令和3年3月5日知事会見記録
開催日時
令和3年3月5日 10時30分から11時28分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
まず、「令和2年度岩手県スポーツ賞」受賞者の決定についてです。
冬季国体スケート競技で優勝した吉田雪乃(よしだ・ゆきの)選手、松澤優花里(まつざわ・ゆかり)選手や、スキージャンプワールドカップで優勝した小林陵侑(こばやし・りょうゆう)選手など、8人のアスリートが受賞します。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの大会が中止、延期になる中、8人のアスリートが国内外のスポーツ競技会で優秀な成績を挙げたことは、岩手県内のアスリートに大きな励みになり、岩手県民に明るい希望と活力を与えたものであります。
次に、「コミックいわて+(テン)」の発行についてです。コミックいわてシリーズ第10巻として、3月19日に発行します。県内外の書店及びインターネットで販売します。こちらが表紙です。非常に漫画本の表紙らしい、今までで一番、漫画本の表紙らしい表紙になっているのではないかと思います。
巻頭カラーに、さいとう・たかをさん、萩尾望都(はぎお・もと)さん、弘兼憲史(ひろかね・けんし)さんなど、18人の漫画家の方々からお祝いメッセージ色紙などを寄せていただいています。掲載される作品は、7年ぶりとなる池野恋(いけの・こい)さん、そのほか岩手ゆかりの漫画家合わせて12本です。今年は、12本のうち東日本大震災関係作品が3本、そして新型コロナウイルス関係作品が5本収録されています。
次に、「第5回マンガ郷いわて特別賞」の表彰についてです。里中満智子(さとなか・まちこ)さんを表彰させていただきます。里中先生は、平成31年3月10日発行の「かたづの!」で、八戸南部から遠野南部の女領主となった実在の人物、清心尼(せいしんに)の生涯を描き、岩手の魅力発信に多大なる貢献をされました。また、東日本大震災津波の直後から、自身が代表を務める「一般社団法人マンガジャパン」として復興支援を行い、日本漫画家協会のイラスト応援メッセージにも参加されています。表彰式は、3月13日、アートホテル盛岡で、里中先生はリモート出演となります。
次に、「令和2年度いわて暮らしの文化特別知事表彰」の受賞者の決定です。いわて暮らしの文化特別知事表彰は、長年にわたる県民の日常生活に密着した文化的、芸術的な活動を通じ、岩手ならではの文化の創造に貢献するとともに、本県の文化芸術の魅力を県内外に広く発信するなど、その功績が顕著である個人、または団体を表彰するものです。今年度の受賞者は、いわてフィルハーモニー・オーケストラ、MORIOKA第一画廊及び山崎文子(やまざき・ふみこ)さんです。
いわてフィルハーモニー・オーケストラは、県民オーケストラとして東日本大震災津波の被災地でオーケストラ鑑賞教室を開催しています。県民会館等で定期演奏会を開いて、広く県民に親しまれ、管弦楽の普及に大きく貢献しています。
MORIOKA第一画廊は、現代美術における県内で最も歴史ある画廊として、多年にわたり美術に親しめる場を提供し、文化芸術の裾野の拡大に貢献しました。
山崎文子さんは、1993年のアルペンスキー世界選手権盛岡・雫石大会の公式デザインや、岩手県内の企業デザイン等を手がけ、震災後は防災紙芝居を制作するなど、なりわいを通じて岩手のイメージ形成、文化創造に大きく貢献しています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事から発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項4件について、各社から質問があればお願いします。
記者
3つ目に発表のあった、「マンガ郷いわて特別賞」についてお尋ねします。知事としては、特に表彰理由の中で「かたづの!」がありましたけれども、里中先生の作品の中でお好きなものとか、作風とかに特に触れていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
知事
小学生のときに、少年マガジンに連載されていた麦子という主人公の漫画は、連載で読んで楽しんでいました。
それから、やはり「かたづの!」は八戸も含め、岩手の自然、風土、そしてお城など、歴史的な建物も非常にそのもののように描かれていて、ややネタバレになりますが、カッパとかも出てきますから、非常にすばらしい作品を描いていただいたと思っています。
記者
