令和6年11月1日知事会見記録
開催日時
令和6年11月1日10時00分から10時32分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はありません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
私から2点お伺いいたします。
まず1点目、衆院選後の国政について伺います。今月(11月)11日に見込まれる首相指名選挙をめぐって、自民党と国民民主党が政策協議開始に合意したり、あと、立憲民主党が維新や共産との党首会談に臨むと、そういった状況があって、与野党の駆け引きが激化しているということになります。こういった今の状況について、まずは、知事はどのように御覧になっているか、お聞かせください。
知事
野党側が準備不足な状態で、早く解散総選挙をしてしまおうということで、速攻解散総選挙になったわけです。それでも、自公過半数割れということで、与党敗北、野党勝利ということになったわけですけれども、野党側の準備不足ということがあって、せっかく勝ったのに野党としての政権樹立という形には、まだならないということなのだと思います。
記者
ありがとうございます。知事もこの前の衆院選後のぶら下がり取材のほうで、敗北を喫した自公がそのまま政権を継ぐことはできないと、そういった御発言もありましたけれども、あるべき政権の在り方について、改めてどのように思われますでしょうか。
知事
石破首相自身、自公で過半数というところに勝敗ラインを引いて、過半数割れという結果でしたので、自公敗北という、まず、そこからスタートなのだと思います。ですから、国民も自公政権にノー、不信任という投票を示していますので、選挙前の自公政権の延長のようなものでは駄目なわけでありまして、むしろ、野党側が勝ったという形ですので、野党側が主張していたこと、それは政治に関してけじめをつけるということも含めて、そういうことが実現するような政権が求められているのだと思います。
記者
ありがとうございます。話題は変わって、今月6日に知事が会長を務められていらっしゃる北海道東北地方知事会議が仙台市で開かれるということですけれども、テーマとしては震災からの復興であったり、大規模災害への備え等が挙がってくると思いますが、今回の会議の特徴であったり、あと、どのような方向性を打ち出すのかについてお聞かせください。
知事
今回は、防災というところが中心になると思います。東日本大震災津波、それをきちんと伝承を発信していくということが大事になってきていますけれども、この間、多くの大規模な災害、地震ですとか、豪雨災害ですとか、東北各県を襲っていますので、それらの東日本大震災津波以降の災害のことも振り返りながら、地震については日本海溝・千島海溝沿いの地震による津波も予想されていますし、そして、大雨については頻発化・激甚化が進んでいますし、そういったこれからの災害への備えというところに焦点が当たっていく形になると思います。
記者
最後に、今回の会議では岩手県としての発言もあると思いますけれども、県としてどのような御意見であったり御提案をされる予定でしょうか。
知事
防災関係が中心のテーマにはなっていくのですが、北海道、東北として政府にアピールしていくような中身としては、ILC(国際リニアコライダー)のことがありますし、あとは、医師不足対策や物価高騰による公立病院等の経営の困難さというところの支援措置など、そういったところも岩手県としては重視していきたいと思います。
記者
大谷選手がワールドシリーズ優勝を果たされたということで、改めて知事の御所感と、あと、県として県民栄誉賞などを含めまして、今後のアプローチをどうされるか、お伺いさせてください。
知事
大変すばらしいと思います。高校生の頃からの夢といいますか目標ですね、具体的な目標を掲げ、それがいかに高い目標であっても、そこに至るための道筋をきちっと描いて、一つ一つ積み重ねて目標を達成したということで、大変すばらしかったと思います。このような目標を目指して、そして、それを達成するというやり方は、全ての岩手県民にとって参考になり、また、励みになるものだと思います。
それから、県としての顕彰については、今のところ具体的なアイデアはありません。過去、内々打診して、県民栄誉賞をまだいただく時期ではないというような感じで辞退されたことがありますので、そういった過去の経緯から考えると、では、今、もらえる状況になったのかというと、何となくまだまだ先があると本人も考えているように感じているのですが、御本人の様子をうかがいながら、検討していきたいと思います。
記者
私からは、話題が変わりまして、水産業についてお伺いします。海水の流れが速まる急潮によって、県内の定置網の破損が相次いでおります。既に操業再開を断念した漁協もあるなど、主力魚種の不漁に拍車をかける事態となっておりますけれども、県として今後どのように対応されるかお伺いできればと思います。
