令和6年12月27日知事会見記録

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開催日時

令和6年12月27日10時00分から10時33分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はありません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 私から2点お伺いいたします。
 まず初めに、能登半島地震から間もなく1年になるということで、県として現地に職員を派遣するなど支援を継続されておりまして、特に豪雨被害の大きかった能登町について県の対口支援先にもなっているということになっています。被災から2年目を迎える能登への支援について、県としてどう取り組まれるかお聞かせください。

知事
 今年1年、岩手県でも応援本部を1月5日に設置して職員派遣を始め様々な支援を行ってきました。保健医療、福祉関係、そして、自治体支援関係、また、警察や教育の分野でも応援の職員派遣が行われたところでありますし、土木関係中心に中長期的な派遣も行っているところです。大々的に地域外から応援を得て復旧・復興を進めるという段階は終わっているのだと思うのですけれども、今後も、新しい年になっても、現地のニーズというものを伺って、可能であれば必要な応援を続けていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。被災地のほうでは、特に石川県が被災者向けに整備してきた仮設住宅が今月(12月)全て完成したということで、フェーズが生活再建へと変わっているという現状にあると思うのですけれども、東日本大震災の経験を今後の能登復興にどう生かしていくかという部分で、このフェーズの段階で知事としてこういうことを支えていきたいという思いがございましたらお願いいたします。

知事
 全国知事会の会議などで石川県の馳知事さんから状況を直接伺って、それに対して様々意見を言う機会はいろいろあるのですけれども、岩手県が東日本大震災津波のときに復旧・復興でやってきたことは、基本的な資料は既に、もう石川県のほうに差し上げているところでありまして、今後いろんな問い合わせに応えていきたいと思いますし、また、いろいろ気が付いたことがあればどんどん助言していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。話題が替わりまして、来年(令和7年)の参院選についてお伺いいたします。今月21日に自(由)民(主)党(岩手)県連(合会)が元参議院議員の平野達男さんの擁立を決めました。2019年の参院選のときは、現在の立憲民主党の横沢たかのりさんが初当選したというところで、当時も平野さんが出られて、実質的な与野党対決だったというふうに理解しております。まずは、今回の平野さんの擁立について知事の御所感をお伺いいたします。

知事
 参院選は、衆院選と違って任期満了までやって、そして、選挙の日程もほぼ決まっていますので、そこに向けて国民的に今回の参院選は何がテーマなのか、何を決めるために投票するのかということを準備していくことができるのだと思います。質問にあった候補者、それを支えようとする政党から何のためにその人が立つのかとか、その人を擁立するのかというのがまだ見えてこない、聞こえてこないかなと思っているのですけれども、まだ選挙まで時間はありますので、それまでに見えてくればいいのだと思います。
 ただ、今年(令和6年)から去年(令和5年)にかけての国政の流れの中で、政治の正常化ですね、裏金問題はまだ決着がついていない、現に衆参の政(治)倫(理)審(査会)で事実関係がまだ明らかになっていないという不満足感が漂っているところだと思います。そして、関連して政治資金の在り方などについても国会で盛んに議論されて、今までと違ったやり方にしていかなければならないという方向性は見えてきているけれども、まだそれが徹底していないような状況だと思います。
 そして、いわば安倍一強体制と呼ばれた頃にやっていたような、まず、ああいう野党を無視しながら国会を進めるとか、野党が代表しようとしている国民の声を聞かないというようなやり方からは転換する方向に向かっていて、そして、政策の中身についても、より国民の手取りを増やし、可処分所得を増やし、消費の力を高めるというような方向が出てきたりもしていますし、来年の参院選というのはそういう方向をより徹底させていくのかどうかという辺りが争点になると思いますので、立候補する人、それを支える政党や団体がそこにどう関与しようとしているかというのを見ていくことが重要だと思います。

記者
 ありがとうございます。2019年のときは、横沢さんが野党統一候補という形で無所属で立候補された経緯がありますけれども、現時点ではまだその戦いの構図は出来上がっていないという状況にありますが、先ほどあったとおり、裏金問題であったり、政治の正常化について不満足感が漂っているという御所感がありましたが、この選挙戦を通して岩手県政にとってどういった良い形の選挙にして欲しいか、という思いというのはいかがでしょうか。

