令和6年12月20日知事会見記録
開催日時
令和6年12月20日10時00分から10時39分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは知事お願いします。
知事
“いきいき岩手”結婚サポートセンター「i―サポ」のマッチングシステムが12月18日にリニューアルされました。i―サポは、県、市町村、県内団体が協力して設置・運営している結婚サポートセンターです。会員登録制で1対1の出会いの機会を提供しております。マッチングシステムのリニューアル後は、性格診断マッチングや趣味検索機能が追加となり、お相手検索の選択肢が広がります。(手でディスプレイを指し)こういうふうになります。オンラインでの入会手続が可能となりますし、自宅でもお相手の検索やお見合いの申込みが可能となります。入会時の独身証明の徹底やお見合い時のi―サポ職員の立会いなど、安全・安心に活動するための仕組みはそのままに利便性を向上させています。県内で結婚を希望される方は、ぜひこれを機にi―サポへの登録を御検討ください。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
記者
i―サポについて、中身のリニューアルということで18日にスタートしたということで、先日の議会のほうでも取り上げられておりまして、2023年度は会員間成婚数が26組と過去最高だったというふうに記憶しております。今回のリニューアルを経て、期待される効果についてと、あと、今回のリニューアルの狙いについて、知事から御所感お願いいたします。
知事
日本全体としても、マッチングアプリで結婚に至る人の割合が増えているということもあり、こういうシステムに関してハードルが低くなっているのかなと思います。そこで、利便性を高めることで利用者が増えて、そして、成婚に至る人も増えればいいなというふうに期待しています。
記者
ありがとうございます。今後、人口減少対策のほうに結びついてくると思うのですけれども、こういったリニューアルを含めて、今後のデジタルの分野を活用した対策の方向性というのはどのようにお考えでしょうか。
知事
日本全体で婚姻数と婚姻の率が減っていて、それが出産の数、出産の率にも影響を与えているという状況だと思います。背景には、若い世代が経済的に、社会的に活動を抑制せざるを得ないような環境があるということがあり、また、コロナ禍でそれが一層拍車がかかっているということがありますので、それを逆転させていくためにデジタル、インターネットなどの活用というのは、お金をあまりかけずに出会いの機会を増やすというようなことができますので、出会いの場を増やし、出会い、婚姻にまつわる社会活動を増やしていくような形でデジタル技術が活用できればいいなというふうに思います。
幹事社
それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
私のほうから2点お伺いいたします。
まず1点、(令和6年度一般会計第9号)補正予算案について伺います。先日発表されました補正予算案のほうでは、県独自の賃上げ支援の拡充と追加の物価高騰対策が盛り込まれているということでした。交通事業者であったり、農家支援であったり、昨年度(令和5年度)の取組を継続される内容も豊富にあったと思いますけれども、まずは、今回の予算編成の特徴や狙いについてお伺いいたします。
知事
県民の皆さんにはお待たせしましたというところだと思います。
ロシア・ウクライナ戦争や異常な円安に起因する物価高騰という問題は続いておりますので、そういう中で生活を支え、そして、事業を支えていくために求められている支援を予算にしたという形であります。特に賃上げ支援については、様々な意見を基に拡充をしておりまして、従業員1人当たりの支援金額を5万円から6万円に、そして、1事業所当たりの上限を20人から50人に、100万円から300万円に引き上げておりますので、これらを大いに活用して、賃上げ、物価高騰の中での消費の拡大、そして、事業が伸びて、また賃上げが可能になっていくというような好循環をつくっていければというふうに思っております。
そして、物価高騰で特に困難に直面しているバス、タクシー、学校、福祉施設、医療施設、そういったところには特に個別の交付金、支援費等を盛り込んでおりますし、教育旅行受入施設支援もそうです。また、農業の関係では、畜産関係、配合飼料、和牛繁殖支援、子牛に関する支援、それから、土地改良区関係の電気料金の上昇をカバーする支援など、求められている施策をそれぞれ分野に対応する形で盛り込んでいるところです。水産業関係のウニ、ナマコに関する補助というのも大事だと思います。生活関係も関連するのですが、LPガスの料金値引き、こちらは主として小売事業者と工業用ですけれども、一般消費者も含めて、LPガス価格高騰対策費も盛り込んでいるところです。
