令和6年11月26日知事会見記録
開催日時
令和6年11月26日10時30分から11時12分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事から発表事項が4件あります。それでは、知事お願いいたします。
知事
東日本大震災津波から14年目となる令和7年3月11日、「東日本大震災津波を語り継ぐ日条例」の趣旨にのっとり、盛岡広域首長懇談会と共催で盛岡市において、岩手県東日本大震災津波追悼式を開催します。
追悼式は、令和5年まで沿岸部の市町村と合同で開催してきましたが、昨年度(令和5年度)、沿岸市町村の意向に配慮しながら盛岡市で開催しました。
県では、今年度(令和6年度)も沿岸市町村の意向を確認し、開催の形式について検討してまいりました。
県内の救助機関、復旧・復興に携わってこられた団体等に御案内をして、内陸に避難された方々も含め多くの県民に御参列いただき、県民一人ひとりが改めて、東日本大震災津波を振り返り、県として、犠牲になられた方々を慰霊・追悼できるよう式典を執り行ってまいります。
14時40分から16時頃を予定しております。会場は、トーサイクラシックホール岩手、岩手県民会館大ホールです。
なお、3月11日の午前中には、知事と県議会議長が陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で献花を行います。
次に、令和5年度岩手県芸術選奨と岩手県美術選奨受賞者の決定についてです。
岩手県芸術選奨受賞者は、方言集を出版された齋藤初美(さいとう・はつみ)様、昨年(令和5年)の岩手芸術祭で「大和楽 河(やまとがく・かわ)」を公演された岩手県邦舞協会の1名1団体です。
岩手県美術選奨受賞者は、洋画の個展やグループ展を開かれた伊山桂(いやま・けい)様、小原民子(おばら・たみこ)様、現代美術の個展を開かれた清武佳世(きよたけ・かよ)様、彫刻の個展を開かれた芝田典子(しばた・のりこ)様、写真の個展を開かれた高橋怜子(たかはし・れいこ)様の5名です。
12月11日、知事公館で表彰式を行います。
次に、「第14回いわてマンガ大賞」コンテスト受賞作品の発表です。
一般部門大賞は、千葉県の風見緑哉(かざみのりや)さん、宮城県のらんぼさん共作によります「岩手流水物語」です。
一般部門の優秀賞は、千葉県のゆきさんの「なぞときクエスト博物館」、盛岡市の青桜(あおざくら)さんの「ゆみと山猫料理店」、矢巾町の生出遊馬(おいであすま)さんの「雑穀の精霊たちと」です。
学生の部の金賞は、盛岡市のうわのさちさん、盛岡市のkadoi(かどい)さん、学生の部の銀賞は、盛岡市の中野開運(なかのかいうん)さん、盛岡市の箱石真奈(はこいしまな)さん、盛岡市の蒼乃ちよ(あおのちよ)さんです。
1から4コマ部門のうち、一般の部の最優秀賞は、花巻市の梅吉(うめきち)さん、優秀賞は高知県のやまぐっちさん、紫波町の花雨(かさめ)さんです。中学生以下の部の最優秀賞は、一関市の虎葉燈(とらはとも)さん、優秀賞はフランスのChloé GUY-DUAN(クロエ・グゥイ・ドゥアン)さん、千葉県のかのんさん、一関市の月見つくねさんです。
イラスト部門の最優秀賞は、宮古市の澤田学(さわだまなぶ)さん、優秀賞は久慈市の秋山潤(あきやまうるま)さん、メキシコのLaf • π(ラフ・ピ)さん、花巻市のアヤキメイオさんです。
全体で234作品の応募がありました。昨年度に続き、フランス、中国、マレーシアから応募があったのに加えて、今年度はメキシコからも応募があったところであります。
表彰式は12月14日、イオンモール盛岡イーハトーブ広場です。
続きまして、岩手県企業局再生可能エネルギー電気特定卸供給の実施についてです。
企業局で電力の地産地消と脱炭素化を推進するため、再生可能エネルギー電気特定卸供給の協定を一般社団法人東北自動車産業グリーンエネルギー普及協会、久慈地域エネルギー株式会社とそれぞれ締結しました。
これによりまして、FIT(フィット)発電所で発電した電力が県内の自動車関連産業や地元企業等に供給されます。
企業局のFIT以外の発電所では、既に県内に電力を供給していますが、FIT発電所で発電された電力は制度上、買取義務者である一般送配電事業者を経由して国の市場で取引されるので、県内供給に限定されていませんでした。
今回の協定によって、FIT発電所を含め岩手県企業局が発電した電力は、全て岩手県内に供給されることとなります。
県としては、温室効果ガスの排出削減対策の推進や再生可能エネルギーの導入促進などにより、地域経済と環境の好循環をもたらす脱炭素社会の実現に今後も積極的に取り組んでまいります。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項4件について各社から質問があればお願いします。
記者
私から震災の追悼式と再生可能エネルギーの電気の供給について伺います。
