令和7年2月14日知事会見記録

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1080950 

印刷大きな文字で印刷

開催日時

令和7年2月14日10時30分から11時09分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 令和6年度の県外向け復興情報発信ポスター・動画について、東日本大震災津波を伝承し、復興への継続的な支援につなげるため、「いわて・三陸から未来につなぐ」をテーマにポスターと動画を新たに制作しました。
 こちらがそうです。これが実物そのもので、4種類、同じ大きさで作ってあります。
 「住田 邑(ゆう)サポート編」、「大船渡 キラキラ越喜来(おきらい)編」、「宮古 学生活動団体暁(あかつき)編」、「いわて三陸しおかぜルート編」の4種類です。
 ポスターは、2月中旬から3月中旬にかけて県内外の自治体や団体等の協力を得て、各地で行われる「岩手県復興ポスター展」で展示されます。3月11日前後には東京都の協力を得て、都営地下鉄の車内で中吊り広告として掲出されます。
 動画は、「いわて☆はまらいん特使」の村上弘明(むらかみ・ひろあき)さんに協力をいただいています。村上弘明さんがサイクリングルート「いわて三陸しおかぜルート」を舞台に、ポスターでも取り上げている住田・大船渡・宮古の三つの地域を自転車で巡り、各地域の取組を紹介するというものです。
 ダイジェスト版を30秒で見てみましょう。

 (動画放映開始)

知事
 はい、村上弘明さんが走っています。村上弘明さんです。

 (動画放映終了)

知事
 今日から岩手県特設サイト「いわてとあなたが、つながるページ」、そして、ユーチューブの「岩手県公式動画チャンネル」で見られるようになりますので、よろしくお願いします。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項につきまして各社から質問があればお願いいたします。

記者
 今回の動画やポスターは、村上弘明さんも登場されて、内容は多岐にわたっていると思います。知事が御覧になった、まず印象であったり、御所感をお伺いできればと思います。

知事
 震災前にはなかったような施設、また、震災前にはなかったような活動、それをポスターにしてあり、動画にもしてありまして、ビルド・バック・ベター、よりよい復興というのが進んでいますよということを県外の皆さんにも見ていただけるような内容になっていると思います。

記者
 ありがとうございます。今後の復旧、復興の政策の中で、防災とともに伝承という視点も重要なポイントになるかなと思います。新年度予算案にも関連費が盛り込まれておりますけれども、今後どのように伝承であったり、県外の発信を取り組んでいきたいのか、お考えをお聞かせいただければと思います。

知事
 去年(令和6年)の能登半島地震のように、大規模自然災害は全国で次々に起きていますので、そういう中でも更に規模の大きな災害だった東日本大震災津波について発信する意義は高まっていると思いますし、また、復興の様子についても能登半島を始め、それぞれ大規模自然災害があったところで、仮設住宅で暮らしている方もいらっしゃれば、仮設ではない災害後にできた公営住宅に入っているというような人たちもいると思いますけれども、それぞれ希望を持って未来に進んでいくことができるような状況なのだということを、こういう岩手の復興の状況を見て感じてもらえればいいなと思います。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 私から2点お伺いいたします。まず、人口減少対策について伺います。本日から県議会の2月定例会が始まります。初日の知事の所信表明に続いて、会期中は当初予算案を軸に論戦が繰り広げられるのかなと思います。昨日(2月13日)の人口問題対策本部会議でも直近の社会減の人数が5,000人超ということでデータが報告されましたけれども、全国的にもコロナ禍で一時緩和された東京一極集中が再び進行していると、そういったデータも先日公表されました。まずは、こうした現状について、知事の御所感と思いというのを伺えればと思います。