記者
ありがとうございます。先ほど御回答あったとおり、今後の世界の紛争の状況であったり、あとは、経済情勢によっては物価高が当面続くのではないかと、そういった予測もあります。国からの交付金の動向等もあるとは思うのですけれども、県としては、今後、そういった物価高に対してどのように対応していきたいと思われますでしょうか。
知事
今回、国の経済対策補正予算も決定されて良かったと思っています。戦争に起因するものですし、日本もロシアへの経済制裁をやっていて、いわば戦時経済のような様相を呈している非常事態でありますので、基本はやはり国を挙げて国民生活、国民経済を守るということだと思いますので、国の施策と連携しながら、県でもしっかり取り組んでいきたいと思います。
記者
ありがとうございます。話題が替わりまして、国際リニアコライダーについてお伺いいたします。(12月)18日に自民党の科学技術イノベーション戦略調査会での議論がスタートして、いわゆる政調会での議論が本格化するという形になりました。大野会長についても取材に対しては、国会議員連盟から1つ上のステージに上がったと、そういった評価もされております。与党の政調会で議題に上がった動きについて、まず、知事の御所感をお願いいたします。
知事
これは、二階俊博幹事長の頃に、二階幹事長からの呼びかけに応じてILC(国際リニアコライダー)に関連する自民党の政策調査会の委員会などの組織が一堂に集まって、政府、各省庁から情報を聞くという会議をやったことがありまして、ただそれは、その後沙汰やみになっていたのです。そのときの趣旨は、やはり党の政策調査会で正式に扱おうということだったので、間が大分あいたわけですけれども、それが具体的に動き出したと。一堂に会しての情報共有というのも意義があったのですけれども、それぞれ個別の関連する政調の組織が具体的にILCを扱うというのは、更にまた一歩進んだ形だと思いますので、その調子でどんどん進めていってほしいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、こういったILCの実現についての動向等も含めて、研究者の間では国の前向きな姿勢を示すことが重要であると、そういった御意見が出されています。民間も含めて県のほうでも要望事項に盛り込まれているとは思いますけれども、今後、国に対してどのように働きかけであったり、県民の機運醸成に努めていきたいとお考えでしょうか。
知事
今は来年度(令和7年度)予算の政府案がこの週末を挟んでできてくる時期ですので、文部科学省からの予算が要求どおりちゃんと確保されるかどうかというところにまずは注目したいと思います。そして、そのとおりになったら、まず、それを基に来年度の事業を進めるよう働きかけつつ、また、その次の年の予算に向けての働きかけを開始するということになっていきます。
記者
私からは、青森県が再生可能エネルギー事業者から独自に税を徴収する再エネ新税の条例案を示したことについてお尋ねします。こちらは既存施設には課税はしないのだけれども、新設の陸上の風力発電ですとか、太陽光発電が対象となっております。立地を規制しない調整地域でも、市町村が導入を促進する共生区域に設定すれば非課税となるなどとされています。こちら仕組みは様々かと思いますが、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い岩手県として、再エネ税の導入についてどのように考えておられるかお伺いします。
知事
岩手県の今の考え方は、まず、ゴールデンイーグル、イヌワシの保護などの環境保護の観点から問題のあるようなところへの立地の計画に関しては、県からしっかりそういう問題があるところは意見を出していくという形で抑制するということと、あとは、市町村と連携しながら、適地についてはそういう情報を提供して、そちらに誘導して促すということです。そのように実質的に好ましくないところでの建設がされないで、好ましいところでの建設が進んでいくというふうになればいいのだと思っております。
記者
ありがとうございます。まずは、保護と開発というところのバランスというのでしょうか、その辺りなかなか難しいかもしれませんけれども、一方で、ポテンシャルを生かした県としての財源を生むという側面もあるのではないかなと思いますけれども、その点について改めてお伺いします。
知事
そうですね、県内で使われる電力のうちの再生可能エネルギー発電が占める割合というのはどんどん高まっていっていますし、また、そういう中から自動車やその関連の工場に再生可能エネルギーを売電して、ゼロカーボンで生産ができる工場というのを実現する取組ですとか、それを久慈のほうでは地域としてそういう再生可能エネルギーの地産地消を進める、そういう意識の高い日本各地に住んでいる人にとっては、そういう住宅に住むことができる地域で自分の住んでいる地域がゼロカーボンの地域だということは、そこに引っ越してくる誘因にもなりますので、そういうことも進んでおりますので、そういったことを総合的に県としてそれぞれ支援していければと思います。