知事
 岩手県にとっても、今年、岩手の政治を正常化するということが大きいテーマだったので、来年の参院選においても岩手の政治を、より裏金問題とか統一教会問題とか、そういうものと離れた方向に岩手の政治を更に進めていくと、そして、より国民、県民の生活を重視して、紋切り型の緊縮財政、ただただ節約すればよい、国民の負担を増やして赤字を埋めればよいというような、そういう政治からまた反対の方向に向かっていくようになればいいのだと思います。

記者
 先日、県の新年度予算の要求額が公表されました。まだ知事査定前ではありますが、知事として今回の要求額、あと、事業ですね、それに対する所感をいただければと思います。

知事
 それぞれの部局が県民生活を守る、そして、向上させるという視点から重要な事業を継続すべきものは継続し、また、新しい要素を加えて新規の事業を提案するというような形で、それぞれ工夫しながら予算編成作業をしてもらっていることを心強く思っております。あとは、財政担当を中心に知事査定に向けてもう一度県政課題を整理して、そして、財政的な観点からの調整も行って、予算を仕上げていきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございました。すみません、話題が替わります。今年最後の会見ということで、知事として今年の総括、あとは、来年どんな年にしたいかお答えいただけたらと思います。

知事
 まず、1月1日の能登半島地震から始まって災害が多い年だったと思います。岩手県内でも大雨被害が出ましたし、また、それが今までなかったようなパターンの大雨の降り方だったり、川の水の増え方だったりもしまして、そういうことに気を付けていかなければならないなということを改めて強く感じた年でありました。
 去年に続いて猛暑もあり、一年を通じた気温というのは今までで一番高い年、平均気温になったという報道を見ましたけれども、そういう中で農業など気象の影響を受けやすいところの担い手の皆さんが頑張ってくださって、特にお米で量的に二十数年ぶり、質的には全国1位の一等米比率のお米の生産をしていただいたりなど、気候変動への対応というところで頑張っていただいていること、非常にありがたいというふうに感じました。
 それから、年の始めから大谷翔平選手が、ドジャースでどういうふうになるのかということが話題になり、50―50の好成績、そして、今年もまたMVPという大活躍で、今年もまた大谷イヤーになったというところがあると思います。
 また、菊池雄星選手が大谷選手の活躍とはまた別の形でメジャーリーグで活躍し、今度エンゼルスの救世主として移籍が決まりましたし、岩手県内にKing of the Hill(キング・オブ・ザ・ヒル)という練習施設を建てるなど新たな活躍の展開というところが印象的でした。
 佐々木朗希選手のメジャーへの挑戦が今進んでいますし、佐々木麟太郎さんがスタンフォード大学の学生として活躍しているというように、今まで以上にまず野球の分野で岩手の若い人たちが大活躍というところがあるのですが、野球以外のスポーツでも小林陵侑選手のジャンプワールドカップ総合優勝など、今まで以上に多くの活躍があったという一年だったと思います。
 パリオリンピック・パラリンピックでの県ゆかりの選手の活躍もありました。
 あと、コロナ前にやっていたような海外との様々な事業が今年一通り復活したということも大きいと思っております。トップセールス、インバウンド振興、そして、様々な交流事業ですね、これらが復活し、かつコロナ前よりも活発になってきたということが大きいので、これはぜひ来年につなげていきたいと思っています
 地方創生10年という年でもありまして、そして、石破内閣になって地方創生を強調する政府になったというところもあり、今年は地方創生を再始動させる年でもあったのですが、岩手県にとっては海外からの評価がいろいろ高まっていて、ニューヨーク・タイムズが盛岡を選んだということに続き、今年はみちのく潮風トレイルがフォーブスを始めいろんな海外メディアに取り上げられて、人口が少ないところ、また、人口の減り方が多いところでもそういう世界から評価される魅力があるということが今年はっきり見えてきましたので、これをテコにしながら地方創生も来年、力強く進めていきたいと思います。

記者
 私からは健康寿命についてお伺いしたいのですけれども、先日、厚(生)労(働)省のほうから調査結果として、全国の都道府県の健康寿命のランキングが出されました。岩手県は、過去から比べると伸びてはおりますけれども、残念ながら男女ともに全国最下位の健康寿命ということになりました。まず、これについての受け止めというところと、もちろんプランなどを立てられて健康寿命の促進にも取り組まれているところだと思いますけれども、県として改めてどういうふうな取組をこれから求められていくのか、目指すところはどういったところにあるのかを知事の所感をお伺いできればと思います。お願いします。

