令和3年1月7日知事会見記録
開催日時
令和3年1月7日 10時30分から11時25分
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
明けまして、おめでとうございます。今年は丑年で、丑年は岩手の年です。「いわてモー!モー!プロジェクト2021」を今日から実施します。
プロジェクトの全体概要ですが、資料の2枚目、プロジェクトの実施理由としまして、うしは、
1、県民気質に通じる、
2、畜産県岩手の象徴である、
3、岩手のソフトパワーの源の一つである
ということであります。
「いわてモー!モー!プロジェクト2021」のキャッチコピーは、「うし年は岩手の年! 岩手から、みんなを元気に!」です。主な取組内容は、
1、岩手県の畜産業の産地支援プロジェクト、
2、いわて牛やいわて短角牛、乳製品などの消費拡大プロジェクト、
3、観光等との連携による体験交流プロジェクト、
4、そして情報発信によるブランド強化プロジェクトなどです。
県が中心となり、JA全農いわてなどの関係団体や、民間企業等との連携によって実施していきます。
「いわてモー!モー!プロジェクト」のPRキャラクターですが、こちらにあるように、いわて牛のPRキャラクターの「チャンプくん」と、おなじみの「そばっち」です。牛とそばというコンビでPRをしてもらいます。
丑年は岩手の年、「いわてモー!モー!プロジェクト2021」で、岩手からみんなを元気にしていきたいと思います。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
本年もどうぞよろしくお願いいたします。このプロジェクトに関してですけれども、コロナがまだ終息に向かっていない中でですけれども、いろいろとPR等々も工夫が求められるのかなというふうに思います。その辺り、どのように展開されていくか、改めて抱負と、こちらに東北DCとの連携と記載がございますけれども、東北DCなり、今年は東京五輪もあります。そういったところとの、どういった相乗効果を図っていくかという2点について伺えますでしょうか。
知事
実は、牛肉の販売促進、それから牛乳などの乳製品の販売促進は、新型コロナウイルス対策として去年からやっていたことでもあります。新型コロナウイルス対策でやっていた消費の促進ということにもつながってくるプロジェクトであります。そして、牧場とか、それから畜産、酪農、製品を買っていただく場所に、実際に来ていただきたいというのもありますけれども、これは新型コロナウイルスの流行の状況に応じて、来れる人は来てくださいということでやっていけばいいと思っています。
あとは、新型コロナウイルス対策でも、岩手の良さを改めて見直そうということをやっていたわけですけれども、牛という視点からも岩手の良さを、たくさん、改めてアピールできると思っていますし、それが世界遺産のことでありますとか、そして東日本大震災からの復興でありますとか、あとは東京オリンピック・パラリンピックなど、スポーツにも関係したり、様々、モー!モー!プロジェクト以外の、今年から来年度にかけてやる岩手の様々な取組との連動も期待できると考えます。
記者
今、御説明いただいたプロジェクトの概要なのですが、東北DCはこれからのものとして分かるのですが、それ以外のものを見ますと、今までもやってきたことではないかなという気はして、特に目新しさはないのですけれども、何か新しいところはあるのでしょうか。
知事
丑年で、岩手は牛に関連するところはたくさんあるので、それを改めて知ってほしい、そこに来てほしい、買ってほしいということですので、今、岩手にないものを新しく用意するとかではありませんし、そういう意味では今までやってきたことを改めて強化したり、情報発信を増やしたりということが基本ではありますけれども、事業の中身をつくっていくイコール予算の確定にまだ時間がありますし、予算枠が決まっても、その中でのイベントのつくり方などは来年度になってから、様々、民間の皆さんの力も借りてつくっていくところがありますので、そういう中で新基軸を出すことができればと考えます。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんが、本日は今年最初の会見ということで、まず新年の所感と、あと抱負についてお伺いしたいと思います。
知事
去年から今年にかけての歴史的大寒波で、日本各地、大雪にも見舞われました。岩手県でも大雪で農業関係の施設の被害が出ていたり、交通関係で影響を受けた皆さんも大勢いらっしゃいました。改めてお見舞いを申し上げたいと思いますし、農業施設の被害などについては、きちんと対策を講じていきたいと思います。
