令和6年7月4日知事会見記録
開催日時
令和6年7月4日10時30分から10時59分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
今日は、子宮頸がん予防に係るHPVワクチンのキャッチアップ接種についてお知らせします。
子宮頸がんの予防効果が期待できるHPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に定期接種を行っていますが、国が積極的勧奨を差し控えていた時期に当たる今年度(令和6年度)16歳から27歳の女性のうち接種を受けていない方を対象に、公費で接種できるキャッチアップ接種を実施しています。
このキャッチアップ接種は、今年度末までの期間となっています。
HPVワクチンは、3回接種していただく必要がありまして、その間、一定の間を置かなければなりませんので、公費での接種を希望される方は、1回目の接種を今年(令和6年)9月末日までに実施していただく必要があります。
対象の方に市町村から既に案内が送付されている、または、これから送付されますので、接種について御検討いただき、接種を希望される方は早めに医療機関で接種いただきますようお願いいたします。
これから夏休みや夏季休暇があると思いますので、そのような機会を活用していただければと思います。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種をめぐっては、県内でもまだ、完了率が3割未満ということで低調な状況で、その低調な理由としては、まだまだ接種の必要性が十分に知られていなかったりですとか、あと、保護者の方々が、これまで厚(生)労(働)省が2013年に積極的勧奨を中止して、その後に専門家会議で有効性が副反応のリスクを上回るというふうに認められて、2022年に再開されたわけなのですけれども、まだまだその周知というのが十分でないという部分もあるのかなと思うのですけれども、これまでの厚労省の対応の経緯も踏まえまして、現在、県内でもまだ低調という部分の知事の受け止めを伺えればと思います。
知事
今はもう、定期接種の対象になっていますので、効果とリスクの関係からやったほうがいいですよということを公的にも認めてやっているわけでありまして、一方、国が積極的勧奨を差し控えていた時期があったということで、その間、接種が少なかった時期があり、その間の方々を対象にしてキャッチアップ接種という特別な制度が設けられているわけです。なかなかほかにない制度なので、なじみもなく、すっと分かりにくいところがあるのだと思いますけれども、逆にそういう特別な制度ということで、今回も夏休みシーズン前に改めてお知らせをして、時間的余裕があるとき、第1回接種という感じでやってもらうのがいいのではないかなと思っています。
改めて県も様々なこういう広報をしたり、情報の浸透、普及に努めていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点だけ伺いたいと思うのですけれども、ワクチン接種は市町村の事業にはなるかと思うのですけれども、市町村によっても、ちょっと理由は分かりませんけれども、接種のスピードとか接種率にばらつきがあるようなのですけれども、今後、県としても接種が進んでいない市町村へ何か働きかけたりとか、お考えがあれば教えてください。
知事
それぞれ、様々な事情からそうなのでありましょうが、いずれ(HPVワクチンが)足りなくならないようにというところを県は気を付けなければならないと思うのですけれども、まず、ワクチンは、在庫が十分で足りなくはならないということでありますので、希望する方が受け始め、どんどん増えていったとしても、そこはスムーズにやってもらえると期待しています。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
本日(7月4日)で県議会6月定例会が最終本会議を迎えます。まずは、本定例会を振り返っての所感を伺えますでしょうか。
知事
議員の皆さんからの質問への執行部からの答弁を通じて、県民の皆さんに今、県がやっていることとか、やろうとしていることを知らせることができて良かったと思います。幾つかの大事なテーマについては報道もされたりして、県民に県の行政の中身を知らせることができたのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。その中で、本定例会の常任委員会で県立病院の経営計画の策定について、方向性のほうが出されました。人口減少と医療資源を踏まえての機能分化、集約というのでしょうか、これが打ち出されたのかなというふうに理解はしていますけれども、改めて、知事が考える今後の県立病院の在り方、ネットワークの在り方というところを伺えますでしょうか。
