令和2年8月6日知事会見記録
開催日時
令和2年8月6日 15時30分から16時5分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
記者クラブの代表質問はありませんが、二、三、先に伺いたいと思います。まず、感染者が県内で確認されてから1週間ほど経ちましたけれども、5人まで感染者が出ている現状を、知事はどう見ていらっしゃるのか教えてください。
知事
基本的に1人ずつ、あるいは1人か2人が感染ということで、クラスター(感染者集団)が発生していないことは、いいことだと思っています。一方、1人か2人ずつというところからクラスターとなる可能性がありますので、引き続き警戒を緩めずにいきたいと思います。
幹事社
警戒を緩めずということですけれども、お盆期間中の過ごし方について、先ほどの本部員会議の中で御説明がありました。一律の自粛要請はしないという趣旨のメッセージがありましたけれども、それについて改めて知事からお聞かせください。
知事
せっかく作ったチラシ(岩手県にお住いの皆さまへ)がありますので、これを使って話しますけれども、お盆の帰省や夏季休暇の移動について、一律の自粛は要請しませんが、発熱等、体調の悪い場合には移動を控えること、人に接する場合、お年寄りに接する場合や会食を伴う場合は、特に気をつけることなど、慎重な行動をお願いします。県外に行く場合は、移動先の感染状況を確認し、その自治体の要請に従って行動していただくようお願いします。
幹事社
ありがとうございます。お盆期間中の過ごし方について、例えば昨日、盛岡市の谷藤市長なども、なるべく混雑する時期を避けてほしいなどと記者会見等で話していますけれども、そういった各自治体さんと県とで調整して呼びかけるというような、お考えというか、そういった部分というのは実際に調整されているものなのですか。
知事
県としての県民に対する正式なお願い事項としては今言ったとおりで、これは先ほど、県の対策本部会議で決定したものであります。ほかに様々、感染対策上、こうすればリスクは低くなる、というような注意事項というのは、考えれば色々あると思います。昨日、国の分科会の尾身先生も、提言という形で様々工夫するといい、ということをおっしゃっていましたし、そのような専門家の方であれ、あるいは自治体の長であれ、感染リスクを低くするような様々な助言は参考にしてほしいと思います。
幹事社
ありがとうございます。最後に1点だけ、先ほどの本部員会議で配られた資料で、岩手県は、直近1週間の10万人あたりの感染者数が0.33人で、全国で40番目のようですけれども、今後、流行が広がっている地域の県などのように、独自の緊急事態宣言等を出すという場合は、その都度考えていくという考え方でよろしかったですか。
知事
これは、10万人当たりの感染者数が、10人や15人という数字に近づいてきたら、本格的に検討しなければならないと思います。今はまだ1未満、0.33人という段階ですので、まずは陽性になった方、一人ひとりに対して、きちんと対応していくということを中心とし、対策をしていきます。
幹事社
ありがとうございます。各社さんから質問があればお願いします。
記者
今、知事も御発言がありましたけれども、先ほどの対策本部員会議で、お盆の帰省や夏季休暇の移動については、一律の自粛は要請しないと。ただ、慎重な行動を求めることを決定されたということですけれども、一方で他県では、知事がお盆の帰省を自粛するよう求めているような自治体もあります。岩手県で今回、一律の自粛を要請しないというふうに決定した理由や経緯をちょっと詳しくお伺いできればと思います。
知事
まず、日本全体として、県境をまたぐ移動については、一律の規制は行わないという国の方針があります。一方で、感染者数が多くなっている都府県においては、それぞれの都府県で独自の行動制限要請が出ています。こうしたそれぞれの都府県毎の要請に従いながら、全体としては県境をまたぐ移動を一律に制限はしないということが今妥当と考えて、先ほど述べたようなお願いに整理したところです。
記者
先ほどの本部員会議で、昨日の段階で大体の素案はつくられていたということですけれども、昨日の段階で岩手県では、他県のように帰省の自粛は求めないというふうに決定されていたということなのでしょうか。
知事
日本全体の状況が、県境をまたいだ一律の自粛が必要とはされていないという、そういう認識は、昨日もそうでしたし、今もそうです。
記者
今もお話しいただいたお盆期間中の移動についてなのですけれども、確認ですが、今おっしゃっていただいた知事のお考えというのは、万全の感染症対策を取るのは大前提として、対策を取れば東京などの感染拡大地域から帰省で岩手県へ来たり、ないしはGoToトラベルで拡大地域から岩手県へ来たりしてもよいということでしょうか。
知事
まず前提として、これは達増個人の考えではなく、地方自治法上の県として決定した県から県民への呼びかけです。基本的には、岩手県民は、先ほど申し上げたことをベースにしながら対応してもらえば、感染を防ぐことができると考えています。
