令和2年7月31日知事会見記録

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1032533 

印刷大きな文字で印刷

開催日時

令和2年7月31日 10時00分から10時45分

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社さんから質問があればお願いいたします。

記者
 コロナ関係の質問なのですが、県内で初めて感染が確認されて、3人目と感染が広がっていますが、改めて感染対策と経済活動の両立を知事が以前からお話しされていますが、今後、県民はどのように行動すればいいのか、知事のお考えをお聞かせください。

知事
 当初から情報共有していましたことで、3つの密を避ける、よく手洗いをする、そしてディスタンス、距離をしっかり取るなど、基本的な感染対策をお願いしたいということです。この基本的な感染対策を、生活の場や仕事の場、また学びの場でやっていただくということで、それぞれの社会活動、経済活動をやっていただきたいということです。

記者
 全国では感染が拡大しています。第2波という声もありますが、本県にとっては初めての感染で、全国的にも感染が増えていることで、今回の感染を第1波と捉えているということでよろしいのでしょうか。

知事
 流行の大きい波が来ていると思います。3月、4月の流行の波を第1波と呼び、今回の流行の波を第2波と呼んでもいいと思いますし、波ではなくて山と呼んでもいいと思います。3月頃に国の専門家会議が、中国から来た第1波、欧米から来た第2波という言い方をしていて、それに沿うと国内的な原因、理由から始まった新しい波という言い方をしてもいいと思います。

記者
 新しい波が岩手にも来たというようなことですか。

知事
 ポイントは感染者数の多さです。基本的な感染対策というのは、仮に感染者が近くにいたとしても、その人からうつらない、そして自分が感染していたとしてもほかの人にうつさないような対策なのですけれども、全ての人がこれを完璧にこなすことというのが理想ですが、それを想定するのは現実的ではないのだと思います。うまくできない人がいたり、あるいは状況によって、何か驚いてしまうようなこととか、様々な環境の要因によって、基本的な感染対策ができなくなるような場が出てくるということは、一定の確率の下において起き得ることです。ですから、感染者数が増えれば増えるほど、この基本的な対策ができない事例が増えてくることが可能性としてありますので、全国の新規感染者数が1,000人を超えていくとか、3月、4月の流行時を超えるような感染者数の増大が国内の主要なところで見られるようになってきた場合には、基本的な感染対策以上の行動制限でありますとか、休業要請でありますとか、そういうことは必要になってくるということです。

記者
 休業要請などの施策を、大阪府、東京都では取っていますが、全国知事会のほうでも、知事の権限を強化していただきたいというような国の要望を挙げています。岩手は陽性患者が3人目ですが、知事は今後、何か県独自の対策を取っていくお考えがあるでしょうか。

知事
 当初、緊急事態宣言の対象になった7つの都府県、その7都府県において、3月、4月を上回る新規感染者数になるようであれば、そこは制限が必要になってくるという話をしました。今、当初の7都府県以外でも過去最高の新規感染者数になるような、愛知県が典型的ですけれども、それも併せて考えますと、人口10万人当たりの新規感染者数で見ていくのが合理的なのかなと思っています。それが東京並みになってくるようであれば、そこは要注意ということですけれども、岩手県はまだその段階には入っていないと見ています。

記者
 県内2例目となる、宮古市の男性の件についてなのですが、岩手県ではPCRの検査体制を強化してきて、いわゆる感染早期発見のために体制を強化してきましたが、宮古市の男性については、発症から約1週間、複数の医療機関を受診したにもかかわらず、PCR検査にたどり着くまでに約1週間かかっているのです。その辺り、もうちょっと早期の発見につなげるためにも、知事は今回の件についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 一般論として、早ければ早いほうがいいということはあると思います。今回のケースについて言えば、最終的にはきちんと検査にたどり着いたこと、その際に、宮古エリアの地域外来・検査センターを利用していただいたということ。岩手県は二次医療圏ごとに10のセンターを設けているという、そのセンターの数は東北では一番ですし、全国的にも多いほうで、それが生かされたと思っています。最終的に検査を受けられたということ、そして陽性が判明したということはよかったことだと思っていますが、早ければ早いほうがよかったというのはそのとおりだと思います。遅れたことによる弊害、害というものは、その方からの感染が、どれだけ広がったかによって決まってくるのだと思うのですけれども、今のところ濃厚接触者の方々は、全て陰性ということで、そういう害は出ていないのだと思います。

