令和5年2月15日知事会見記録

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開催日時

令和5年2月15日10時30分から11時18分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事、お願いします。

知事
 令和4年度の県外向け復興情報発信としまして、ポスターと動画を作成しました。
 新しいポスターは、「いわて・三陸から ありがとう!」をテーマにしています。
 こちらがそうです。
 宮古編、釜石編、大槌編、そして大船渡編のこの4つです。
 これは、2月20日から3月13日にかけて、「岩手県復興ポスター展」で展示します。また、3月11日の前後には、東京都の都営地下鉄で中吊り広告として皆さんに見ていただけるようにします。
 そして、動画ですけれども、「いわて☆はまらいん特使」をしていただいている村上弘明(むらかみ ひろあき)さんが、このポスターに登場する人やその地域の皆さんと一緒に、いわて・三陸の魅力を伝える復興ミニドラマになっています。2種類ありまして、今日から(岩手県特設サイト「いわてとあなたが、つながるページ」とYouTubeの「岩手県公式動画チャンネル」で)公開します。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。一言よろしくお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問あればよろしくお願いします。

記者
 今回のポスターと動画なのですが、県外向けということなのですけれども、知事のほうから県外に向けて発信したい復興への思いというものをお聞かせいただければと思います。

知事
 それぞれ震災前からの活動を引き継いでいたり、震災前につながるような部分があると同時に、最近の全く新しい活動という面もあり、岩手の復興の今を伝えるのに代表的な写真になっていると思います。そして、それは復興はかなり進んでいるけれども、今も復興の最中というのが、ぱっと見て分かると思いますし、そこで地元の人が大変生き生きと力を発揮して、復興に取り組んでいるということも分かっていただけるのではないかと思います。そして、それぞれ開かれていまして、東京都などから訪問していただいたりとか、まだまだ今からでも被災地復興の現場とつながることができますよというメッセージにもなっていて、そうやって全国や、さらには海外の人たちとも改めてつながっていくことができればと思います。

記者
 私は動画のほうを聞きたいのですけれども、村上さんと出てくる方たちはどんなお話をされたりしているのかというのと、あとこれは動画チャンネルで放送ということなのですけれども、この期間とかは限定されていたりするものなのか、2点お願いします。

知事
 動画は、一旦始まればいつまでも見られるようになっていて、村上さんの過去動画も今も見られます。仮面ライダーの変身ポーズをしているものとか、「インディ・ジョーンズ」みたいな冒険家になっているものとか、いろいろそういうものを今でも見ることができます。
 今回は、そういう変身物ではないのですけれども、それぞれの場所で、宮古であれば「(宮古)うみねこ丸」に乗り、それぞれの海であれば海に行き、映っている人たちと語り合ったり、地元で様々体験しながら地元の良さをアピールするという、そういう内容になっています。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表して幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 私のほうからは、コロナのマスク着用指針についてお伺いできればと思います。先日、政府は新型コロナウイルス対策のマスク着用を個人の判断に委ねるという新しい指針を決めて、学校を除いて3月13日から適用されることとなりました。方針の内容、またその適用の時期について所感を伺いたいというのが1点です。
 もう一点なのですが、隣県の宮城県知事が宮城県なりの考えを示したいとの意向を示しています。本県の対応について、現時点で考えていることがあれば教えていただければと思います。