知事
新しい現象ですので、まず、何が起きているのかということを漁業者の皆さん、漁業団体と県も一緒に調査、分析しながら対策を検討したり、また、損害をどう克服していくかということも相談していきたいと思います。
記者
アメリカ大統領選、私たちはすべからく傍観者だとは思うのですけれども、外交官でもいらっしゃったので、直前ですし、一言何かあれば。
知事
マイケル・ムーアさん、映画監督で、トランプ大統領が誕生するとき、アメリカの主要マスコミがトランプ大統領というのはないだろうと、ヒラリー・クリントンさんが当選するだろうと予測していたのに、有名人の中ではマイケル・ムーアさんだけが、今回はトランプ大統領が当選してしまうということを言っていて、それが当たったのですが、今回、カマラ・ハリスさんが当選するぞということをマイケル・ムーア監督は言っているのです。接戦州でトランプさんの支持のほうが高いというような統計が出ているのですけれども、それでも、カマラ・ハリスさんが勝つということをマイケル・ムーアさんが言っていて、そのことが私は気になっているというか、そこに注目しているところです。
そうですね、話している中身は、カマラ・ハリスさんのほうがなるべく国を分断させない、国民を分断させずに調和的にやっていきましょうということを言っているのですけれども、民主党サイドのそういう主張が共和党サイドからすると、そういう言い方がかえって対立を助長しているみたいな受け止め方になっていて、そして、反発されていて、カマラ・ハリスさんが当選したときにトランプ支持者、トランプさん本人も含めて、選挙に不正があったなどと言い出せば、暴力沙汰になっていく可能性も指摘されていて、非常に危うい状況になっているのだと思います。ですから、どっちが勝ってもアメリカは大変なことになるというような、そこまで基本的な対立が深刻になっているがゆえに、どっちが勝ってもうまく収まらないような状況になっているという悲惨な状況で、アメリカの友人として、日本も人ごとではないというふうに見ていくべきなのだと思います。
日本から何ができるかというと、ぱっとは思いつかないのですけれども、日本は日本でグローバル化する経済とか、新自由主義的な経済政策で広がる格差とか、そういうものに対して、それを是正していくような政策でありますとか、あと、様々な社会運動、東京(都)の日比谷公園での炊き出しのようなことも含めて、いろんな対立、分断を乗り越えて共存、共栄していくような工夫というのを、日本国内の中にもいろいろありますので、日本の中でそれを発展させて、アメリカの参考にしてもらえればみたいにできればいいのではないかなと思います。
記者
岩手の県産米で、1等米(比率)が全国1位になったというところで、知事も田植なりのPRとかをされてきましたが、今回、全国1位になったという受け止めと、今後の展開といいますか、販売とかその辺り、どういったお考えがあるかお聞かせください。
知事
生産者の皆さんの努力のたまものだと思います。猛暑ということに気をつけて、猛暑の中でも良い実りが得られるような様々な工夫を、去年(令和5年)の猛暑を経験する前にはやっていなかったようなことも新たに工夫したりしてやった、そういう成果が上がっているのだと思います。水をきちっと確保するためのことでありますとか、そして、温度変化に迅速に対応する水管理から育成管理など、そういったことが、猛暑ということが時々起きる時代の中でも、岩手県内できちんとやれているということで、大変すばらしいと思います。
記者
1等米になったというところで、今後何か更にPRだったり、販売促進していくというようなお考えとかは、今のところありますか。
知事
現在、1等米比率日本一というのはどんどん発信していきたいと思いますし、小売の現場でも、これはもう小売の現場としてもそういうのはPR材料ですから、そういった業者さん方と連携してアピールしていきたいと思います。
記者
今日から11月ということで、自転車のながら運転が罰則対象になるということなのですが、県内でもながら運転している方をたまに見かけることもあると思うのですが、知事から県民に呼びかけたいことなどありますか。
知事
もともと気を付けてほしい、やってはいけないようなことだったのですけれども、罰則の対象になるということで、一層気を付けてほしいと思います。盛岡市を始め岩手県内、都市部でも自転車による移動というのが結構重要な移動手段になっている岩手県でありますし、また、今年からサイクリングコースについても、広い岩手(県内で)おすすめコースを設定して、サイクリングも推進している岩手県でありますので、自転車運転のルール、マナーについては一層気を付けてほしいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点、ちょっと違う話題にはなってしまうのですが、岩手山の噴火レベルの引上げから1か月がたとうとしていますが、この1か月で観光面であったり様々影響が出たと思いますが、知事として1か月間見てきて何か感じることはありましたでしょうか。