知事
限られた医療資源を生かして、最大限効果的に県民に医療を提供するということだと思います。その際、難しい手術などの高度な医療を岩手県の中で提供できるということ、同時に日常的な体の不調等にも対応できるということ、この日常的な体の不調については、かかりつけ医、開業医の皆さんとも連携をしながら県立病院はやっていくということでありますけれども、そういう開業医の皆さんも含め、また、県立以外の病院も含め、そうした連携を、より丁寧にやっていくことで、いろいろな器械、医療機器等の設備はどんどん向上していますし、医師の数は増えていて、それぞれの技量も上がっていると私は見ていますし、そういう意味で全体として、より良い医療を提供できるという、そういう条件はあると思いますので、あとはうまく連携の形をつくるということだと思います。
記者
ありがとうございます。最後になのですけれども、今は医療の提供という形のほうからのアプローチかと思うのですけれども、逆に利用する方からすると機能が変わったというのをなかなか理解できないというか、今までどおりの習慣的に行っているところに通ってしまうとか、利用する側の人にも理解を広げていくというところが今後大事になっていくのかなというふうに感じています。今後、素案ですとか、成案ができていく段階になっていくかと思うのですけれども、住民の方たちとか地域への説明、周知という今後の在り方というのはどのように考えていますでしょうか。
知事
地域ごとの医療に関する会議がありますので、そこできちんと新しい体制について浸透させていくということが基本になると思います。あとは、それぞれ病気を抱えている方、治療中の方に対しては、担当の医師のほうから今後の医療の受け方について、それぞれ必要に応じて、そこは一人一人に丁寧な説明が行われますので、全く新しく県立病院にかかろうとする人が迷わないようにというところを念頭に置いて、最近は、それぞれ充実したホームページ、サイトも県立病院は持っていたりもしますし、あとは、入り口での案内とかもどんどん発達していますので、そういうところも工夫されていけば良いと思います。
記者
洋野町での養豚場の豚熱の発生に関連してなのですけれども、今までの見込みでは、本日、7月4日に消毒作業の3回目が終わり、全ての防疫措置が終わる見込みだというふうなことでこれまで進められておりましたけれども、こちらは本日、見込みどおりに完了しそうなところでしょうか。
知事
まだ、報告は見たり聞いたりしておりませんが、基本的には予定どおりだと思います。他方、大雨が降ったりしますと、また、天気によって左右される部分はあると思いますので、そこはちょっと要確認ということかと思います。
記者
分かりました。まだちょっと見通しが立っていないということではあるのですけれども、当初では本日中に完了する見込みということで、それを受けて恐らく(豚熱)対策本部も解散とかというふうな感じになるのかなとは思うのですけれども、ちょっと気が早いかもしれないですけれども、改めてですが、この発生から今回の防疫措置の完了に当たっての所感をいただければと思います。
知事
岩手県にとって初めての養豚場での豚熱の発生ということで、しかも頭数が非常に多く、今までやったことがないような大きなオペレーションをしなければならないということで、それぞれの作業に当たった職員は非常に大変だったと思います。しかし、多くの関係の団体や個人の応援もいただきまして、想定していたよりはスムーズに進めることができたと思います。農林水産省からは、初動の素早さ、的確さを褒めていただいたところでありまして、そこは事前にしっかりマニュアルを作って、いざこういうことが起きたときは、誰が何班になって、そして、その班がまず現場に行くという、すぐに動けるような準備は常にしていたということが大きかったと思います。感染症については、やはり県が直接やらなければならないところが多いので、今後、こういうことがあっても県として適切に対応していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点追加でお伺いします。この1か月以上、様々対応に当たられておる中で、やはり豚熱への対応というのでしょうか、例えば、発生農場への支援もそうなのですけれども、発生農場以外の周辺の農場、同業の方への支援だとか、流通への支援だとか、いろいろ見えてきたものもあるのかなとは思うのですけれども、その辺りについてはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。