知事
 2月10日に国の基本的対処方針が変更され、3月13日から新しいマスク着用の仕方をするということになっています。そして、卒業式については、文部科学省からA4、2ページぐらいの取扱指針が出ているということです。それぞれ想像していたような内容で、私が過去の記者会見で話したような内容になっているのではないかと思います。大事なのは、新型コロナウイルスの性質が変わってしまうわけではありませんので、今までの基本的な考え方がこれからも生きていく、場面場面に応じて基本的な感染対策を行うということです。
 そして、今までもなのですけれども、周りに人がいないとか、飛沫がかからないとか、換気が十分で細かい霧のようなものに関しても大丈夫というようなところでは、マスクをしなくてよいとなっていました。それを今まで大ざっぱに、学校であれば学校にいる間はマスクをしましょうとか、屋内ではマスク推奨みたいに言っていたのを、場面場面に応じて、場合分けした説明を国のほうでもするようになったということだと思います。今までと基本的な考え方は変わっていなくて、そして場面場面でマスクをするしないの判断は、結局は個人個人が自由に、言い換えると自分の判断で行うということなので、それも今までも結局そうだったのだと思います。ただ、自由だとか、自分の判断とかいっても、周りの人と相談して決める自由とか、周りの人と相談して決めようという判断もあり、それでみんなで一緒に、今は外してもいいねと言って、例えば、記念写真を撮ったりとか、食べ終わったらマスクしようねと言って会食して、食べ終わった後はマスクをしておしゃべりをするなんていうことは、今までもそうやっていたことです。基本が変わっていないということがまず大事なのと、そして場面場面でのいろんな自由な判断の仕方について、国から細かい具体的な指針が出たということが良かったのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、本県独自で、例えば場面場面の、例えばこういう場面ではというような形で県民の方たちにお知らせするような、何か対応というのは現時点で考えていらっしゃいますか。例えば、事例をパンフレットにするとか、何か考えていることはありますか。

知事
 今はないです。

記者
 ありがとうございます。もう一点お伺いできればと思います。毎度の記者会見でお伺いして恐縮なのですが、県民の関心度が高いので。次期知事選について、御自身の去就について現時点の検討状況を教えていただければと思います。

知事
 発表できることはありません。

記者
 私からは2点。まず1点目は、(2月)17日に開幕しますいわて八幡平白銀国体(について)、1か月前というタイミングでもお伺いしましたが、改めて期待、もしくは岩手県への効果など、あればお聞かせください。

知事
 あさって金曜日、17日に開始式スタートということで、いよいよだなと思っています。全国から大勢の選手、役員、関係者の皆さんがいらっしゃいますので、岩手県として、しっかりおもてなしをしていきたいということが一つ、そして、選手の皆さんにはベストを尽くして限界に挑戦していただきたいなと思います。選手も、大体決まってきていますので、それぞれの選手の活躍に期待したいと思います。岩手県勢でも若い世代がどんどん選手に選ばれていて、その中にはスーパーキッズ卒業生もいて、そうした若い力も新たに参加する岩手県選手団の活躍に大いに期待しつつ、岩手県以外の選手の皆さんにも活躍してほしいと思います。

記者
 その関係でもう一点、永井秀昭(ながい ひであき)選手は、今国体での引退を表明していました。ノルディックなので、ラストランと呼べばいいのか、ラストジャンプと呼べばいいのか、ちょっと分からないところがありますが、永井選手に何かもしお伝えしたいことがあればお聞かせください。

知事
 今までもすばらしい力で様々な劇的な展開を見せてくださったり、そして競技に打ち込むことのすばらしさというのを伝えてくれたなと思いますので、(引退は、)そういう永井さんの歴史の新しいページであり、その先どうなっていくのかというのは、まずは、今回新しく描かれるページに期待したいと思います。

記者
 ありがとうございます。すみません、もう一点、別の話題になります。先日、いわて旅応援プロジェクトで不適正運用があったとの公表がありました。国の補助金も入っている事業でしたし、改めてこの件に対する知事の所感と、今後、県で同様の事業をしていく場合の注意であるとか、そういった何か対応があればお聞かせください。

知事
 非常に残念であります。(いわて旅応援プロジェクトは、)新型コロナウイルス対策(として)、みんなで力を合わせて乗り越えていこうという中での事業でありまして、不正というのはあってはならないわけで、それが行われたということを大変遺憾に思います。こういうことがないように、同様の事業は運用されていかなければなりませんし、改めて困っている個人、困っている事業者、そういう中でお互い力を合わせて、消費できる力のある人は消費を通じてお互いを助け合うという、そういうことをきちんとやっていきましょうということを呼びかけたいと思います。

記者
 トルコ・シリア大地震についてお伺いしたいと思います。犠牲者が日増しに増えていきまして、直近ですと3万9,000人を超えるということで、まずこうした大勢の方が亡くなる災害が起こってしまっていることへの受け止めというところと、岩手県は東日本大震災時に支援も受けたということで、こうした今起こっている災害に対して、これから岩手県としてどういった支援をしていくつもりなのかというところなどを教えていただければと思います。