「かたづの!」の話でいいますと、清心尼を取り上げた作品というのは、小説作品は幾つかありまして、それを漫画として里中先生が発表されましたけれども、やはり漫画の良さもあると思うのですが、そこをもう少し、ネタバレのない範囲で教えていただければと。
知事
ファンタジー要素がたくさんある一方で、大河ドラマのような本格的な歴史物語でもあって、小説として非常に優れていたものを漫画にするのは、そう簡単なことではないと思うのですけれども、漫画ならではの豊かな表現もあって、漫画だけ読んでも、その作品の世界を十分味わうことができる、素晴らしい作品だと思います。
記者
私は、「コミックいわて+(テン)」の発行について伺いたいと思います。先ほど御説明にありましたが、震災関連が3本と、それからコロナ関連が5本とございまして、ちょうど東日本大震災の発災から10年という歩みを同じくして10巻目ということになりました。改めてこの作品についての御評価とメッセージ、どういったことを発信していきたいかというようなことを伺えますでしょうか。
知事
震災でありますとか、今回は新型コロナウイルスでありますとか、岩手県民が直面している大きなテーマについて、色々な切り口から漫画にしていただいて、大変ありがたいと思っています。また、岩手の観光地ですとか、名物ですとか、あとは歴史、そういう色々なテーマも漫画にしていただいていて、漫画の特徴としてマニアックに深く掘り下げていくのに向いていますので、岩手の良さを非常に深く掘り下げてもらっているところがありがたいと思いますし、震災や新型コロナウイルスのような難しいテーマについても、魅力的な主人公の目を通じて、親しみやすい形で深刻なテーマについても扱ってもらっているところがいいと思います。
記者
同じく「コミックいわて+(テン)」なのですが、10周年ということになりますが、知事は漫画が好きだということで、今回、責任編集も務めていらっしゃいますが、この10年間やってみてどのような効果があったか、文化の振興、もしくは観光振興とかにどのようにつながってきたというふうに思われて、今後もどのように続けていかれるのか伺います。
知事
普通のパンフレットや動画では描けないような、それぞれのテーマについて、深めていってもらっているところです。そして、他の媒体ではカバーできないような、知る人ぞ知るというようなテーマについても、題材についても、非常に興味深く描いてもらったりしたところ、そこが大変ありがたいと思います。
記者
来年度は。
知事
まず、毎年度毎年度いろいろ考え、工夫を凝らしてつくっているところでありまして、来年度予算案の中に、広く漫画による地域振興、文化振興の事業をお願いしているところでありますが、コミック+(テン)の反響なども参考にしながら、来年度についてまた工夫していければと思います。
幹事社
ほかよろしいでしょうか。発表事項についてほかに質問がなければ、一般質問に移らせていただきます。それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問は用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
新型コロナのワクチン接種についてですが、県のほうから6日に医療従事者、高齢者は4月12日から開始するという見通しが示されました。それについて、改めて知事の御所感をお願いいたします。
知事
新型コロナウイルス対策の中で、ワクチン接種というのは大変強力な対抗手段でありますので、ついに岩手県にもこのワクチンが入ってくるということで、着実にワクチン接種を進めていきたいと思います。医療従事者への接種は県でやりますけれども、その後、市町村が住民の皆さんに接種していく、そこがスムーズに行くように、市町村によるワクチン接種というところについても、県としてきちっと、共に歩むような形で連携してやっていきたいと思います。
記者
スケジュールが決まった一方で、供給量については、医療従事者は第1弾が示されているのですが、第2弾以降は、国のほうから示されていなくて、接種方法とか、なかなか体制の変更というのも余儀なくされるかなと思うのですが、ましてや4月12日以降の高齢者接種になると、先ほど知事がおっしゃったように、いよいよ住民接種が始まるということで、市町村のほうが主体となって接種をするようになります。その辺り、現場の供給量に関して、なかなか国から十分な供給のスケジュールが示されない中で、現場の混乱を招かないためにも、国への要望とか、今後のスケジュールについてのお考えがあればお願いいたします。
知事