そして、やはり今年はうし年ということから話を始めたいと思います。岩手ゆかりの詩人、高村光太郎さんが「岩手の人」という詩を書いています。岩手の人は牛の如しということで、いろいろ慎重に歩んで、ついに成すべきを成すというふうに結ばれています。新型コロナウイルス対策もあります、慎重に歩みを進めて、しかしやるべきことはやると、ついに成すべきを成すというような、そういう年にしたいと思います。
成すべきこととしては、コロナ対策のほかにも東日本大震災からの復興を新しいステージにきちんと乗せていくということがあります。そして、縄文遺跡の世界遺産登録を確かなものにするということもあります。東北デスティネーションキャンペーン、これを成功させるということもあります。そういったことを東京(2020)オリンピック・パラリンピックと関連づけながら、岩手の魅力を発信し、岩手で暮らす、岩手で働くという人口減少対策にもつなげていきたいと思います。
幹事社
ありがとうございます。それでは、各社から質問があればお願いいたします。
記者
首都圏を対象とした緊急事態宣言の発令が今日にも決定される見通しですけれども、県民とか来県者に対して往来制限とか、何か岩手県として要請するお考えはありますでしょうか。
知事
明日、岩手県の新型コロナウイルス対策本部会議を開いて、そこできちんと決めようと思います。ステージ3相当の地域との往来について、慎重に判断ということは去年からずっとお願いしてきていることですけれども、東京都も今やステージ4、ステージ4が今一番厳しい状況で、それ以上のステージはないのですけれども、数字的にはステージ4より上のステージに東京都、それから神奈川県もですか、行っているような状況ですので、そこはかなり気をつけて警戒して対応しなければならないと思いますので、そういうことがはっきり岩手県民の皆さんにも伝わるような工夫をしたいと思います。
記者
ありがとうございます。全国で感染が急速に広がっている中で、今の段階で岩手県として緊急事態宣言の発令を国に要請するお考えはないのかどうかと、あと緊急事態宣言を全国へ広げたほうがいいのではないかというお考えもありますけれども、そこに関するお考えを伺えればと思います。
知事
ステージ4という最悪の事態になってはならないというのが国の制度の組立てでありますし、そのためにもステージ3に入ったら、様々な行動制限などやっていかなければならないということになっているのだと思います。東京都とその周辺の3県は、そうであったにもかかわらずステージ3からステージ4以上の状態になってしまったので、緊急事態宣言を出さなければならないということだと思います。少なくともステージ3にはまだ達していないような、日本の3分の2ぐらいの県はまだそこまで行っていないのだと思いますけれども、そこはまず、非常事態宣言の心配はしなくていいと思います。
岩手県は、昨日の数字ですと1週間10万人当たりの新規感染者数は1.6で、島根県の次に低い、全国下から2番目の数字でありますので、岩手県は緊急事態宣言対象にはかなり遠いところにあると思っています。
記者
ありがとうございます。最後にもう一点なのですけれども、首都圏を対象に緊急事態宣言が発令される見通しですけれども、昨年の春以来の再発令ということになります。岩手県に与える影響ですとか、あと全国に与える影響というのを今の時点でどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
知事
放っておきますと東京都、そしてその周りの県は、感染者数がさらに増加を続けて、そうなってくると日本全体の感染者もどんどん急増し、そこに巻き込まれる形で岩手県も感染者数がどんどん増えて、医療体制も厳しくなってきて、命に関わるケースも増えていくと。やはりそれは、どんなことをしてでも止めなければならないことだと思います。それが止められるのであれば、一定期間は不自由とか不便さがあったとしても、そこは乗り越えていかなければならないと思います。
記者
昨年末に遡るのですけれども、年末に秋田県の佐竹知事が、仮に緊急事態宣言が首都圏に出たとすれば、秋田県としては首都圏との往来自粛を要請する心づもりだというような趣旨の発言をなさっていたと記憶しているのですけれども、現時点での知事のお考えとして、そういった首都圏、緊急事態宣言が発令される見込みの地域と岩手県との往来は自粛要請(を行う)というような、今の「慎重に」からさらに強めるような御予定(はあるので)でしょうか。
知事
今の「慎重に判断」というところから、やはり強めなければならないと思っています。
記者