まず、震災の追悼式について、本年度も盛岡(市)開催ということで、先ほどの御説明では沿岸の市町村の御意向を踏まえた上で検討されたということでしたけれども、今回、沿岸市町村からどのような御意見であったり要望があって、盛岡(市)で引き続き行うという御判断になったのかお聞かせください。
知事
まず、昨年度、沿岸市町村からの意見として、東日本大震災津波から年月が経過し、式典規模を縮小して静かに開催したいという意向が多かったということがありました。今年度も沿岸市町に意見を伺ったところ、昨年から意向に変化がないことを確認したものであります。
記者
ありがとうございます。昨年の会見のほうでは、追悼式の在り方について国の方針であったり、被災地の状況を見ながら年度ごとにやり方を決めていくと、そういった御発言もありました。来年度(令和7年度)以降の開催の在り方について、改めてお聞かせいただければと思います。
知事
まず今年度、きちんと行うことが大事と思いますが、今年度、盛岡市での県の追悼式開催、盛岡広域首長懇談会との共催ですけれども、これがやって良かったというような感じになれば、このやり方というのが、さらにこのやり方でというような一つの方向性が生まれる可能性はあるかなと思っています。
記者
そうしますと、今回スムーズにいった場合は、来年度以降も同じ形で行うというような形になるのでしょうか。
知事
まずは今年度、来年3月11日の追悼式を成功させなければというところです。
記者
ありがとうございます。では、次に企業局さんの再生可能エネルギー電気特定卸供給の実施について伺えればと思います。先ほどの御説明でもありましたけれども、これまでは水力発電で発電した電力を一般家庭に供給する取組等、様々取り組まれていらっしゃるとは思いますけれども、狙いとしたら電力の地産地消であったり、脱炭素化の推進ということを挙げられておりますが、今回の全県供給の協定の締結によって、どのような効果が期待されるのかというところをお聞かせいただければと思います。
知事
まず、岩手県が産業の面でも、また、地域としても脱炭素に取り組んでいて、そして、再生可能エネルギーで発電された電力を使うところだという、そういう評判が確立してまいりますと、岩手で工場を建てて生産すれば脱炭素で生産ができるとか、岩手で生活すれば脱炭素で生活できるというように、岩手での生活とか仕事とかというのを促すような効果があると期待します。
記者
ありがとうございます。供給する電力については、県内の自動車関連産業であったり、地元企業というところへの供給になると思うのですけれども、これによる産業振興の期待感というのはいかがでしょうか。
知事
今もう世界的にも、また、国内の主要な経済団体でも、脱炭素でなければ生産活動とか、経済活動というのは駄目なのだというふうにどんどんなってきていますので、脱炭素がきちんと行われる岩手というのは、そういう産業活動の場にふさわしいと、経済活動の場にふさわしいというふうになっていくことが期待されます。
記者
第14回いわてマンガ大賞の受賞作の決定について伺います。第14回を重ねまして、県内外はもちろん、国内外からの応募がございました。まず、結果を受けての知事の御所感と、あと、御覧になられた作品がございまして、その御感想があれば併せて伺いたいと思います。
知事
受賞作を見たのですけれども、大変絵が上手で、コマ割も巧みで、漫画としてぐいぐい引き込まれるようなレベルの高さに感じ入りました。幅広い地域、幅広い年代、様々な方々からたくさん応募があることは大変ありがたいですし、質がどんどん向上していると言っていいと思います。そして、大賞作品の「岩手流水物語」というのは、辰年に竜が出てくる漫画で、また、中津川がメインになった話というのは、今年に非常に時宜を得た、改めて辰年の今年、中津川というものを振り返るのに非常にいい作品だなと思いました。中津川をメインにした漫画というのは今まで読んだことがなかったので、そういう読んだことないような作品が出てくるというのは非常にいいですね。
一般部門優秀賞の「なぞときクエスト博物館」というのは、岩手県立博物館がずっと舞台になっているのですが、岩手県立博物館を舞台に展開する漫画というのも初めてではないかなと思いまして、そのように岩手にあるいいもので、今まで漫画に取り上げられなかったものが取り上げられていくというのは、このマンガ大賞をやっていて良かったなと思うところです。
幹事社
それでは、発表事項以外について本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
昨日(11月25日)、知事も出席された全国知事会議が東京都内で開かれました。議論の内容は年収の壁であったり、地方創生であったり、幅広い分野で意見交換があったと思います。知事からは、地域医療について公的医療機関に対する緊急の財政支援を求めるという御発言もありました。今回の意見交換を通じてどのような成果があったと知事はお考えかお聞かせください。