記者
 コロナウイルスに関連してです。今回、陽性者が出たわけですが、関係する情報の提供基準に関してお伺いします。以前、知事は、県民のリスク回避のために必要な情報は積極的に開示したいとお話しされていたと思うのですけれども、そういう個人情報の兼ね合いですとか、県民に不安を与えないという観点から、具体的な行動歴というか、利用した施設や店舗名とか、そういった公表基準については、一定の基準を設けるなどという考えはあるのでしょうか。

知事
 細かい部分については、担当部局のほうに聞いてほしいと思いますけれども、今の質問にあったとおり、感染拡大を防ぐという視点、あとは感染者の方のプライバシーを守り、また、いわれのない誹謗中傷等からもその方を守るという観点から、発表する情報の内容を決めていけばいいと考えています。

記者
 感染者が3人出たことで、再度県内で自粛ムードが高まるのではないかと思われますが、その辺りについて、県民について呼びかけがあれば、まずお願いします。

知事
 正しい情報を基に行動を判断するのは、これは個人の自由というところがあるのですけれども、県からの呼びかけとしては、やはり基本的な感染対策をしっかりやっていただきたいということです。基本的な感染対策の中に今、行動自粛というのは含まれませんので、家にいなければならない、外に出てはならないとか、あるいは一定の行事や会合などを一律に禁止しなければならないということはありませんので、まずは基本的な感染対策の部分をしっかりやっていただきたいということです。

記者
 ありがとうございます。あと、昨日の本部員会議のほうで確認事項が2点あったかと思います。その中に、積極的疫学調査を徹底していくという話がありましたが、感染者の把握という点で、厚労省が出しているアプリのCOCOAという接触確認アプリがあると思います。そちらの感染者の記入とか、県民に対する導入の呼びかけなどをされていくおつもりがあるかどうかお伺いします。

知事
 COCOAは、詳しいことは国のほうから発表されていますけれども、県でもCOCOAの利用を推奨するようにしていまして、県のコロナウイルス関係のホームページやSNSでもCOCOAのことは紹介し、推奨しているところです。都道府県別に導入率を比較すると1位という報道もあったところで、県民の皆さんには頑張っていただきたいと思います。

記者
 感染者の方に関しても、県から記入を促すようにはされるでしょうか。

知事
 症状に対応した医療を受けていただくということと、あとは、疫学的調査への協力をお願いすることがまず最優先事項で、保健所などが接触し、様々なことをやっていただいたりしていますけれども、その中に、一般的にではありますけれども、そういう感染拡大防止への協力ということはお願いしていくと思います。

記者
 3人の感染が確認されましたが、先ほどのお話だと、基本的な感染対策を取るということが前提であれば、現状では経済活動はこれまでどおり行ってよいということでしょうか。

知事
 まず、今日の時点では、そういう新たな規制や要請には至っていないところです。
 一方、先ほど感染者数が問題だということを言いましたけれども、この感染者数が増え続けているところが問題でありまして、横ばいであれば、それなりの対応をすればいいのですけれども、何日かで倍に増えていくようなペース、この調子で増えていくと、お盆の頃にはもっと新規感染者数が増えていることが懸念されますので、その増え方によっては、様々な追加的な感染拡大防止策が必要になり、そういう中に行動規制ですとか自粛要請ですとか、そういうものが入ってくる可能性はあります。

記者
 分かりました。岩手ですと、例えば経済活動や行動への制限について、例えば何人ぐらいとかで制限を想定するとか、今のところのお考えはありますか。

知事
 個人的な印象では、10万人当たりの感染者数が最近の東京並みぐらいにまで増えてきたら、様々な制限が必要になってくるのかなと思っています。

記者
 分かりました。先ほども別の記者から質問ありましたが、宮古の2例目の事例についてなのですけれども、一番最初に帰国者・接触者相談センターで問い合わせをしていた際に、例えばそこから、今はコールセンターに委託されていると思うのですが、そこで保健所とか県につなぐということはできなかったのか、ということについて、今の段階で何か当時の対応について、振り返っていることがもしあれば教えてください。

