令和6年5月10日知事会見記録
開催日時
令和6年5月10日10時00分から10時28分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表事項が2件あります。それでは、知事お願いいたします。
知事
(令和6年度県勢功労者の決定について)県勢の発展に多大な功労があり、その事績が極めて顕著であって、県民の模範となる方々を県勢功労者として昭和55年度から顕彰しています。今回45回目となります。
本年度の顕彰は、元岩手県建設業協会会長で建設業の発展に貢献された木下紘(きのした・ひろし)様、元岩手大学理事兼副学長、岩手大学名誉教授で高等教育の振興に貢献された齋藤徳美(さいとう・とくみ)様、岩手県興行生活衛生同業組合理事長で文化芸術の振興に貢献された小暮信人(こぐれ・のぶひと)様、元岩手県食生活改善推進員団体連絡協議会会長で食生活改善などの健康増進に貢献された三浦フミ子(みうら・ふみこ)様、そして、元岩手医科大学理事長で医学界の発展に貢献された故小川彰(おがわ・あきら)様であります。
表彰式は5月27日、知事公館において行われます。
次に、知事の中国出張について。5月17日から24日まで中国を訪問します。遼寧省や大連市との友好協力関係の強化、中国各地との経済交流・観光交流の推進、上海定期便の航空会社への運航再開要請などを行います。
大連市では、大連市が主催する大規模な国際文化観光イベント「アカシア祭り」の開幕式に来賓として出席し、日本の地方自治体を代表して挨拶します。
また、大連市政府関係者等と会談を行い、(岩手県と大連市で行っている)公務員相互交流研修の更新を含めた友好交流の拡大を確認します。
大連市から私に「大連市栄誉公民」が授与される予定です。「大連市栄誉公民」は、大連市から本県と大連市とのこれまでの交流を踏まえ、令和5年2月、大連市において決定されていましたが、私の大連市訪問の機会に授与ということで、今般、授与という運びになりました。
遼寧省では、省都瀋陽市で遼寧省人民政府の関係者等と会談を行い、本県と遼寧省の友好交流の更なる強化を確認します。
また、上海(市)近くの浙江省天台県で産業経済交流の推進に取り組み、上海市においては航空会社を訪問するとともに、同航空会社及び岩手とつながりの深い現地企業関係者等を招いた交流事業を開催し、花巻-上海便の早期再開を要請します。
今回の訪問によって、各地域との友好協力関係を強化し、県産品の輸出拡大や本県へのインバウンド拡大につなげたいと思います。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
まずは、質問の前に記者クラブに新たに加入した社を紹介いたします。加入社から一言挨拶をお願いいたします。
(加入社紹介)
幹事社
ありがとうございました。それでは、ただいまの発表事項2件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
私は、知事の中国出張についてお伺いしたいと思います。先ほど県産品の輸出拡大につなげたいというコメントをいただきましたけれども、もう一つ、上海便の再開、こちらのほう、コロナが始まってからもう数年と飛んでいないわけなのですけれども、こちらの再開に向けた決意でありますとか、運航再開の必要性というところについてコメントを頂戴できますでしょうか。
知事
社会的にコロナに関する移動の制限などが緩和されて、国境を越えた行き来もどんどん戻ってきているところでありまして、台湾-花巻便が、タイガーエア台湾の直行便が既に元に戻って、かなりの搭乗率で効果を上げていることもあり、花巻-上海便についても再開をしていただいて、それぞれニーズはあると思っておりますので、そのニーズに応えていくことができればと思っています。
記者
ありがとうございます。あともう一つ、戻りまして、県勢功労者のほう(について)お伺いできればと思います。様々な分野にわたった方たち表彰されるということで、一人一人の方に様々な思いがあるかと思いますけれども、受賞に関して知事からねぎらいの言葉を一ついただければと思います。
知事
それぞれやはり東日本大震災津波でありますとか、その後の大きな台風などの自然災害、そして、コロナの流行という、そういう過去になかったような危機に際して、県民の皆さんに対して大きな貢献をしてくださった人たちばかりであります。そういう緊急対応以外の平時のそれぞれのお仕事といいますか、それもそれぞれ傑出された業績を残しているのですけれども、加えて危機対応で私も一緒に仕事をしたり、また、いろいろお願いをしたりしたことで、それぞれの皆さんの活躍というのは印象に残っています。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いいたします。
記者
私のほうからは、今週、国会の審議入りをした地方自治法の改正について伺えればと思っておりました。今回の改正内容なのですけれども、非常事態下で国が地方自治体に対応を指示できる、いわゆる指示権の拡大を盛り込んだ地方自治法の内容となっています。その関係者の中には、これまでの対等、協力という関係から上下、主従関係というものが強まって、地方分権の流れと逆行するのではないかというような指摘も上がっています。今回の改正法案について、知事の所感をまず、伺えればと思います。
知事