知事
私から公立病院、公的病院が物価高騰や人件費の賃上げなどで非常に経営が厳しくなっていることについて、交付税の拡充など、また、緊急の支援を行うようにということに対し、村上総務大臣から、地域医療は大変重要なので政府としても支えていきたいという前向きな回答があって、非常に良かったと思います。
この前の衆議院議員選挙で少数与党の形ができて、広く議論をしながら内閣の仕事を進めていかなければならないという状況の中に全国知事会というものも参画して、政策論議を一緒にやっているという感じがしました。「103万円の壁」を巡る議論についても、それを可能にする、裏づける財源といいますか、地方財源の在り方について多くの知事さんがしっかり発言しましたし、また、石破首相は地方創生を再起動するという言い方をしていましたけれども、地方創生の再起動、これは人口減少対策を、より効果的にやっていかなければならないということでもあるのですけれども、その在り方について全国知事会側と石破内閣側とで意見交換できたのも良かったと思います。
記者
先ほど村上総務大臣からの前向きな発言があったというふうなことで御発言ありましたけれども、国に対して今後、具体的にはどのような働きかけをしていきたいとお考えでしょうか。
知事
昨日の内閣と全国知事会との懇談会は、過去のものに比べて政府の側が全国知事会のほうに非常に耳を傾け、一緒に取り組んでいこうという、そういう姿勢が強かったと思います。ですから、全国知事会側もますます政策提言ですとか議論を内閣とやっていかなければならないし、できるのではないかなと思います。また、個別の様々な政策分野に関しては、岩手県単独でも要望機会をつくってしていきたいと思いますし、地域医療に関しては地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などのそういったグループ活動で働きかけたりもしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点ですね、話題替わってアメリカ大リーグ、アストロズの菊池雄星投手がエンゼルスと3年総額6,300万ドルで契約合意したという現地の報道がありました。エンゼルスは、大谷翔平選手も在籍した球団でもあります。現地報道ベースで大変恐縮ですけれども、菊池選手の今後の活躍への期待感も含めて知事の御所感を伺えればと思います。
知事
エンゼルスという球団は、岩手県民にとってもなじみのある球団となっているので、いいんじゃないかなというふうに思いました。また、契約の年俸というのですか、その額を見てもエンゼルス側が、ぜひ来てくださいという熱意を持っていることが感じられますので、必要とされてエンゼルスに入団して、そこで大活躍するということが目に浮かぶようでありまして、わくわく感が高まってきます。
記者
先ほどの医師不足に関してなのですけれども、地方で医師が不足している、医師の偏在の対策として厚生労働省が国立病院とか公立病院の院長など管理者になる要件として、医師不足している地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討が進められているのですけれども、岩手から見るとこの問題についてだったりとか、新たな対策について知事としてはどうお考えでしょうか。
知事
(地域医療を担う)医師の確保を目指す知事の会のほうからも要望していた内容ですので、これが実現すると非常にいいなと思います。医師が働く場所とか、あとは働く内容とか、どこまで職業選択の自由や居住移転の自由が認められるかということについては、当初、全面的にそれを重視して、そこにインセンティブとか規制をかけるのは良くないという議論のほうが強かったような時期があったのですけれども、まず、それを乗り越えて、そのようなインセンティブ、規制をかけるというのは、医師という職業がやはり国家資格を受けて、また、公共の福祉に非常に重要なものだという、そういう認識を政府のほうでも持ってきているということで、大変良いのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。あともう一つ、話題が替わるのですけれども、(いわて)グルージャ(盛岡)が今シーズンを終えまして、来シーズンからはJFL(日本フットボールリーグ)に降格が決まりまして、スタジアム問題について協議会も開かれてきたと思うのですけれども、今後、建設はどうなるのかといった声が地域の方からよく寄せられていまして、今後について知事のお考えがあればお願いいたします。
知事