知事
 最終的に陽性が確認されて、まず御本人が必要な医療を受けるということ、そして濃厚接触者の方々のPCR検査などの感染防止策もできて、御本人は適切な医療を受けられていると聞いていますし、また、濃厚接触者の方々は、陰性と分かっていると聞いていますので、そういうことが達成されていると理解しています。

記者
 県の施設の閉鎖ですとか、県がこれから考えているようなイベントなどは中止する、もしくは延期するというような判断は、現時点で考えていらっしゃるでしょうか。

知事
 新規感染者数の増加の度合いを見ながら、10万人当たりの新規感染者数が、今の東京並みになってくるようであれば、何らかの追加的な感染対策は必要だと思います。

記者
 現時点では必要ないということだと思うのですけれども、ただ、市町村レベルで見ますと、例えば公共施設を閉鎖したりとか、夜間、休日の医療の診療所を閉鎖したりですとか、今の知事のお話から考えると、過剰反応的なことも市町村で行われていると思うのですけれども、その辺り、知事としてはどういうふうに思われますか。

知事
 1例目の方の職場は、消毒を行った上で休業はしていないわけです。突き詰めると、最寄りの保健所などの指導を受けながら、必要な対策をしてもらえばよくて、学校でありますとか、職場でありますとか、色々な施設でありますとか、やはり専門家の意見、あるいはそれを担当する保健衛生部局と相談しながら決めてもらうといいと思います。その手のマニュアルで最もしっかりしているマニュアルの一つだと思うのが、文部科学省で作っている学校関係のマニュアルですけれども、近くに感染者が出た場合、学校内のみならず、学校の近くに感染者が出た場合に学校をどうするか、などということなども保健福祉担当部局と相談しながら決めていくように、と書いてあると記憶していますけれども、そのようにやっていけばいいと思います。

記者
 ただ、現状では、市町村レベルで社会活動がいわゆる制限、自主的に制限しているような感じですけれども、これはもう市町村の判断としてやむを得ないというふうに県として見ているということでしょうか。

知事
 保健福祉部局としてもそういう必要性があると認めているのであれば、必要なことはしてもいいのだと思います。

記者
 最後に1つ、いわゆる感染者の方への誹謗中傷というのでしょうか、もしくは名前をさらすなどという行為が、インターネットなどであったりしますけれども、この辺について知事としてどのように注意を呼びかけていらっしゃいますか。

知事
 ある新型コロナウイルス関連ツイッターで、誹謗中傷、デマ、臆測などについては、魚拓を取ると書いてありました。記録して、被害者救済の役に立つようにするという趣旨のツイートがあるのを見まして、これは参考になるなと思いました。今、事務的に県の事務方のほうに、岩手県としても同様の対応を検討してほしいということを依頼しておりますので、何らかのそういうことを県としてもやりたいと思います。

記者
 私もコロナの件でお尋ねします。3例目まで出た中で、感染経路に関して不明な方、2例目、3例目の方は、鋭意調査中ということになっていますが、知事としては県内において感染経路不明の方の割合が多くなることに対するリスク等については、どのように認識されていますか。

知事
 全国的に見て、一定の割合で感染経路不明ということがあります。これは、新規感染者数が多くなればなるほど、そういうケースも多くなってくるということで、まずは新規感染者数の増え具合に注意し、その中で感染経路不明ということが、どのような影響を及ぼしているのかを分析していけばいいと考えます。

記者
 そうした中で、例えば濃厚接触者を特定して検査をしていく。昨日の本部員会議で確認されたように、濃厚でなくても接触者については、積極的に調査していこうという中で、やはり時間が空いてしまう、長期で時間がたってしまうと、無症状や軽症の方はもう症状がなくなって、PCR検査では突き止められないケースが出てきたときに、その方が誰かにうつしてしまった場合、非常に拡大していく懸念があるのではないかなと思うのですが、知事は今、私が言った点に関して、どう受け止められますか。