それは、本日の緊急事態(宣言)発令の時点で出されるのか、ないしは明日の本部員会議をもって何かそういう決定がなされるのでしょうか。
知事
明日の本部員会議で決める予定です。前提として、国の緊急事態宣言の内容や、またそれに伴って国の基本的対処方針が変更されると思いますので、そこで使われている言葉も参考にしながら、国が発信するメッセージと県の発信するメッセージが相乗効果で、効果がより出るような言葉を工夫したいと思います。
記者
まず、先ほど新年の抱負で、復興を新たなステージへとしていきたいというお話がありましたけれども、具体的にはどのようなステージになるのでしょうか。
知事
津波(災害)防止のための様々な防災施設、丸10年経って未完成の部分については、急いで完成するように取り組んでいくということがまずあります。そして、丸10年経って、それでも直面する心や体のケアという部分については、より丁寧な対応が求められると思います。そして、漁獲量の減少や新型コロナウイルス関係の消費の落ち込みという、そういう特有の問題を踏まえた対応ということも必要になってきます。そういった内容を考えています。
記者
分かりました。例えば陸前高田市などでは、旧気仙中学校であったり、タピック45だったりが震災遺構として一般公開(されますが)、この10年というタイミングでありますけれども、そういったものも含めて新たなステージに上がっていくと思うのですけれども、どう見ていますでしょうか。
知事
まず、丸10年ということで、日本全体で関心を高めていただいているなという手応えを感じていますので、そこに向けて、伝承と発信は強化していきたいと思います。また、3月11日を過ぎて、丸10年を過ぎた後に関心が急速に失われることがないようにという観点からも、伝承と発信にはやはり力を入れていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。すみません、新型コロナの関係で、首都圏との往来に関して「慎重に判断」からちょっと強めるというお話が先ほどありました。例えば、受験シーズンで、大学受験など、いろいろ往来ができないことで不利になったりとか、そういう方たちもいらっしゃると思うのですけれども、そういう例外的な部分も考える予定でしょうか。
知事
慎重に歩みつつ、ついに成すべきを成すということで、やらなければならないことは、やはりきちっとやっていくような、そういう工夫をしていきたいと思います。
記者
分かりました。あと、GoToトラベルではないのですけれども、「泊まるなら地元割」のキャンペーンを、まだGoTo停止となっている中でも県は続けています。それについての方針として、現段階で変える必要があるのか、「おでんせ割」などは、岩手への来県をするような形のサービスになっていますが、その辺りは変更したいのか、それともこのままの現状でよいとお考えなのか、教えてください。
知事
東北プラス新潟県、7つの県はいずれも1週間の10万人当たり新規患者数が1桁、10未満でありまして、ステージ3には届いていませんので、基本的にその中での移動や旅行ということについては、制限は要らないと考えています。北海道ももう13.3ということで、15未満になっているのですが、ただ札幌だけ見ればもっと多い数字になりましょうから、かつてステージ3に入っていたような都道府県というのは、15未満になっても要注意なところはあるのですが、ステージ3になったことがないようなところについては、特に制限は要らないかなと思っています。
記者
現段階で、東北と新潟の中では制限を求めるような状況ではないということでしょうか。
知事
そうですね。
記者
分かりました。最後1点だけ、すみません、山形県知事選挙が今日告示されたということで、現職の吉村知事は野党勢力が推薦して、新人の大内さんは自民党などが推薦するような形の一騎打ちになって、与野党対決という形になっていると思うのですけれども、菅政権の評価も見れるような選挙になると思うのですが、知事はどのように御覧になりますか。
知事
山形県内特有の地域事情も様々あると思いますので、やはり山形県民の皆さんが自分たちの知事を決めるというところをきちんとやってもらえればいいのではないかと思います。ただ、知事選挙というのはやっぱり大きい選挙ですので、全国的な政党が知事選挙で様々応援活動をしたりするということは、それも大事なことだと思いますので、それぞれが実りあるような形で行われて、いい選挙になることを期待します。
記者
一つの県の知事選ではありますけれども、時の政権への評価が分かれるような与野党という構図がある中で、そういった部分はどのように見ますでしょうか。
知事