知事
 地方創生をやっていた10年間は、同時に東京オリンピック・パラリンピックを頂点に東京への官民、行政や民間の投資が大規模に行われた10年でもあって、東京一極集中を加速するような政策が取られていたわけですので、そこがやっぱり地方創生とちぐはぐだったのだと思います。
 これは過去の歴史を遡れば、バブル崩壊後とか、リーマンショック後とか、東京の経済の調子が悪ければ、てきめん東京一極集中は歯止めがかかって地方回帰の流れになりますし、また、東京よりも地方のほうに手厚い経済対策、国の投資が行われ、かつ民間の投資も同時に行われると、やはり地方回帰の人口の動きが顕著に出てくるという、そういう歴史的事実があります。
 岩手県は、民間の投資はキオクシアは第1棟を建てるのに1兆円規模の投資があったと言われていますけれども、東日本大震災津波からの復興でも復興道路に、こちらは公の1兆円規模の投資があったのですけれども、それ以上の投資が東京のほうに行われていれば、経済的に有効求人倍率の差として東京の有効求人倍率のほうが岩手よりずっと高いと。岩手は、過去の岩手の歴史の中でも最も高水準の有効求人倍率を達成できていたのですけれども、東京はそれ以上の有効求人倍率だったので、給料、初任給を始め雇用の条件が東京は非常に良かったこの10年間だったということがあります。
 あとは、東京や東京圏の影響は北海道、東北に強く出ます。北海道、東北の転出超過がてきめん東京との関係で多くなっていて、そして、その中でも岩手県は新幹線で直結し、かつ新幹線で岩手県以上離れるとちょっと不便さが感じられるけれども、岩手県までは新幹線が便利ということが強く感じられ、かつ経済条件の差が大きいので、東京一極集中の引力を一番受けやすいのが岩手というところがあるので、国が地方創生に関して地方に経済的な政策を打ってくる場合に、日本全体の半分は北海道、東北プラス甲信越の部分、そこに全体の半分を投入していいと思いますし、さらに、その半分の中のかなりの割合を岩手に投入すべきで、例えば、ILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)、これは科学の進歩というところが目的ではあるのですけれども、経済効果もありますので、ILCのような投資が過去10年の間に行われていれば、東京一極集中は岩手や東北、北海道との関係で、こんなに顕著にはなっていなかったと言えると思います。

記者
 ありがとうございます。投資の話もありましたけれども、県の取組の中で人口減対策の主軸が来年度(令和7年度)、ジェンダーギャップの解消ということで据えられていると思います。12日の天野馨南子さんの御講演でも、女性の減少が就職期に集中している点に対処しなければ、人口減少の負のループから抜けられないと、そういった具体的な御指摘もありました。改めて知事の昨日の御挨拶もありましたけれども、女性や若者に選ばれる岩手をつくるに当たっての知事の決意を伺えればと思います。

知事
 女性差別問題は、去年の朝ドラ「虎に翼」でも描かれていたように、100年前からずっとあって、100年かけて取り組まれてきたようなところもあるのですけれども、岩手県においても2016年、女性活躍推進法が制定されて以来、県でも民間企業への呼びかけなど民間経済団体を通じるなどして行ってきたところでありますけれども、去年、地方創生10年ということで、民間部門においても県内の企業や経済団体においても地方創生、すなわち人口減少問題について考え直す動きがたくさん出てきました。その中でジェンダーギャップの問題が企業として取り組まなければならない喫緊の課題で、企業の取組次第で各自治体の人口減少が決定するというような意識が、民間企業や経済団体の間に広まってきているというのは、今までになかった大きい変化ですので、県としてもそういう民間企業や経済団体の動きと連携、連動しながら、県政の大きなテーマとして、来年度、これを追求していくことができるなというふうに思っています。

記者
 ありがとうございます。2点目になります。関連するところもあると思うのですが、8日の「いわて未来シンポジウム」の対談について伺います。知事と楡先生との御対談のほうでは、今後の県の輸出戦略であったり、インバウンド誘致だったり、様々な議論がされたかなと思います。今回の対談を終えての、まず御所感を伺えればと思います。

知事
 人口が減り続け、その分経済規模も縮んでいくのではないかということで、日本国内での経済の将来性に暗雲が漂っているのですが、視野を海外にまで広げますと、日本の人たちが生み出す商品やサービスというのはむしろ需要が伸びていて、岩手県としてもやはりそこにきちんと応えていきながら、経済社会政策を進めていくことが地方創生、人口減少対策にもなっていくだろうということが、よりクリアに見えてきたと思います。

記者
 ありがとうございます。最後に、楡先生からの提案の中で、冷凍食品の輸出とか、具体的なものもあったと思います。対談を通して今後やってみたいと思うような取組がありましたらお願いいたします。