まず、基本的に地方分権の流れに逆行しているというのはそのとおりだと思います。あとは、実効性の問題からいっても、東日本大震災津波でありますとか、コロナ禍でありますとか、そこで国と地方の関係でいろいろスムーズに行かなかったことがあるということが立法の根拠ということなのでありましょうけれども、よくよく振り返って反省すれば、一般的な形で国の権限を強化するというよりも、個別にこういうときはこうするというような決め方をあらかじめできると思いますので、感染症関係の法律の改正でありますとか、あるいは災害対策関係の法律の改正でありますとか、そちらの分野ごとの法律の国と地方の関係を、より効果的なものに変えていくということがいいやり方なのではないかと思っております。
過去に起きたことがないような、想定し得ないようなことにも使えるようにというのが理由としてあるのかもしれないのですけれども、むしろそういうことについては、それこそ東日本大震災津波やコロナ禍の経験からすると、国の権限の強化というよりは地方の権限を強化して、土地の持ち主、所有者の了解が得られない状態でも地方自治体がその土地を自由に使えるようにするとか、また、コロナ禍に関しても様々な営業に関する制限でありますとか、そういうのは地元のほうで、現場のほうで判断して実行に移せるというようにするほうがむしろ効果的であって、国の権限を強化するというのは、むしろ反対の効果を生むのではないかなと懸念します。
記者
ありがとうございます。そうすると、知事の姿勢としては、今回の法改正に関してはかなり慎重に行うべきではないかというようなお話かなと思って聞いておりました。指示権の発動のところで、先ほどおっしゃったように震災であるとか、コロナ禍であるとか、これが大規模な災害、感染症の蔓延など、国民の安全に重大な影響を及ぼす場合のものに当たるのかなと思うのですけれども、実際に地方自治体の長として、この国の指示権がなかったことで具体的に不都合が起きたであるとか、そういったものはあったのかどうかというところもお伺いしたかったのですが。
知事
基本的に、今回の法改正のような必要性は感じなかったところであります。国会の議論でも、また、国会の外での様々な意見発表でも法案の問題点が指摘されていますので、そういう議論がきちっと行われることを期待します。
記者
私からは2点伺いたいのですけれども、1点目は政治資金規正法の関係で、改正案が示されましたけれども、そちらの所感を教えてください。
知事
今、求められている法律は、自民党所属議員は法律を守るようにしましょうということが求められているのであって、もし法律を新しくつくるのであれば、そういう法律をつくればいいのだと思います。実態として裏金問題に関して問題になっているのは自民党の中でありまして、そこがある特定の派閥と呼ばれるグループ、あるいはある特定の派閥の領袖と呼ばれる政治家に関することであれば、より限定的な対策が求められているわけでありまして、その辺の裏金問題の事実関係の究明というのもまだ中途半端な状態でありますので、そこを中途半端にして幅広く全ての政治家が従わなければならない法律を新たに決めるというのはおかしいのだと思います。
記者
すみません。ちょっと伺いたいのですけれども、自民党内での整理が必要というような理解ですか。すみません。自民党所属議員のと最初におっしゃっていた部分をちょっともう少し教えてください。
知事
何が問題なのかというと、この法律の趣旨に反して届出を怠っていたりとか、法律の趣旨に反して自分の口座に入れていたり、自分の引き出しに入れていたりしたことが問題で、そういうことをやめましょうということが求められているわけですから、本当に具体的に突き詰めて言えば、その人でなければそういうことはやっていないとか、そのグループでなければそういうことはやっていない、その政党でなければそういうことはやっていないということでありましょうから、だから、そういう人たちがもう二度とそういうことをしないようにということ。ただ、これは法律で決めるべきかどうかというのは、また別の議論があると思いますが、もし何か新しい法律をつくるとすれば、特別措置法というのですか、イラク特措法とか、遡れば沖縄特措法とか、個別の固有名詞をつけて、その固有名詞に関わることにだけ当てはまる法律のつくり方というのがあるので、その自民党裏金問題特別措置法のようなものをつくればいいのだと思います、法律をつくるのであれば。
記者
分かりました。
あと、もう一点なのですけれども、(衆議院議員の)3(つの)補(欠)選(挙)で自民党が不戦敗でしたり、島根でも敗戦だったりしたと思うのですけれども、そちらのほうの結果に関する所感を改めて教えてください。
知事
いわゆる安倍1強と呼ばれたこの約10年間のアベノミクスという言葉に代表されるような政策、そこは経済政策だけではなくて、この安全保障政策についても、かつての政府の憲法との関係の見解を覆すような決定がどんどん行われてきたことについて、それで良かったのかということがずっとたまっていたということが、まずあります。
国民生活のほうも、約30年、実質賃金が下がり続けるというような、そういうことがまず構造的にあると。
三つ目として、自民党と(旧)統一教会との関係、自民党の裏金問題ということも表に出てきて、そうした国民生活の実態、ここ10年くらいの政策の問題、そして、(旧)統一教会や裏金問題ということが重なって、今の政権に推されるような候補というのはもう駄目ではないかという、そういう考え方とか、感じ方が日本中に広がっているのかなと思います。