知事
 地震という自然災害の恐ろしさを改めて感じています。そして、これだけ大きな災害になると、当初伝わっていた死者数よりも、はるかに多い死者数が実はあったのだということが後になってきてから分かるという、そういう意味での災害の怖さというのもまた感じています。
 トルコには、岩手県も東日本大震災津波のときに様々な支援をいただいていて、お世話になっています。私から駐日トルコ大使宛てにお見舞状を伝達し、そしてお見舞金も贈呈することとしたところでありますけれども、シリアについては、政府が内戦状態にあり、また、特に、被災地が反政府の拠点になっていたような場所であるという非常に悲劇的な複雑な状況があり、普通の海外からの支援というのが難しくなってはいるのですけれども、赤十字、イスラム教の世界では赤新月社、ここの国際的な中立機関を通じての支援というのもあり、それが機能することを期待しています。
 県としては、トルコ大使館が指定している国内の口座に県のお見舞金は振り込むこととしていますし、また日本赤十字のほうの受入れについても、県としては紹介していますので、岩手県民の皆さんもそういった形で支援したいという気持ちを形にしていただければと思います。

記者
 私からは、先ほどのいわて旅応援プロジェクトの不適切な利用事案についてですけれども、こちらは全国旅行支援(の補助金)が国から配分された上での出来事ということで、国に対してこの事案を報告した上で、何かペナルティーですとか、補助金を返還するですとか、そういった対応はあるのでしょうか。

知事
 返還金については、当該宿泊施設において、不適切な利用分を含め、事業の趣旨や目的に沿わない従業員が利用した分の全てを(県に)返還済みであるというように聞いています。また、会社のホームページで公表の上、謝罪を行っており、そういった状況から、県としてはプロジェクトの参加施設から除外するということをまずやっているところです。

記者
 例えば、県から国に対しては、何か報告ですとか対応というのはあるのでしょうか。

知事
 担当のほうで国と情報共有しながら事案に対応していると思いますけれども、詳しいやり取りについては、私のところでは承知していないところです。

記者
 あともう一点なのですけれども、先日、アマチュア将棋棋士の小山怜央(こやま れお)さんが、県内初のプロ棋士の試験に合格しまして、これが戦後からプロになるというのでも1人目ということで快挙を達成しました。このことについて、どのように受け止めているのかお願いいたします。

知事
 非常にすごいと思います。岩手県で初めてのプロ棋士であります。そして、(棋士養成機関)奨励会(という)、そういうルートを通さずにプロの棋士になったということが、また大変すばらしいと思います。そういう今まで誰もやったことのないようなことを成し遂げるというところは、大谷翔平君の二刀流にも通ずるところがあるのではないかと思っておりまして、将棋の世界でも、まずプロ棋士になること自体、岩手県民にとっては未開の地を切り開いてくれたことですし、奨励会なしでプロになったということは、将棋の世界全体の新しい道を切り開いたということで、そういう誇りを持ってどんどん前進してほしいなと思います。
 あと、生まれた年が1993年(ということで)、(今から)30年前で、岩手県で国民文化祭を開催した年なのです。今の天皇皇后両陛下、当時の皇太子殿下妃殿下がおいでになって、当時の両殿下にとって初めての国民文化祭であり、岩手県でもそこに向けて様々な文化活動、文化施設に力を入れ、そこがレガシーになって、その後の岩手県の文化芸術活動がさらに花開いているというところがあるのですけれども、国民文化祭いわて’93の申し子というような印象を受けています。

記者
 釜石市では、昨日(2月14日)、懸垂幕が掲げられましたけれども、例えば、県でも何かそういう祝福するような取組というのは考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 釜石市という東日本大震災津波被災地の出身で、その後の復興のプロセスとプロを目指した苦労の期間も一致していて、そこも非常に感銘を受けるところです。それから、岩手県立大学出身者だということも岩手県にとっては特別です。岩手県にとっても特別だというところを県としてどう表現していくかは、これから考えたいと思います。

