令和6年11月8日知事会見記録

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開催日時

令和6年11月8日10時00分から10時30分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 「岩手県文化スポーツ表彰」、そして、「いわて暮らしの文化特別知事表彰」の受賞者の決定について発表します。
 「岩手県文化スポーツ表彰」は、本県の文化及びスポーツの振興に顕著な功績のあった個人又は団体を表彰するものです。
 令和6年度の受賞者は、文化分野は、菊池昭子(きくち・あきこ)、佐藤雅彦(さとう・まさひこ)、福井敬(ふくい・けい)、お三方の個人と北上市立黒沢尻北小学校合唱部の1団体です。
 スポーツ分野は、足利幸吉(あしかが・こうきち)、石直典高(いしじき・のりたか)、佐藤健治(さとう・けんじ)、菅原利則(すがわら・としのり)、高橋英輝(たかはし・えいき)、髙橋芳昭(たかはし・よしあき)、千葉智行(ちば・ともゆき)、長澤茂(ながさわ・しげる)、八重樫勇八(やえがし・ゆうはち)、横手智江美(よこて・ちえみ)、吉田勇夫(よしだ・いさお)の11人の方々と一般社団法人岩手県山岳・スポーツクライミング協会の1団体です。
 そして、「いわて暮らしの文化特別知事表彰」は、県民の日常生活に密着した文化的・芸術的な活動を通じ、本県の文化の創造に顕著な功績のあった個人又は団体を表彰するものです。
 令和6年度の受賞者は、一関国際交流協会初代会長の齋藤哲子(さいとう・てつこ)様、そして、喫茶ママ、塩釜馬具店の個人1名、2団体となります。
 表彰式は11月20日です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について各社から質問あればお願いいたします。

記者
 今回の受賞者の皆様は、活躍されている分野が多岐にわたっているとは思うのですけれども、そういう意味ではひとくくりではお話しできない部分はあると思うのですが、業績を上げられた皆様に知事から一言いただけますでしょうか。

知事
 (岩手県文化スポーツ表彰は、)それぞれの分野で長年にわたって貢献してくださった方々が表彰されますし、また、福井敬さんや高橋英輝さんのようなテレビでもおなじみの方、活躍をしている方々もいらっしゃり、そういう岩手の文化、スポーツの基盤の厚さと、また、オールジャパンや海外でも活躍する方々の存在というのが見えてくるような表彰というふうになると思います。
 (いわて)暮らしの文化(特別知事表彰)は、やはり長年にわたって岩手において非常に貢献あった個人、団体でありますし、また、それぞれ、平泉でのウィーンフィルのメンバーの演奏会でありますとか、クレイグ・モドさんにも紹介されているような盛岡、岩手の喫茶文化の一つの代表的なお店でありますとか、チャグチャグ馬コを始めとした馬事文化が改めて注目される中で、道具という、なくてはならないところを支えている塩釜馬具店のような存在という、そういう特徴的なところもある方々が表彰されるというところだと思います。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 私から数点お伺いいたします。
 まずは、先日行われたアメリカ大統領選について伺います。今回、共和党のドナルド・トランプ前大統領が激戦州を制して勝利したという結果になりました。まず、この結果についての知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 アメリカ国内で広く経済的に困窮している人たちがたくさんいて、また、現状に不満を持っている人たちがたくさんいたということだと思います。これでアメリカは、またアメリカファーストという国益追求型のスタイルになっていくのだと思いますけれども、国際協調を優先させていくアメリカのやり方というのは、実は、第一次大戦の衝撃から国際協調が重視された時期でありますとか、ナチスドイツが世界征服するかもしれないというような時期でありますとか、あとは、ソ連との対立から東西冷戦、これも西側諸国の結束を高め、高い理想を掲げないと東側に負けてしまうかもしれないというような、そういう深刻な危機的状況の中でアメリカの国際協調主義が非常に強まったことを考えると、それぞれの時期に比べて今、アメリカが一気に滅ぼされるような、あるいは、何か一気に世界を征服するような国が出てくるとか、そういう状況ではないと。大国間がある種バランスをとって動いて、そこに中規模国も絡んでくるみたいな、そういう今の時代が背景にあって、国益優先型のスタイルが支持を得たのだと思いますので、ある意味、第一次大戦の頃、第二次大戦の頃、そして、冷戦の頃に比べると国際社会は実は平和的な状況にあるということが背景にあると思います。ロシア・ウクライナ戦争とイスラエルとパレスチナ、また、その周辺国との紛争は非常に深刻ではあるのですけれども、世界全体が塗り替えられるような危機的状況にはなっていないということだとは思います。
 あとは、トランプ(前)大統領は、戦争はお金がかかる、お金の無駄遣いだという基本的な価値観を持っているので、それで前回の任期中には朝鮮戦争を終戦にまで持っていって、北朝鮮と和解するような方向にも歩んでいましたので、そういう、より根源的な現実主義ですね、戦争が起こり得るからそれに備えようというのがいわゆる現実主義なのですけれども、そもそも戦争はお金の無駄だし、死ぬのは嫌だ、痛いのは嫌だみたいな、そういう根源的な現実主義という本音の政治、外交をやるトランプ(前)大統領の下で、長い間動かなかったような、そういう緊張や紛争が解決に向かう可能性はあるので、そこは期待したいと思います。

