので、片仮名にして「シン」ということであります。「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」の「シン」というのもそういう意味だと理解しています。さらには「シン・仮面ライダー」というのがつくられるそうですが、その「シン」もそういう意味だと理解しています。
記者
すみません、不勉強で恐縮なのですけれども、この「シン・ポリティクス」というのを知事が御発言されるようになったのはいつ頃というか、いつぐらいに思いついたというのをお聞きしてもよろしいですか。
知事
某週刊誌で菅田将暉君が演じる鎌倉殿の大河ドラマの源義経のことをシン義経というふうに書いてあって、あっ、なるほどと思って、そういう目で見ると自分が志を同じくする人たちと一緒に岩手でやってきた政治というのは、まさに「シン・ポリティクス」なのだなとそのとき思いました。「シン・ウルトラマン」はまだ見ていません。
記者
参院選絡みの質問が続いた後で大変恐縮なのですが、全く話題が替わりまして、明日プロ野球の楽天・日本ハム戦が県営野球場で行われて、これが県営野球場での最後のプロ野球公式戦となりますが、知事もセレモニーでスピーチされる予定だと伺っておりますけれども、県民に長く親しまれてきた球場に対しての知事の率直な思いというのを聞かせていただけますでしょうか。
知事
プロ野球ということだけでも小学生時代、巨人・ヤクルト戦を見に行ったりしていましたし、そこで王貞治選手、あと張本選手のホームランがあったりとか、非常に思い出があるのですけれども、プラス高校野球の岩手における聖地と言っていい球場ですし、プラスいろんな大会や、また野球関係の行事も様々行われて、広く県民の皆さんに親しまれ、そして一生の思い出をつくってきた球場だと思います。私なりに万感の思いを込めて御挨拶したいと思います。
記者
現球場に関しては、新球場が来春供用開始になった後に廃止という方針が決まっていますけれども、それに対して惜しむ声も多いやに聞いています。廃止後の後利用だったり、跡地に何か顕彰するものを残すだったり、何か知事の今お考えがあれば教えていただけますでしょうか。
知事
野球関係の皆さんのいろんな考え方なども県のほうで伺いながら、利用についてはまず自然体で取り組んでいくという形です。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の定例記者会見は7月5日(火曜日)の予定です。
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