記者
 また別な話題で何点か質問をお願いします。1点目ですが、盛岡市が5月に導入するパートナーシップ制度について、事実婚も対象とするというような方針を決めました。なかなか前例が少ない決定だと思いますけれども、この動きを県としてはどのように見ていますでしょうか。

知事
 まず、パートナーシップ制度の導入については、私も県議会で何回か答弁していますけれども、県としても進めるに値することと考えていて、岩手県内では一関市は既にやり、盛岡市がもうすぐやる、準備している市町村も他にもあるということで、それらの間でうまく調整ができるようにするとか、また他の市町村の参考にもなるように指針のようなものを県として作ろうと考えているところです。そういう県の方針にも沿っている盛岡市の取組で、事実婚については、事実婚で様々不自由を訴えている人たちの声を聞き、そういう住民に対する基礎自治体のサービスとして対応するということは一つの見識であり、それが順調に制度として機能していくことを期待します。

記者
 県としても拡大していくというような話ですけれども、いつ頃までに、例えば、方針を固めたいとか、そういっためどというのは現時点では立っていますでしょうか。

知事
 県議会答弁でも、早いうちにみたいな答弁をしていた記憶があるのですが、年度内にできればいいかなと思っています。

記者
 ありがとうございます。またちょっと次に別な話題なのですけれども、盛岡市役所の移転の件について、盛岡市は先日、移転した上で新築するのが望ましいという方針を決めました。これに対する所感と、あとは同じく内丸にあって、建て替えなどを検討している岩手県としてはどのように考えていくかお願いします。

知事
 県庁舎は、まだまだ耐震診断を改めてやるというところから出発していきますので、盛岡市の検討状況とは、大分タイムラグはあるところであります。盛岡市では、市民の皆さんの意見を集め、そして専門家の意見も踏まえて進めているということで、技術的にきちんとした根拠に基づき、経済社会情勢にもマッチしたようなやり方を、市民の皆さんの声に基づいてやっていただければいいのではないかと思っています。そして、内丸の将来のあり方については、別途、県は盛岡市やその他の内丸に本社などがある主体と一緒に議論を重ねているところでありまして、内丸は内丸として期待される機能を発揮できる地域として発展するように県も取り組んでいきたいと思います。

記者
 分かりました。あと、以前にも県庁の建て替えを方針として出すような話もありましたけれども、県庁の今後のあり方についてという部分ですと、今どのように話として進捗はなされていますでしょうか。

知事
 県のほうは、耐震診断に着手(しており、結果が出る)までは、建て替え云々は、全く今決まっていないということです。

記者
 分かりました。ありがとうございます。最後に、今年の4月1日にオープンする盛岡市の新しい野球場のいわて盛岡ボールパークの件について、先日、盛岡市がオープニングイベントの詳細を発表しまして、記念試合を開いたりですとか、あと野球教室やグラウンド開放といった、すごく盛大に祝福するような方針を決めましたけれども、このいわて盛岡ボールパークが開業する期待感や、あと県としてどう関わっていくかという部分を教えてください。

知事
 きたぎんボールパークこと、いわて盛岡ボールパークでありますが、岩手県と盛岡市が、全国で初めて県と市が共同で整備する野球場として4月1日にオープンします。日本全体のスポーツ振興、地域振興にとっても一つの画期的なことだと思っています。そして、岩手県としては、今の県営野球場の機能が、そのままいわて盛岡ボールパーク、愛称きたぎんボールパークのほうに移りますので、今までの岩手県の野球の歴史の積み重ね、それがきたぎんボールパークにおいて発揮されていくように工夫しながら、具体的な試合の誘致でありますとか、日々の使い方については、盛岡市が委託している委託事業者において様々工夫してもらっているところなのですけれども、設置者は県と盛岡市共同でありますので、そういう形で県としてもこれからの県営野球場として関与していきたいと思います。

記者
 閉鎖される県営野球場のほうは、老朽化もありますけれども、やっぱり名残惜しいという声もありまして、知事としては歴史のある県営野球場のほうでの記憶に残る場面とか、思い出に残る出来事といったことは何かありますか。