一時はJ2にも入って強かったグルージャがJ3からも外れるというのは残念でありますし、また、ある種あまりそういうふうになるとは考えていなかったというところがあります。たしか、J3でいてもJ2規格を満たすようにしていかなければならないという話があったと記憶していまして、その話がJ3から外れることでどうなるのかというのはよく知らないのですけれども、ただ、(いわてグルージャ盛岡が)潜在的にJ2を狙えるサッカーチームではあるのではないかなとは思っていて、ですから、直ちにJ2規格のスタジアムの問題を考えなくていいというわけではないのだと思っております。
記者
政府が(11月)22日の臨時閣議で経済対策を決定いたしました。物価高を克服するための低所得世帯への給付金支援事業や、あとは地方創生に取り組む自治体に配分する新しい交付金などが盛り込まれていますが、全体像を御覧になっての知事の御所感を伺えたらと思います。
知事
まだ具体的な事業とか細かい部分については発表されていないのですけれども、おおむね生活に困っている、困窮している人たちへの支援、そして、賃上げへの対応で困っている中小企業への支援、そして、広く電気、ガス、燃料の価格の高さで困っている多くの人たちへの支援、それから、地方創生交付金の、これは来年度予算での話ですけれども、倍増にするということと、今年度の地方交付税については増額をするということも地方が求めていたことでありますので、一定の評価をしたいというふうに思います。
あとは、早く中身を具体的に詰めていくことが求められているわけでありまして、そして、それに基づいて県のほうで予算化、事業化していかなければならないところがあるわけですので、早く、早くという感じであります。
記者
ありがとうございます。今まさに早く、早くというお答えもありましたけれども、今後、追加で県の予算の中で検討されていることがあればお聞かせいただきたいのですが、まだ国のほうが具体的に見えてこないと難しいというような状況でしょうか。
知事
まず、さっき述べたような生活支援や事業者支援ということを国のスキームに沿って実行するのは県ということになれば、県がどんどんそれをやっていきたいというふうに思いますし、国もそういう方向で準備しているようなので、早くそれが決まることを期待します。
記者
すみません、発表事項のところで聞くべきだったのですが、来年の3月11日の追悼式の件を質問させてください。去年というか、昨年度も開催に当たっては発表があり、質疑等をさせていただいた経緯がありますが、改めて(東日本大震災津波を)語り継ぐ(日曜)条例の趣旨にものっとって内陸での開催をするということですね、そのことに関して当然、沿岸の市町さんからの、沿岸自治体からの意見も踏まえてということなのですが、内陸でやる意義といいますか、内陸で開催することということに関して、改めて知事の所感を伺いたいと思います。
知事
2011年の東日本大震災津波は非常に大きな被害、多くの犠牲で、そのことを胸に刻み、そして、犠牲になった方々を追悼するということは、県民がやりたいと思っていることですし、それをどう形にしていくかというときに、国がやること、市町村がやることと並んで県としてやるべきことがあるはずで、それを発災の翌年(2012年)、陸前高田市と岩手県が合同で(追悼式)やるというところから始まって、全ての沿岸市町村と同時に合同でやれればそれが一番ですけれども、沿岸市町村はそれぞれ自分の市町村でやりますので、複数の追悼式が岩手沿岸で行われるのに、県が全て(の市町村)と同時にそれを共催することはできないので、一つ一つとやっていったわけですけれども、県民の中には県の追悼式に参加することで全ての犠牲者に対しての追悼というのを岩手県民としてやりたいという思いもずっとあったわけです。もちろん、陸前高田市と岩手県の合同追悼式に参加される皆さんは、大船渡(市)、釜石(市)、大槌(町)と北のほうにずっと上がっていくそれぞれの市町村での犠牲者についても悼む思いで出席していたわけですけれども、盛岡市において県としての追悼式をやることで、オール岩手として、岩手県民として岩手での全ての犠牲者を追悼するというやり方というのは、昨年度、今年の3月11日にやってみて、それは県として、県民としてできたなという感じが私には非常に残っていますし、参加した人たちにも残っていると思います。福島県は、最初からずっと県庁所在地福島市で、福島県としての追悼式をやっていたと聞いていますし、そういうやり方もいいのだなということを今年の3月11日に感じたところで、今年度、来年3月11日もそのやり方でやろうというところです。
記者
ありがとうございます。今後については、先ほどのやり取りでもあったように、まず、来年やってみてということだと思いますけれども、その条例の趣旨であったり、被災地、被災した方、犠牲になった方に思いをはせることを追悼する形としては、多分、これがゴールというか、100点満点というか、これが最高の形というのは、まだこれからも時代の移り変わりとともに変遷していくので、柔軟に対応していくという捉え方をしていいですか。
知事
