令和4年9月2日知事会見記録

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開催日時

令和4年9月2日10時00分から10時34分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 今日の発表は、令和3年度岩手県芸術選奨及び岩手県美術選奨受賞者の決定についてです。
 まず、芸術選奨受賞者は、句集を出版された大澤保子(おおさわ やすこ)さん、小説を出版された田沢五月(たざわ さつき)さん、随筆集を出版された千葉万美子(ちば まみこ)さん、そして昨年の岩手芸術祭でモダンダンスを公演された金田尚子(かねた なおこ)舞踊研究所の3名1団体です。
 岩手県美術選奨受賞者は、版画の個展を開かれた阿部夏希(あべ なつき)さん、絵画の個展を開かれた大宮政郎(おおみや まさお)さん、写真の個展を開かれた奥山淳志(おくやま あつし)さん、そして書道の個展を開かれた玉澤岑砦(たまざわ しんさい)さんの4名です。表彰式は9月12日、知事公館で行います。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 まずは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いいたします。

記者
 今回7人と1団体の表彰となったわけですが、まず知事から称賛のコメントなどいただければと思います。

知事
 それぞれ高いレベルの作品であり、また活動であります。そして、多様な分野でそれぞれ高いレベルの域に達する方々がいらっしゃるというのが大変うれしいですし、また年齢についても、経験を積まれた方もいらっしゃれば、若い方もいらっしゃるということで、岩手県の芸術や美術の広がりを感じさせるような、そういう今年の受賞決定となったと思います。

幹事社
 続いては、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 3日に日本スポーツマスターズの岩手大会の会期前競技ではありますが、水泳が始まります。22日に本会期が始まるわけなのですけれども、まずちょっと先駆けて大会が開催されることへの所感をいただければと思います。

知事
 いよいよ始まるということで、6年前に国体と全国障害者スポーツ大会が岩手県で行われ、そのレガシーという流れの中で、シニアスポーツの全国大会がいよいよ開催ということで、非常にうれしく思います。新型コロナウイルスの感染状況がどのようになっているか、事前に予想はできなかったわけでありますけれども、県民の皆さんのおかげで感染対策をやりながら競技を行うことができる見通しでありますので、大変うれしく思います。全国からいらっしゃる選手、関係者の皆さんを心から歓迎したいと思います。

記者
 ありがとうございました。すみません、話題が変わりまして、新型コロナの関係です。
 先日の(岩手県新型コロナウイルス感染症対策本部)本部員会議で、岩手県としては患者の全数把握を継続するという話がありました。一方で、知事は会見の中で、保健所の負担軽減ということも訴えられていました。その辺りの整合性といいますか、県としてどういう意図を持って全数把握を継続するという決定を続けたのか、ちょっと改めてお聞かせください。

知事
 HER-SYS(ハーシス:新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)というシステムを使って、感染した方々の情報の登録が行われて、全国的な情報共有も行われているわけです。HER-SYS(ハーシス)のシステムを使うことで、感染した方が自宅療養される場合に、毎日毎日熱は何度とか、そういう情報を県と共有することができるMy-HER-SYS(マイハーシス)を活用し、大勢いらっしゃる自宅療養の方々の健康観察が効率的にできますので、それを継続していくということです。
 ただ、HER-SYS(ハーシス)への登録が40項目あって、それに時間がかかるというのが欠点だったわけですけれども、リスクが低い方については、ごくごく基本的な7項目に絞ることで、岩手県においてはHER-SYS(ハーシス)を活用しながら、My-HER-SYS(マイハーシス)での効率的な健康観察が可能ということで、それをやっているということであります。

記者
 今週初めに県の医師会が県内の医療状況のひっ迫を訴えて会見しました。昨日も県議会の講演で、医大の小笠原院長が、一般の手術を使うようなことを止めているというようなこともありました。知事は、今の県内の医療状況についてどのように考えているか、またそれについて県民への行動について、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