知事
そうですね。獣医師の人や、また、感染症の専門の人など、それぞれ今回感じたこととか、教訓と思うところとか、いろいろあると思いますが、それらはまだ、それぞれ担当のところで共有されていく段階にありまして、私からこうというところはまだないのですけれども、今までやったことないようなことを大規模にやることで、経験値は大きく上がったなというところがありますので、今回の作業を通じて、今後、同様のことが起こったときの対応を更に、より良いものにできると思いますし、また、防止についても、より徹底できると思いますので、そういうふうにしていきたいと思います。
記者
弊社で報じた件なのですけれども、遠野市で若者たちが開業しようとしていた牧場が、県の指導で開業が延期になっているという件についてお伺いします。当該地域は、東日本大震災に伴う原発事故で、いわゆる基準値を超える放射性物質が検知された地域というふうにされていて、県のほうの指導で、いわゆる除染をしないと、そういった牧草の利用というのは自粛してほしいという指導がされている地域だということです。まず、このような指導をされている理由について、知事からお伺いできればと思います。
知事
まずは、指導といいますか、今の法的な、あるいは制度的なステータス、状況を説明したということだと思います。そういう国のルールからすれば、土をひっくり返す作業が必要という、そういうルールになっているということだと思います。
一方、13年前のルールでありましょうから、当時、そうやってどんどん表面の土をひっくり返していった作業をあちこちでやったこと、私も覚えていますけれども、それを今からやらなければならないのかということについては、私自身もちょっとそうなのかなと思ったところでありまして、13年たっていますので、13年前にこういうことが決まっているということを当事者に説明したということだと思いますけれども、この間、県から国に対して放射線の影響に関しては、いろんな分野で基準を緩めていいのではないかとか、やり方を変えていいのではないかということは申し入れてきて、でも、ほとんど変わらずにずっと来ているということがあります。
牛乳に関しては、今、生産している方々からすれば、厳しい基準をクリアすることで、安心して飲んでくださいということでやっているので、牛乳生産、販売の現場からすると、今やっているとおりでやっていくことが、消費者に新たな不安を生じさせないで済むということなのだと思うのですけれども、消費の側に新たな不安を生じさせないような形で当事者の方々が酪農をするやり方というのは、絶対ないわけではないのではないかと思います。
記者
ありがとうございます。担当課のほうにちょっとお伺いしたところでは、県内で定期的にやっている牧草の検査について、ごくごくまれではありますけれども、一応、基準値以上のものが出ることもあるようです。そういうことを考えると、やっぱりなかなか対応は難しいのかなという気はしているのですけれども、関係者で今後、どのように打開をしていくべきなのか。とりわけ東(京)電(力)が関与する必要性があるのかどうかというところについて、知事のお考えをお聞かせください。
知事
福島県のほうでは、とにかく検査を徹底して、基準値以下のものしか使っていませんということで、漁業でも消費者の信頼を勝ち取るという工夫を様々していて、そちらは国の基準以上に厳しくやっていくというやり方ではあるのですけれども。
あと補償の件については、もし、東電の事故がなければ負担しなくて済んだコストを負担するということは賠償の対象になっていますので、そこはそういうコストが生じた場合に検討の余地はあるのだと思います。
記者
先ほど触れられた県立病院の経営計画の策定について、改めて伺いたいのですけれども、知事が御承知かどうか、宮城県のほうでは大型の総合病院の行政の介入によって、そちらを統合しようという動きとか、そういったものがあって、実際に今進んでいるのですけれども、こういった行政が何か働きかけをして、大型病院、民間の病院も含めた統合を進めていくという流れについては、知事どのようにお考えでしょうか。
知事
県は、県の中の医療の状況に関し計画を立てて、そして、関係者に対して計画に沿ったことを求めていくという立場にありますが、他方、それぞれ医療に関する経営の自由とかというのは病院や診療所ごとにありますので、そこは当事者同士、あるいは、当事者と県の間で様々やり取りして調整をしていくというのが日本全国共通して行われていることだと思います。医療というのは、絶えざる危機管理で、人の命とか健康とか、それを直接扱うなりわいですので、そういう危機管理の要諦としては、目の前の状況について情報を共有して、そして、当事者間で調整をして、的確な役割分担と連携をしていくということが求められているので、宮城県の場合もそういうことなのだと思います。