知事
 今の制度の下では、濃厚接触者をはじめとする、疑わしい方の検査を優先させていき、そこに人やエネルギーを集中させていくことが現実的だと思います。
 一方、日本もPCR検査をどんどん増やすべきだと、そういう制度の問題としては、全国知事会でもそういう議論をしているように、やはりPCR検査の拡大をしたほうがいいと思います。そこは制度論として、国に要望していきたいと思いますし、また、県内でも、抗原検査の活用、唾液を利用した検査でありますとか、そういう現場からの積み上げで工夫をしていきたいと思います。

記者
 分かりました。2例目の方の行動歴を見ると、先ほどの質問にもあったように、医療機関の受診を3件回って、最後、地元での相談によって紹介されて検査につながったということがあります。恐らく、昨日確認された積極的疫学調査の推進は、そういった時間が空いてしまうことへのリスクを減らし、とにかく早期に検査体制の強化をしたので、早期に感染者、あるいは疑い例を突き止めていこうということの関係で、そういう確認をされたと私は受け取ったのですけれども、そういう趣旨で受け取ってよかったでしょうか。

知事
 2例目のこととは関係なく、一般的にやはり濃厚接触者だけを検査すればいいということではなくて、必要な検査は国の定義を超えて、広めにやっていくということを、これは一般論としてそうすべきと判断してそのようにすることとしています。

記者
 分かりました。あともう一件、別件で岩手競馬なのですけれども、観客を入れたレースが、感染防止対策をした上で再開されまして、今年度の収支に関しては、赤字の可能性があったという試算がありましたけれども、今の見通しですと、黒字化できそうだということだったのですが、まずこれに対して管理者の立場としての受け止めをお願いします。

知事
 本場での発売、お客さんに入っていただいてのレースということとセットで、本場での発売ということになるわけですけれども、まずはファンの期待に応えるために、それができて大変よかったと思います。プラス売上げ、収益にも好影響を及ぼしているということで、いい展開になったと思います。

記者
 コロナでもし、これから感染者数が増えて、また無観客になったりすると、また収支見通しが変動する要素がありますが、今後に向けて知事としてはどういう体制で進めていければというふうにお考えでしょうか。

知事
 岩手競馬は、過去、例えば馬インフルエンザという、想定しないような感染症がはやったり、いつそういうことがあるか分かりませんが、どんなことが起きても持続的な経営ができるような、そういう取組をしていこうというのが競馬組合の基本方針です。

記者
 政府のほうでは、緊急事態宣言を再び出すことについては、慎重な姿勢ですけれども、知事としては今の政府の対応についてはどのように思われていらっしゃいますか。

知事
 新規感染者数は過去最大に達するなど、多くなっているけれども、重症者が少ないということで、病院は逼迫しないだろうと、医療崩壊には至らないだろうということで緊急事態宣言を出す状況にはないという判断なのですが、やはり自治の現場を預かる身からしますと、新規感染者数の多さというのは、それだけ感染が拡大しやすいということで、現に3月、4月には陽性者の確認がゼロであった岩手県において、今、陽性者が確認されるような事態になっていますので、やはり3月、4月より深刻な状況だと言っていいと思うのです。ですから、新規感染者数が増え続けていて、さらに今の倍、4倍になっていくという恐れがないのかどうか。3月、4月の頃には専門家会議が、あるいはその専門家会議のメンバーが結構科学的な見通しを発表してくれていて参考になったのですが、今それが必要なときだと思います。

記者
 知事としては、再び緊急事態宣言を出す、踏み込んだ新たな感染対策をしていくのは、新規感染者数の増加の伸び率というか、そういったところが重要だとして、判断していくということですか。

知事
 そうですね。8月中にも今の2倍、4倍にまで増えることが目に見えているのであれば、もう緊急事態宣言のようなブレーキをかけたほうがいいのだと思います。

記者
 分かりました。あと、もう一点だけすみません、具体的なお話で申し訳ないのですけれども、昨日、矢巾町の男性の方が3例目ということで確認がされました。濃厚接触者の方については、速やかにPCR検査を行っていくというお話があったのですが、その件については、いつ行っていくとか、そういった方針というか、進め方については決まっているのでしょうか。

知事
 既に関係者間で調整されて、今日もたくさんの検査が行われると聞いております。その辺は、随時担当部局のほうから記者発表をしていくことになっていますので、その情報をお待ちください。