知事
 1日当たりの新規感染者数が2,000人を超える日もありまして、そして1週間10万人当たりの新規感染者数が900人を超えて、1,000人に迫るところまで行ったわけであります。そうなってきますと、あらゆる分野で多くの人たちが感染してしまいますので、医療従事者の方々や直接接する家族の方々が感染して、病院に出てこられなくなる医療従事者が多くなってきて、そして医療提供体制もひっ迫してくるということが起きていたわけです。
 県からは、県民一人一人が感染対策を再徹底し、場面、場面での感染対策ということも再徹底をお願いし、そして今、1日当たりの新規感染者数、また1週間10万人当たりの新規感染者数も、昨日発表の段階で1週間以上連続して下がり続けていますので、これは県民の皆さんの努力のたまものだと思っております。
 ただ、病院の現場のひっ迫状況の回復というのは、新規感染者数の数字が下がっていくよりやや遅れますので、さらに県全体としての新規感染者数が減っていくように、県民の皆さんには、改めて基本的感染対策の再徹底、場面、場面での対策の再徹底をお願いしたいと思います。

記者
 お盆や行動制限がなかった期間の帰省などがそういうのに影響しているとの発言も昨日あったようですが、それについて知事の所感と、改めて行動制限に関して、県としての状況を聞かせていただけますでしょうか。

知事
 いろいろ報告を聞いていますと、やはり首都圏などから帰省してくる、あるいは旅行などでやってくる人の流れが多くなり、そしてそうした人たちとの接触機会も増えて、岩手県の新規感染者数が増えていったということがあったと思います。
 行動制限ということに関しては、飲食店の営業時間などのような形での行動制限はなく、また県境を越えた移動を一律に制限するような、そういう行動制限はなかったわけですけれども、マスク着用や消毒、換気、そして一定の距離を取るなどの、そういった基本的な感染対策、そして場面、場面での行動の規制ということは一貫してお願いを続けていたわけでありまして、それがあってあのくらいの数字で済んだというところもあり、またそれがあって、今、新規感染者数が減ってきているということがあると思いますので、引き続き基本的な感染対策、場面、場面での感染対策という意味での行動規制を自ら、そして周りの人たちと一緒にやっていただきたいと思います。

記者
 県境産廃問題についてお伺いします。産廃特別措置法が本年度末で失効するのを受けまして、環境省が来年度以降も自治体側に水処理やモニタリングなどに要する費用の一部を補助する方針を固めて、先日発表された23年度予算案の概算要求に2億6,200万円を計上いたしました。この問題について、県境産廃問題を抱える青森や岩手両県など、全国の15の自治体などが特措法の失効で財政負担が増すとして、政府に対して継続支援を要望しておりました。今回の政府の方針についてどのように受け止めておられるか、また国からどのような話が来ているかについて伺いたいと思います。

知事
 様々なやり取りの中で、概算要求ではそういう形になったということだと思いますけれども、岩手県としては、関係する県と連携をしながら国に支援を求めてきましたし、また今後も求めていくところであります。産業廃棄物が、ある意味日本中から押し寄せてきて、問題になってしまったわけでありまして、そこはその廃棄された自治体だけの責任ということではなくて、やはり日本全体として問題解決に当たるという姿勢が引き続き必要だと思いますので、そういう考え方に基づいて国の支援というものを求めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。先ほどの引き続き支援を求めていくというふうなお話ありましたけれども、県としてこれからのこの問題について、県境産廃問題についてどのように対応していく考えか、伺わせていただきます。

知事
 モニタリングなど、必要な環境の保全のためのチェックということが、まず大事でありますし、あとは跡地利活用ですね、基本的に処分が進んで、様々なことに使えるような土地に今なってきておりますので、環境問題について気候変動対策に役に立つような利活用でありますとか、また廃棄物処理の問題も含めて、この身近な環境問題ということについて取り組んでいくのに役に立つような利活用ということを進めていきたいと思います。

記者
 政府が今月7月からの外国人の1日当たりの入国者数を2万人から5万人に引き上げるという方針を示しましたけれども、まずその方針について知事の受け止めを教えてください。

知事
 ゆうべもアメリカ、ワシントンD.C.で有名なお店をやっているシェフの方に、岩手にいらしていただいて、岩手の食を食べて体験して、改めてお店での活用に役立てていただくという、そういうイベントをやったのですけれども、新型コロナウイルスの感染対策をしっかりやりながら国境を越えた人の行き来が行われていくということは、地域振興や地方の経済、また生活を豊かにしていくことに資するものでありますので、感染対策を徹底してということが条件になるわけですけれども、人の行き来が盛んになっていくような制度の変更ということは望ましいと考えています。