知事
 男性が前回も47位で、今年も47位、女性は前回42位が今年47位というふうになりました。そして、男性の岩手と全国の健康寿命の差は、2歳弱、2年弱、大きく言ってそのくらいで、女性の場合は岩手県と全国の差が1歳強、1年強ぐらいの差になっているわけですけれども、健康な人の寿命がやや短いということと、あとは、全国よりも生活習慣病など健康と言えないような状態になるのが何か月か早い、それが合わさってこういう数字になっているのだと思います。
 ですから、まずは生活習慣病、脳血管疾患や心臓関係疾患が全国でもやはりトップレベルで多いという実態がありますので、これに対する対策を更に強化していきたいと思います。
 血液や血管の在り方というのは、日々の食事、運動、喫煙習慣などで決まってくるところが大きいですので、改めてそういった習慣について改善していくことを県民の皆さんに呼びかけ、また、改善するための様々な施策を推進していきたいと思います。

記者
 県教委と矢巾町が2025年度開校の南昌みらい高校の隣に共同で整備する体育施設についてなのですけれども、今月23日に県教委が建設業者に対しての工事契約を解除する方針を伝えるなど、事業の進め方を巡っての食い違いがかなり深刻になってきているように受け止めています。施設整備の大きな遅れが生じるという懸念も広がっております。以前にも伺ったところであるのですが、そのときは今後の経緯を、というところでしたけれども、少し事態が深刻になりますので、今回こうした事態に発展したことについての知事の受け止めをお聞かせいただけたらと思います。

知事
 質問にあった体育館の建設の進め方については、岩手県議会でも質問があって、県の教育委員会からかなり詳しい説明が行われました。どういうふうに県教委と矢巾町との間で話合いを進め、また、どういう合意をしてやっているのかというのは、県議会に説明がされて、県議会議員の皆さんもそれを理解してくださり、そういうふうに進めていきますということだったのが、今、そのとおりには進まないということで工事のほうが着工されないという状態が進んでいるということだと思います。これは共創、共に創るというスローガンの下に取り組んでいることでもあり、やはり県の教育委員会が独自に学校の体育館を造る場合や、矢巾町が町として単独で町立の体育館を造るのとはそれぞれ違うやり方で一緒に体育館を造ろうという話ですので、いろいろ前例がないような内容を決めたり、また、決め方についても前例がない進め方を工夫しなければならないところがあるのだと思いますので、当初想定されていたよりもそこに時間がかかっているということだと思いますので、無理をする必要はないとは思っておりまして、新しい共創というやり方が着実に一つ一つ実を結んでいくような形で話が進めばというふうに期待します。

記者
 ありがとうございます。今のお答えにありました無理をする必要はないというのは、今後の話の進め方によっては、妥協点を見いだせないときには、もうそのときは仕方ないのではないかという所感という受け止めでよろしいでしょうか。

知事
 そういう早く諦めるというような無理をする必要はないという意味ですね。なかなか決まらないから、もうやめてしまえとかというような、そういう無理をするのではなくて、話合いに時間をかけるというのは無理なことでは全然なく、ある意味当然のことなので、ただ周りが早くやれとか、何で早くできないんだと、これは東日本大震災津波からの復興のことも思い出しますが、遅い、遅いと言われたのですけれども、だからといって拙速に無理なやり方で早くやってしまうというのでは、かえって良くないと当時思っていましたし、今回もそうだと思っております。

記者
 ありがとうございます。すみません、最後に1つなのですけれども、契約が解除されたことに伴って、じっくりこの後話合いを進めていければいいものの、損害賠償という議論にもなってくるかと思います。あと、自治体と自治体との信頼、それから企業との信頼という部分にも大きく関わってくると思うのですけれども、あとは地域、それから、生徒の皆さんへの影響ということも加わってくると思いますが、ほかの皆さんや対外的な影響と、その議論の進め方の進捗とで知事の御希望というか、思うところがあれば伺いたいと思うのですが。

知事
 当初の想定より時間がかかったときに、経済的損失が出た場合にはそれをどういうふうにすればいいかというのは既に確立したやり方がありますので、それを着実にやっていけばいいと思います。
 そして、なぜ当初の想定どおり進まないのかという疑問が様々地域や、また、関係者の間で出てくるとすれば、それに対して県教委や矢巾町が適切に説明すればいいと思います。県教委が県議会で説明をしたように、そういう説明をそれぞれ必要に応じてきちっとやっていけばいいと思います。