記者
分かりました。ということは、まず、今のところは具体的なものでもそういった課税という部分については考えてはいないということでよろしいですか。
知事
そうですね、課税については具体的な検討には上っていません。
記者
ということですね。承知しました。ありがとうございます。
記者
私からは、先日、県のほうでインフルエンザの流行の注意報ということで、コロナとインフルエンザが同時期に流行するということは、実質的には初めてということなのですけれども、これから年末年始で人の移動がかなり多くなる時期でもありますし、最大9連休ということも加味してかなり人が増えてくると思うのですけれども、この件について知事の受け止めと、あとは、今後気をつけてほしいことなど呼びかけがあればお願いいたします。
知事
定点当たりの報告数でインフルエンザが18.70になり、新型コロナが10.51、インフルエンザに関しては10を超えたら注意報ということで、注意報を出したところです。やはりそこは気を付けていただいて、県民の皆さんには、既にコロナ禍で鍛えられたマスクでありますとか、手洗いでありますとか、そういったことをきちんとやってほしいと思います。すごく低温になったりする日もありまして、乾燥がすごくて部屋の湿度が20%台とか、猛烈な乾燥の日もありますので、そういうのにも気を付けてほしいなと思います。
インフルエンザで18.70、新型コロナで10.51という数字は、去年(令和5年)の今頃のインフルエンザ流行のピークとか、あとは、去年の夏のコロナの流行のピークに比べればまだ低いところではあるのですけれども、特にインフルエンザは去年もおととし(令和4年)も10を超えて、結局40を超えるぐらいにまで冬の寒い時期に増えておりますので、インフルエンザはそのくらいまでいくかもしれないということ、去年、おととし並みの流行までいくかもしれないということを気を付けていただきたいと思います。
コロナのほうは、10を超えても去年の夏は35超えまでいったのですけれども、その後の第10波、11波は20を越えない程度で下がり始めておりますので、コロナについては去年の夏並みの流行までいくかどうかはまだ見えていないところなのですけれども、インフルエンザのほうが要注意だと思いますので、気を付けていただきたいと思います。
記者
ありがとうございます。あとはもう一点、ガソリン価格が値上げされるということで、全国的に駆け込み需要で、これから県民のほうも家計が厳しくなってくるという声も聞かれているところです。それで、先ほど補正予算でも物価高騰対策ということで、県のほうでもいろいろ対応されると思うのですけれども、このガソリン価格の値上げに関しては、今後まだ1月以降も5円、10円と上がっていく見通しということなのですが、県のほうではこちらのガソリン価格についてはどういった対応を考えていらっしゃいますでしょうか。
知事
国として戦時経済ですからね、過去の第二次大戦の頃などはもう、物価統制、国で価格を決めて、それ以上にはしないようにするぐらいまでした例もあるわけで、国民生活、国民経済を守るためには、ガソリン価格というのはやはり一定以上高くはしないほうがいいのだと思うので、国はそこをよくよく対応してほしいと思っております。
県は、先ほども紹介した今回の補正予算でまず、直面する生活関係、経済関係の底支えをしようということでありまして、そういったところで楽になればその分がガソリン価格の高騰のほう回す余裕にもつながるということはあるのですけれども、ただ、やはりガソリン価格の上昇については、それがガソリンを使い控えて温暖化対策に、気候変動対策にもなるだろうという議論もあるのですけれども、温暖化対策のほうは、それはそれでしっかり取り組み、不要不急な化石燃料の使用は控えるというようなことは、それはそれできちっとやりますので、ガソリン価格が高くなり過ぎて、それでお医者さんに行ったほうがいいのにそれを控えるとか、必要な買物も控えるとかとなってしまっては、もう生活の危機が底が抜けるおそれが出てきますから、やはり国においてはガソリン価格一定以上上がらないように対策を打ってほしいというように思います。
記者
読売新聞グループ本社の渡辺主筆が昨日(12月19日)亡くなりました。政界にも影響力を持ち、自民党と民主党の大連立構想にも関与したと言われています。小沢一郎さんも政治感覚があった人物だったなどと評しておられますが、渡辺氏の死去について、知事として所感があればお伺いします。
知事