記者
 GoToトラベルについてお伺いしたいのですけれども、本来であれば、明日から始まるのを前倒しして始まったわけですけれども、今現在、岩手でも感染者が確認された中で、知事は東北だったり、あるいは県内での利用をまず進めたいというお話をされていましたが、今のこの状況ですと、GoToトラベルの利用というのはどのような状況にあると考えられていらっしゃいますでしょうか。

知事
 今現在は、いわゆる7都府県で、新規感染者数が過去最大をマークしているところとの間では、GoToトラベルを利用するのは控えたほうがいいと思っています。
 一方、市町村内、そして県内の利用、また近隣県との利用については、感染対策をきちっとやればオーケーだと思っております。

記者
 ありがとうございます。それから、飲食店の関係でお伺いしたいのですけれども、宮崎県や沖縄県など、時短営業を求める県なども出てきていますけれども、県内2例目のケースは、まだ感染経路が不明ですけれども、会食を盛岡市内でしていて、矢巾町の方もそこにいたということで、知事としては飲食店について時短営業を要請したり、そういったことを今後行うというお考えはありますでしょうか。

知事
 沖縄県、宮崎県の場合は、個別具体的なクラスターが特定の場所で発生しているということが背景になっているので、岩手の場合もそうしたことが起きれば同様のことを検討するかもしれません。

記者
 先ほどまでの知事のお話の中で、今後、仮に行動制限や休業要請などをするならば、基準が10万人単位で東京並みぐらいの感染者数が出たときだというふうにおっしゃったと思うのですけれども、ただ一方で、東京都と岩手県で見ると、恐らく波の出方とかも、今も実際に全然違いますし、東京並みの10万人当たりのというふうに一概にしてしまっていいのかと、素人考えですが、ちょっと疑問があるのですけれども、どういうお考えでしょうか。

知事
 今までは、岩手県内での感染が全くなかったのですけれども、1例、2例、3例と出て、そして濃厚接触者の方など、関連の調査も今までしていなかったようなこともするようになってきていますので、それらの実績が積み重なってくると、県としての判断もより精度を高くできると思います。

記者
 となると、今後の県内での発生状況次第では、先に知事がおっしゃったような、東京都と同規模かどうかにかかわらず、その前に判断なさる可能性もあるということですか。

知事
 鹿児島県で、1つの店で30人規模のクラスターが出たとか、また宮崎県でも同様なクラスターがあり、県全体での新規感染者数がそれほどではなくても、局地的にそういうことがあれば、それに応じた制限をお願いしていくというようなことはあると思います。

記者
 分かりました。もう一点、先ほどの受け答えの中で、他の事例の広報発信の例を挙げていらっしゃったと思うのですけれども、知事御自身、個人のツイッターで誹謗中傷から守るためには、時には鬼になる必要もありですというようなツイートをなさっていたかと思うのですが、そういう誹謗中傷から県民の方を守るという意味で、重なるところもあるかと思うのですけれども、どういうふうに具体的に対応されていきたいというお考えでしょうか。

知事
 誹謗中傷というのは、犯罪に当たる場合がありますので、犯罪抑止、あるいは起きた犯罪への対応という観点で、そこには厳格に臨むという意味で、鬼になる必要性もあるかもしれないということで、そういった対応を岩手県としても正式に行っていくような、そのようにしていこうと、事務方に作業依頼をしたところです。

記者
 コロナウイルスに関してなのですけれども、今後、例えば発熱など、いわゆる疑似症患者の方も医療機関を受診されることになると思うのですが、その際、PCR検査などをして結果が出るまでの間、隔離するということになると、例えば4人部屋であっても疑似症患者お一人しか入れないというような場合も出てくるのかなと思うのですけれども、そういったことについて、今の段階では県内の医療機関の病床数ですとか、特に問題はないとお考えですか。

知事
 そうですね、まず第1号になるかもしれないということを恐れて、我慢して医療受診控えなど、そういうのはあってはならないと思っていましたので、もし今まであったとしても、もうその心配は要りませんよと、改めて自分の健康に問題があれば受診して、必要であればそこから検査に至るようにしてほしいということを申し上げたいと思います。
 そして、必要なだけの医療体制は、これはもう用意しなければならないものですので、今100を超える病床や、軽症者用の宿泊施設も85床、85人分用意してあるわけですけれども、これは必要に応じてすぐ増やせるような打合せは既に済んでいて、段取りも確認済みですので、必要であればそれはどんどん拡大し、厚生労働省の基準で最悪事態シナリオ、それに必要なだけの病床や宿泊施設は用意できる算段がついていますので、必要とあればそれを用意していくというところです。