主役は有権者ですので、有権者一人一人、自分はもう子育て支援のことだけで、それを基準にして誰に投票するか決めるみたいな、一人一人争点というものは違っていると思いますので、有権者本位に考えればいろいろな争点があっていいと思いますけれども、ただ全国政党などは全国的な課題をこの機会に山形県民の皆さんに意思表示をしてほしいという働きかけをするでありましょうけれども、それも大事なことですので、うまく実りあるような形で行われればというように期待します。
記者
明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。先ほどの新型コロナの関係で、1都3県に関して、強めなくてはいけないというふうな発言がありましたけれども、これは往来制限も念頭に入れておっしゃっているのか、その点でお話しできる範囲でお願いします。
知事
まず、ステージ3が15人以上という目安があり、ステージ4は25人以上で、ステージ5というのはないのですけれども、仮にステージ5が35人以上だとして、神奈川県はもう37.3になっていて、東京都は53.9という数字なのです、1週間10万人当たりの新規感染者数が。東京都の数字というのは、ステージの1から4までの対策の枠組みからすれば、かなりの危険な状況になっているわけですので、そこと岩手県民がどういうふうに関わっていくかということについて、国の宣言の内容や基本的対処方針も参考にしながら決めていきたいと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。
ちょっと復興の話ですけれども、震災から10年が経つ年になりまして、まずこれまでの県の復興政策の評価についてと、あと現状の復興の課題を何と捉えているか、そしてそれに対してこれからどう取り組んでいくか、改めてになりますけれども、よろしくお願いします。
知事
ついに成すべきを成すという、何を成すべきかという視点からすると、ふるさとを消滅させてはならないという、そういうことがまず原点としてあったと思います。地方創生のスローガンと同じなのですけれども、津波によって大きく破壊され、地域によっては全面的に破壊されたふるさとを消滅させないで、そこでまた暮らせるようになる、働けるようになる、それを目指してやってきたのですけれども、震災前よりも安全性や、そしてまた経済的な見通し、総合的な便利さなどなど良くなってきていると思います。そういう意味では、ふるさと消滅の正反対で、過去に戻る以上のよりよい生活であったり、なりわいであったりを、することができるようにはなってきていると思います。ただ、そういう基盤をベースにしながら、実際にそこでの生活や仕事が、震災前よりよくなっているかということについては、やはりそこに寄り添いながら、共に歩んでいくような支援というものが引き続き必要だなと思っていまして、それはこれからの活動にかかってくるというふうに思います。
記者
また緊急事態宣言の関連でお伺いしたいと思います。正式な決定は、本日この後になりますけれども、今出ている話ですと、主な対応としては、やはり飲食店への対応、時短要請などが挙がっております。一方で、京都大学の西浦教授が示している試算では、飲食店対策のみでは、感染者数は横ばいということで、昨年の春並みの対応をしてこそ下がっていくというような試算を示しております。現状、飲食店対策が中心となっている緊急事態宣言の対応について、知事はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
知事
やはり東京都でも1週間10万人当たり15人と、たしかそれは1日の毎日の新規感染者数では、東京都で300人に当たるくらい、そこを目指さなければならないのだと思うのです。今はもう千何百人にもなっていて、2,000人にも迫る勢い、これを300人にまで減らすと。そのために何をすべきかなのですが、そういう1日300人以下にしましょうという目標を高く掲げれば、東京都民の皆さんは自分がどう行動すればいいかという感じもかなりつかめるのではないかと思います。感染者数を減らすのだという目標を明確にしていくことが大事だと思います。
そういう意味で西浦さんの考え方というのは正しいと思います。感染者数を減らすことが目的、全てはそのために必要なことをやるのだという考え方がまず大事だと思います。
記者
その中で、飲食店が特に挙げられていますけれども、それだけで足りるというふうにお考えでしょうか。
知事
岩手県の場合は、飲食店の休業とか、時間短縮とか、要請をしていないのですが、県民の皆さんが、もうここはちょっと自粛しようということで、お店にあまり行かなくなって、それで年末年始の新規感染者数というのは全国でも下から2番目ぐらいになっているわけでありまして、東京でも要は消費者サイドの心を動かすことができるかどうかが決め手なのだと思います。