直接接する機会はなかったのですけれども、今話が出た福田康夫内閣のときの自民党、民主党の大連立構想というのが一番身近に感じたときであります。日本の政治かくあるべしというような、そういう意思というのは国民一人ひとりが持つべきもの、主権者として国民一人ひとりが持つべきではあるのですけれども、ただ、日々の生活や仕事が忙しくて、なかなかみんながみんな政治について強い意思を持つというのが難しい現代社会において、オピニオンリーダーといいますか、言論の世界でそういう国の在り方、政治の在り方に強い意思を示していくというのは大事な役割だと思いますので、それができる方が亡くなられたというのは、私も非常に残念に思い、お悔やみを申し上げたいと思います。
記者
私からは、山田線について質問させていただきたいのですけれども、今日(12月20日)から山田線が全線での運転が再開されたということで喜びの声も多く上がっているようなのですけれども、一方で、赤字の解消が課題ということで、JRと県北バスが連携するなどの取組が行われています。まず、今日から山田線運転再開になったことへの知事の御所感と、赤字解消に向けた取組について、県としてはどう考えているかお聞かせください。
知事
まず、直って良かったなというところであります。
赤字ということについては、突き詰めますとJR東日本という会社全体の中で、経営の在り方というのは求められますので、個別の路線の個別の区間などについての赤だ、黒だということは、それがそのままその路線の存廃に直接理由にはならないというふうには思っているのですけれども、一般論として、せっかくインフラとしてある線路は活用されたほうがより良いわけですし、北上高地を横断する盛岡市と宮古市を結ぶ山田線というのは、景色も良いし、いろんな楽しみ方がある路線です。あと、通勤、通学、通院などの生活密着の線路としても機能しますので、今回の復旧で改めてそういう鉄路のありがたみというものを地元の人に感じてもらい、また、県としてはそれを観光などでの利用でまた改めて発信して、利用が増えるようにしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点、話題が替わりまして、小中学生の全国体力調査の結果について、小中学女子の体力合計点が統計を取り始めた平成20年度以降過去最低の結果となったようです。要因として、昔と比べて生活習慣の変化が考えられるということなのですけれども、知事の小さい頃を振り返っていただいて、これから子供たちが運動が好きで、規則正しい生活を送るためには何が必要だと考えますでしょうか。
知事
そうですね、ちょっと下がったから、それは良くないことと一概に言えないかもしれないという留保はしつつも、体力はあったほうがいいものでありますので、特に、運動不足とか、そういう背景を考えますと、運動はやはりしたほうがいいのだと思います。
私が小さい頃は、子供は近所の神社とか、空き地とか、広場とか、そういうところに集まって走り回るような遊びをしたりとか、あとは家の前の道路でやはり走り回るような遊びをしたりとかしていたものですので、そういう機会が今あまりないというのは、子供たちにとっては気の毒なのだと思います。やはり交通安全や、その他様々な安全等の関係で、一定の管理の下に安全な公園などをきちんと確保して、そういうところで遊んでもらったり、あとは学校での体育や、そして、地域と連携してやろうということになっているスポーツ活動などを通じて、やはり体を動かす楽しさとか、それを一人でトレーニングするだけではなくて、友達と遊びながら体を動かす楽しみを感じてほしいなと思います。
記者
私からは2点お伺いいたします。
まず1点目、県産米についてお伺いします。昨日、2025年の県産主食用米の生産目安が公表されまして、国による生産調整が廃止された2018年産以降、初めて前年の生産目安を上回りました。米の需要回復などを受けて、全国的にも増産傾向の見通しで、県内の農家さんからは過剰な供給による値崩れを懸念する声もあります。生産目安が初めて前年を上回ったことへの受け止めと、物価高で生産コストも今上昇する中で、農家の所得向上へ今後どのように取り組まれるかお聞かせいただければと思います。
知事
減反という田んぼの面積を減らし、米の生産量を減らす政策が日本で取られるようになった頃は、米が余って余ってしようがなくて、でも、国が全面的に買い取って、それをまた安い価格で市場に提供するということをやっていて、あまりにその差が大き過ぎて国の赤字が増えてしまうので、減反にかじを切り今に至っているのですが、お米の供給量と需要量の差というのが、そんな圧倒的な米余りではもうなくなっているということだと思います。去年みたいに、自然災害にインバウンド需要とかいろいろ組み合わさると需要のほうが多くなり、供給が不足するということも出てくる時代になったということだと思います。