やはりいつ、どこに、誰に来てもらうか、あるいはいつ、誰のところに行くかなど、計画を決めないとワクチン接種というのは進めていけませんので、市町村においてその情報を喉から手が出るほど求めているということは、ひしひしと感じております。先週土曜日に行われた全国知事会のウェブ会議でも、緊急提言の半分ぐらいはワクチン関係の提言で、その中でも特に情報の提供については国にお願いしているところであります。
記者
震災から間もなく10年ということで、追悼式が陸前高田でありますが、緊急事態宣言が1都3県に関して21日まで延長ということになるようですが、その部分で何か、以前にもちょっと同じような質問をしたとは思うのですけれども、制限などを考えたりということはあるのでしょうか。
知事
正式には、来週月曜日に県の新型コロナウイルス(感染症)対策本部会議を開いて、そこで改めて1都3県の緊急事態延長下における岩手県民の皆さんへの注意事項など決めて発信したいと思っています。
一方、1都3県について、一時に比べると感染者数は劇的に少なくなっているのですが、ただ横ばい、一部また増え始めの傾向も見られるという、そういう微妙なところでありますけれども、基本的には今までどおり岩手県と1都3県との往来は慎重に判断という方向でお願いしていくことになると思います。様々な病気の通院で移動しなければならないとか、あとは仕事上どうしても必要など、そういう移動までは止めない考え方なわけですけれども、そういう中で、岩手県と陸前高田市の合同の追悼式については、ぎりぎりまで色々な変更の余地はあり得ますけれども、基本的には招待の範囲でありますとか、進行要領などに大きな変化はないものと今は見ています。
記者
分かりました。一般の追悼をしたいと考えている被災した人など、岩手県に今いらっしゃらない方など、以前の会見で追悼は不要不急に入らないというようなお話もありましたが、今の時点で、一般の人の追悼についてはどのように対応していきたいとお考えですか。
知事
追悼の対象になる相手と自分との関係によって、自分にとって本当に大切な人で、ここは現地に行って追悼しなければならないと、そういう判断される方もいると思いますし、一方、今まで何度も現地を訪れていて、追悼の気持ち、弔意を示す機会も今まで何度もあったので、今回はコロナの流行が収まってから、もうちょっと様子を見てから現地入りしようという、要は中止、延期を個人的に判断する人もいるかと思います。
いずれにせよ、感染リスクが高い行動を取らないということが大事でありますので、移動する場合には基本的な感染対策ということ、密を避けるということ、そういったことに気をつけていただきたいですし、一方でそういうときに追悼の行動を取らない、移動しないと。だからといって、別のところで密な飲食で、マスクなしで長時間しゃべり合うようなことをしていたのでは、移動の自粛をしたからといって、コロナ対策をきちっとしたことにはなりませんので、いずれにせよ基本的な感染対策を十分取るという中で判断してもらえればと思います。
記者
ありがとうございます。あと、今日のネクタイなのですが、大漁旗というようなネクタイをしていらっしゃると思うのですけれども、ちょっとよく見えないのですけれども、改めて、間もなく震災10年ということで、知事はどのように3月11日を過ごしていきたいか教えてください。
知事
今つけているネクタイは、大槌町で作られている大漁旗柄のネクタイですけれども、17色のSDGsのバッジと似たような「色あんばい」になっていて、岩手として復興というのが誰一人取り残さないという理念に始まって、SDGsの方向に向かって、実は、岩手の復興もやっていたなという、そういうことを示すのにもいいネクタイだなと思っております。
昨日の天皇陛下、皇后陛下のオンライン被災地訪問でも、被災地の住民の方々からのお話で、私も今までよく知らなかったことを知ることができたり、またよく知っている人でも、その人の10年経っての今の気持ちというのを改めて伺って、ああ、そうなのだなと思ったりとか、新しい発見がいっぱいありました。今、マスコミの3.11特集、私が思っていた以上にたくさん特集していただいて、私が思っていた以上に広いテーマ、また重要なテーマに関しては、更に掘り下げるなどしていただいていること、これは大変ありがたいと思っていまして、この3.11に至る今の期間も、将来にとって重要な、かけがえのない何日間かを、今、日々、我々は過ごしているのだなと思っています。
今年の3月11日を過ぎても、そのような振り返り、そこから未来に向けての教訓を得たり、また、未来に向かって生きる力も得ることができると思いますので、まだ残っている復興の課題、きちっとそこに向き合って、様々な事業を展開しながら、伝承と発信ということにも、ますます力を入れていきたいなと思っています。