知事
1990年代に岩手山の噴火が取り沙汰されたときに比べれば、基本的に落ち着いていると思います。大きな騒ぎにならずに、気象庁の発表に従って、そのデータに基づいて、落ち着いた対応ができているかなと思います。風評被害的なことはゼロではなく、火口の周辺部分がリスクがあるとされている状況で、そこに入らないために登山道入り口から封鎖しているわけですが、山全体が危険なわけではないということはいろんな機会を通じて周知を図って、安全な形で秋の岩手山周辺を、観光でありますとか、交流でありますとか、活用してほしいと思っています。
記者
ありがとうございます。これから……
知事
そうですね、今度の月曜日(11月4日)にもいわて希望塾という、全県の中学生に、住所的には滝沢市ですけれども、岩手山の麓にある国の宿泊学習施設に集まってもらって、いわて希望塾というのをやったりしますので、そういうのはオーケーなので、どんどんやってほしいと思います。
記者
これからどんどん雪が降って、噴火自体の調査というものも積雪によって難しくなるというのもあると思うのですけれども、県としての支援だったりとかというのは考えていらっしゃいますでしょうか。
知事
そうですね、衛星からのリモートセンシングでかなり分かるようになってきているところもあるようで、そんな心配はしていないのですけれども、一方、火山対策を本格的にやっていこうというのは、国を挙げて近年、新しい流れとしてあって、火山関係の法改正もあって、文部科学省を中心に火山研究をより強化していくという、そういう国の政策もありますので、そういう国の政策の流れの中で、岩手山に関する普段の観測体制も強化されていけばということを期待します。
記者
私はあんまり質問する機会がないのですけれども、大谷選手のことを私も聞かせていただければと思うのですが、今回、移籍をして、その移籍した最初のシーズンでワールドシリーズ優勝も収めて、あと50―50とかも達成して、1年で大きな成果のあった年だと思うのですが、こういった大谷選手自身が成し遂げていくのはどういうところが要因なのだと知事は分析されるでしょうか。
知事
そうですね、高い目標を掲げても、着実にそこに向かっていくということがまずあるのですけれども、もう一つ、結構ハプニングがあるということも大谷翔平さんの魅力だと思っていて、ワールドシリーズで盗塁を決行して、それで肩をけがしてしまったということがあったのですけれども、それでも試合に出られなくなるほどではなくて、次の試合で、第1打席フォアボールで、次の選手がホームランを打って、けがして、素人目に見て満足に打てなくなっているような感じもしたのですけれども、それでも得点を稼ぐのに貢献をしているという、そういう、ハプニングはあるけれども、でも活躍しているというようなところも含めて、大谷翔平さんの魅力だと思います。そこは、計算だけでやっているわけではないところはあって、一方には、目標に向かって着実に進んでいく手堅いところがあるのですけれども、もう一つはいろんなハプニングを受け入れて、自分のものにするというのですか、肘の故障でピッチャーができなくなったということも、今シーズンの始まりに当たっては一大ハプニングだったと思うのですけれども、打撃に集中することで、そして、盗塁をどんどん積極的にやることで、50―50超えという、当初、誰も想定していなかったような大記録を打ち立てるとかしましたし、そういう計算ずくで緻密に積み上げていく部分と予想外のハプニングを受け入れて想定外の活躍をするという、その両面が大谷翔平さんのすごいところだと思います。
記者
ありがとうございます。大谷選手の件でもう一点……
知事
一言でくくると、野球が好きだからなのでしょうね。野球が好きだからこそ、なかなかまねができないくらい緻密な積み上げという地道な努力も着々とやる一方、野球が好きだから、大きいハプニングが起こっても、それを全面的に受け入れて、更に活躍してしまうという、野球大好きというところが大谷さんのすごさだと思います。
記者
そんな大谷選手を全国民が、野球だったり、MLBファンでない(人たちの)中でも関心事になっている。こういうムーブメント的なものも含めて、背景というのはどう感じられますか。
知事
どんな分野でも、それを徹底すると、もうその分野を超越した存在になるということがあって、ですから、大谷翔平さんも野球人としてもう徹底して、そこの道を極めつつあるがゆえに、野球以外のいろんな分野の人たちにも愛されたり、参考にされたりするようになっているのだと思います。