記者
 先ほど感染対策のお話もありましたけれども、全国的に見ても、岩手も含め、まだ感染者数の状況というのは高い水準にあるかと思います。感染対策と社会経済活動を両立しながら、この5万人に引き上げるという部分について、改めて知事として、感染対策も含めて国に求めたいことというのは何かありますか。

知事
 いわゆる水際対策で、空港での検査がやはり大事だと思いますので、今ちょっと具体的な、専門的なやり方について、こうしてほしいというのは用意していないのですけれども、世界全体として空港などでの検疫体制をしっかりやることによって、国境を越えた人の移動を可能にしつつ、コロナの感染対策も徹底させていくということが進むことを期待します。

記者
 ありがとうございます。最後に、もう一点だけお願いします。県民割のほうも延長が決まったかと思うのですけれども、この(入国者数)上限の引上げに伴って、さらにこの県内の観光を含めた需要喚起の部分も含めて、さらに経済を回していくために、改めて県として、県民割の延長も含めてなのですけれども、どのように対策を取っていくのか、知事のお考えをお聞かせください。

知事
 観光の現場での感染の発生、感染の拡大というのは、ほとんど報告されていないところでありまして、やはり感染対策をきちっとやりながら、感染リスクの低い観光というのを実現させていくということが大事だと思います。
 そして、これは外国人の場合であっても、やはりそれぞれ目的意識を持って、観光もそうなのですけれども、国境を越えてやってくるわけでありますので、感染対策が必要という意識を基本的に持っている方々がやってくるわけでありますので、そういうやってくる皆さんの感染対策意識と、受け入れる側の感染対策意識を合わせて、感染リスクの低い観光ということをやれればいいと思っています。
 ただ、まず地域経済全体がコロナで消費が落ち込んで、地域全体の消費力が低下している中、消費を促すための県民割のような旅応援事業、また飲食店の食応援事業というのが大事だと考えておりますので、そちらのほうの消費促進支援策もしっかりやっていきたいと思います。

記者
 コロナのオミクロン株対応のワクチン接種開始時期を政府のほうで今月にも始めたいというふうに表明しているところなのですけれども、県のこのオミクロン株対応ワクチンへの対応について、今の状況をお聞かせください。

知事
 あまり細かいこと、具体的な話はこの場ではあれなのですけれども、今それぞれ3回目、4回目、また子どもたちへの最初(1回目、2回目)のワクチン(接種)体制をつくって、市町村と県とで接種を進めているわけでありますけれども、そこにオミクロン株対応ワクチンというのが新たに出てきたわけでありますが、国から来ている情報については、県医師会や関係機関等とも共有しながら、接種体制、特に市町村における円滑な接種体制の確保について調整し、県としてもそれを支援していきます。

記者
 ありがとうございます。そのオミクロン株ワクチンが来るということで、3回目、4回目のワクチン接種が、今、並行して行われているところなのですけれども、オミクロン株対応のワクチンが来るからちょっと今は控えておこうというような何か動きもあるというふうな報道も一部ありますが、こういった動きについて、今3回目、4回目が行われている中でオミクロン株対応ワクチンが来るというところについては、この進め方というところは県としてはどのように市町村の取組をサポートする考えでしょうか。

知事
 まず、今打っているワクチンも重症化予防効果などがあるとされていますので、今3回目、4回目接種が可能な方については、このオミクロン株対応のワクチンを待つことなく、早めに今のワクチンを接種していただくよう進めているところであります。

記者
 私は、県庁舎の件でちょっとお伺いしたいと思います。県庁舎の今後の建て替えなどについて、盛岡市の内丸ビジョンとの関係ですとか整備手法など、今後課題になっていくかと思います。先日県議会の常任委員会では、整備手法の検討も含めると10年以上、少なくとも期間を要するというような御説明もありましたが、知事は今この庁舎建て替えなどに当たっての課題をどのように認識しているか、ちょっと教えていただいてよろしいでしょうか。