記者
 分かりました。続いて別件なのですが、不来方高校の自死の件について、昨日、知事も非常に残念だというお話を会議の中でされたかと思うのですけれども、改めて将来ある高校生が、そういった教員の指導ですとかを、苦しいと感じて自死したことについて、受け止めをもう一度聞かせてください。

知事
 御遺族の方々の思いも受け止めながら、教育委員会として第三者委員会による報告という作業を進め、そしてその報告書ができたというところです。その報告書、概要版は誰でも見られるようになっているのですかね。概要版を見ると、いかにして不幸な結果に至ったかということがしっかり分析されていて、そして再発防止に向けた提言もしっかりまとめていただけたと思っています。それを読めば読むほど苦しみや悩みがずっと続き、とても苦しかったのだなということが分かるのですけれども、一方、悩みや苦しみということが本人の自己実現に向かって進んでいく、それだけの主体性や感性というものを本人が持っていて、それが失われたことというのは本当に残念ですし、悲しいことだなということを改めて思います。そういうことがないように教育の現場、また大人たちがそういう児童生徒の主体性や感性、それを守っていかなければならないですし、ましてそれを殊さらに壊してしまうようなことをやってはいけないということで、そういう方向に報告書に基づいた対応というのを、まず県教育委員会を中心に、オール岩手でやっていかなければならないと思います。

記者
 分かりました。この後、対策策定委員会なども設置予定とお伺いしているのですけれども、その中で同時に、教員の処分についても検討されるとお伺いしているのですが、その中で御遺族は、処分についても、私たち遺族の声も聞いてほしいという意向もお持ちだそうなのですけれども、それについて何か知事として考えがあれば教えてください。

知事
 教育委員会においては、もちろんこれは法令に基づきながら、同時に御遺族ともやり取りをしながら進めていくと聞いていますので、そのように進むことを期待します。

記者
 分かりました。また、盛岡一高の件ですとか、不来方高校についても御遺族としては学校自身でももう一度、事件について調査して、再発防止を学校としてもう一度、見直して検討してほしいという意向もあるということなのですけれども、そういった必要はあるとお考えですか。

知事
 昨日、総合教育会議で確認した県教育委員会の再発防止策は、県内全ての公立高校のことも含めて、およそ教育の現場全般に関わるものとなっていますので、今の質問にあったような問題も解決されるような方向で進んでいくと期待します。

記者
 分かりました。それから、総合的に県内の自死対策についてなのですけれども、長期的に見ると、久慈モデルの効果も数字で分かるかなと思うのですが、岩手県は、全国的に見ると自死率が高いということで、対策が重要になってくると思うのですが、どういったことを強化していきたいかお考えをお聞かせください。

知事
 全体として、もう一歩踏み込む必要があるのだと思います。久慈方式を全県に広げるということで、久慈方式を地域の中で、地域が総力を挙げて取り組むという、そういうきめ細かさを県内の各地域で行っていくこと。その中で職場とか学校とか、様々な場での取組をもう一歩ずつそれぞれ踏み込むということが必要だと考えています。

記者
 その中で、三次予防と言われる、いわゆる自死遺族の方々の支援についてなのですけれども、自死された方の数より5倍とかいらっしゃるという想定が全国的にされていると思うのですが、そういった方々についてもなかなか悲しみを表に出せなかったり相談できないという方も多いと思うのですけれども、知事としてそういった御遺族の支援について、何かできることのお考えを教えてください。

知事
 やはり寄り添うことは大事だと思います。寄り添うというのは、ただ物理的にそばにいるということではなく、状況を理解するということです。行政としても今、質問にあったような方々の状況を理解するところから必要な施策なども生まれてきますので、まずそれを理解することが大事と考えます。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の知事定例記者会見は8月6日(木曜日)の予定です。

留意事項:コロナウイルス感染者発生状況等により変更する場合があります。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。