令和2年11月19日 岩手県知事・盛岡市長共同臨時記者会見記録
開催日時
令和2年11月19日 17時30分から18時00分
会見記録
広聴広報課
ただいまから岩手県、盛岡市の共同記者会見を行います。最初に知事から発表を行い、その後市長から発表を行います。それでは、知事お願いします。
知事
本日は、盛岡市を中心に感染が増加している状況を鑑み、知事、市長が県民、市民の皆様にお知らせやお願いをお伝えするためにこの記者会見を設定いたしました。
私からは2点ございまして、1つ目はクラスター対策への協力のお願いと、2つ目は感染の増加を踏まえた感染対策の徹底です。今月に入って盛岡市内の飲食店でクラスターが発生し、多くの感染例が報告されています。感染された方々には、早期の御回復をお祈り申し上げます。クラスターが発生した店舗については、クラスター対策について店舗の御理解をいただき、店名を公表しているところでありまして、それぞれの対象時期に店舗を利用された方は、お住まいの地域の保健所まで御連絡をいただくようお願いします。現在岩手県においても、全国の感染者数の増加につれて、感染の確認が増加しており、11月に入ってからは感染源の推定が困難な事例が増えています。
この感染症は、発症2日前からも感染させること、無症状の方であっても感染させてしまうことがありますが、手洗い、咳エチケット、室内の換気等の基本的な感染対策を丁寧に行うことで、感染リスクを確実に下げられることが分かっています。感染をこれ以上拡大させないため、県民の皆様、来県される皆様にお願いすることは、これまでお願いしてきた感染対策の徹底です。手洗い、咳エチケット、室内の換気、湿度の調整等の基本的な感染対策に加え、
- 県民や来県される方々には常時マスクの着用、3密を伴う会合等の回避
- 事業所には業種別ガイドラインによる感染対策の徹底、従業員の体温測定や自覚症状等の健康状態等の記録
- 接待を伴う飲食店の利用者と従事者には「もしサポ岩手」や「COCOA」等による接触情報、連絡先情報の記録
- 医療機関には発熱等の症状のある方への積極的な検査の実施、をお願いします。
最後に、これまでも強くお願いしていますが、患者やその関係者に対する思いやりの気持ちを持ち、誹謗中傷は行わないこと、また医療関係者をはじめ県民生活に不可欠なサービスの提供に従事いただいている皆様に感謝と思いやりの気持ちを持って応援してくださることをお願いします。
以上です。
盛岡市長
盛岡市長の谷藤でございます。初めに、盛岡市においては、11月に入り感染が拡大し、これまで感染された多くの方々におかれましては、一日も早い御快復を心よりお祈り申し上げます。盛岡市における新型コロナウイルス感染症の感染状況でありますが、確認された患者数は11月19日現在44名となっており、特に11月に入り4店が関係するクラスターによる感染拡大が発生するなど、感染源の推定が困難な事例が連続して確認されており、本市においても市中感染の可能性が高まっている状況であります。なお、11月に発生したクラスターに関連する陽性者は、現時点で県内39名、そのうち市内21名となっているところでございます。現在県とともにクラスター対策の専門家の方々の御協力をいただきながら、発生原因等の分析を行い、これ以上の感染拡大の防止に努めているところであります。
また、飲食店等における感染拡大防止のため、県が実施を予定している飲食業関係店への個別訪問による感染予防の周知活動に市も協力して取り組んでまいりたいと考えております。飲食店をはじめとする事業者の皆様におかれましては、業種別ガイドラインによる感染対策や利用者情報の記録の徹底など、万全の対応をお願いいたします。
また、市民の皆様には、3密を伴う会合は避け、飲食店を利用する際は、盛岡商工会議所が推奨する感染症対策モリアゲ宣言ポスターなどを参考に、感染予防対策をしっかりと取られていることを確認して、御利用いただきたいと存じます。
年末シーズンに向かって感染リスクが高い場面が増えることが見込まれます。本市といたしましても、県としっかり連携して、感染拡大防止に鋭意努めてまいりますが、何よりも皆様一人一人の感染症予防対策が必要となりますので、改めて手洗い、せきエチケット、マスクの常時着用、室内の換気や湿度の調整などの基本的な感染予防対策の御協力をよろしくお願いいたします。