知事
 冷凍食品については、岩手県内、お菓子製造業で既に世界的に定評のある会社もありますし、農林水産物に関しても技術が高まってきて、冷凍することで、かえって便利であるということ、プラス味の面でもむしろよりおいしくいただけるみたいな形で商品化する例も出てきていますので、そうしたことを更に後押ししていきたいと思います。

記者
 お米の質問になります。政府が備蓄米の放出方針を固めて、先ほど発表されたようです。米の値段が高止まり、上がっているという状況の中で、価格安定につながるという方針のようですが、一方で生産者側からは米の価格の下落ということも懸念されています。米どころ岩手の知事として、今回の方針についてどう思われるか、あと、どういった効果を期待されるかお聞かせください。

知事
 市場に出ずにどこかに隠れているお米、そのせいで小売価格が今、更なる上昇をしている、それを防ぐために隠されているのと同じくらいの量の備蓄米を放出すれば、値をつり上げようとして隠している人たちが隠していてもしようがないなということで諦めて、隠すのをやめて売りに出すと。それが市場に出てくるのと並行して、一旦放出した備蓄米というのはやがて買い戻すということになっているので、値下がりの悪循環にもはまらないという、そういう政府の計算でありまして、理屈は合っているのだと思います。理屈は合っているのですけれども、お米の値段をつり上げようとして隠している人たちの動向とか、あるいはそういう人たちの動向によって左右される小売価格には、やはり不確実なところはあるのだと思います。お米の日本全体の生産量をぎりぎりの線で調整してきたがゆえに、猛暑で普段よりも生産量が多めに減ったときに今回のような問題が生じてくるので、極端な気候というのはこれからも出てき得るので、やはりもう少しゆとりある、もう少しお米の生産を拡大する方向で調整したほうがいいのかなというふうに個人的には感じているところです。

記者
 先ほどの質問の関連で、私も人口減少の関連でお伺いします。知事のほうからも、若者、女性の雇用確保という論点が出ていましたけれども、その視点で見たときに、キオクシアを始めとする半導体産業の集積というところに県としても期待するところがあり、そのサポート等もいろいろされていると思います。改めてになるかもしれませんけれども、半導体産業が集積することによる若者雇用への影響、また、期待、県としてどのように支援していきたいのかというところについてお考えをお聞かせください。

知事
 まず、半導体関連産業、あと自動車関連産業も電子化する方向で発展していて、半導体産業と似たような形で、やはり将来性があると思うのですけれども、それらで若い人たちの雇用を増やせるというところはまずあります。そして、そういうところから給料をもらって、それを地元で消費するということが増えてきますと、そういう人たち向けの商品やサービスが更に需要が高まって、例えば、北上の辺りでスポーツジムの新しいサービスみたいな、先進的なそういうサービス業で若い人がやっているようなケースが、県政懇談会でそういうことをやっていますという人から話を聞いたりもしているのですけれども、あとは、農業でも食べられる花の生産がやはり県南のほうで、今までなかったようなそういう新しい分野の生産を若い女性が取り組んで、結構順調にいっているとか、ものづくり産業振興は安定した経済の体制を地元につくることで、それ以外の分野の成長も促すことができるので、その中で1次産業をやりたい、また、先進的なサービス業をやりたいというような若い男女も、男女を問わず、若い人たちがやれる仕事が増えていくようにしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。ちょっと半導体に絞ってお伺いします。半導体人材の育成というのが非常に喫緊の課題であるというふうに思います。県としても、4月から施設のほうを開所されたりとかということもされると思うのですけれども、一方で半導体に関わる人材というのは、なかなか一朝一夕でできるものではないのかなという気もします。例えば、高(等)専(門学校)なんかにお話をお伺いすると、やはり人手不足もあり、また、そういう専門的な知識を持っている人材ということで、ある意味引く手あまただと。そうすると、あえて岩手で就職しなくても、自分の行きたいところ、例えば、東京のほうに行くというのでも、就職先は幾らでもあるという状況になっていて、なかなかそこの定着というのが必ずしも進んでいるというわけではないようです。そこら辺、知事としてどのようにお考えになっている、何か県としてできることがあるのかないのかというところをお聞かせください。

知事
 逆に言うと、県外からもどんどん県内の半導体関係の仕事に就くためにやってくる可能性も広がっていると思います。工場を増やし、雇用の場を増やしていくに当たって、働く場の先進性でありますとか、生活環境の良さでありますとか、そういったことで同じ半導体分野で働くにしても、岩手はいいですよということを地元の生徒たちにも、また、同時に県外のほうにも発信していくことで、岩手に残る、岩手に帰ってくる、さらに岩手にやってくるという、そういう流れをつくっていきたいと思います。