記者
私も東日本大震災の追悼式の関連でお尋ねします。政府のほうでも政府主催の追悼式が開催されると決まりました。昨日お会いされた両陛下も御臨席されますが、知事としての受け止めを教えていただけますか。
知事
天皇皇后両陛下が出席されるということで、大変特別な追悼式をやっていただくことは、大変ありがたいなと思っています。新型コロナウイルスの流行の下で、去年のような最小限の行事に切り替えるようなこともあり得たわけですが、緊急事態宣言、新規感染者数を大きく減らすという効果はあって、その中で3.11を迎えられるということで、政府主催の追悼式もかなり本格的なものになるということは大変ありがたいなと思います。
記者
ありがとうございます。恐らくというか、今年で最後になる追悼式、政府主催としては最後になると思うのですけれども、そこに関してはいかがでしょうか。
知事
岩手県として毎年度、毎年度、今年度はどのように3.11を迎えようかということを1年間考えながら過ごして、そして3.11を迎えるような形でありましたので、政府や日本全体についても、来年の3月11日に向けて、それぞれどのようにその日を迎えるのかを考えていただいて、それぞれ、「これがいい」と思うような過ごし方を工夫していただければと思います。今のうちから本格的な追悼式は10年で終わりとか、あまりそういう形式にとらわれることなく、その都度新しく迎える3月11日に対して、そのときの新鮮な気持ちで向き合ってもらえればいいのではないかと思います。
記者
ありがとうございます。すみません。もう一点、お話は変わりますが、新型コロナウイルスの件でお尋ねします。先ほどワクチンのお話がありましたけれども、日本全国では、新型コロナウイルスの変異株も19都府県で流行しておりますが、まだ岩手県には来ていないのですけれども、拡大していることについて知事の受け止めを教えていただけますか。
知事
この変異株がどういう特徴を持っているかによるのだとは思いますけれども、やはり全体としての感染者数を、新規感染者数をゼロに近づけていくということが変異株対策にもなるのだと思います。あとは、もう1都3県が勝負ですので、そこを1週間10万人当たり(新規感染者が)15人を切るところまでは行ったので、もう一息でほぼゼロにまで持っていけるというところまで来ていますから、オリンピックのことも視野に入れれば、今が勝負どころで、そこをほぼゼロに持っていったときに、数百人の感染者、一群の感染者といいましょうか、数百人の一群の感染者がいない状態をキープできれば、次の波はできないと思うのですが、変異株に感染した人たちがそういう数百人の一群という形で、去年の3月に欧米から帰ってきた感染者の人たちが第1波をつくったようなことがまた起きないようにするということがポイントだと思います。
記者
コロナに関してですが、今日、発表があるかないかまだ分からないのですけれども、この10日間ぐらいで県の(新規患者の)発表は1人で、相当押さえ込まれていると思うのですが、知事としては、岩手で相当押さえ込んできたという中で、県としてはどういう対策が功を奏してきたというふうに思われているか、何かターニングポイント的なものがあったのかというものをどう捉えているか伺いたいのですが。
知事
全国の新規感染者数が500人に満たないような状況、これは第1波のかなりの時期がそうでしたし、第2波と第3波の間の小康状態の時期が、全国の新規感染者数がならせば500人くらいで、そういう状況ですと岩手はゼロが続くことが期待できるのですが、今は、新規感染者数が全国でまだ1,000人ぐらいいる時期に、岩手県でゼロが続くような状態というのは県民の皆さんにかなり気をつけていただいているなと思います。去年の11月、12月の飲食店クラスターや病院クラスターのことを重く受け止めて、かなり県民の皆さん慎重に、また丁寧に感染対策をやってらっしゃるのではないかなと推察します。
記者
県としても、その辺の発信もうまくいったというふうに考えていらっしゃるということでしょうか。「3密対策とかをしっかりやってください」という発信を、知事はことあるたびにやっていらっしゃいますが。
知事
そうですね、当然のことをお願いしているわけですけれども、県民の心得の部分と県からのお願いの部分がうまく一致したような状態になっているのではないかなと思います。
記者
