令和2年6月8日知事会見記録
開催日時
令和2年6月8日 17時から17時29分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
今回の補正予算は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止と、社会経済活動の維持の両立に取り組んでいくための予算です。補正予算は245億円です。第1号、第2号の補正予算と合わせて、総額は869億円になります。
予算の主な内容は、
1、情報提供・共有関連として、県や国の支援策などの周知を図るための経費です。
2、サーベイランス・情報収集関連、地域外来・検査センターについて予算を増額します。
3、まん延防止関連、障がい者支援施設や介護サービス事業所、児童養護施設や保育所など、社会福祉施設等に対し感染症対策の経費を支援します。また、児童相談所の体制を強化します。医療的ケア児の受入れについては、個別に調整します。
4、医療等関連、病床の確保や医療従事者の宿泊費用の支援を行います。また、医療機関や薬局を支援します。さらに、医療機関の医療従事者や職員、障がい者支援施設や介護施設等の職員に、国の制度に則って慰労金を支給します。
5、教育関連、授業料の減免やアルバイトの創出など、岩手県立大学が学生に対して行う経済的支援に要する経費を計上しています。小中学校や高等学校にスクールサポートスタッフを配置し、オンラインシステムを活用した学習を支援します。学校の感染症対策に必要な経費を盛り込んでいます。
6、経済・雇用対策関連、生活福祉資金や住居確保給付金を増額し、ひとり親世帯に対し特別給付金を支給します。学生に対する支援として、県内学生を県が直接雇用し、県外学生に対して、就職活動で帰省する際の交通費等を支援します。オンラインによる合同企業説明会を開催します。商工会議所や中小企業団体中央会を支援します。事業者の家賃は、既に売上げが50%以上減少している場合、2分の1補助を行っています。新たに売上げが30%以上減少している事業者まで対象を拡大します。国の第2次補正予算案で家賃の3分の2を6か月補助する制度が提案されていますので、これと合わせると最大9か月分の家賃補助になります。飲食店や小売店などの感染症対策に10万円を支援します。県産品について、ウェブ物産展を開催します。宿泊業については、売上げが50%以上落ち込んでいる宿泊業者に100万円を支給します。感染症対策経費の3分の2を最大200万円支援します。県民が県内の宿泊施設に泊まる場合、1泊2,000円を支援します。市町村内の地元の宿に宿泊する場合は、市町村と協調し、さらに1泊4,000円の上乗せ支援を行います。最大で6,000円の支援となります。観光バス事業者の感染症対策に1台1運行あたり5万円を上限に支援します。観光業に関する施策は、国のGoToキャンペーンが開始されるまでの期間行う予定です。学校給食に、これまでの牛肉に加えて、南部かしわやホタテガイを提供します。さらに、フェアの開催や花卉、花の販売促進、県産木材製品の情報発信など、経費を計上しています。
以上、この予算については速やかに事業を実施するため、県議会臨時会を6月11日に招集します。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
観光分野についてお伺いいたします。県外からの観光客の誘致について、19日以降に取り組むというお話がありましたが、具体的に今回の補正予算のどこの部分に当たるのか、そして具体的に何をなさるのかについて教えてください。
知事
県外からの観光客については、特別のフェア(イベント)をやります。それから、今回の補正予算ではホテル、旅館などへの支援をします。バス会社への支援もします。これらは、県外からの観光客受入れの支援でもあります。
記者
ありがとうございます。特別のフェアについてもう少し詳しく教えてください。
知事
それはまた後ほど、6月19日に発表会をします。
記者
今回の補正の245億円についてなのですけれども、改めて重点、重視した部分、知事のお考え等を聞かせていただければと思います。どういったところにポイントを置いたとか。
知事
要望があったことを実現しています。例えば、家賃補助の増額、ひとり親世帯への給付金、学校現場の感染対策支援、妊婦の皆さんへの支援、それぞれ不安があると言われていたことについて、事業を設けたり、予算を増やしたりしました。
記者
項目別のところでなのですけれども、社会福祉施設、国の2次補正にも入っていますが、社会福祉施設の職員であったり、医療関係者、従事者への給付金というものが国のほうでも2次補正に入っていますが、県でも今回、改めて盛り込んだということで、そうすると、先ほどの記者レクでお聞きしたのですけれども、約9万人ぐらいを県内で対象に試算した結果というふうにお聞きしてので、そのあたり知事のお考えはいかがでしょうか。
知事
慰労金を出せるような形の予算にできて、うれしく思います。