一方、感染リスクを低くするための様々な助言、例えば、会食に気をつけるということは、岩手県も言っているのですが、尾身先生、ドクター尾身は、大人数の会食は避けるようにという言い方をしていたはずで、それは参考になると思います。ただ、大人数の会食を避けるべきと県として責任を持って言うかというと、あらゆる局面で気を付けるべきですので、大人数での会食を避けるべきかと質問されれば、責任を持って答えることはしないということになります。むしろ、「会食に気をつける」という言い方をしていたほうが、1対1、2人だけの会食であっても、飛沫について注意が足りないと感染しますので、人数にこだわるよりは、とにかく会食ということに注意してもらうほうが重要と判断しました。
記者
ありがとうございます。今おっしゃっていただいたような様々な助言を参考にしつつ、最終的には個々の判断に県としては任せるということになりますか。
知事
会食を伴う場合は特に気をつけるというのは、これは重いことですので、そこについては、「自分はそうしない」という場合には、「そういうのは認められません」と言えます。
記者
ありがとうございます。紙にあるお願いの上のところにも書いていただいているかと思うのですけれども、誹謗中傷といいますか、今、知事がお話しいただいたように、呼びかけていただいている一方で、こういう感染拡大している時期に県外に行くというのは、いろんな事情がそれぞれあるかと思うのですけれども、こんなときに行くなんてというような声も一方で聞かれるのですけれども、そういう誹謗中傷まではないのですが、今、県外に行くのはおかしいでしょう、というような声がある中で、知事のお考えがあれば伺いたいのですが。
知事
ある意見を持つ、さらにその意見を発表するに当たっては、やはり実態を知った上で意見を持つべきであり、発言をすべきだと思います。一口に帰省といっても、そこには色々なケースがあるわけで、必要性の度合いとか、あとはそこでどれだけ感染対策が取られていたかとか、そういうのを分からないまま機械的に、全面的に駄目だとか、全面的に良いとか、そういう考え方とか発言というのは基本的にあってはならないと思っておりますので、こういうときほど、事実というのが大事であり、事実に基づいた発言が求められるということを申し上げたいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、多少今の質問ともかぶる部分もあるのですが、今おっしゃっていただいたような感染対策を万全に取っていても、やはり感染するときは、感染してしまうことがあるかと思うのですけれども、そういう万全の対策を取った上で感染してしまう、新たな感染者になってしまう方に対して、メッセージのようなものがあれば伺ってよろしいでしょうか。
知事
感染する、しないというところは、そこが大事ですので、感染した方に対しては、まず感染したという事実についてお見舞いを申し上げたいと思いますし、また、感染した人もそこに至る経緯、原因、理由などに思い悩む余裕はないですから、感染した自分の体をいかに安全に、そして健康に保つかということに集中してほしいと思います。まだまだ分からないことが多いウイルスであり、それによる病気ですので、まずは自分の体のことを第一に考えて、そして、さらに感染が広がる可能性についても、自分の健康状態にもよりますけれども、濃厚接触をしているか、誰とそういう接触をしたかなどということを、きちんと保健所等に説明できるようにしてほしいと思います。
記者
先ほど知事が読み上げられた中で、お盆期間や夏季休暇における移動のお願いがあったかと思うのですが、これは一律に自粛を要請しないということですが、資料だと「岩手県にお住まいの皆様へ」となっております。今県外に住んでいる方々が、岩手県に帰省したいと考えている場合について、何か呼びかけがあれば教えてください。
知事
「岩手県にお住まいの皆様へ」というタイトルではありますけれども、これは岩手に帰省しようとする人、夏季休暇中に岩手に移動する人に対しても同じ内容を伝えたいという意味です。
記者
分かりました。では、今県外に住んでいて、地元が岩手という方に対しても一律に自粛は求めないというお考えですよね。
知事
そういうことです。
記者
先ほどもお話ありましたが、いわゆる感染拡大地域、例えば東京は今日、新規感染者が360人という話がありますけれども、そういった地域から岩手に帰省することについても、きちんと感染対策を取った上であれば大丈夫という認識ですか。
知事
これは、基本的にここに書いてある文章に尽きるので、それ以上のことを話すと、それこそ誤解を招くおそれがあるのですけれども、県外に行く場合には移動先の感染状況を確認し、その自治体の要請に従って行動していただくということです。今既に、東京に行っている人であれば、その東京での要請に従って行動するということになりますので、例えば、明日にもいわゆるロックダウン、全面的に東京都外に出ないでくださいということに、いつなるか分かりませんので、そうなったらそれに従ってほしいと思います。