知事
 大きい施設をどうこうするには、お金もかなりかかるわけですので、県庁舎の在り方については科学的、技術的な根拠に基づいた上で、経済、社会的な必要性、ニーズにも配慮しながら進めていくと。これは、東日本大震災津波からの復興の基本的な考え方でもあるのですけれども、そういうことが大事なのですが、まだ今の現状では、この庁舎がどのくらい危ないのか、危なくないのかという科学的データがもう一つ揃っていないので、その耐震検査が必要だというところが課題なのだと思います。そうやってデータを集めて、そして県議会に説明したように、建て替え、改修、様々なやり方についての想定される予算や期間など、そういったことも勘案しながら、県庁舎の在り方を決めていくということだと思います。

記者
 ちょっと先ほどもお伺いした盛岡市の計画の内丸ビジョンとの兼ね合いという部分に関しても、どういうふうに意識をされていく感じでしょうか。

知事
 内丸ビジョン(内丸地区将来ビジョン)については、(内丸地区将来ビジョン懇話会の座長である岩手大学の)南先生でしたかね、人力、人の力がすごいと。地域の皆さんが意見をどんどん出して、こういうエリアにしてほしい、すべきだというような、そういう意見の力というのでしょうか、そこが大変いいということをおっしゃっているのを報告で見たのですけれども、お城もあるエリアでもありますし、歴史、地理、そして現在の経済社会情勢などを踏まえながら、盛岡市民の皆さんが意見を出し合って内丸エリアの在り方を決めていくと。そこに県としてしっかり関与していくということが大事なのだと思います。
 県としては、提供できる科学的、技術的なデータを提供するということや、またオール岩手の中で盛岡市、そしてこの内丸エリアに期待される役割というのを紹介していくことが県の役割だと思いますので、そういうことをしながら、一緒に決めていければと思います。

記者
 ありがとうございます、もう一点だけ。県庁舎の今後の建て替えなどの整備に関しては、基金などの積立てがない中で財政的な懸念もあるかと思います。その財政的な部分に関しての課題をどう克服していくかという部分に関しての認識及び対策などあれば教えていただけますか。お願いいたします。

知事
 復興もそうだったのですけれども、安全の確保や、また経済社会的に期待されている役割を果たしていくためには、やらなければならないことはやるのだということが、まずあります。他方、安全確保については、財源を理由におろそかにすることはできないと思いますけれども、経済社会的な要請に応えるような部分については、財政的な事情というのを勘案しながら、総合的に判断して決めていかなければならないのだと思います。

記者
 ちょっとコロナに話戻りますが、改めてなのですけれども、自宅療養の短縮の話がずっと出ていて、それについて、10日から7日とか、症状がないと5日とかという、それについて知事はどういう、大きな政府の方向性についてどういう見解か、あるいは政府のスピード感も含めて、あるいは一部慎重論があるということも含めて、どういうふうに受け止めていらっしゃるか教えてください。

知事
 今までのルールや今現在のルールも基本的には、まさに科学的、技術的な根拠に基づいて、全国一律にするということで、安全を確保しながら分かりやすく進めてきたということだと思いますので、そのようなきちんとした根拠に基づいて、全国一律に決められたものであれば、岩手県としてもそれに沿った対応に変えていくというのが基本だと考えます。

記者
 スピード感とかタイミングとかというのはどうですか。

知事
 新型コロナウイルスは、人類が初めて経験する、人に広く感染するこのタイプのウイルスで、ワクチンによって症状をうんと軽くしたり、また多くの人が軽い症状や無症状で済むようにできている一方で、普通の風邪や季節性インフルエンザにはない、免疫系に影響を及ぼして、血栓がたくさんできて、脳とか心臓とか肺の奥とかに甚大な影響を与える可能性があり、そしてまだ分からないことも多い後遺症というものもかなりあるということでありますので、慎重には慎重を期すという考え方もよく分かるところがあります。
 そういう意味で、医学的に広く科学的にきちんと根拠があって、やれるならすぐやればいいですけれども、そこに不安があるのであれば無理に変えないほうがいいというように思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は9月9日(金曜日)の予定です。

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