記者
まだ具体的な額は決まっていないのですけれども、1人当たり5万円から、医療関係者の一部では10万円というふうなお話もありますが、その辺の額については知事はどのように捉えていらっしゃいますか。
知事
国も地域も、医療関係者、福祉関係者の皆さんをねぎらいたいと思っているということが伝わればいいと思います。あとは、休んだり、栄養を取ったりしていただきたいので、そういうことにも慰労金を使ってもらえればと思います。
幹事社
発表事項について、ほかはよろしいでしょうか。
記者
先ほどの知事の冒頭の中で、飲食店、小売店等に1店舗当たり10万円を上限に補助されるということで、小さな会社を経営されている方々の多くが非常にうれしく思うのではないかと思っております。改めて、この事業について、知事としてはどういったお気持ちで支援されるのか伺ってもよろしいでしょうか。
知事
休業への補償という議論がありますが、今質問されたのは、営業していくための支援でありまして、感染症対策と社会経済活動の両立ということを飲食店の現場でも実現できればと思います。
記者
ありがとうございます。あわせて、観光宿泊施設についても50%以上減少しているところに100万円を支援、というようなパッケージがあるようでございますけれども、こうした、かなり営業業績が落ち込んでいるところに対しての手厚い支援だと思いますけれども、これについての改めてまた御所感を伺ってもよろしいでしょうか。
知事
観光関係は、収入の減少が大きいので、このようなまとまった支援が役に立てばいいなと思います。
幹事社
ほかよろしいでしょうか。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
先週の、ウェブ会議での全国知事会議の件について伺います。知事のお話の中でも、今回のコロナ感染症を受けて、東京一極集中の是正が必要ではないかというお話がありました。そこで伺いたいのですけれども、今回の状況を踏まえて、岩手から、もしくは地方の側から、この一極集中の是正を進めていくための働きかけ、もしくは仕掛けというのは何か考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
学校の9月入学のような思い切った改革をすべきという意見がありました。そのくらいの思い切った改革とすれば、首都移転もやるべきだと思います。大学や企業の移転も効果的です。コロナ対策を日本を変える大きな改革のチャンスとするのであれば、首都機能の地方移転こそ、それにふさわしい改革です。
記者
狙いとしてはそうだと思うのですけれども、ここ10年、20年、地方から声を上げてもなかなか実現してこなかった経緯があります。地方創生の1期戦略の中でも、地方移転できたのは文化庁ぐらいなもので、ほかはほとんど手がつけられませんでした。これを実現するため、現実のものにするために、やはり地方からももう少し働きかけなり、提言なり、さらに圧力というのでしょうか、進めていかなければ実現できないのかと思うのですけれども、その辺は知事として、具体的に実現させるためにどのような働きかけが必要だというふうにお考えでしょうか。
知事
ほかの知事さんとも話し合ってみたいと思います。1つ具体的なこととしては、医師不足、医師の偏在解消の取組も、首都機能の地方移転と同じ目的の取組なので、これは具体的に進めたいと思います。
幹事社
ほかいかがでしょうか。
記者
今、知事が、医師不足、医療の部分で人手が足りていないというのも、首都圏の移転と同じような構造だとおっしゃいましたけれども、もともと震災前から、県内のお医者さんが足りていない状況で、今は幸い、感染者はゼロで、このような状況に抑えられています。知事会でも知事御本人がおっしゃったように、院内感染など起こった場合は、脆弱性があらわになるということなのですけれども、これについては今後、具体的に何か対策などをお考えでしょうか。
知事
地域医療を支える医師確保のための知事の会、知事有志の会を使って、今言った内容の提言を具体的にしていきたいと思います。
記者
先ほどのコロナ対策会議の中で、文化芸術の分野で、今後の取組で挙げていらっしゃった内容というのが、国の経済的支援の仕組みを活用、使っていって、ということだったのですけれども、県として何か文化芸術、映画館だったり、劇場だったり、ライブハウスだったり、あらゆる芸術面で、県として何かサポートなさるようなお考えは今のところありますでしょうか。
知事
文化、スポーツというのは、関係者のためでもあるし、地域のためにもなります。国全体とか、国際社会のためにも意義があるものですので、それがコロナで駄目にならないようにしていきます。
記者
6月2日から東京アラートが発令されているかと思うのですけれども、6月18日までは首都圏への移動も慎重に、ということにはなっていると思うのですけれども、この東京アラートの発令を受けて、県民に対して知事から何か要請したりとかするお考えはあるのかについて伺います。