知事
 高校時代の野球応援でありますとか、あとは小学校時代に友達と一緒にプロ野球を見に行ったことでありますとか、知事になってからもいろんな機会があり、東日本大震災津波のすぐ後にオールスターゲームをやったということが記憶に残っています。きたぎんボールパーク、いわて盛岡ボールパークに過去の岩手県の野球の歴史に関する展示機能も持たせていきますので、新しい野球場のほうで岩手県の野球の伝統も発信していきたいと思います。

記者
 話は戻ってしまうのですけれども、先ほどマスク着用の緩和について所感をいただきましたけれども、改めて、今後のマスクの緩和についての政府の進め方について、知事として何か求めたいことがあればお願いします。

知事
 ちょうど全国知事会のほうでも意見を取りまとめて、国に伝えているところですが、住民、県民の皆さんが感染したとき、ちゃんと検査で感染したことが分かって、そして必要な医療が受けられる、また、予防のために事前にワクチンを打つことができる、そういったことをおろそかにしないということが大事であります。そういった検査や医療、そしてワクチン接種の費用を、公費、国の予算で手当てしていくということを続けてもらうということが重要と考えております。
 マスクについては、3年間もやってきていますので、日本国民のマスクの使い方はかなり習熟してきているのだと思います。それに沿った新しい指針が国から示されているということだと思います。一頃、個人の判断ではなくて、屋内は一斉にノーマスクみたいなアイデアもあったと報道で伝えられていましたが、科学的な根拠に基づかずに、一斉に、あるやり方を強制するような仕方はしないようにということは申し上げたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点だけ、先ほどの質問からもありましたが、トルコの地震についてなのですけれども、岩手県としてはお見舞金を送ったというのは分かりました。まだこれからも被害が拡大していくような状況ですけれども、岩手県として、例えば人的な支援ですとか、何かお金以外の物を送るとか、そういう物的な支援含めて、知事の気持ちも含めて、どう支援していきたいかというのを改めて教えていただけますか。

知事
 今週開かれた県の(岩手県東日本大震災津波)復興委員会でも、復興委員会メンバーの皆さんからトルコ地震に対して、東日本大震災津波を経験した岩手県として役に立つことがあるのではないかという発言が幾つかあったのを思い出します。そこで念頭に置かれていたのは、復興の仕方をうまく伝えて、参考にしてもらえればという意見が複数あったと記憶しています。避難所の設営の仕方とか、様々参考にしてもらえることはあるのではないかと思うのですけれども、まだ、今は人命救助の段階、捜索の段階が続いているところでありますので、そこを見守りながら、邪魔にならないような形で支援できるような状況になってきたら、様々な支援を工夫したいと思います。

記者
 もう一点だけ、その避難所の設営の仕方とかというのは、例えば、岩手県のほうからどなたか、そういう知識を持っている方が現地に行く、派遣するみたいな形を想定されていらっしゃるのでしょうか。

知事
 誰かそういう人いないかという、瓦礫の中で生きている人を捜すという作業や、亡くなっている場合も含め、捜索活動以外の何か活動を現地でやっていいのかという、またそういう情報の照会を現地にしていいのかという、まだそういう状況だと思いますので、まず今は祈りながら、状況を見守るということだと思います。

記者
 私もマスク着用の件でお尋ねします。先ほどのやり取りからお聞きしますと、県として特に何かマニュアルというか、チラシみたいなのを作る予定はないということでした。ただ、取材をしていたり、街頭でのインタビューをしていると、やっぱりまだ不安で外したくないという人もかなり多いように見受けられます。一方、やはりもう屋外では、寒くなっていますけれども、今までの国の指針等に基づいてマスクを外して移動されている方がいます。そういった意識の差が個人でも、あるいは集団でもある中で、3月13日に個人の判断でということになると、いろいろトラブルも起きやすいのではないかと。そういった意味で、その国の指針に任せていいのか、やはり寄り添っている現場の岩手県として県民に対して何か周知というか、こういうふうにやりましょうというのを少し丁寧にやるという方法もあるのではないかと思うので、その点について改めて知事にお伺いしたいと思います。