記者
 ありがとうございます。トランプさんの政策の中で注目されるものの一つは、経済の政策だと思います。今回、先ほどお話にもあったアメリカファーストを貫く上で、生産拠点の国内回帰の重視であったり、外国から輸入した製品に一律の関税をかける方針を示すなど、そういった岩手県のものづくりにも関わるような発言もありました。知事は、こういった岩手県内の経済の影響についてどのようにお考えでしょうか。

知事
 そうですね、半導体、自動車のような輸出産業については、もうこれは交渉の世界だと思います。アメリカの消費者からすれば、関税がかからない安いものを買うほうが消費者にとっては得で、特に昨今の物価高状況の中では、そうそう関税も高くできないのではないかなという感じもします。
 それから、日本は日本で実は、内需拡大、国内の市場を充実させていくべきときでもあるのだと思います。それは、地方を豊かにするということでありますので、過去の地方創生10年で地方経済を、東京など都会よりも相対的に地方経済のほうが成長するというふうにはしてこなかったので、こういうときこそ地方経済を充実させるということに日本も力を入れていけばいいのだと思います。

記者
 ありがとうございます。話題が替わりまして、先日、知事が会長を務めていらっしゃる北海道東北地方知事会議が行われました。震災からの復興であったり、あと、今後の防災に向けた活発な意見交換がなされたと思いますけれども、知事からも震災からの津波被害の復興プラスアルファを構築しなければいけないと、そういった御発言もありました。今回の会議を総括して、どのような成果があったのかお伺いいたします。

知事
 それぞれの道、県でやっている復興や防災の取組について、共通部分も多いということを改めて確認し、そして、一緒に国に対して申し入れるというような連携ができましたし、また、北海道、東北の中での連携ということについても改めて方向性を共有できて良かったと思います。

記者
 私からは、国民民主党が非課税枠の引き上げを主張している、いわゆる年収の壁についてお尋ねします。先日6日ですけれども、河野宮崎県知事が自民党の森山幹事長と面会した際に、年収の壁を引き上げれば地方の税収減につながるという懸念を伝えたという報道がありました。昨日(11月7日)も村井知事などの行動もありましたけれども、知事は年収の壁の見直しについて、今回の知事会議の動きも踏まえてどのように捉えていますでしょうか。