記者
分かりました。それから、実際に帰ってきた場合についてなのですけれども、おととい、青森県知事は知事会見の中で、県民の皆様には帰省される方々を温かい心で受け入れていただくことをお願いしますというようなお話をされました。知事として、県外から帰ってきた人を受け入れる県民に対して、何か気をつけてほしいこととか受け止めについてあれば教えてください。
知事
県として正式に決定したのは、ここに書いていることに尽きるのですけれども、個人的な考えを述べますと、春休みやゴールデンウイークの頃も帰省をしたかったけれども、できなかった、そういう状態がもう半年以上続いているということは、極めて異常な事態であって、やはり頑張って感染対策をして、家族に会わなければならないとか、地元の人に会わなければならない、ということはあると思います。ですから、そういう皆さんについては、感染対策をきちっとしながら、また、県の呼びかけも踏まえて、岩手に来てほしいと思います。
記者
分かりました。それから、先ほどの資料について追加なのですが、特にお年寄りに接する場合や会食を伴う場合は、特に気をつけること、というふうに書いてあるのですが、例えば会う時間を短くするとか、先ほどの会食のように、大皿料理ではなくて小皿でしてくださいとか、具体的に気をつけてほしいことがもしあれば教えてください。
知事
県としてこういうのを出している以上、そういう質問には答えなければならないと思いますが、基本的には担当のほうから答えてもらうようにしたいと思います。それに対する回答を求めたいのであれば、担当のほうに聞いてもらいたいと思います。
一般論ではあるのですけれども、お年寄りに接する場合や、会食を伴う場合というのは特に気をつけるということで、これは本当に特に気をつけなければならない場合であり、非常に重いので、それぞれ今、色々な専門家から言われていることや、社会的に重い地位にある人たちの発言なども参考にしながら対応してほしいと思います。
記者
GoToトラベルについてお伺いしたいのですけれども、以前、県民に対して、この知事会見の場で、県内や東北・新潟エリアの旅行を推奨するとおっしゃっておりましたけれども、今もそこについては変わりはないでしょうか。
知事
それは今も同じです。東北地方は、日本全体に比べると直近1週間の10万人当たりの新規感染者数は総じて少ないほうですので、まずは東北各県プラス新潟を対象としてほしいと思います。
記者
ありがとうございます。あともう一点だったのですけれども、全国で感染が拡大している中で、例えば愛知県が独自に緊急事態宣言を出したりですとか、各県で独自の警戒を呼びかけたりという動きが広がっているかと思います。4月、5月の頃のように政府のほうで緊急事態宣言を出すという動きとは、今回また違った動きが出ていると思うのですけれども、そこについての知事のお考えがあれば、お伺いできればと思います。
知事
直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が10人や15人というような数字になってきたら、そういう独自の緊急事態宣言を出すというのは理にかなった対応だと思います。
記者
同じような質問があったかと思うのですけれども、先ほど知事が呼びかけられたチラシの内容というのは、帰省をされる方に対しての呼びかけになるのかなと思いますが、夏休みでの帰省ではない、例えば、岩手県内に旅行する方とか、そういった方々に対しても今回のチラシの内容で呼びかけていくのか、それとも、そういった帰省ではない方々に対しては、さらに少し強めの言葉で呼びかけていかなければならないのか、その辺りの知事のお考えをお聞かせください。
知事
このチラシの「岩手県にお住まいの皆様へ」というのは、今から岩手県に来ようとしている人も含めてということで、お盆の帰省や夏季休暇の移動で、岩手に来ようとする人たちに対してもこういうお願いをしたいということです。人に接する場合、特にお年寄りに接する場合や会食を伴う場合は、特に気をつけ、そうお願いをしたいと思います。
記者
先ほど知事が質問に答えていらっしゃった中で、専門家の発言とか、様々な社会的に重い地位のある人の発言を参考にしてということがありました。少しその発言を踏まえて、ここ最近であったのは、大阪府知事が感染拡大を防げる、あるいは重症化を防げるものとして、うがい薬が効果があるというのを発言したことに関して、県内も含めて売り切れるというような社会現象にまでなっているのですが、知事はこういった、まだエビデンスが少ないのではないかという医療関係者の指摘もある中で、大阪府知事がこういった発言をして、売り切れが出るようなこういう現象に対して、どのように御覧になっているか教えていただければと思います。
知事