ですから、ここで改めて考えるべきなのは、国が全面的に買い取って価格を保障し、そして、それより安い価格で市場に提供するということを昔ほど差額のお金を出さずに今できるようになっているのではないかということは、改めてそういうことを考えてもいいのだと思います。そして、そういう価格で生産者が困らないようにするというやり方と並んで所得補償ということで、価格が下がったら、その分所得を補償して、いずれ生産者が困らないようにするということを今徹底できる状況になったのだと思います。昔は、生産者が多過ぎて、米が余り過ぎて、国のお金でそこを支えられなくなったということでやめてしまったわけですけれども、今みたいなぎりぎりで需給が均衡するような状況であれば、改めて生産者をしっかり支えながら、需要に必要なお米を確保するということができる情勢になってきているので、国としてそういう方向に政策を転換していくべきときなのだと思います。
記者
ありがとうございます。話題が替わりまして、キオクシアについて伺います。キオクシアが(12月)18日に東証プライム市場に上場しました。これによって生み出された8,000億円を超える資金は、生産力の強化に主に活用されることになりますけれども、本県では第2製造棟の稼働準備が進む中での上場となりますけれども、本県での生産面での期待感があればお聞かせいただければと思います。
知事
第2製造棟をフル回転させていく、さらに、第3、第4も視野に入れていくと何兆円もの投資が必要になりますので、そういう兆円単位の資金を確保するには銀行からお金を借りるだけではなくて、株の形で市場から資金を調達するということができますと多額の投資の資金を確保することができるようになりますので、これで第2製造棟フル稼働から第3、第4へという、そういうビジョンが広がるなというふうに期待をしています。
記者
ありがとうございます。関連して、キオクシアの第2製造棟が本格稼働すれば、更なる人材確保も必要になるかと思います。今、人手不足が全国的に深刻な中で、県として人材確保対策ですとか、今後の産業振興にどのように取り組まれていくかをお聞かせいただければと思います。
知事
北上に造っている半導体関連人材育成施設が来年度から使えるようになり、全国に例を見ないし、海外にも例がないような半導体向けの人材育成体制ができます。それに合わせて、小学校から工場見学ですとか、そして、高校、工学部での半導体関連の教育の機会を強化するとか、そういうキャリア教育から実践的な半導体関連教育を学校でやるということも含めて、学校のほうでもそういう強化を図っていくようになっていく方向ですし、そして、日本全体で半導体に力を入れる中で、実は岩手の長い歴史に裏打ちされて半導体に関係する企業や個人がすごく連携体制を取って人材育成して、産業振興しているというのが日本全体に見えるようになってくると、県外からUターン、Iターンということもより期待できると思いますので、そういったことを総合的に行って人材が確保できるようにしていきたいと思います。
記者
少し戻ってしまって恐縮なのですけれども、ILCの関係だったのですが、昨今、欧州のほうが来年3月をめどに研究者からの意見聴取というのを行っていまして、実現可能性について、欧州としても前に進めているという段階にあります。こんな中、日本の研究者からは予算獲得も大事なのだけれども、どちらかというと政府に前向きな姿勢をとにかく表明すべきタイミングだということをおっしゃっている方が多いのですけれども、こういった現状についての御所感と、あと、岩手県としてこの状況について、来年3月というのを一つの区切りとした際に、どのように対応していくべきかというお考えがあればお聞かせください。
知事
日本におけるILCというのが政府レベルで正式に決まらないということが続く中、世界の研究者の中では、ではヨーロッパのほうに同じような研究ができる体制をつくっていこうかという議論が出てきていますし、あと、中国が中国独自の施設を造ろうかということも出てきているということだと思います。ただ、議論をそれぞれ進めていくと、でもやはり直線型で日本に造ろうとしている、日本に造るということで議論されているILCのほうが効率も良いし、現実的に安上がり、いいところばかりだなというふうに、ILCの良さがより見えてくる。ヨーロッパ、中国のほうの動きが活発になればなるほど、実はILCというのは良いのだなというのが見えてくるというところもありますので、そういう流れの中でILCという日本政府の決断が行われるよう働きかけていきたいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は12月27日(金曜日)の予定です。
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