それを参考にすると、岩手県という県も日本の地方であることを徹底することによって、日本の地方であることを超越して、世界に通用するような地域になっていくのではないかなと感じるところがありますので、大谷翔平さんが一足先にやっていることを岩手県全体としてもやれればいいなと思います。
記者
ありがとうございます。今、ちょうど話の振りみたいになったので、ついでに追加でお聞きしたいのが、先月(10月)ブランド総合研究所が都道府県の魅力度ランキングを公表しまして、2024年版で岩手(県)が47都道府県中35位だったという結果でした。去年は29位ですか、ランクを落としてしまったのですけれども、今回の結果の受け止め、率直にお聞かせいただいてよろしいですか。
知事
ブランド総合研究所のランキングは、一言で言うと認知度なので、マスメディアで取り上げられることが多かったり、旅行の分野で取り上げられることが多いような都道府県が常に上位にあって、そういう点であまり情報網に乗らないような県、北関東の県とか、そういうところが最下位のほうになるというところがあるので、情報網に乗れるなら乗れたほうがいいにこしたことはないのですけれども、中身の良さが反映されているわけではないと思っていまして、常に最下位のほうにある北関東の県も中身は非常に良いところですから、それが知られていない、プラス交通の便がいま一つだったりして、新幹線が通っていないとか、新幹線があまり止まらないとか、そういうところの情報的に知られていないことと交通の便のいま一つ不利さ、それであのランキングは下のほうに行ってしまうので、これというのはおよそ人口の少ないところというのはそうなってしまいますね。
そして、岩手県の中でも、そういう良さが知られていない、交通がちょっと不便なところは人口が少ない状態でいるわけですけれども、そういうところを構造的に逆転できるような世の中にしていければと思います。今(は)あまり知られていないところの良さがどんどん知られるようになっていけばいいのだと思います。
ちなみに、同じ頃、寺島実郎さん監修、日本総研の都道府県幸福度ランキングも発表され、岩手県は史上最高の30位にまで来ているのですけれども、あっちのほうが50とか60とかの指標を使って一応順位を出している。岩手県がやっている幸福関連指標の政策と同じようなことをやっていて、向こうのほうが参考になるかなと思っています。
記者
そうしますと、あくまで一面的な部分であって、そこの順位に一喜一憂する必要はないということですね。
知事
そうですね。言い換えると、ブランド総研のものは人気投票みたいなものだと思います。だから、北海道とか東京とか京都とか沖縄が人気があるということで、なかなか人気の点で、それら人気者都道府県を追い越すのは難しいのですけれども、中身を良くしていく努力をし、プラス人気もあったほうがいいにこしたことはないので、そこはやっぱり人気も高める工夫もいろいろしていきたいと思います。
記者
そうしますと、寺島実郎さんの話もあったように、知事の考える岩手の魅力やPRの仕方というのは、どこに軸を置いていると捉えればいいでしょうか。
知事
もう一回お願いします。
記者
知事がお考えになる岩手の魅力とはどこで、そして、それはどういうふうなPRをすると、ブランド総研ではなくて、評価が上がってというか、認知度が集まって、人が訪れたり、経済効果が上がるかという。
知事
ニューヨーク・タイムズが盛岡を取り上げたところから、まず、そのことをPRの材料にして、人口が少なくても、そこに住んでいる人たちが普段利用している場所が魅力的なのが岩手県ですよという切り口でPRしているところです。
あとは、沿岸の三陸、みちのく潮風トレイルも外国人観光客は増えているのですけれども、やっぱり外国人の目から見てというところが、全国の人たちがそれまで気付いていなかった魅力を新たに発信するのに良いきっかけになるので、去年、今年はその辺のインバウンド観光振興の方向性で、それを国内の人たちにも広めていくというような感じでやっています。
記者
やっぱり外国の方が見た日本を日本人も改めて発見するみたいな形は、確かにおっしゃっているとおりだと思うので、そういう切り口で、そこを重点というか、そういう戦略でこれからもPRしていくという捉え方でいいのですか。
知事
そうですね。そういう物差しで測ると、盛岡市が地方筆頭のような存在になっていて、都道府県で言うと岩手県が地方筆頭のような状況になっていますので、そういう視点でアピールしていけるのではないかなと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は11月8日(金曜日)の予定です。
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