なお、感染された方々への差別や誹謗中傷は、御本人をはじめ周囲の方々への大きな影響を及ぼすだけではなく、検査のための受診や保健所への正確な情報提供をためらうなど、さらなる感染拡大を引き起こすことにつながりかねません。感染した方や関係する方々への誹謗中傷は絶対に行わないよう、強くお願いいたします。
以上でございます。
広報広聴課
以上で発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表について質問があれば随時お願いいたします。どうぞ。
記者
達増知事に2点お伺いします。まず1点目は、県内で飲食店など、相次ぐクラスターの発生で今月に入り感染者が急増しています。21日から3連休となり、県民に対する移動の自粛であったり、来県者への移動制限など実施するお考えがありましたらお聞かせください。
もう一点が、菅首相がGoToイートについて、原則4人以下で飲食するよう知事に検討をお願いしたいということがありますが、この件について知事のお考えをお願いします。
知事
今日お願いしたいことは、クラスター対策への協力のお願いということで、それぞれのお店の対象時期にお店を利用した方々にきちんと保健所に連絡してほしいということです。これでクラスター対策をきちんとやれば、盛岡市内もですし、岩手県内もですし、今、日本の大都会で起きているような感じの増え方にはならないと思います。
一方、クラスターが起きる前から感染経路不明の感染者が見られるようになってきたということで、感染対策の徹底をお願いするわけですけれども、その中で3密を伴う会合等の回避という表現で、多数のとか、これは県の専門委員会の皆さんもJR(の基準)を参考に8人を目安というようなことを撤回して、3密にならないようという表現にしているのですが、これはもう2人だけでもマスク外して向かい合って、べらべらしゃべりながら食べるということを1時間もやれば、感染のリスクは極めて高いので、人数もさることながら、密にならないことを心がけていただきたいということです。北海道、札幌市のような1週間の10万人当たり新規感染者数が30を超えるような状態になっているわけではありませんし、新規感染者数が倍、倍と増えていっているところでもありませんので、さっき述べたような岩手ならではの対策をお願いするものであります。
記者
そうすると、2点目のGoToイートの関係については、4人以下での飲食というふうに菅首相が要請していますが、その点についてはいかがでしょうか。
知事
人数もさることながら、密にならないようにということです。そこは肝腎と思っています。
記者
あくまでもそれは呼びかけて徹底していただくというところで、例えばGoToイートの方針を変えるとかということではないということでしょうか。
知事
今日は、県の専門委員会の皆さんのコメントに基づいて、県の対策本部で決めた対策として、外食に関しては3密を伴う会合等の回避というのをお願いしているところです。
記者
コロナの影響で飲食店が深刻なダメージを受けていますけれども、県と盛岡市はどのような支援をするお考えでしょうか。
知事
感染対策の県職員が回って歩く、あるいは関係の団体を通じて働きかける、勉強会なども含めて感染対策を徹底することへの支援を、そのように具体的な対策の仕方を共有するというやり方、プラスそこには10万円を上限とする補助金もありますし、それも活用してほしいと思います。また、相次ぐ補正予算によりまして、融資の額も拡大しているところですし、様々な困窮しているケースに応じた支援メニューが色々とありますので、それを活用してほしいと思います。
盛岡市長
盛岡市としても、これだけクラスターが発生をして、飲食店の皆さん方が大変今心配な状況にあると認識しております。11月に入る前のところは、前年対比で5%減ぐらいのところまで回復してきた最中だったものですので、ここでまたクラスターが発生したということで、かなり売上げ減になっているお店が増えているなと思っております。そういう意味で、全体に対しましても、先ほど申し上げましたけれども、県と連携しながら注意喚起を徹底して、そこの中で安心感を確保していく、そのようなことに努めてまいりたいと思っております。
記者