そうですね、この機会に言うと、岩手県ではそうやって休業や時間短縮の要請をしていないのですけれども、消費は大きく落ち込んでいますので、やはりそこに金銭的支援を、国のほうでもやっていただかなければならないと思います。ですから、緊急事態宣言の地域において時短補償ですか、時間短縮の補償をするということが決まりつつあるのですけれども、そういうことは日本全体でしなければならないと思います。日本全体として消費の落ち込みをカバーするような、これは例えば、もう一回改めて全ての困っている事業者を対象に持続化給付金を給付するというようなことを日本全体でやってもらいたいと思います。
記者
ありがとうございます。また、先ほどちょっと出ておりましたが、岩手県は緊急事態宣言の対象には遠いということのお話がありましたけれども、一方で全国的に見ると首都圏以外でも中部、関西、九州でも過去最高の感染者(数)を記録するなど、感染が広がりつつあって、日本医師会の中川会長も全国的な緊急事態宣言の発令を考えなければならないという発言をしております。昨年の春の場合ですと、本県は感染者がいない中でも緊急事態宣言の対象になりましたけれども、今回の第3波を受けて、そのように全国一斉で緊急事態宣言を発令しなければいけないという指摘があることについて、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
現場を預かる全国知事会は、去年11月頃から地域限定で行動制限をかけていくのがいいと言い続けていまして、例えば愛知県は20.7ですね、第3ステージと第4ステージのちょうど中間の数字になっていて微妙なのですが、多分、緊急事態宣言を、まず名古屋市を対象として検討すべきなのではないかと思います。愛知県でもまずは名古屋市を、名古屋市以外の豊田市とか刈谷市とか、そっちのほうは緊急事態宣言をしなくていいのではないかと見ているのですけれども、地域限定で、危なくなってきたところは逆に、早め早めに緊急事態宣言、あるいはそれに相当する制限を加えていくべきと考えます。
記者
全国一斉で行う、国民の意識を変容するための目的があると思いますけれども、そういう対応というのは知事としてはふさわしくないというふうにお考えでしょうか。
知事
ステージ3、4、それにまつわる指標の見方も国民に浸透してきていると思いますので、ステージ4まで行ってしまっている、25人以上になってしまっているところは、昨日の数字でそれを見ると東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のほかに大阪府、京都府、栃木県が入っているのですけれども、その辺はやっぱり緊急事態宣言を検討すべき。ただ、この数字は一時的に上がってまた下がるということもありますので、今までずっと25を超えていなかったようなところについては、慌てなくていいのかもしれないのですけれども、そういう目で見ていったほうがいいと思います。東京が昨日の数字で53.9になっているということと、日本全体を一緒にして一つの行動制限をかけるというのは、かえって事態を収束に持っていくことに力を、どこに力を入れればいいのか分散する危険性があると思います。
知事
1都3県との往来に関しては、明日の本部員会議において知事としてのメッセージ出されるということなのですが、果たしてそれで間に合うのかということを伺いたいのですが。というのは、この次3連休があります。成人式も各地で開かれるところがあります。そうすると、東京方面から帰省されたりとか、もしくは遊びに行くとかというタイミングにもなっていると思います。であれば、明日は金曜日ですので、金曜日の、例えば午後に本部員会議を開いて、そこからメッセージ出しても届くのかという懸念があるのですけれども、明日を待たずに今日にでも知事から明確なメッセージを出したほうが岩手県民の行動変容につながるのだと思うのですが、いかがでしょうか。
知事
今まで言ってきている往来は慎重に判断という中には、2週間10万人当たりの新規感染者数というのを見ながらということも含まれていて、そこで1都3県の数字の多さというのはちょっと前まで東京都も20とか30ぐらいだったわけです。その頃から要警戒だったのですけれども、その頃に比べて、さらに倍、危険度が高まっている、感染リスクが倍になっているということですから、まず倍、気をつけてもらわなければならない状態になっているということは言えるのですよね。その辺を数字に数字を重ねて伝えていくのがいいのか、あるいは国のほうで何か分かりやすい一言を使う、それを県も同じ言葉を使ったほうが浸透させるにはいいのか、その辺をちょっと判断、今日、明日のところで判断したいと思います。