すみません、続けて県議会のほうの代表質問でもあったのですけれども、地元割クーポンの話なのですが、県民の方が気をつけているという中で、外食もしくは旅行も控えているという実態があるかと思います。その中で、地元割クーポンは今年度で終わりますというようなお話がありました。その理由として、知事は一定の効果はあったというふうにはおっしゃっていましたけれども、実態を見ると第1弾で発行は6割とか4割か、第2弾も利用率が4割、6割となかなか進んでいなかった状況があります。ということを見ると、逆に効果は不十分だったと、PDCAサイクルとかで見ても、もう一回改善してやるというよりは、一回止めたほうが投資効果もあるというふうな判断もあったのでしょうか、その辺を伺いたいのですが。
知事
振り返れば、岩手でゼロが続いているような時期、陽性の判明が散発的だった頃に活発に利用されたということで、やはり全国の感染者が増え、岩手県内でもクラスターが発生するくらいに感染者が増えてきますと、利活用にブレーキがかかるのかなということだと思いますので、やはり感染対策、感染者数を減らすということが重要なのだと思います。
そして、全国のGoToトラベル事業については、これは色々な報道やネットの意見など見ていますと、まず、全国一斉にGoToトラベル事業を停止したということが、およそ観光というものについて、国として控えるべき、控えよというふうに言っているような感じになって、県の中だけの観光、宿泊施設利用などについても、心理的にかなりそこは抑制がかかっているのではないかと。また、GoToトラベル事業が再開されますと、そこからかなりお得になるわけで、再開されるまでは旅行を控えるという、そういう割引事業が始まる直前の利用、消費控え状態ということが続いているのではないか、という指摘もありますので、そういう意味でGoToトラベル事業が、部分的にとか、あるいは県内限定、ブロック内限定ということでも開始になれば、そういう心理的要素プラス直前の需要控え、割引事業開始直前の需要控えというようなことも、両方解消されれば、かなり状況は変わるのではないかと思います。
記者
知事としては、この前の議会でも、国に対して、国と県と合わせれば効果があるというふうなお考えだと思うので、国に対して部分的にもやってほしいというふうなことを求めていくというふうにおっしゃっていましたけれども。
知事
今の状況であれば、国がそうやって、いわば一般的な観光禁止を解くことと、そして我慢していれば得だという消費控えの状態を解除してくれれば、極端なことを言えば国のGoToトラベル事業での割り引きがほとんどなくても、じゃ、もう旅行していいんだなとか、待っていれば得ということは、もう無いのだなとなれば、一気に地方自治体の追加的な支援事業がなくても、旅行、観光需要が伸びるのではないかなと個人的には予想します。もちろん国はGoToトラベル事業の割り引きは、そんなに減らしたりはしないわけで、かなりの程度お得になるという形で再開するでありましょうから、まして、地元がそこに追加しなくても消費の回復ということは期待できるというのは、理屈からいえばそういう状況なのだと思います。
記者
そうすると、今、予算審議中ということもありますが、現時点では、県としてさらに地元割以外の独自のものとして、旅行業者、観光業者を支援するというものは、今のところは持ち合わせていないと、お考えとしてもないというふうに捉えてよろしいでしょうか。
知事
今の県の判断は、観光消費については、国がブレーキをやめて、そして待っていれば得という状態もやめて、通常モードに戻れば、それでかなりの消費促進効果はあり、県としては、消費促進の部分に予算を回すよりも、事業者への直接的支援ですね、40万円の支給金でありますとか、家賃補助もそうですけれども、そういう給付金系の事業のほうを県がやるべき状況にあると判断しています。
記者
今までの質問の中でも出ていたことで、今日にも政府としては、1都3県の緊急事態宣言を2週間延長する予定です。これに関して、知事御自身はこの宣言を延長することに対して、どのように評価されているかお尋ねします。
知事
私は、全国知事会でも1週間当たり10万人当たり15人を下回れば、それでまず緊急事態宣言の効果はあったと見ていいと思っているわけですけれども、せっかくそこまで減ったのですから、さらにほぼゼロを目指すことができるので、そういう新しい戦いの枠組みとしての緊急事態宣言延長ということであればいいのではないかと思います。
記者
緊急事態宣言が出る前にも、コロナの議論の中では、知事御自身としても目安が500人ではなくて300人を下回るようにしなければならないとおっしゃっていて、実際、政府も他の感染拡大しているような地域も、その必要性を感じながら今過ごしてきたと思うのですが、実際そうなりつつあるわけですが、それ全体のこれまでの流れについて、改めてどのように評価されますか。