記者
 2点お伺いします。先ほど米の質問も出ていらっしゃいましたけれども、備蓄米の放出で確かに価格が下がるのか、はたまた下がらないのか、そちらは分かりませんけれども、県として今後、米の価格の安定に向けてどのような対策を取っていくお考えがあるかお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 価格に関しては、行政全体としては、まず、市場の価格調整機能を尊重するというのがあって、あとは食料ということで、大量の備蓄米を持っていたりする国においてその価格に対する働きかけはするので、都道府県や市町村が価格について直接関与するということはあまりないのだと思います。都道府県、市町村は、まず生産者の皆さんに対して、生産者が十分な収入を得て、持続可能に農業に従事してもらえるということで様々やっているのと、消費者、物価高騰対策的には、福祉灯油みたいなことはあるのですけれども、あれも灯油に限らず、防寒体制ができるのであれば何に使ってもいいという支援金になってきていることもあり、生活困窮全般に関しての支援はしますけれども、米の価格そのものに対しての介入というのはあんまりしないのだと思います。ただ、消費者問題というのは、県や市町村も見ていかなければならないことですので、異常な値上がりがないかどうかというようなことは、ちゃんとチェックしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点は、地域の公共交通についての質問なのですけれども、JR山田線が県北バスとJRとの共同経営について、先月(1月)、東北運輸局に認可を申請しました。これ、認可が下りれば、徳島の牟岐線に次いで全国2例目の共同経営となります。こうした取組が本当に公共交通の維持につながるのか、はたまた山田線という路線の維持につながるのか、御所感をお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 お客さんが少ない中で、それぞれの路線、鉄道の路線、バスの路線を維持していこうという経営の方向性で今回やるということだと思いますので、経営の維持ということを期待したいと思います。また、県や沿線市町村としては、利用が増えるというようなことをやはり働きかけて、そういう事業をやっていきたいと思います。

記者
 私も政府の備蓄米放出の件でお尋ねします。先ほど最初の質問のほうで知事が触れていた、もう少し米の生産量を増やすように調整したほうがいいというのは、恒久的な対策だと思うのですが、その理解でよかったかどうかというのが1つあります。

知事
 そうですね。目の前の事態に対応するというよりは、日本が食料安全保障ということをちゃんと気をつけて、そして、基本的には水が豊かで農業に向いている国土というのを最大限活用して農業政策に臨んでいく場合に、やはり今以上に食料生産を増やすという構造的な改革をすべきではないかということです。

記者
 ありがとうございます。今そのとおりで、もう一つ、今回の放出、制度を変えてでも、災害や米不足というものでない状況で、流通の安定化という目的での備蓄米の放出ということ自体を評価するかということと、あと、それが価格の安定化、あるいは今の高い分の値下がりにつながるかというのはどう見ていらっしゃるかもお聞きしていいですか。

知事
 まず、5キロ5,000円とかいう今都会のほうで生じている値上がりは、それはちょっと高過ぎると思います。5キロ3,000円台というのは、去年取れたお米を生産者から買い上げる代金を、価格を思い切って増やすといったことが反映された金額だったと思うのですけれども、5キロ5,000円というのはそれをはるかに上回って、懸念されているように、お米を隠しておいて、値段をつり上げて、そこで売る人が儲かるように誘導されているような価格だと思うので、そういう価格は下げなければならないのだと思います。そのための備蓄米放出というのは、市場の価格を動かすやり方というのはそんなにないので、限られた手段の中の一つだと思います。

記者
 ありがとうございます。今値段の話ありましたけれども、去年の12月の比較で県内でも、農水省によるとなのですけれども、ひとめぼれで5キロ当たり1,200円、銀河のしずくもおよそ1,200円、やっぱり前の年の同じ月より上がっている状況で、非常にお米というのは生活に欠かせないものという中で県内でも実態で起きているのですが、改めて県として、消費者の米に関した支援というのは難しくて、生活支援全般の中で米の購入にもつなげるような、そういった支援策を打つというのが県としてできるもの、支援みたいな形に限定的になるものでしょうか。