記者
今年もよろしくお願いします。私も新型コロナの関係でお尋ねします。今までも話にあったように、年末年始にかけてメーセッジを発出されました。今の時点で、年末年始の移動の影響が少しずつ新規感染者数等で出てきていますが、メッセージに対しての今の感染状況について、年末年始の行動に対する結果としての今の感染状況を、知事としてはどう評価しているかお聞かせください。
知事
12月31日から1月6日までの10万人当たりの新規感染者数が岩手県1.6で、島根県の次に全国で低いという状況ですので、去年12月後半の様々な行動、移動については岩手県民、そして岩手に来るかどうか考えている皆さんには非常によく丁寧に対応していただいているなと思っています。この基調がもうちょっと続いていけば、年が明けてからもそのように慎重に判断してもらっていたということがさらに見えてくる、そういうのを期待したいと思います。
記者
ここ最近、年明け以降の発表でも、何人か出ている中で、移動に対して慎重にという呼びかけに対して、やはり県外に移動された方、あるいは県外から来県された方の中でのウイルス検出された方が少なからずいました。これについては、どのように評価というか、見ていらっしゃいますか。
知事
やはりステージ3相当になっている地域をはじめ、全国的に感染リスクが高まっているということだと思います。同じように行動していても未知の感染者からうつる確率は2割、8割は人にうつさないわけですから、同じように行動していても、うつってしまった2割に該当する方々は本当にお気の毒なのですけれども、同様の行動をしていて、うつらないでいる人はほかにもいるのだと思うのです。絶対ゼロでなければ駄目だとは言わないというのは、これは岩手でゼロが続いていた春頃からずっと言ってきていることで、感染した人はとがめませんし、むしろそれは気の毒なことだと考えているわけですけれども、でもやはり感染しないに越したことはありませんので、県外で様々活動した方が感染しているという例を参考にし、さらにステージ3相当の地域との往来には慎重に当たっていただきたいと思います。
記者
ありがとうございます。あと加えて緊急事態宣言の話もありますが、通常国会が召集され次第、特措法の改正も早々にあるというふうに報道されております。そうした中で、与党内の議論では罰則規定等も自粛に関するもので出ているようですが、特措法改正の予定されている可決というか、決まる、決定するタイミングや中身について、知事はどのような認識を持っているか教えてください。
知事
感染者数を減らすことが目的ですので、感染者が多い首都圏などの経験を参考にしながら決めていくのだと思います。岩手県のことだけを考えれば、強制する度合いを高めなくても感染者数をゼロに近づけていくことはできるなという経験を我々はしているわけですけれども、そうでないところの知事さんから、やっぱりもっと厳しくしてもらわないと感染者を減らせないという、そういう強い思いがほかの知事さんからあるようであれば、同じ知事同士、そういう知事さんの要求というのは尊重しなければならないのかなと思います。
記者
ありがとうございます。もう一つ、この感染状況が全国的にどうなるかというワクチンの話も出ている中ですが、3月11日の10年の節目にいろいろな節目に関する行事等を検討されているのは、県以外にも沿岸の市町村であったり、内陸もあると思うのですが、今の時点で県として感染の動向を踏まえつつ、3月11日をどのように迎えようと思っていらっしゃるのかというのが1つと、もう一つはオリンピック・パラリンピックが今年に延期になっていますが、果たしてそれに関しては今知事はどのような認識なのか、この2点お聞かせいただければと思います。
知事
東京でも1週間の(新規感染者数を)10万人あたり15人以下に持っていくことができれば、そこからさらに下に持っていくということも目指していくことができると思うのです。そうしますと、日本全体として第1波を終息させた経験があるわけですから、日本全体としてコロナゼロに近いところに持っていくことというのは、やればできるのだと思います。そして、第1波は欧米から帰国された方々が原因となり、そして第2波は東京などの歓楽街の若者たちが原因になり、そういうところの陽性者が、陽性の方々が数百人規模で集中すると波ができるのです。武漢など中国からの観光客の入り込みで、そこから感染が出たり、クラスターができたりはしたのですけれども、波はできなかったのです。民間臨調(注新型コロナ対応・民間臨時調査会)のコロナ報告書を全部読みましたけれども、武漢から入った陽性者というのは11人しかいなかったのだそうで、11人、2桁ぐらいの感染者の集中であれば波はできないと言っていいと思うのです。そういう数百人規模の感染者の集中という特殊事情がなければ、一旦ゼロに近いところまで収束させれば次の波はできないと思うのです、日本において。だから、日本全体として、そこを真剣に考えて目指すべきだと思います。