知事
 都道府県の財源が一方的に減らされる可能性があるときに、あらかじめそれに注意を促すということは全国知事会はずっとやってきておりますので、今回もそういう仕事をしたということだと思います。消費税を税率上げるか上げないか、また、下げるかみたいなことについても全国知事会全体としては、やはり消費税の一定割合は地方に来ますので、その確保ということをまず発信するようにずっとしてきたという経緯があります。
 ただ、私は全国知事会の中でも国民や住民の生活のほうを優先させて、減税ということは必要であればこれはやっていくべきで、ただ、それで減る地方の財源については別の形で国費でそこを補えばいいのだということをずっと言ってきておりまして、それは全国知事会全体の意見にはなかなかならないのですけれども、全国知事会全体としては、やはり減税によって一時的にでも地方の財源が減ることを防ぐということを優先させた提言をしていますので、今回もそうしているわけですけれども、今、103万円の問題がクローズアップされていますが、広く政策の議論をする機会、国政に関する政策の議論を広くする機会ですので、そういうことが今、求められているのだと思います。
 過去の自民党さんの岩手県内での選挙で直接経験しておりますが、与党だからうちに投票しろと、与党だから与党の候補者に投票しろというのが非常に強く訴えられてきて、政策について自民党さんが選挙で訴えるよりも、与党だからということを訴えることのほうが多かったと思うのです。でも、今回みたいなまず、客観的に少数与党で、そして、政権交代の可能性も常にあるような状況になりますと、与党だからということは理由にならないので、ちゃんと優れた政策を持っていますよと、それを実行する力がありますよということを自民党も示していかなければならない状況だと思うのです。
 そして、野党は野党で、ただ政権交代と言っているだけではいまひとつなわけで、やはり国民に是非それをやってほしいという政策を示していく必要があり、そういう意味では国民民主党の103万円の主張は、まず、学生のバイトで学生からそういう強い意見があるというのがきっかけと聞いているのですけれども、そもそも無理なバイトをしなくても学費の問題で悩まなくていい、奨学金問題で悩まなくていいようにすることがまず、学生には必要だと思うのです。そちらをきちんと政策を進めていかなければならないと思いますし、あとは、若い世代の可処分所得がどんどん減っているということへの対策としては、負担の減らし方はほかにもいろいろあると思うのです。そこで、またさらに、所得税、住民税をもう払えないぐらい余裕のない人たちが大勢いるという点からは減税だけではなくて、やはり給付金という形も喫緊の課題としてあると思います。
 あと、岩手県知事として思いつくのは、中小企業、零細事業者に賃上げ支援金を各都道府県でそれぞれやれるような使い勝手の良い交付金を、都道府県に大きくどんと数兆円単位で、この秋の補正予算として速攻で組んでやってほしいというところがあります。そういう喫緊の政策をまず先に出していただいて、あとは、(旧)統一教会問題と裏金問題に関して国会内に特別の委員会か何かを作って、そこで報告書を出すぐらいのことを年内にやるとか、そういう喫緊の課題の政策体系を、これは過半数取れる政党の枠組みでやればやれるのですけれども、広く国民共通の利益になるようなことであれば、もうほとんど全ての政党ですね、分かりやすく言うと与野党で合意して、国会のほとんどの多数で可決していくような形で喫緊の課題を、対策を実現していくということが今、迫られているのだと思います。

記者
 私のほうから2点質問させてください。
 まず、キオクシア岩手の北上工場の第2製造棟が完成して来年(令和7年)9月にも稼動する予定となりました。半導体市況が回復する中で、地元雇用も含めて地域経済の活性化が期待されているところですけれども、改めて第2棟完成の御所感と、あと、県として今後、関連産業の支援にどう取り組んでいくのかというところのお考えをお聞かせください。

知事
 流域面積で全国4位の北上川、その北上川に沿って新幹線が走り、高速道路があって、花巻(市)には空港もあるという、ものづくり産業振興には非常に条件の良い北上川バレーですね、そのシンボルの一つとしてキオクシアの大きい製造棟2つ目ができたということは非常に意義のあることだと思っています。北上川バレーの自然と、また、歴史と、そして、人が生かされていく大きな一歩になりますし、また、県内、そして、県外に対して北上川バレーの可能性というのが、より見えやすくなるということだと思っています。北上川バレーの良さが、県内に見えれば岩手に残ろうという若い人たちが増えるでしょうし、県外に見えていけば岩手に帰ろうとか、岩手にやってくるという、そういう人たちも増えるでありましょうから、そういう形で雇用を確保しながら、雇用の確保というか、働く人の確保ですね、働く人を確保しながら北上川バレーが発展していくというふうにしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。続きまして、先日、日本の伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産の登録されるという見通しになりまして、本県も酒造りが盛んな地域でございます。世界的な認知度が高まるということは、多様な面で関係者の後押しとなりそうだというふうにいろいろなニュースがありますけれども、そういった中で登録について県としてどのように効果があるのか、どのような効果を期待しているのかというところと、また、これを機に酒造り産業を伸ばす戦略として何かお考えあれば伺いたいです。