盛岡(市)で(追悼式を)やったことについては非常に良かったと思っているのですが、それまで個々の(沿岸)市町村と一緒にやっていたことも非常に良かったと思っていて、というのは、市町村の追悼式には御遺族の方々が大勢参加されて、そのような御遺族、さらには、犠牲になった方々の友人、知人とか、広く関わりのある方が集まって、そういう人たちと知事も一緒に追悼の式をするという意義は非常に大きく、そういう被災地に寄り添いながら犠牲者を取り巻く方々にも本当に物理的に寄り添って追悼するというのは非常に良かったなとは思うのですけれども、一方、市町村によっては規模を縮小したいというところもありますし、規模が縮小されていく中で、県が沿岸市町村と順番に、ある1つの市と合同で開催し、その市の犠牲者を取り巻く皆さんに寄り添うその年は、他の市町村のそういう方々とはちょっと距離がある形での追悼式になったということもありますので、そこも悩みというか、(合同で追悼式を)やったことについて後悔はしていないのですけれども、それがベスト、それ以外のやり方はないというふうには言えないと思っていて、だから盛岡(市)でやることについても、それ以外のやり方がないというところまでは言えないのかなと思っています。
記者
ありがとうございます。あと話が替わって、これまでの会見でも出ていた、先ほども出た「年収103万円の壁」のことで、昨日、全国知事会があって報道等でも拝見しましたところ、やはり地方の税収の減に関しては全額穴埋め、あるいは、補填が望ましいという声が各知事からは大勢だったのかなと思うのですが、改めて知事、全国知事会での内閣との懇談も踏まえて、達増知事のスタンスとしては「103万円の壁」についての実施、経済対策としての意義ということと、あと、地方の税収が減ることに対する対応についてというのを改めてお聞きしてよろしいですか。
知事
実際に今、困窮している人たちが困らないようになって、特に若い世代の可処分所得の減少というものが婚姻や出生の減少にもつながっていて、若い世代がもっと思い切った経済活動、社会活動をやれるようにというふうにしていかなければならないと思うのですけれども、効果を発揮するには、若い人たち含め国民がちゃんと理解した上で政策が行われることが大事だと思うのです。若い人たちが公費によって様々優遇されるようになったときに、そういう恩恵を受けない世代でありますとか、それとはまた違った分野でいろいろ必要としている人たちがそのことを恨んだりしないような形で、国民が納得した上で未来に向かって進んでいくような形にするということで、ですから、政策の内容もさることながら、決め方が非常に大事だと思います。少数与党ということで、広く多くの政党と議論していかなければならず、それを国会の場で国民にも見える形にしていく必要も出てきていて、その途中途中には、全国知事会などのいろんな団体が直接そこに参画していくような形も取れると、そういう中で結果を出していけるようになればいいなと思っています。
記者
そうしますと、今は政策的な決め方ですけれども、改めて地方税収の減少に対する対応、手当てとしてはどう捉えますか。
知事
昨日から今日にかけて「103万円の壁」に関して発言した知事さん方を批判する書き込みがX(旧ツイッター)にたくさんあるのを見まして、あんまり自分の立場にこだわって議論をすると、かえって対立が深まって、お互い納得ずくで政策を決めて実行する妨げにもなるのだなということを感じております。知事さん方は、他の政策が全く示されない状態で、他が全て今と同じであれば「103万円の壁」に関わる減税部分を地方の財源を補わなければ、今、地方がやっている政策ができなくなるということを言っているわけなのですけれども、それがあたかも地方の既得権を守ろうとしていて良くないみたいな批判も受けたりしていまして、だから、地方はどんなことがあっても地方の財源を完全100%確保しなければ駄目と言っているわけではなく、他の条件が同じなら、それが必要だという理屈にはなるけれども、他の面で地方に対してどんどん公費が投入されるようなことがあったりとか、そういう全体の中でちゃんと問題が解決され、日本全体としていいほうに進んでいけるのであれば、それに反対するはずはないのです。でも、地方、都道府県は何か減税の敵だみたいな論調がネットに広がりつつあるのは本当に良くないと思っていて、だから私が今、強調すべきだと思うのは、全国知事会も私も特定の政策に絶対に固執しているわけではなくて、ただ議論の中で決まっていないことが多い中では、他の条件を同じにした上での理論を、理屈を重ねていくのだけれども、絶対そうしろと言っているわけではないのだということを今は強調したいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は12月9日(月曜日)の予定です。
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