とりあえずステージ3より下、ステージ2を目指していくというのがまず当面なのだと思いますけれども、それがうまくいったら、さらにその先に向けてゼロを目指していくということをやれば、去年3月下旬にオリンピック・パラリンピックの延期の決断があったわけですけれども、今年そこで決断を迫られる頃にゼロに向かって日本の感染者数が減っていっているトレンドがあれば、ちょうど3月11日にも近い時期になるのですけれども、そういう日本の感染者がゼロに向かうトレンドの中で3月を迎えられればと思います。
記者
今の時点で延期したほうがいいとか何とかという評価には、まだ当然、今後の3月下旬辺りの決断迫られるときまでの対応やその動向次第だということですよね。
知事
去年の第1波が減り始めるのは、3月下旬の週末を含めた数日間に、日本全体で一気に行動抑制したその数日で、第1波はもう減り始めたのです。それで、緊急事態宣言でダメ押しのようにゼロまで落ち続けたという感じなのですけれども。だから、一、二か月で、今の状態から日本全体ゼロ近くまで持っていくというのは、決してできないことはないと、その辺を目標にすべきではないかと思います。
記者
私からも緊急事態宣言の関連でお伺いします。今現時点で、緊急事態宣言の期間が1か月程度というふうにされておりますが、専門家の方は1か月以上必要だというふうな意見もあります。この1月、2月は岩手にとってはウインタースポーツの最盛期にも当たりまして、スキー場は昨年雪不足の苦境にも遭っていまして、今シーズンは再起を誓うというような、そのようなシーズンになる予定だったと思うのですけれども、緊急事態宣言の発令で観光客数の減少も否めないのかなというふうにも感じております。この冬の時期の緊急事態宣言の影響ですね、観光面への影響について、知事はどう捉えてらっしゃるのか所見をお願いします。
知事
そういう意味でも、東京だったら1日300人、そして日本全体については1日2,700人まで下がれば、1週間10万人15人に当たるので、とにかくそこを目指そうということです。そういう目標をはっきり掲げた意識転換と行動変容があればかなり早い段階でそこまで、1か月でそこまで持っていくのは不可能ではないのではないかと思うのですけれども、早く首都圏からも自由に往来できるように持っていければなと思います。
記者
あと先ほど、3月11日の話、質問もありましたけれども、私もちょっと関連しまして。仮に1か月以上発令されるとなりますと、もしかしたら3月11日にもかかってくる可能性も今のところはまだあり得るのかなと思います。仮に3月11日まで緊急事態宣言が発令された場合、県主催の式典はどうなっていくのか、現時点で何か想定しているようなシミュレーションなど知事の中であれば教えてください。
知事
そうですね、そういう意味でも東日本大震災で亡くなった方々、岩手だけでも、数え方にもよるのですが、5,800人、それ以上の方が亡くなり、日本全体だと1万8,000人、数え方によっては2万人以上の方が亡くなっている。その人たちの思いに応えるためにも3月11日までに、さっき言ったように東京都で300人、日本全体で2,700人にして、そこまで下がりますと、緊急事態宣言を解除してもその勢いで10日、2週間下がり続けますからね。そうやってステージ2のさらに下のほうにまで行けば、日本全体でゼロを目指すというところが非常に現実的になって、オリンピック・パラリンピック開催の検討材料も、日本におけるコロナゼロを前提にして検討するということになると思うので、東日本大震災という国民的な大災害を真剣に受けとめて、そしてオリンピック・パラリンピックをやるのだと言っている日本ですから、やはりそこを目標にしてやらなければならないのではないですかということを訴えたいと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
知事
お疲れさまでした。今年もよろしくお願いします。
次回記者会見
次の知事定例記者会見は1月15日(金曜日)の予定です。
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