達増知事、谷藤市長それぞれにお伺いします。まず、先週の県の対策本部員会議でも述べられたとおり、基本的な感染対策の実施、これは谷藤市長も同じ趣旨で今日、改めてメッセージを発せられたと思います。ただ、年末年始までもう2か月を切った状態である中で、あと全国的には第3波と呼ばれるものの収束がまだ見えないという状況で、今後、感染が拡大する可能性も十分あると思います、県民、市民の努力があったとしても。その場合、年末年始に向けた休日の分散取得等の話も出ていますけれども、ある程度先を見て、この段階になればこういう手を打たなければいけないというようなものを準備して、県民にメニューというか、形で示す必要もあるのではないかと思っております。それについて、それぞれ御見解お聞かせください。
知事
北海道、札幌市ぐらいの新規感染者の数の多さ、かつ増大の急速さになってくると、札幌に限定して不要不急の外出自粛というようなことになるのだと思います。そういう感染者の数がそのくらい増えたところから、日本のあちこちで順にやっていくことになるのだと思うのですけれども、岩手においては、まず今はクラスター対策が非常に重要ですので、しばらく前に感染者の判明というのが散発的といいますか、何日か置きに1人か2人というようなところに岩手が落ち着けばいいなと思っているのですけれども、そのためにも今、目の前のクラスター対策プラス日本全体として感染が増えているというのを踏まえ、岩手で感染経路不明の感染者も出てきているということを踏まえた常時マスクの着用や、3密を伴う会合等の回避を中心とした感染対策の徹底をお願いしたいと思います。
盛岡市長
知事がおっしゃったのと重複するわけでありますけれども、いずれクラスターが発生して、これ以上拡大させないように、これに今は全力を尽くして参りたい思っております。特に年末年始にかけて、人の移動が活発になる要素はあるわけでありますけれども、そんな中で常に感染防止、予防という、ここを国民の皆さん方全員で共有していく、そういうことが大切だと思うわけでありますので、市民の皆さん方にも、特にも年末年始、人の動きが活発になる時期、このときに併せて常時マスクとか、3密にならないようにと特にも心がけていただくように、さらなる呼びかけも強化してまいりたいと思っております。
記者
すみません、もう一つだけ、例えば今、県内で、特に都市部で飲食店の時短営業をしなければいけないとか、あるいは不要不急の外出を自粛するよう呼びかけなければいけないという、岩手県としての、あるいは盛岡市としての目安みたいなものはつくっておくべきかどうか、それについてそれぞれお尋ねしてもいいでしょうか。
知事
今回の北海道札幌市のケースは、まず参考になりますし、それに次いで不要不急の外出自粛等の要請をするような感染(者)数の多い大都会を持つ都道府県、あるいはそういう大都市が進めていくのを参考にできるのかなとは思います。
盛岡市長
盛岡市としても、全国的に類似している都市とか、そういう中での感染の拡大状況等を見ながら、どのような対応をしてきているのかというものを参考にさせていただきながら、まずはそこに至らないようにきっちりやるということが重要だと思っております。
記者
達増知事にお伺いいたします。ここ数日の県内の感染状況を見ますと、比較的若い世代からリスクが高いと言われる70代から90代の方々にも移ってきている印象があるのですけれども、県内の現在の局面を踏まえて、特に若い世代に対して何か求めたいことがあればお願いいたします。
知事
春の流行は、欧米からの帰国者からスタートし、そういうのに近いところから広がり、夏の流行は歓楽街での若い人の間の感染が拡大してということで、若い人が先行していった格好ですけれども、秋冬の流行については、そういう癖がないというか、際立った年代別の特徴というのはないのかなと思います。(と言いながら、ドクターの資格を持っている専門家のほうを今ちらちら見ているのですけれども、)やはり全ての年代、あらゆる地域、あらゆる職業の皆さんにさっき述べたような感染対策の徹底をお願いしたいと思います。
記者
ありがとうございます。あともう一点なのですけれども、今後、県内の感染フェーズを蔓延期に向かわせないために、今が非常に大事な時期かなと思うのですけれども、今後も今のようなペースで患者さんが増えたときに、県としてさらに踏み込んだ対策という辺りはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