知事
行動には注意していただきたいと思います。それで、具体的にこの新宿のホストクラブなどで感染が広がっているということが報じられていますので、そういう感染が広がっている現場にはあまり近づかないようにするということで、リスクを低くすることはできるでしょう。
記者
今現在、来県・帰県者に対しては、元いた都道府県の知事さんの指示に従うようにということになっているかと思うのですけれども、東京アラートが発令されている、例えば東京都から岩手県に来県、または帰県される方々に対して、何か要請したいこととかあれば教えていただきたいです。
知事
接待を伴う飲食店など、東京都内で休業要請が出ているようなところの利用は、岩手に来てから2週間控えていただきたいということです。
記者
フェースシールドについて御案内いただけますでしょうか。
知事
マスクだと顔が隠れるので、顔を隠さないで飛沫を広げないやり方を今日はやってみました。
記者
今日が初めてでしょうか。また、例えばどこから寄贈を受けたとか、自ら作ったとか、そういったことについても教えてください。
知事
そうですね、ロータリークラブから頂いたものです。そして、実際使うのは今日が初めてです。
記者
つけ心地はいかがでしょうか。
知事
つけてすぐつけていないような気になります。
記者
さっきの本部員会議では、マスクを着用されていましたが、今の知事記者会見から着用することにした理由と、今後着用を続けるのかどうかについても教えてください。
知事
話をする際に、前方の人たちとの間に2メートル以上の距離がありますので、欧米などでは2メートルの距離を取ればマスクもしなくていいというような目安ですから、マスクをしないで話をしてもいいくらいの距離が確保できるのがこの記者会見なので、まずそこから使ってみようと考えました。
記者
今後も着用は続けられますでしょうか。
知事
まず、今日最後まで使ってみて、次使うかどうかはその後考えて決めたいと思います。
記者
大型連休が終わりまして、数か月後には夏休みですとか、お盆休みも入ってくるかと思うのですけれども、こういった長期の休みで、また何かしらの行動制限を県で行ったりとか、あるいは国に対して何かしらこういった行動制限をしてほしいというお考えというのはありますでしょうか。
知事
基本は、感染リスクの高い地域との関係に気をつけるということだと思います。
記者
ということは、県境をまたいだ移動の制限というのは、今のところ行うつもりはないと。
知事
そのときに判断が必要なことは、そのときに判断します。
記者
分かりました。あと、すみません、フェースシールドで1点確認なのですけれども、上のところにあるキャラクターなのですけれども、2体あると思うのですけれども、何のキャラクターか教えていただけますか。
知事
1つは、わんこきょうだいのそばっち、そしてもう一つはわんこきょうだいのデザインをしてくれたオガサワラユウダイさんが描いたアマビエです。そばっちとアマビエです。
記者
今日の政府への予算提言の中で、御所野遺跡や来年の東京オリンピックに関する誘客強化に関する要望があったかと思うのですけれども、御所野遺跡について、今実際に世界遺産の登録委員会も今年のものが延期になっていて、今後不透明な部分もあって、活動強化というところで町でも取り組んでいると思うのですけれども、県として何かPRしていきたいことがあれば教えてください。
知事
御所野遺跡は、大変優れた縄文時代の遺跡です。これは、機会あるごとにPRしていきたいです。ユネスコの世界遺産関係者もコロナ対策で大変だと思いますが、世界遺産は世界の人たちを癒やしたり、励ましたりする効果があると思いますので、御所野を含む縄文遺跡の世界遺産登録が早くできるようにお願いしたいです。
記者
分かりました。それから、私もフェースシールド拝見して、伝わりやすい改善とかを知事としてお考えになったのかなと思ったのですけれども、そのほか話し方とかも以前と少し変化があったのかなと、私は印象として感じたのですが、知事がもし気をつけていらっしゃることがあれば教えてください。
知事
特に気をつけてはいません。
記者
そうなのですね。分かりました。
知事
水が飲めるのも便利です。
幹事社
すみません。幹事社から1つ質問させていただいてよろしいですか。
私もフェースシールドなのですが、飲物も飲めるし、口の動きも分かると思うのですけれども、発表事項等の資料の読み上げは反射したりしないのでしょうか。
知事
しません。
幹事社
それが確認できればいいです。ありがとうございます。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の知事定例記者会見は6月15日(月曜日)の予定です。
留意事項:コロナウイルス感染者発生状況等により変更する場合があります。
このページに関するお問い合わせ
政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。