知事
 今までも個人の判断で、家の中でもマスク着用が推奨されていたとしても、いつも一緒にいる人たち同士であれば外してもいいとか、外すけれども、食卓を囲む形ではない形で食事をするとか、それぞれ自分の住んでいる場所や家族の行動パターンをベースに皆さん一人ひとりが判断し、考えて、つけたり外したりしてこられていたのだと思います。
 一方、学校の卒業式でのマスク着用は、さっき言ったように、文科省からA4、2ページの丁寧な指針が出ていて、それを教育委員会で学校現場と共有する作業を今やっているところだと思います。
 そのように、特定のイベントや学校という特定の場など、国の指針を共有するに当たって、県や教育委員会が様々やるということはあるわけですし、いろんな県主催の行事でありますとか、県の管理する建物の使い方でありますとか、そういったところではそれぞれ丁寧にマスク着用については質問に答えたり、また助言したりしているところと理解しています。

記者
 例えば、飲食の場だったり、あるいはショッピング、あるいは公共交通機関等で個人の判断ということをめぐって、混乱が生じる可能性があるのではないかという意味で質問させていただきました。その意味では、混乱は、今の時点では生じないとお考えですか。

知事
 政府は、大きく広くマスク着用ということを原則にしていれば、混乱やトラブルは起きにくかろうという配慮を今までやってきました。でも、それによってマスクを外してもいいような場所でもマスクをつけなければならないみたいなことになるデメリットと比較考量し、そういう大きな枠でマスク着用をお願いするということをやめるという判断を国はしたということです。その判断は、まずやはりそれなりに受け止めるべきだと思っていて、それに真っ向から反するような主張を地方がやったりすることで、混乱も起きるでしょうし、岩手県においては、過去3年間の県民の皆さんのマスク着用も含めた感染対策の仕方を見ていれば、科学的な根拠に基づいて場面場面に応じて、基本的な感染対策を行うということはそれなりにやれているので、これからもやれるのではないかと期待しています。

記者
 私から、話題替わって、知事のツイッターで「TRY(ティーアールワイ)48」という小説を書いた中森(明夫(なかもり あきお))さんとお会いしたというような投稿を拝見したのですけれども、どういった内容なのかというか、知事の読んだ感想があれば教えてほしいのと、あとお会いしてどんな話をしたのか、併せて教えてください。

知事
 東日本大震災津波から復興していくに当たって、震災2年後、今から10年前に「あまちゃん」というドラマが放映されまして、これは被災地に、みんなで笑っていいのだと、そして元気を出していいのだというような、そういうものを被災地にもたらし、また舞台になった三陸鉄道沿線をはじめ、岩手県全体としても全国から注目されて、観光客も増え、経済効果も非常にあった、そういう10年前のあまちゃんブームの際に大いに活躍した人の一人が中森明夫さんだったわけです。番組に関する評論とか、主人公ののんさん、本名、能年玲奈(のうねん れな)さんに関する評論とかが全国でも評判になり、そのとき盛岡市、岩手県のほうにも来たりもしていて、今回は直接関係ない本の出版ではあるのですけれども、でも10年前、あまちゃんブームで訪れ、そして地元の人たちとも交流を深めた盛岡市に来て、このあまちゃん10周年をお祝いする気持ちも込めて出版記念の講演をされるということだったので、私もその講演を聞きに行き、そこで一緒に写真を撮ったりしたものであります。
 ということで、10年前のあまちゃんブームで生まれた絆、日本中の鉄道ファンとか、アイドルファンとか、また様々な80年代カルチャーのファン、Y.M.O.(ワイエムオー)とか、そして歌謡曲のファンとか、いろんな全国のそういう人たちがあまちゃんを通じて岩手とつながったということがありましたので、私も今年、そういう10周年を記念して、改めてそういう絆を再確認しながら、改めてそれを復興の力、未来に向かって岩手が進んでいく力にできればと思っております。中森明夫さんも同じようなことを岩手に関して考えていてくれたので、意気投合しているというところです。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は3月3日(金曜日)の予定です。

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