知事
去年の春の全ての動きを止めるタイプの緊急事態宣言までやらなくても、新規感染者数を増加から減少に持っていき、そしてさらに減らしていくということが日本はできるということの3回目の証明になったと思います。やればできるということでありまして、ですからもう一息、ほぼゼロにするということもやればできるので、ぜひそこまで行ければと思います。
記者
その場合に、今のところの目安として2週間と言っていますが、今後いろいろな行事もある中でも必要に応じては、さらなる延長もあってしかるべきというような認識でいらっしゃいますか。
知事
ここは1都3県の住民の皆さんの心をうまくつかんで、そして感染リスクを極力減らすような形に持っていけるかどうかにかかっていますので、そこで期限の切り方とか、あるいは様々な行動制限のお願いの仕方とか、それにまつわる色々なルールづくりとか、ここが本当に腕の見せどころなのだと思います。
記者
その意味で、来週明けに本部員会議を県としても開くとお聞きしました。加えて、これから年度末、年度始め、引っ越し、進学等、異動時期があって、やはりもう一回、厳しく対応していかなければいけない、気を抜いてはいけない時期だなと思うのですが、来週はまず差し当たって緊急事態宣言の再延長等のことに関わることで、また年度末、年度始めについては改めて県民へのメッセージ等は、その後に検討するお考えですか、見通しとしてはいかがでしょうか。
知事
3月に入って、もう異動のシーズンに入ったと思いますので、異動関係の県民へのメッセージも決められれば発信していきたいと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。あともう一点だけ別件で、政府の関係なのですが、今、国会で予算等の審議をされていますけれども、そうした議論の中で、総理の息子さんが関わる民間の会社での、総務省の職員の方への接待問題が今議論されていますが、報道等で御覧になって、知事はこうした問題に対してどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
知事
大変残念なことだと思います。一つ気になるのは、行政をゆがめたわけではないとか、何かそういう会食をしても、接待を受けてもはっきり分かるようなネガティブな結果が行政として出ていなければいいみたいな論調が国会答弁などから出てきていると思うのですが、あれはそういう利害関係者と会食すること自体、ましてや接待を受けること自体が既に行政がゆがんだということなわけですから、そこで弁解などしてほしくないなと思いながら見ております。
記者
実際、世論としても、接待の額とか一般の国民からはかけ離れているものということで、そういう指摘も多くあります。また、同時に野党に関しても、今、コロナの議論でもあったように事業者さんが大変困っているというような、医療従事者の方が一生懸命やっている中で、何かまず打たなければいけない手と別のことを国会で追及したり、議論していないかという部分の指摘もあります。そうした中で、与野党の論戦というものがしてないことはないとは思うのですけれども、国民に寄り添った形でどう行われるのが望ましいと知事はお考えかお聞かせください。
知事
内閣は国会に対して連帯して責任を負うと日本国憲法に書いていまして、まずは国会に対してちゃんと説明責任を果たすということが国民全体に説明責任を果たす第一歩でもありますので、禁止されていることを破って、行政がゆがめられている事実がある以上、そこはやっぱり国会で正していかなければならないのだと思います。
そういう内閣に、コロナ対策を全て任せていっていいのかということが浮き彫りになるでしょうから、野党も入閣してもらって超党派救国内閣でコロナ対策をすべきではないかというのが筋ではないかとやはり思います。
記者
今の点に関してなのですけれども、結果的に内閣広報官が辞任する形となりまして、後任に外務副報道官の小野日子さんが認められということになったようですけれども、小野さんが外務省に入省されたのが1988年でありまして、達増知事もその頃、同期ではないかと思うのですが、もしこの方の人物像等を御存じでしたらちょっと伺いたいなと思うのですけれども。
知事
外務省には変わった人が多いのですけれども、そういう中ではかなり普通な感じの人で、そして自分を必要以上に飾ろうとか、大きく見せようというところは全然なくて、いろいろみんなの前で失敗したりとかうまくやれなかったりということについても次はうまくやろうとか、前向きに次に頑張ればいいみたいな感じで仕事をやっていく、そういう意味で公務員に向いている人だなと思っています。