一方、島根県と長崎県で当選したお二人は、立憲民主党の公認候補だったのかな。ただ、国民の生活が第一ということで、消費税減税ということを訴えていた2人と記憶しておりまして、今の立憲民主党が力を入れている分野というか、アピールしていることというか、それが受け入れられたというわけでもないのかなと。東京15区でも、須藤元気さんですか、やはり消費税減税、積極財政を訴えている人が予想以上の好成績で次点になったのでしたかね、とか。そういう、いわゆる国民の生活を着実に良くしていくというような積極財政を含む、そういう政策が求められているということと、それを真剣に進めていくような政治の在り方が今、求められているのだなと思います。
記者
関連してなのですけれども、次期衆院選の、以前も質問があったと思うのですけれども、解散時期はいつ頃がふさわしいというか、いつ頃になると知事はお考えになっていますか。
知事
来年(令和7年)の参議院議員選挙というのが日程が決まっていますので、そこにこの衆議院の解散総選挙を合わせて、そこで民意を問うと。それは言い換えると、国民の生活を第一にして、きちんと成果が上がるような政策を推進する政治の形をそこまでに準備して、まだ1年以上、1年ちょっとありますので、そこまでに国民が衆院でも参院でも喜んで、こういう新しい政治、新しい日本をつくっていこうと、国民がそういう動きに参画して、日本国民の意思で新しい政権をつくるというようなことが求められているのだと思います。そこに向けて、今の既存の政党ということにこだわらず、さらには、今議員でいる人が引き続き議員でいるための何か就職の職の確保みたいな、古い言い方をすれば、身過ぎ世過ぎの政治ですよね、この地位に就いている人が食べていくための、そういう選挙ではなくて、国民本位、有権者本位の選挙になるように。ですから、今ある政党も、今議員であるという、そういうこともある意味白紙にしてゼロから考えて、どういう日本にしなければならないかということを1年かけて準備し、日本の政治が生まれ変わる、令和デモクラシーの第一歩というような選挙が行われることを期待します。
記者
先ほど質問があった地方自治法の改正で追加でお伺いします。
一般法である地方自治法の改正ではなくて、特別法でというふうな趣旨のお話だったと思います。まず、知事が挙げていらっしゃった東日本大震災とか、コロナ禍にあったようないろいろな問題に関して、今回の地方自治法の改正というのはプラスに働くと思うかどうかを教えてください。
知事
そうですね、さっきも言いましたように、特に、過去に経験したことがないような事態の場合は、国のトップからのリーダーシップというよりは、現場での判断とか、現場での決断ということが、より重要になってきますので、今のような法律の改正ということになると、かえってそういう危機対応に逆効果になるのではないかと懸念します。
記者
ありがとうございます。あと、一般法ということなので、そういう東日本(大震災)とか、コロナのとき以外のときにも影響を及ぼし得るということなのだと思うのですけれども、そういった場面での想定されるような悪影響みたいなもの、もし何か思いつくようなものがあったら教えていただけますか。
知事
そこはぱっとは思いつかないのですけれども、そこはいろいろ指摘されているところで、何にでも使うことができて、そこに国民がいろいろ不安を持つというような法律のつくり方は、やはりできるだけ避けたほうがいいのだと思います。
記者
ありがとうございます。
もう一点、先ほど質問があった補選の関係で、いわゆる消費減税を訴えていた候補者が善戦されたというふうな趣旨のお話だったと思います。いわゆる消費減税というのは、野党共闘の上でも大きな論点の一つだと思うのですけれども、なかなかまとまらないという状況もあると思いますが、この点についてどのようにまとめていくべきなのかというところで、知事の御所見があったら教えてください。
知事
泉房穂さんが救民内閣、民を救う内閣という構想を最近発信していて、消費税減税に匹敵するような交付金とか、助成金とか、そういうのを配るというやり方や、国民の生活を第一に考えて、可処分所得を増やして、特に若い世代などの結婚とか、出産、子育てにつながるような経済社会活動をどんどんやれるようにしていくというようなことは、いろんなやり方があると思うので、まずは、そういうことをやるために結集が必要だということで、まず、この形をつくっていくということが大事で、自然にその形をつくる中で政策も練られていくのではないかなと期待します。
記者
確認なのですけれども、必ずしも消費減税である必要はないというふうな理解ということですか。
知事
(消費税減税は、)今いろいろある選択肢の中では、最も簡単にできて、着実に、困っている人たちの生活を引き上げる効果があって、国民の消費を増大させる効果もあると、今はそれが最善だと思いますけれども、まさに日本中の知恵と力を合わせて、令和の新しい日本をつくっていくのだという、そういう発想に立てば、それ以上の政策が出てくるなら、それがいいなと思います。
記者
私も先ほどの質問の関連なのですけれども、補選を受けて、衆議院の解散の関係なのですけれども、与党内には慎重論がある一方で、野党であったり、報道各社の調査でも、もう政権交代を求める声というのが高まっていたりもするかと思うのですが、知事の先ほどのお話は、衆議院の解散は来年の参院選との同日が望ましいということで、つまり今国会中の解散ではなく、来年の参院選との同日選が望ましいと、そういう理解で差し支えないのでしょうかと、確認で伺います。
知事
ええ、今のところそう考えております。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は5月17日(金曜日)の予定です。
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