記者
 先ほど話題に上った健康寿命の件についてお尋ねします。先ほどお答えされましたけれども、県としては全国平均になるべく近づけていきたいというのを目標とするかどうかというところなのですが、いかがでしょうか。

知事
 目標は、ちょっと今正確に思い出せないですが、いわて県民計画、幸福関連指標などでかなり改善させようという方向で取り組んでおります。自殺率も関係するのだと思うのですけれども、自殺率などはかなり思い切った改善を目指しているのですが、そう簡単ではないというところもあります。

記者
 全国平均というよりは、今の話ですと県民計画で設定しているその目標に近づけていくというのがゴールというか、目指すために今取り組んで、様々な施策を行っているということですね。

知事
 そうですね、そういう数字になっている実態を見ていかなければならないわけでありまして、実際に生活習慣病が多いという実態、そして、生活習慣病にかかっていくパターンもそれぞれ地域とか、分野とか、あるいは医療圏という枠の中、また、そこにある病院などから見たときの傾向とかそれぞれいろいろありますので、それぞれに的確に対応していこうということになります。
 県立病院でも生活習慣病を巡って、まずはその患者さん、また、生活習慣病になりそうな患者さんに、悪化しないようないろんな個別の生活指導というのがあるのですけれども、患者さん以外の地域の皆さんに集まってもらって、健康教室的なこともやっている県立病院もあったりしますし、そういうことも含めてそれぞれの現場、現場に対応した対策を適切に講じていくということが大事と考えています。

記者
 東北で全国的にいえば気温の低い地域とか、冬も寒い地域だったり、あと、県も既に取り組んでいる減塩や適塩の取組、そういったものが特に脳や心臓とかに影響があるものだというふうなものもある中で、対症療法的なものというよりは、今の県立病院の話もあったので、具体的にデータ、県民の特性みたいなデータを捉えた上で施策をやっていかないと、数字を下げていくことだったり、平均寿命を伸ばしてということは難しいのかなと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

知事
 県民の健康に関するビッグデータを活用した保健医療政策の推進ということについては、大分データも集まって、そして、それを病院など、あるいは保健の現場での活用する方向性が出てきていますので、それを進めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。あと、今年の振り返りと来年についての質問もありまして、特に今年あった出来事や教訓を踏まえての来年の話に触れられていたのですけれども、知事御本人として来年をどういう年にしたいかというのを改めてお聞きしてもよろしいですか。

知事
 個人的には今年60歳で還暦を迎えまして、還暦というのは生まれて一巡して、また元に戻るということで、来年は生まれ変わったような形でいきたいと思います。ちょうどへび年になりますので、へび年は脱皮、皮を脱ぐ、衣を脱いで新しく生まれ変わるという、そういう年でもありますので、そういうふうに進んでいきたいと思っております。

記者
 私も今年、10個下ですけれども、50歳になりまして、半世紀生きたなというところあるのですけれども、今言ったこともありますし、あと巳年だったり還暦の次の60年を迎えるに当たって、県の施策として、今、予算編成されていますけれども、具体的に何か言えないかもしれませんが、こんなことを施策として挑戦してみたいというのもあったら、ぜひ聞かせてください。

知事
 各部局から提案のあった予算案、それに関する事業案の中から選んでいく格好になりますので、そんなにびっくりするようなものはないと思っていますけれども、基本に忠実に、人口減少対策を軸にしながらGX(グリーン・トランスフォーメーション)、環境政策とDX(デジタル・トランスフォーメーション)、デジタル政策を2つの翼のように広げ、そして、そこの部分を安心安全関係の政策でしっかり支えていくという形はそのままいくのですけれども、人口減少対策というところに地方創生の再起動ということを来年進めていくことになりますし、また、そこに海外展開のインバウンド、岩手に入ってくるという国際関係の展開も含めた海外展開というものが、来年、地方創生を大きく牽引する力になっていくでしょうから、本質的には今までやってきたことをやっていくのですが、そこに古い衣を脱ぎ捨てて、様々新しい姿として、より力強く進めていくというような感じを想定しています。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終了いたします。

知事
 それでは、皆さん、良いお年を。インフルエンザに気を付けてください。

次回記者会見

次の定例記者会見は1月7日(火曜日)の予定です。

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