記者
現時点では、岩手県として、そういった総合病院、大型病院の何か統合の動きを一緒に進めていこうという働きかけの流れであったりだとか、そういったお考えというところは、現時点ではないという受け止めでよろしいのでしょうか。
知事
岩手の場合、かなりふだんから絶えざる情報の共有とか意見交換とかをやりながら、それを踏まえて昨年度(令和5年度)、県の医療計画ができて、今、県立病院の経営計画を策定中ということでありますので、その辺は、県立病院以外の病院の将来への方向性とか、そういうのを前提にした上で、既にもうそれぞれの計画策定に入っているというところです。
記者
大谷選手が本日、オールスター(戦)への出場を決められたということで、あと、7月5日は30歳のお誕生日を迎えられるということで、知事から何か期待ですとかメッセージなどがあればお伺いします。
知事
本当にすごいなと思います。メジャーリーグでプレーをしているということだけですごいことなのですが、オールスターに選ばれるというのは、もう、世界の野球界の頂点に立つようなものでありますので、本当にすごいなと思います。誕生日おめでとうございますと言いたいと思います。そして、期待することは、自然体で伸び伸びとやりたいようにやってもらうのが一番ではないかなと。周りの人がああしたほうがいいのではないか、こうしたほうがいいのではないかということ以上のことを考え、実行に移す人だと思うので、本当に自由に伸び伸びとやってくださいというふうに言いたいと思います。
記者
私から、ちょっと国政の動きのことで1点伺います。国会が閉会したことで、自民党内では関心が自民党総裁選に移っておりまして、党内では総裁選での首相の交代を求める声も上がっています。知事は、そうした動きをどう見ていますでしょうか。また、実際に、もう立候補を見据えたような動きも出てきておりますけれども、首相自身の出馬の是非を含めて、知事はどういった議論を期待されるか、御所見を伺えればと思います。
知事
県議会の答弁で述べたように、今、求められているのは、明治の自由民権運動とか大正の大正デモクラシーとか、そのときのような、今までになかった新しい民主主義の、より発展した正しい民主主義の形をつくるのだという、そういう真剣さと情熱を持って日本の政治をつくり直すということが求められていると思います。そういう中で、トップの交代なんていうのは、その程度では済まないだろうとは思うのですけれども、手段の一つとしてはあり得ると思うのですが、それだけでは足りなかろうと。
今年は、日本にも国会を開けという(民撰議院設立)建白書が出て150周年という、自由民権運動150周年記念なのですけれども、そういう日本の民主主義を立て直すような、特に、裏金問題が発生した政党さんにおいては二度とそういうことがないような、そういう不健全な癒着とか不透明なお金の使い方、また、選挙に勝ちさえすれば何をしてもいいし、どんな勢力と連携してもいいみたいな、そういうのから決別して、その正反対の方向に向かっていくという、やっぱりそういう宣言が必要ではないかと思います。そして、その宣言を実効的にするような内閣をつくるということだと思います。その内閣は、原敬政友会が4大政策とか、その中に鉄道を張り巡らすとか、高等教育の改革とかいろいろ入るのですけれども、政策もやっぱりきちっと出さなければ駄目なのだと思うのです。まず、民主主義の形としてどういうふうにやっていくかという、そういう政治姿勢に関する宣言があって、そして、原敬政友会が提示していたような、分かりやすくも、今の国民にとって最も効果的な政策体系を示すと。それで、よし、やろうというふうに国民のほうも、では、一緒に日本の新しい政治をつくりましょうということになるので。ただ、その作業は、実は、野党は野党でやっているというところがあり、競争なのだと思います。そういう日本の民主主義の新しい形と、そして、政策体系というのを早くきちっと出せたところが国民の支持を得て、まともな内閣、令和デモクラシーの名にふさわしい新内閣をつくるということになると思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は7月12日(金曜日)の予定です。
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