知事
 まず、ロシアとウクライナの戦争とか、あとはアメリカがコロナ対策で景気を過熱させてしまって、利上げをずっと続けているがゆえの円安に基づく輸入燃料や資材高騰というところは、そこは生産者とか市場に解決させる話ではなくて、やはり政府がそこをきちっと支援金を出して、それが価格に影響しないようにするということをやらなければならないのだと思います。でも、それをやっても、猛暑によって生産が落ちてしまった分、供給が減って、値上がりしていくとかいうところ、あとはそもそも農家が自分たちが生活していくに十分な収入が得られるくらい収益が上がっていなかったというところは、構造的に解決しなければならなくて、消費者の皆さんも、国民の皆さんも、問題点の所在が見えてきていると思いますので、昔のように政府が高く米を買い上げて、そして、消費に回るお米の値段については安く抑える、そこを税金で埋めて、税金で価格を下げるか、あとはその後、こっちのほうがいいというふうに言われている議論として、所得補償を、やはり国民の税金で農家の所得補償ということをきちんとやって、その上でお米の価格を安く抑えるかという、そのどっちかをやらないとお米の安全保障、食料安全保障を確保しながら消費者にも優しい価格で米が流通するというのができないのではないかというのが今見えてきていると思います。

記者
 やはり価格に関しては市場が決めるもので、逆に官が介入するというのはどうかという中で、今回の流通の円滑化ということで、それにつながればということでの間接的なというか、そういう手法ではあったと思うのですけれども……

知事
 食料に関しては、これはもう世界全体、国が介入し、国が直接販売価格を決めてやるか、そうではないとしても農家の所得補償によって間接的に食料の価格を安く抑えるかということで、それぞれ公費を投入し、食料の生産を確保しながら値段を抑えるということは、ほぼ全ての国がやっていると言っていいと思います。

記者
 失礼しました。それも踏まえてですけれども、この放出が果たしてお米の販売価格の値下げにつながるのかどうかというのはまだ見えてこないのですけれども、県としてはその動向を注視されるおつもりか、いかがでしょうか。

知事
 そうですね。理屈は通っていますので、米を隠して値段をつり上げようとしている人たちたちが、より変なことをしない限り、かつ買う側が、そして、直接消費者に接している小売のところが妙に不安に駆り立てられて買い占め的なことをしなければ、うまくいくと思います。

記者
 私からも備蓄米の放出について質問だったのですけれども、岩手県としては令和の米騒動と言われていたときにも、米がそこまで不足するという事態にはならなくて、結構お米を親戚からもらうとか、実家のほうで作っているというので、あんまり、首都圏とかに比べるとニーズに不足しているという感覚は少なかったと思うのです。それで、今回消費者の方にとっては、もちろん価格が高騰するというのは家計に打撃を与えることではあるのですが、一方、岩手県は1次産業が盛んで、むしろ農家の方の価格が適正になるという面ではメリットがあるのですけれども、若干価格が下がるということで、モチベーションの低下にもつながるということも考えられますが、県としてはこのほど新しいブランド、白銀のひかりも発表になったところですし、どのようにして県の米のPRというか、今後、農家の方のモチベーションが下がらないようにするためにどのような取組をやっていくのでしょうか。

知事
 去年の秋のJAの農家からの買取り価格が非常にアップして、それが小売のお米の価格にも反映されている、そのくらいの値上がりは何とか消費者の皆さんにも、そこは価値を認めて、お金を出していただきたいというところがあります。一方、今起きているような、更にそこからうなぎ登りで価格が上がっていくというのは異常事態なので、それは備蓄米の放出などもして防いでいかなければならないと思います。
 そして、事態を根本的に解決するには、昔のような国による米の買取りと、それよりも安い価格での販売ということをやるか、農家の所得補償を徹底して、それによって農家が価格転嫁をしなくて済むので、その分米の価格は低く抑えられるという、そのどちらかなのだと思います。そういった方向性に向かうようなこの間の食料・農業・農村基本法改正だったと思っていますので、国に対してやはり働きかけていきたいと思いますし、日本の国土が持っている力というのをきちんと発揮しながら、安定した食料生産ができるという中に岩手県も名誉ある地位を占めていくように、岩手の農業を発展させたいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

次回記者会見

次の定例記者会見は3月4日(火曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。