さっき色々な人の意見を尊重、参考と言ったのですけれども、やはりきちんとした文書になっていることは大事だと思います。岩手県として法令に基づいて決定した内容の文書でありますとか、ドクター尾身、尾身先生の提言というのも、これはきちんと政府において文書化されて、正式なものとして取り扱われています。まずはそういったものを見ていただきたいと思いますし、今取り上げたうがい薬の例は、そういう正式な文書では見ておりませんので、コメントを控えたいと思います。
記者
分かりました。そういう騒動というかがありまして、やはり不安な中で、どうしてもどの情報が正しいかということ、誹謗中傷に関しての発言は前回もありましたけれども、そういうもので、マスクや消毒液が売り切れたり、どうしても不安に駆られて国民が動いてしまうことがある中で、正しい情報を取得するというのは改めて大事だなと、私は、報道を見て感じたのですが、いかがですか。
知事
やはり責任ある組織、政府や地方自治体など、あと、日本医師会、都道府県毎の医師会など、そういう専門家の団体もいいと思うのですけれども、ちゃんと正式な文書を確認して、それで判断することが今大事だと思います。テレビ、新聞などの報道は基本的にそういう正式な文書を基に報道されていると思いますが、そうでないのも入っているので、そこは気をつけてほしいですし、ネットに流れている情報についても、公式アカウントとか、本人のアカウントとか、そうでないものについてはやはり、うのみにしないことが大事です。
記者
新型コロナウイルス関連で、財政面について2点お伺いしたいと思います。感染拡大の長期化が懸念されている中で、今もう既に補助事業などたくさんやっていらっしゃいますが、必要によっては補正予算をさらに組むことになってくると思います。現時点で、県の財政面において不安があるかどうかについて率直にお伺いします。
知事
非常事態で人命のかかる、人の命がかかる非常事態でありますので、必要なものは、これはどんなことをしてでもやらなければならないということで、そのためには、財源については、どんな手を使ってでも確保しなければならないと思っています。
一方、国が空前絶後の10兆円の予備費を用意して、まだ1兆円しか使っていない、使うことにしていないというところもありますし、県においてもまだ様々やりくりの余地はあると思っておりますので、そういうことをして、必要な事業はきちっとやっていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。そのやりくりの中で、1つ、財政調整基金があると思うのですけれども、秋田県のようにかなり大胆に使っている自治体もありますが、今後の財政調整基金の使い方についてお考えがあればお伺いしたいです。
知事
これは、「どんな手段を用いてでも」ぐらいにしておきましょう。
記者
具体的な使い方は、特に明言はしないということで。
知事
そうですね。「必ず使う」と言っても問題がありますし、「絶対使わない」と言っても問題がありますので、いずれ、あらゆる手段を使って、必要な財源は確保するということです。
記者
新型コロナウイルス対策の特措法の関係なのですけれども、たしか全国知事会ですとかは、行政権限を強めるために早期の改正を求めていますけれども、まだ国会が開かれない状況ですけれども、知事のお考えを伺えますか。
知事
長丁場になってくることもあり、必要な休業について、それを義務にするとともに、その義務に対応してしっかりと補償を確保すると、これはやはり法律にしたほうがいいと思います。
記者
先ほどのお話で、県外から帰省する人に対しての部分に関しては、チラシで、自治体の要請に従って行動していただくようにお願いします、という部分などと同じとおっしゃっておりました。東京の小池都知事は、この後の会見で、東京から各県に帰省することはなるべく控えるよう呼びかける方針だというようなことが、各メディアで流れていることもあると思うのですけれども、その辺りについて、岩手に帰省する人は、都会の東京を中心とした人が、お盆に帰省することは多いと思うのですけれども、その部分について明確におっしゃっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
知事
東京都としての、東京都民、あるいは今、東京都内に住んだり、働いたりしている人への呼びかけは、これは東京都において責任を持って分かりやすく発信し、その内容については、東京都の責任において説明をしてほしいと思います。
記者
例えば、都が要請したことについては、岩手県としても同じような、岩手県から呼びかけることはないけれども、東京都の呼びかけなどを聞いた上で判断してほしいということですね。
知事
東京都にいる方については、やはり東京都の要請に従って行動することを、岩手県からもお願いします。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の知事定例記者会見は8月21日(金曜日)の予定です。
留意事項:コロナウイルス感染者発生状況等により変更する場合があります。
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