何年か前に野田釜石市長さんと一緒に森喜朗さんに会うために東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の事務所を訪ねたときに、当時、小野日子さんが組織委員会のスポクスパースンというのですか、対外広報を担当していて、事務所で何年かぶりに会って、基本は入省した頃と変わってないなという感じでありました。ツイッターで盛んに英語で東京オリンピック・パラリンピックのことを発信し、また時々、東日本大震災のことや被災3県、岩手県のこともツイートしてくれていたので、それを私がさらにリツイートして拡散とかしていたのですけれども、そういう感じで今後も仕事をしていけば悪いようにはならないのではないかなと思っています。
記者
ありがとうございます。政権運営が一連の問題を巡って打撃を受けているかと思うのですけれども、内閣広報官に就任された後に日子さんにどのような手腕の発揮を望まれるかという点についてはいかがでしょうか。
知事
今までどおり普通にやって、それで次官級の人がやっていた仕事を突然引き受けて大変でしょうから、無理だと思ったら辞めてしまえばいいのだと思いますので、それでもまた次のポストでちゃんと自分に合ったポストで活躍できる人だと思いますし、ですから無理をさせられないように気をつけて、何か無理を言ってきたら「できません」とか言って、無理なこととか無茶なこと、ましてや法律に違反するようなことはしないというようにすればいいのではないかと思います。小野日子さんであれば、例えば総理の息子さんが何か利害関係で会食と言ってきたときには、総理に直接そういうように言われましたけれども、断っていいですかと言うようなタイプだと思うので、それで、いや、会えと言われたら、できませんから辞めさせていただきますとかというようにすればいいのではないかと思います。
記者
震災の追悼式典に関して1点だけお伺いします。先ほど3月11日をどう迎えるかというのは、新鮮な状況、気持ちで考えるというふうにおっしゃっていたのですけれども、県と沿岸市町村の合同追悼式、来年度以降についての方針であったり、知事のお考えがあれば教えてください。
知事
正にまずは、今、来週の3月11日に向かって全力を尽くすわけでありまして、その次の年については、その後みんなで考えていくことかなと思っています。
あと、日本全体としても、一度に日本国民が1万人以上、東日本大震災のときは、数え方にもよるのですけれども、約2万人の方々が亡くなったわけですが、日本国民が一度にそのくらい亡くなる自然災害については、かなり日本政府として永続的にそのことを国全体として、色々なことをしていくべきだと思いますので、まして岩手県、そしてそれぞれの市町村にとっては、やはり何らかの形で、これは向かい合っていくべき、そういう3月11日ではないかなと思います。
記者
米について伺います。食味ランキングなのですが、昨日4日に発表されたランキングで、銀河のしずくが3年連続「特A」、4度目の「特A」ということで、これに関しての受け止めをお願いします。
知事
全国的に気象変動が大きい中で、銀河のしずくが連続3年で「特A」というのは大変喜ばしいことであります。
それから、県南産ひとめぼれが「A」だったということについては、これは宮城県産のひとめぼれも「A」だったそうで、やはりそれぞれの県の固有の事情というよりは、県境を越えた日本全体に及ぶような気象条件等が影響していたのかなと思うところでありまして、それでも「A」というのは決して悪いことではなく、今シーズンの岩手のひとめぼれも大手米卸売業者からの評価が高く、多くの引き合いをいただいているところでありますので、この食味ランキングの結果というものを適宜参考にしながら、あとは流通から消費の現場のほうに直接評価していただきながら提供していくことが大事かなと思います。
記者
ありがとうございます。環境的に異常気象が続く中で、米の生産者に向けた支援を強化していきたいとか、そういった考えはございますか。
知事
(農業改良)普及員の皆さんをはじめ、現場ではなるほど、こういうときはこうしたほうがいいのだなとか、新しい知見も生まれているようでありますので、そこはもうプロとプロとが力を合わせながらよりよい米づくりをやっていってもらえると思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次回記者会見
次の知事定例記者会見は3月25日(木曜日)の予定です。
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