知事
クラスター対策が事態を悪化させないために大変重要であります。北海道や札幌市の例を先ほど述べましたけれども、日本全体共通の目安として、いわゆるステージ3、1週間の10万人当たりの新規感染者数が15を超えるというのをはじめとした目安がありますので、そうなったら何らかの社会的働きかけ、行動変容につながるような働きかけをすべきとされていますので、その辺が一つの目安になると思います。
記者
感染対策の徹底というのはもちろん大前提だと思うのですけれども、実際のGoToイートとかGoToトラベルが今の制度としてある中で、それを私たち県民がどういうふうに利用したらいいのかというのは、県民の人も感染拡大の中で悩んでいるところだとは思うのですが、それについて私たちが気をつけたほうがいいこととか、何か知事からメッセージがあれば教えてください。
知事
GoToキャンペーンについては、それぞれホームページなど、事務局がきちんと情報発信していますし、あとは担当のGoToトラベルは国交省、GoToイートは農水省、また総理官邸や官房長官、それぞれ日々新しいメッセージを出してくださっているので、それを参考にしていただくといいと思います。
記者
今おっしゃった新しいメッセージというのは、例えば今日菅総理大臣がおっしゃったような、GoToイートの利用も原則4人以下で飲食をするとか、そういったことも含めて我々が考えてほしいということですか。
知事
推測すると、この北海道、札幌市が大変なことになっていて、東京都も東京独自のステージで上に上がるみたいなことになっていて、そういうのを踏まえておっしゃっているのだから、まずそういった地域がどのようにするのかを見てみたいと思います。
記者
現段階では、岩手はそういった北海道とか東京までの水準には達していないので、そこまでの踏み込んだ対策までは呼びかける段階ではないということでしょうか。
知事
県の対策本部として、先ほど述べたようなクラスター対策への協力のお願いと、感染対策の徹底、特に常時マスクの着用、3密を伴う会合等の回避をお願いしたいと思います。
記者
分かりました。それからもう一点、先ほども少し質問があったのですが、明後日からの3連休についてなのですけれども、県外からのお客さんもGoToトラベルで今、10月とかも観光シーズンですごく増えていたと思うのですけれども、そういった中で遊びに行ってもいいのかなという人もいると思うのですが、過ごし方についてはこれまでどおりで、特に新たに気をつけてほしいこととか、感染対策の徹底のほかに何か求めることはありますか。
知事
まず、県外の方については、例えば札幌市においては不要不急の外出を控えるということですので、札幌市の方がそれに従えば、おのずとそういう動きになるのだと思いますし、その次ぐらいに感染者数が多くなっている東京都や大阪府において、都民、府民にどういうお願いがあるのかということかと思います。岩手県においては、まずクラスター対策への協力、お店の対象時期に店舗を利用された方の保健所への連絡というのは、とにかくまずこのことをお伝えしなければならない局面ですので、まずとにかくこれをお願いしたいですし、プラス先ほど述べたような常時マスクの着用、3密を伴う会合等の回避などの感染対策の徹底をお願いします。
記者
知事と市長、どちらにもお伺いしたいのですが、今回このタイミングでメッセージを出したということは、今重要な局面だと捉えられているということだと思います。改めて封じ込めに向けて、今をどういう局面だと捉えられているか、一言ずついただけますでしょうか。
知事
クラスター対策が必要であるということと、また感染の増加を踏まえた感染対策の徹底が必要な局面です。
盛岡市長
いずれ今クラスターの広がりがどこまで行ったのかということ。発生源を追及しながら、専門家に入っていただきながら、この広がりを押さえ込むということに今全力を尽くすべきだと思っております。
広聴広報課
以上をもちまして、共同記者会見を終わります。
次回記者会見
次の知事定例記者会見は11月25日(水曜日)の予定です。
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