知事
 海外からの日本酒に対する評価が、より高まっていくことが期待されます。既に海外から岩手にも日本酒の引き合いはどんどん増えていて、それに対応し、県としてもGI(地理的表示保護制度)ですね、地域の岩手のお酒ということを海外にも分かりやすい形でGIを取得してやっておりますので、県の戦略にも合致することですので、どんどんPRしていきたいと思います。

記者
 今ほどの半導体の関係で、ちょっとお伺いしたいのですけれども、先日の北海道東北知事会議の後にあった東(北)経(済)連(合会)との会合の中で人口減少のことを話していました。その中で、平たく言ってしまうと若い女性の雇用の場の引っ張り合いなのだという、そういう趣旨だったというふうに私は理解していて、若者の雇用の場というのを東京(都)とか仙台(市)とかと引っ張り合っているという、そういうふうな認識が必要だというふうなことだというふうに理解しているのですけれども、そういう意味からいって半導体、キオクシア岩手の第2工場ができて非常に期待が高まっているところですけれども、そういう半導体産業の集積を進めていくということが県の人口減少対策の観点からいったときにどういう意味合いを持っているのかというところでお話をお聞かせください。

知事
 わきたつ東北(戦略会議)での議論を思い出しますと、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんの発表の方向性で議論が進んでいきました。地方の企業が、東北なら東北の企業が、まだまだ女性の雇用や、そして、女性の働き方について古い価値観で男性優遇とか、そういう感じでやっているので、若い女性は東北を脱出して東京に向かうと。東北の中で見ると、東北各県から仙台(市)に集まるというのがあるのですが、ただ、仙台(市)は全国有数の東京(都)に対する転出超過県でもあり、全体として脱出されているという状態なので、もっと女性の採用を積極的に行い、女性の働き方をより改善していかなければという方向で話が盛り上がったというふうに思い出します。
 キオクシアさん始め半導体に関係する企業は、やはり世界市場で競争していますし、働き方に関してもかなり女性の働きやすさということを考えてもらっていると思います。そして、一足先に産業集積が進んでいた自動車の分野では保育施設、保育所も工場敷地内に作って子育てしやすい働く環境をつくるとか、あとは、直接のそういう女性の働きやすさに加えて、脱炭素の電力利用とか、そういう先進的な世界最先端の仕事を東京よりむしろ地方でやっているというような、そういうやりがいというところも大きいと思います。
 わきたつ東北(戦略)会議で私から話したのですけれども、今年、大連(市)での「サマーダボス」で世界経済フォーラムの代表の人と話をしたときに、世界経済フォーラムは革新的であること、そして、平等であること、インクルーシブという言葉を使いますけれども、平等であるということ、あと、持続可能性と強靱さという4つの条件がないと、これからの経済成長というのは駄目だということを言っていて、そういうことは地方でこそ今取り組んでいるし、地方こそそういう世界経済の成長のあるべき形を実現していく場になるよということを言ったというのを、おとといのわきたつ東北(戦略)会議でも述べまして、それが実現できれば若い女性が脱出していくような地域ではないようにできると思っておりまして、北上川バレーについては、そういう世界経済の新しい成長の在り方というのを先んじて実現できる場にできるというふうに思っています。

記者
 ありがとうございます。人口減少の件でもちょっとお伺いしたいのですけれども、半導体のほうに絞ってお伺いします。市況が厳しい中でキオクシア岩手は第2工場を何とかこぎ着けたという状況です。一方で、宮城(県)の大衡村ではもう話が白紙になったりとかということで、市況にかなり影響されたりする部分が強い、ある意味結構不安定、先行きが読みづらい産業なのかなというふうに思っているのですけれども、そこら辺、知事の御所感をお伺いできればと思います。

知事
 そうですね、市況の上がり下がりはメモリの分野で特に顕著だと思いますが、一方で、いろんな情報を記憶するニーズは先に行けば行くほど高まっていくということで、中長期的にはメモリという分野は伸びていくところだと思います。上がり下がりの中で、停滞する時期もあるけれども、躍進する時期もあるということで、ならせば順調に伸びていくという形だと思います。メモリ以外の半導体の分野は、そっちもそれなりの上がり下がりはあるのですけれども、情報処理のニーズを考えるとAIがどんどん普及したりするでしょうし、やはり中長期的には順調に成長していく分野だと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は11月18日(月曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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